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二章
幕間 レオン・2
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診療室に入った瞬間、鼻をつく鉄の匂いがした。
リベリオさんの診療室は、入ってすぐの部屋にベッドが一つと、奥の部屋にベッドが三つある。
その入ってすぐの部屋のベッドの側に、騎士見習いのジョヴァンニがいた。
雑巾で床を拭いている。
「ジョヴァンニ…これは一体…」
「レオン…」
その側にあるベッドは夥しい量の血液で真っ赤に染まっていた。
床にも血が飛び散っている。
これがシエルの血だと言うのならば、暴れた、というのが納得できる惨状だ。
「シエルは?リベリオは?」
セスがジョヴァンニに聞く。
「シエルは向こうの部屋です。すみません、俺もよくわかっていないんです…シエルが診療室で暴れて傷が悪化したことと、リベリオさんの治癒術で何とか命の危機は脱したことしか…後は様子を見てろと言ってリベリオさんはいなくなってしまって…」
「…命の危機は脱したのか…。よかった…」
セスが安堵の声を漏らした。
命の危機は脱した。
俺もセスもそれが一番知りたかったことではある。
何があったのかよくわからないが命が助かったのなら本当に良かった。
ジョヴァンニに促され隣の部屋へ行くと、奥のベッドでシエルが眠っていた。
その右腕には点滴が繋がっている。
「シエルは…なぜ暴れたの?」
「すみません、俺もその時はいなかったのでわからないんです。リベリオさんも理由については何も言わなかったので…。リベリオさんと何か揉めたんですかね…あの人、口が悪いから…」
セスの質問に答えられず、申し訳なさそうにジョヴァンニが推測を口にする。
考えられる理由としてはそうかもしれないけど、でも…
「シエルは人と揉めて暴れるようなやつじゃない気がするんだけどな…俺が知る限りは、だけど」
3班のメンバーと言い争うようなところも見たことがない。
最も、パーシヴァルの件以降のことしか知らないので今のみんながそうなだけで、過去にはそういうことがあったのかもしれないが。
「たぶん痛み止めを連続投与したせいで…興奮状態にあったんだ。理由については、ガヴェインが言わないなら…後はニコラに聞くしかないね…」
とりあえず昼にニコラに話を聞くことにして、セスを部屋へと連れて行ってから俺は風呂に入った。
セスは駐屯地に戻ってきてすぐの時に比べるとだいぶ良くはなってきているが、食欲はないみたいで昼食へ行くことを悩んでいた。
しかしニコラに話を聞きたいと、無理を押して食堂へと出向いた。
足取りは大分しっかりしてきて、少し手を貸すくらいで良い程度までは回復したようだった。
食堂に入ると、班長以外のみんなが揃っていた。
セスの姿を目にすると、皆一様に不安を顔に浮かべた。
「セス、シエルが…」
ニコラが言い淀む。
ニコラはシエル以上に大人しい少年、というイメージだ。
口数も少なく、いつも自信なさげな様子だが、術師としての実力は確かである。
もっと自信を持てばいいのに、と俺はニコラを見ていつも思う。
「ああ…話は聞いたし、実際に様子も見に行った」
「会ったの?シエルに?シエルは大丈夫なの?生きてるんだよね?」
セスの言葉にニコラが矢継ぎ早に質問する。
そうか、ニコラは診療室を出されたからシエルが助かったことは知らないのか。
「生きている。俺も、それしかわからないが…」
「よかった…」
ニコラだけじゃなく、全員が安堵の表情を浮かべた。
「それで、なぜこんなことになったのか教えてほしいんだけど」
みんなが食べ始めるのを待ってからセスがニコラに聞いた。
セスの言葉にニコラだけではなく、他のみんなも気まずそうに視線を泳がせたのを俺もセスも見逃さなかった。
誰も口を開こうとしない。
「…俺に何か関係することか」
みんなの様子で何かを察したセスが静かに言った。
この場には事態を把握していない俺もいるわけだが、俺が関係しているということはこの場合考えにくいのできっとそういうことだろう。
「…言ったら、セスは怒るだろうから」
「怒る?俺が?」
ニコラの言葉にセスは怪訝そうに聞く。
きっとあれだな、リベリオさんがセスのことを悪く言ってそれにシエルが怒ったとかだろ…。
「シエルは助かったんだ。ならもうそれで良くないか?」
アイゼンが気まずい雰囲気を破るように言った。
言いづらいことなのだろうが、決してこのまま終わりにしていいとは思えない。
「……」
セスは何も言わない。
それはそうだよな。良くないよ。わかる。
「ここまで来てそれはないんじゃないか?みんなは逆の立場ならここで濁されらどう思うんだ。命に関わったことなんだぞ」
一応フォローを入れる。これで誰か話してくれるといいのだが…。
「じゃあセス、絶対にシエルに怒らないであげてほしい。シエルがあんなことをした理由は僕もわかるんだ」
ニコラが予防線を張る。
「…わかった」
セスもその言葉に素直に頷いた。
「リベリオって人、セスを侮辱するような言葉を言ったんだ。それでシエルが怒って暴れたんだよ」
ほらな。だと思った。
俺は以前からリベリオさんがセスのことを良く思っていないのを聞いていたからというのもあるが…。
「……」
沈黙が流れた。
気まずい。
他のみんなもセスの出方を窺っている。
「…リベリオは、俺のことを何て?」
しばらくしてシエルのことには触れずセスが聞いた。
「それは…」
ニコラが視線を逸らして言い淀む。
それを見てセスはニコラの隣に座っていたフィリオに視線を移した。
「僕もその内容は知りません。ニコラは言わないので。本当です」
セスの視線を受けたフィリオが慌てて言った。
「……」
セスが手を付けていない食事に視線を落とす。
その表情は険しい。
「ほら…怒ってるじゃん…」
ニコラが泣きそうな顔で言う。
「怒ってないよ」
怒っている人間の常套句をセスが口にした。
「シエルの気持ちはわかるんだ。僕だってシエルと同じ気持ちだった。班長だってそうだ。あれはリベリオって人が悪いよ。誰だってあんな風に仲間を侮辱されたら怒る」
シエルをフォローするようにニコラが必死に訴える。
「俺は怒ってないよ。シエルには」
「え、じゃあ僕に怒ってる?ご、ごめんセス…」
ニコラがさらに泣きそうな顔になって言う。
まるで小動物のようだ。
「違う、そうじゃない。怒ってるのは自分に対してだ。シエルが暴れたのは俺のせいだからな…」
「セスのせい、ではなくセスのため、です。僕たちだってシエルと同じ気持ちですよ。シエルも悪くないし、貴方も悪くない」
そうだな。
セスのせいではない。
フィリオの言葉に他のみんなも頷いている。
「…ありがとう。シエルが俺のために暴れたと聞いて心中穏やかじゃないのは確かだが、でもそうじゃないんだ。シエルがいくらそれで腹を立てたとしても普段ならそんな行動にはでないはずだ。なのにそれを行動に移したのは痛み止めを短時間に連続投与したせいだ」
そういえば先程もそんなようなことを言っていた。
痛み止めを連続投与したから興奮状態にあったと。
「横穴で注射してたやつ?」
「ああ。俺はシエルに怪我の直後に1回打って、下山の直前にも4班の治癒術師に打つように頼んだ。あの薬は…本来一度打ったら次まで24時間以上空けないといけない。それを俺は5~6時間でシエルに連続投与した。その結果、中毒症状を起こして興奮状態に陥ったんだ」
医術的な話に誰も口を挟まない。というか、何を言えばいいのかわからない。
だがそれが上に知れたらかなり問題になるだろうということはわかる。
「そうなることをわかっていた上で俺は連続投与をする判断を下した。興奮状態にあってもシエルがそんな行動に出るとは思ってなかったからだ。苦痛を取り除いてやりたかった」
「逆に言えば、興奮状態になくてもシエルが同じ行動に出た可能もあるのでは?」
セスの話を聞いてリーゼロッテが推測を口にする。
「確かにその可能性もあるだろう。だが痛み止めを打ってなければシエルは物理的に無理だった。痛覚が邪魔をするからだ。しかし命を守るための痛覚をあの薬は麻痺させる。それこそ死に至るくらいの怪我でも動けてしまう。それだけでも危険なことなのにそこから興奮状態になったらより危険になる。だから連続投与が禁じられているんだ」
「でもさ、連続で2回打つことの影響は興奮状態に陥ることだろ?その薬自体の効果が痛覚を麻痺させることなら、用法を守ったって同じことじゃないか?」
アイゼンがフォローするように言う。
「まぁ…そうだね。1回だけ打って興奮状態にないシエルが自分の意思で同じ行動に出れば、同じことと言えるかもしれないね」
「じゃあセスのせいじゃないよな?実際連続で打ったから暴れたという確証はないわけだし」
アイゼンが周りに同意を求めるように尋ねた。
そうだな、と言っていいものなのかどうかは微妙なところだ。
シエルは痛覚が麻痺したことにより暴れた結果、命を危険に晒した。その行動を起こした原因が痛み止めを連続投与したことによる中毒症状なのかどうかは確証がない。興奮状態になくてもシエルが同じことをした可能性は0ではないからだ。
だがセスは中毒症状を起こすであろうことをわかっていた上で、本来24時間空けなければならない薬を5~6時間という短い時間でシエルに投与した。
シエルが薬の影響で暴れたのか薬に関係なく暴れたのかはこの際どちらでもよくて、この結果によって露呈するセスの判断の方が問題になってくる。
「今回の問題点は俺が連続投与の判断を下したことにある。言い方は悪いが、シエルがこのような行動を起こさなければこの問題は露呈することはなかった。だがこうなった以上、連続投与の影響と考えるのが一般的見解だろう。そうなれば俺の責任は免れない。何かしらの処分は受けることになる。…あぁ、勘違いしないでほしいんだけど、それについて別にシエルを責めるつもりはない。俺が悪いというのはわかっているから」
「そんな…」
アイゼンが絶望的な顔をする。
「ねぇ、セス。その薬を連続投与したことはもう報告したの?」
エレンが聞く。
「…してない。まだ」
「じゃあここにいるみんなが聞かなかったことにすればそれで解決じゃない?」
なるほど、そうすれば問題が露呈することはないと言いたいのか。
確かにいい案かもしれない。倫理的にはよくないが。
「もしそれをするというのであればジョヴァンニもそのことを知っているから口止めをしなければならないな」
診療室でもその話はしていた。ジョヴァンニもそれを聞いていたはずだ。
「いや、その必要はない」
セスが静かに言った。
「正直…バレなければいいと思っていた。連続投与しても何も問題を起こさず24時間も経過すれば中毒症状は抜ける…でも、そんな浅はかなことを考えたのがそもそもの間違いだったんだ。俺の判断の結果、シエルは命を危険に晒した。これで本当にシエルが命を落としていたらそれこそ悔やんでも悔やみ切れない。だから俺は…罰を受けなければ」
「でもそれだってシエルのためだろう?シエルだってそんなセスの判断を責めることはしないのではないか」
セスの言葉に今まで黙っていたベルナデットが口を開いた。
そう、セスのその判断もまたシエルのためなのだ。少しでも苦痛を和らげてあげたいという…。
「そうだけどね…今回はそれが裏目に出てしまった。そうなった責任は取らなければならない」
「お互いにお互いのための行動が裏目に出てしまったんですね…。なんだかやり切れないです」
リーゼロッテが悲しそうに目を伏せた。
「そういうこともあるさ。俺はシエルが薬による中毒症状を起こしていても、事を起こすような人間だとは思っていなかった。俺がシエルのことを知らなすぎたんだ。逆にシエルが…他のみんなも俺のために怒ってくれて嬉しく思うよ」
どこか吹っ切れたようにセスが言う。
「そんなの悲しすぎるよ…だってこれはリベリオのせいじゃないか…リベリオがあんなこと言ったせいだよ!」
突然大声で叫んだニコラに、俺たちはみんな驚きを隠せなかった。
「ニコラ…」
「リベリオの発言のせいでシエルは傷ついてセスはその責任を取らなきゃいけないのに、リベリオには何のお咎めもないなんて…そんなのおかしいよ…!」
ドンッとニコラが強くテーブルを叩いた。
ニコラの言いたいことはよくわかる。そもそもの元凶はリベリオさんの発言にある。詳しくはわからないけれど、リベリオさんが余計なことを言わなければこんなことにはならなかった。
「ニコラ落ち着いて。リベリオはただのきっかけにすぎない。それがあったから問題が露呈するだけであって、どちらにしろ俺の医術師としての判断が間違っていたことは変わらない。今回こういう結果にならなければ、俺はそれを良しとしていた。それじゃダメだとシエルが教えてくれたんだ。だから大丈夫だ。いいんだ」
「よくない!!」
そう叫んで勢いよく立ち上がり、ニコラは食堂から走って出て行ってしまった。
「ニコラ待って…くっ…!」
それを追いかけようと急いで立ち上がったセスがよろめいて地面に膝をつく。その時に激しくぶつかった椅子がうるさいくらいに音を立てた。
「セス!大丈夫か」
「僕追いかけてきます!」
「俺も」
セスに代わってフィリオとアイゼンがニコラを追いかけるために食堂を出て行った。
「ニコラ…」
静寂に包まれた食堂にセスの苦しそうな声が響いた。
結局、あの後しばらく待ってみたが食堂に3人が戻ってくることはなかった。
いつまでも3班が食堂を陣取っているわけにもいかないので、俺たちは一度解散することにして、セスが風呂に行っている間に俺はフィリオたちの部屋を訪ねた。
「レオンさん…」
案の定、そこにはニコラもいた。部屋の奥のベッドに座っている。
俺の顔を見るなりニコラは視線を逸らし、どこか不貞腐れたような表情をした。
「気持ちは落ち着いたか?」
「……」
何も言わないニコラの隣に俺は腰かけた。
「納得はできない」
意外に芯の強い人間なんだな。
俺はこの3班の絆を純粋に羨ましく思う。仲間のために、という思いはみんな一緒なんだ。
「そうだな、それはみんなそうだろう。ただ、俺たちがリベリオさんに何かの処罰を求めることはできない。セスが責任を取るつもりでいるなら処罰を免れることもできない。でも寛大な処分を求めることはできる。俺たちで署名をして進言書を提出しよう」
「進言書…!」
俺の言葉にニコラのみならずフィリオもアイゼンも表情を明るくした。
その場で俺たちは署名をし、女性たちには夕食後に署名を求めることにして、俺は部屋を後にした。
部屋に戻るとセスはまだ戻っていなかった。
それからしばらく経ってからやっと戻ってきたセスは、ヴィクトール隊長に例の件を報告したのだと俺に話した。
「ヴィクトール隊長は何て?」
「リベリオと相談する、と」
なるほど。あの人はセスのことをよく思っていないだろうから心配だ。
「ガヴェイン班長にはこのことは?」
「会ってないからな。まぁ、ヴィクトールから聞くだろう」
「そうか…。ニコラについては中々納得はできないみたいだったがひとまず落ち着いてはいる。フィリオとアイゼンが一緒にいるから大丈夫だろう」
俺がニコラの名前を出すとセスの瞳が揺れた。
「そう…シエルといいニコラといい、普段大人しいと思ってた子がずいぶん意外な一面を見せるね。それとも、俺がみんなを知らなすぎただけなのかな…」
そう言ってどこか悲しげに瞳を閉じた。
夕食時、ガヴェイン班長からシエルの命は助かったがしばらく面会謝絶だと聞かされた。
誰もあの事には触れず、何とも言えない空気の中での食事だった。
夕食後に女性たちに署名を求めると、フィリオたちと同じように表情を明るくして3人は署名をしてくれた。
「…なるほど。俺の知らないところでずいぶんと事は動いていたようだな」
俺が差し出した進言書を受け取り、ガヴェイン班長が言った。
「聞いてますよね。セスの件」
「ああ。先ほど隊長から聞いた」
「処分は免れないんですよね」
「おそらくな。だが俺からも寛大な処分をと進言するつもりではいるし、お前たちの進言書もある。シエルも厳罰など望まないだろうし、そう重い処分は下されないだろう。これは責任を持ってヴィクトール隊長に届けよう」
「お願いします」
俺は頭を下げてガヴェイン班長の部屋を後にした。
そうして長い特別な1日は終わりを告げた。
リベリオさんの診療室は、入ってすぐの部屋にベッドが一つと、奥の部屋にベッドが三つある。
その入ってすぐの部屋のベッドの側に、騎士見習いのジョヴァンニがいた。
雑巾で床を拭いている。
「ジョヴァンニ…これは一体…」
「レオン…」
その側にあるベッドは夥しい量の血液で真っ赤に染まっていた。
床にも血が飛び散っている。
これがシエルの血だと言うのならば、暴れた、というのが納得できる惨状だ。
「シエルは?リベリオは?」
セスがジョヴァンニに聞く。
「シエルは向こうの部屋です。すみません、俺もよくわかっていないんです…シエルが診療室で暴れて傷が悪化したことと、リベリオさんの治癒術で何とか命の危機は脱したことしか…後は様子を見てろと言ってリベリオさんはいなくなってしまって…」
「…命の危機は脱したのか…。よかった…」
セスが安堵の声を漏らした。
命の危機は脱した。
俺もセスもそれが一番知りたかったことではある。
何があったのかよくわからないが命が助かったのなら本当に良かった。
ジョヴァンニに促され隣の部屋へ行くと、奥のベッドでシエルが眠っていた。
その右腕には点滴が繋がっている。
「シエルは…なぜ暴れたの?」
「すみません、俺もその時はいなかったのでわからないんです。リベリオさんも理由については何も言わなかったので…。リベリオさんと何か揉めたんですかね…あの人、口が悪いから…」
セスの質問に答えられず、申し訳なさそうにジョヴァンニが推測を口にする。
考えられる理由としてはそうかもしれないけど、でも…
「シエルは人と揉めて暴れるようなやつじゃない気がするんだけどな…俺が知る限りは、だけど」
3班のメンバーと言い争うようなところも見たことがない。
最も、パーシヴァルの件以降のことしか知らないので今のみんながそうなだけで、過去にはそういうことがあったのかもしれないが。
「たぶん痛み止めを連続投与したせいで…興奮状態にあったんだ。理由については、ガヴェインが言わないなら…後はニコラに聞くしかないね…」
とりあえず昼にニコラに話を聞くことにして、セスを部屋へと連れて行ってから俺は風呂に入った。
セスは駐屯地に戻ってきてすぐの時に比べるとだいぶ良くはなってきているが、食欲はないみたいで昼食へ行くことを悩んでいた。
しかしニコラに話を聞きたいと、無理を押して食堂へと出向いた。
足取りは大分しっかりしてきて、少し手を貸すくらいで良い程度までは回復したようだった。
食堂に入ると、班長以外のみんなが揃っていた。
セスの姿を目にすると、皆一様に不安を顔に浮かべた。
「セス、シエルが…」
ニコラが言い淀む。
ニコラはシエル以上に大人しい少年、というイメージだ。
口数も少なく、いつも自信なさげな様子だが、術師としての実力は確かである。
もっと自信を持てばいいのに、と俺はニコラを見ていつも思う。
「ああ…話は聞いたし、実際に様子も見に行った」
「会ったの?シエルに?シエルは大丈夫なの?生きてるんだよね?」
セスの言葉にニコラが矢継ぎ早に質問する。
そうか、ニコラは診療室を出されたからシエルが助かったことは知らないのか。
「生きている。俺も、それしかわからないが…」
「よかった…」
ニコラだけじゃなく、全員が安堵の表情を浮かべた。
「それで、なぜこんなことになったのか教えてほしいんだけど」
みんなが食べ始めるのを待ってからセスがニコラに聞いた。
セスの言葉にニコラだけではなく、他のみんなも気まずそうに視線を泳がせたのを俺もセスも見逃さなかった。
誰も口を開こうとしない。
「…俺に何か関係することか」
みんなの様子で何かを察したセスが静かに言った。
この場には事態を把握していない俺もいるわけだが、俺が関係しているということはこの場合考えにくいのできっとそういうことだろう。
「…言ったら、セスは怒るだろうから」
「怒る?俺が?」
ニコラの言葉にセスは怪訝そうに聞く。
きっとあれだな、リベリオさんがセスのことを悪く言ってそれにシエルが怒ったとかだろ…。
「シエルは助かったんだ。ならもうそれで良くないか?」
アイゼンが気まずい雰囲気を破るように言った。
言いづらいことなのだろうが、決してこのまま終わりにしていいとは思えない。
「……」
セスは何も言わない。
それはそうだよな。良くないよ。わかる。
「ここまで来てそれはないんじゃないか?みんなは逆の立場ならここで濁されらどう思うんだ。命に関わったことなんだぞ」
一応フォローを入れる。これで誰か話してくれるといいのだが…。
「じゃあセス、絶対にシエルに怒らないであげてほしい。シエルがあんなことをした理由は僕もわかるんだ」
ニコラが予防線を張る。
「…わかった」
セスもその言葉に素直に頷いた。
「リベリオって人、セスを侮辱するような言葉を言ったんだ。それでシエルが怒って暴れたんだよ」
ほらな。だと思った。
俺は以前からリベリオさんがセスのことを良く思っていないのを聞いていたからというのもあるが…。
「……」
沈黙が流れた。
気まずい。
他のみんなもセスの出方を窺っている。
「…リベリオは、俺のことを何て?」
しばらくしてシエルのことには触れずセスが聞いた。
「それは…」
ニコラが視線を逸らして言い淀む。
それを見てセスはニコラの隣に座っていたフィリオに視線を移した。
「僕もその内容は知りません。ニコラは言わないので。本当です」
セスの視線を受けたフィリオが慌てて言った。
「……」
セスが手を付けていない食事に視線を落とす。
その表情は険しい。
「ほら…怒ってるじゃん…」
ニコラが泣きそうな顔で言う。
「怒ってないよ」
怒っている人間の常套句をセスが口にした。
「シエルの気持ちはわかるんだ。僕だってシエルと同じ気持ちだった。班長だってそうだ。あれはリベリオって人が悪いよ。誰だってあんな風に仲間を侮辱されたら怒る」
シエルをフォローするようにニコラが必死に訴える。
「俺は怒ってないよ。シエルには」
「え、じゃあ僕に怒ってる?ご、ごめんセス…」
ニコラがさらに泣きそうな顔になって言う。
まるで小動物のようだ。
「違う、そうじゃない。怒ってるのは自分に対してだ。シエルが暴れたのは俺のせいだからな…」
「セスのせい、ではなくセスのため、です。僕たちだってシエルと同じ気持ちですよ。シエルも悪くないし、貴方も悪くない」
そうだな。
セスのせいではない。
フィリオの言葉に他のみんなも頷いている。
「…ありがとう。シエルが俺のために暴れたと聞いて心中穏やかじゃないのは確かだが、でもそうじゃないんだ。シエルがいくらそれで腹を立てたとしても普段ならそんな行動にはでないはずだ。なのにそれを行動に移したのは痛み止めを短時間に連続投与したせいだ」
そういえば先程もそんなようなことを言っていた。
痛み止めを連続投与したから興奮状態にあったと。
「横穴で注射してたやつ?」
「ああ。俺はシエルに怪我の直後に1回打って、下山の直前にも4班の治癒術師に打つように頼んだ。あの薬は…本来一度打ったら次まで24時間以上空けないといけない。それを俺は5~6時間でシエルに連続投与した。その結果、中毒症状を起こして興奮状態に陥ったんだ」
医術的な話に誰も口を挟まない。というか、何を言えばいいのかわからない。
だがそれが上に知れたらかなり問題になるだろうということはわかる。
「そうなることをわかっていた上で俺は連続投与をする判断を下した。興奮状態にあってもシエルがそんな行動に出るとは思ってなかったからだ。苦痛を取り除いてやりたかった」
「逆に言えば、興奮状態になくてもシエルが同じ行動に出た可能もあるのでは?」
セスの話を聞いてリーゼロッテが推測を口にする。
「確かにその可能性もあるだろう。だが痛み止めを打ってなければシエルは物理的に無理だった。痛覚が邪魔をするからだ。しかし命を守るための痛覚をあの薬は麻痺させる。それこそ死に至るくらいの怪我でも動けてしまう。それだけでも危険なことなのにそこから興奮状態になったらより危険になる。だから連続投与が禁じられているんだ」
「でもさ、連続で2回打つことの影響は興奮状態に陥ることだろ?その薬自体の効果が痛覚を麻痺させることなら、用法を守ったって同じことじゃないか?」
アイゼンがフォローするように言う。
「まぁ…そうだね。1回だけ打って興奮状態にないシエルが自分の意思で同じ行動に出れば、同じことと言えるかもしれないね」
「じゃあセスのせいじゃないよな?実際連続で打ったから暴れたという確証はないわけだし」
アイゼンが周りに同意を求めるように尋ねた。
そうだな、と言っていいものなのかどうかは微妙なところだ。
シエルは痛覚が麻痺したことにより暴れた結果、命を危険に晒した。その行動を起こした原因が痛み止めを連続投与したことによる中毒症状なのかどうかは確証がない。興奮状態になくてもシエルが同じことをした可能性は0ではないからだ。
だがセスは中毒症状を起こすであろうことをわかっていた上で、本来24時間空けなければならない薬を5~6時間という短い時間でシエルに投与した。
シエルが薬の影響で暴れたのか薬に関係なく暴れたのかはこの際どちらでもよくて、この結果によって露呈するセスの判断の方が問題になってくる。
「今回の問題点は俺が連続投与の判断を下したことにある。言い方は悪いが、シエルがこのような行動を起こさなければこの問題は露呈することはなかった。だがこうなった以上、連続投与の影響と考えるのが一般的見解だろう。そうなれば俺の責任は免れない。何かしらの処分は受けることになる。…あぁ、勘違いしないでほしいんだけど、それについて別にシエルを責めるつもりはない。俺が悪いというのはわかっているから」
「そんな…」
アイゼンが絶望的な顔をする。
「ねぇ、セス。その薬を連続投与したことはもう報告したの?」
エレンが聞く。
「…してない。まだ」
「じゃあここにいるみんなが聞かなかったことにすればそれで解決じゃない?」
なるほど、そうすれば問題が露呈することはないと言いたいのか。
確かにいい案かもしれない。倫理的にはよくないが。
「もしそれをするというのであればジョヴァンニもそのことを知っているから口止めをしなければならないな」
診療室でもその話はしていた。ジョヴァンニもそれを聞いていたはずだ。
「いや、その必要はない」
セスが静かに言った。
「正直…バレなければいいと思っていた。連続投与しても何も問題を起こさず24時間も経過すれば中毒症状は抜ける…でも、そんな浅はかなことを考えたのがそもそもの間違いだったんだ。俺の判断の結果、シエルは命を危険に晒した。これで本当にシエルが命を落としていたらそれこそ悔やんでも悔やみ切れない。だから俺は…罰を受けなければ」
「でもそれだってシエルのためだろう?シエルだってそんなセスの判断を責めることはしないのではないか」
セスの言葉に今まで黙っていたベルナデットが口を開いた。
そう、セスのその判断もまたシエルのためなのだ。少しでも苦痛を和らげてあげたいという…。
「そうだけどね…今回はそれが裏目に出てしまった。そうなった責任は取らなければならない」
「お互いにお互いのための行動が裏目に出てしまったんですね…。なんだかやり切れないです」
リーゼロッテが悲しそうに目を伏せた。
「そういうこともあるさ。俺はシエルが薬による中毒症状を起こしていても、事を起こすような人間だとは思っていなかった。俺がシエルのことを知らなすぎたんだ。逆にシエルが…他のみんなも俺のために怒ってくれて嬉しく思うよ」
どこか吹っ切れたようにセスが言う。
「そんなの悲しすぎるよ…だってこれはリベリオのせいじゃないか…リベリオがあんなこと言ったせいだよ!」
突然大声で叫んだニコラに、俺たちはみんな驚きを隠せなかった。
「ニコラ…」
「リベリオの発言のせいでシエルは傷ついてセスはその責任を取らなきゃいけないのに、リベリオには何のお咎めもないなんて…そんなのおかしいよ…!」
ドンッとニコラが強くテーブルを叩いた。
ニコラの言いたいことはよくわかる。そもそもの元凶はリベリオさんの発言にある。詳しくはわからないけれど、リベリオさんが余計なことを言わなければこんなことにはならなかった。
「ニコラ落ち着いて。リベリオはただのきっかけにすぎない。それがあったから問題が露呈するだけであって、どちらにしろ俺の医術師としての判断が間違っていたことは変わらない。今回こういう結果にならなければ、俺はそれを良しとしていた。それじゃダメだとシエルが教えてくれたんだ。だから大丈夫だ。いいんだ」
「よくない!!」
そう叫んで勢いよく立ち上がり、ニコラは食堂から走って出て行ってしまった。
「ニコラ待って…くっ…!」
それを追いかけようと急いで立ち上がったセスがよろめいて地面に膝をつく。その時に激しくぶつかった椅子がうるさいくらいに音を立てた。
「セス!大丈夫か」
「僕追いかけてきます!」
「俺も」
セスに代わってフィリオとアイゼンがニコラを追いかけるために食堂を出て行った。
「ニコラ…」
静寂に包まれた食堂にセスの苦しそうな声が響いた。
結局、あの後しばらく待ってみたが食堂に3人が戻ってくることはなかった。
いつまでも3班が食堂を陣取っているわけにもいかないので、俺たちは一度解散することにして、セスが風呂に行っている間に俺はフィリオたちの部屋を訪ねた。
「レオンさん…」
案の定、そこにはニコラもいた。部屋の奥のベッドに座っている。
俺の顔を見るなりニコラは視線を逸らし、どこか不貞腐れたような表情をした。
「気持ちは落ち着いたか?」
「……」
何も言わないニコラの隣に俺は腰かけた。
「納得はできない」
意外に芯の強い人間なんだな。
俺はこの3班の絆を純粋に羨ましく思う。仲間のために、という思いはみんな一緒なんだ。
「そうだな、それはみんなそうだろう。ただ、俺たちがリベリオさんに何かの処罰を求めることはできない。セスが責任を取るつもりでいるなら処罰を免れることもできない。でも寛大な処分を求めることはできる。俺たちで署名をして進言書を提出しよう」
「進言書…!」
俺の言葉にニコラのみならずフィリオもアイゼンも表情を明るくした。
その場で俺たちは署名をし、女性たちには夕食後に署名を求めることにして、俺は部屋を後にした。
部屋に戻るとセスはまだ戻っていなかった。
それからしばらく経ってからやっと戻ってきたセスは、ヴィクトール隊長に例の件を報告したのだと俺に話した。
「ヴィクトール隊長は何て?」
「リベリオと相談する、と」
なるほど。あの人はセスのことをよく思っていないだろうから心配だ。
「ガヴェイン班長にはこのことは?」
「会ってないからな。まぁ、ヴィクトールから聞くだろう」
「そうか…。ニコラについては中々納得はできないみたいだったがひとまず落ち着いてはいる。フィリオとアイゼンが一緒にいるから大丈夫だろう」
俺がニコラの名前を出すとセスの瞳が揺れた。
「そう…シエルといいニコラといい、普段大人しいと思ってた子がずいぶん意外な一面を見せるね。それとも、俺がみんなを知らなすぎただけなのかな…」
そう言ってどこか悲しげに瞳を閉じた。
夕食時、ガヴェイン班長からシエルの命は助かったがしばらく面会謝絶だと聞かされた。
誰もあの事には触れず、何とも言えない空気の中での食事だった。
夕食後に女性たちに署名を求めると、フィリオたちと同じように表情を明るくして3人は署名をしてくれた。
「…なるほど。俺の知らないところでずいぶんと事は動いていたようだな」
俺が差し出した進言書を受け取り、ガヴェイン班長が言った。
「聞いてますよね。セスの件」
「ああ。先ほど隊長から聞いた」
「処分は免れないんですよね」
「おそらくな。だが俺からも寛大な処分をと進言するつもりではいるし、お前たちの進言書もある。シエルも厳罰など望まないだろうし、そう重い処分は下されないだろう。これは責任を持ってヴィクトール隊長に届けよう」
「お願いします」
俺は頭を下げてガヴェイン班長の部屋を後にした。
そうして長い特別な1日は終わりを告げた。
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