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二章
第34話 最初の1人
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セスという人間は、本当によくわからない。
今まで見せてきた色々な一面の、どこに真意があるのだろうか。もしくは、そのすべてが真意なのだろうか。
この問いを、私はもう何度繰り返しただろう。
ただ今の段階で言えることは、セスは私を裏切りはしないだろう、ということだ。
まぁ、そもそも私たちの関係性において何を持って裏切りと定義するのかもよくわからないが、セスに命を狙われることはないだろう。
セスが私を殺す必要性がないからだ。
今のところは。
私はセスを信じたい。セスが暗殺者だとしても、仲間だという言葉を信じたい。信じている。
そして仲間がほしい。これからこの世界を一緒に旅をする仲間が。
だからセスと一緒に行きたい。私はセスを仲間だと思っているし、セスだって私のことを仲間だと、アルセノまで一緒に行ってもいいと言ってくれている。
でもそれは私が"シエル"だから。
私が異世界から転生した人間だと知ったら、セスはどう思うのだろう。
この世界において転生者とはどのような意味を持つのだろう。
今までに前例がないことなのか、それとも私が知らないだけで実は普通にいて、世間一般にもその存在が知られているのだろうか。
わからないけれど、今後一緒に行くのであれば、セスに自分が転生者であることを話しておきたい。
本当の自分を、受け入れてほしい。誰にも必要とされなかった自分を。
私が転生者だとこの世界の人間に打ち明けるにあたって、最初の1人目にセスを選ぶことはかなりリスクが高いことだとは思う。
転生者という存在がこの世界に知られていてもいなくても、どういう結果になるのか予測がつかないからだ。
もしそれを言った瞬間にセスが敵に回ると言うのであれば、私には為す術がない。
暗殺者なんて相手が悪すぎる。敵いもしないだろうし、逃げられもしないだろう。最悪、殺されるかもしれない。
しかし転生者がこの世界で生きてはいけないのなら、ここでそのことを話さずに生き延びたとしてもいずれ誰かに殺されることになるのだろう。
それならば、私を殺す人間はセスがいい。
誰でも殺せると冷たく言い放ったセスが、私の命を危険に晒したと後悔したセスが、私を殺す時にはどんな表情を見せるのか見てみたい。せめてそこに少しでも躊躇いがあるだろうか。
ずいぶん、狂った思考をしているものだと自分でも思う。
少しの酔いのせいなのか、夜の闇の深さに惑わされているのか。それとも妖麗に笑うセスがどうしようもなく美しかったからなのか。
あるいはその全てなのかもしれない。
その全てがこの日の私を狂わせた。
あの言葉を最後に、私たちは沈黙を保って歩き続けている。
ずいぶんと長く考え込んでしまった。
セスは今一体何を考えているのだろうか。
「ねぇ、セス」
声をかけて止まると、セスもこちらを向いて止まった。
「どうしたの?」
呼んで何も言わない私に、セスが問いかける。
いわゆるショッピングモール風なメイン通りも、今は灯が落ちてだいぶ薄暗い。
所々にある冒険者向けの屋台が発する光が、辺りを仄かに照らしている。
セスの顔も暗さで今はあまり見えない。
「セスに話したいことがある」
「なに?」
「宿に戻ったら聞いてくれる?もう、時間もだいぶ遅いんだけど」
「いいよ」
短く返事をして、セスはまた歩き出した。
宿に着いた時には0時を少し回っていた。
それでも行きに比べればかなり早かったのではないだろうか。行きはリーゼロッテの歩幅に合せていたので、男女の差なのかな。
部屋の奥にある小さなテーブルと、2脚の椅子。
私たちはそこで向かい合わせに座っている。
セスは私が入れたお茶を一口飲んで静かにグラスを置いた。
このお茶はバルロ茶と言って、2日酔いによく効くお茶と言われている。もっとも、私もセスもこのお茶を飲む必要があるわけではないのだが、部屋にこれしかお茶がないので仕方がない。
冒険者向けの宿によく置かれていて、少し苦いのが特徴だ。
「ずいぶんと話すのを躊躇っているね」
長い沈黙を破ってセスが言った。
「ごめん、時間も遅いのに」
「いや、それは別に構わないけど」
「僕の今後に大きく関わることなんだ。少し、緊張して」
「ゆっくりでいいよ」
これが大人の余裕というものなのだろうか。
私だったらこんなに焦らされたら先を促してしまうだろう。
いや、そもそも私だって子供ではないのだ。前世から数えればもう36年生きている。なのにこの余裕のなさに自分でも笑えてくる。
「質問してもいい?」
「どうぞ」
セスがもう一口バルロ茶を口にした。
胸元を大きく開けた白いシャツの隙間から、黄色い宝石がついたネックレスが下げられているのが見えた。そしてそれに重なるように、リュシュナ族の証だという蒼い秘石が見え隠れしている。その2つが重なるとそれは碧に色を変え、秘石の周りに描かれた複雑な模様のようなものと相まって、どこか現実離れした光景のように思えた。
「人は死ぬと魂が神の元へ還るんだよね?そして生前の行いによって神が次の生を決める。僕は父からそう聞いたんだけど、それは世界の共通認識なのかな?」
「アルディナとルブラではそうだね。ミトスは神の存在が明らかにされていないから、人によって考えは違うと思う。ただ、君がそう教わってきたならエルフはミトスの存在を信じているんだろうね」
「天族や魔族はどうしてそれを信じているの?天王や魔王がいるから?セスは神を見たことある?」
何だか質問ばかりになってしまった。
言うと決めたのだからはっきり言えばいいのだけれども、どうにも恐怖が拭えない。
もしそれでセスが敵に回るとなったら私は今ここで死ぬかもしれないのだ。
酔いはもう完全に醒めている。
先ほど私を狂わせたあの瞬間を若干後悔しているほどに。
だから自分が異世界からの転生者だと言う前に、その存在が他にもいるのかどうか知りたい。
異世界から、というところまでは無理でも、せめて前世の記憶を持ったまま生まれ変わった人間がいるのかどうかだけでも分かれば。
それによって話し方も大きく変わる。
「神を見たことはない。天族の話で言えば、神の意思を受けた天王がそれを公言しているからアルディナではその考えが信じられている。ルブラでも同様だろう」
「信じられている、ということは、実際本当に生まれ変わっているのか天族の間でも確信が持てていないということ?」
「確信は得ていると思う。神がそうだと言えばそれに疑いはない」
セスは私の質問に的確に答えてくれている。
しかしこのままでは欲しい答えは得られそうにない。
やはりちゃんと聞かないとダメか…。
「例えば…前世の記憶を持って生まれ変わった人はいないの?その記憶があったら生まれ変わりが証明できるよね」
「……」
私の質問に、セスは視線を逸らして何かを考え始めた。
答えがすぐに返ってこなかったことで、私の心臓は早鐘を打つ。
なぜいるともいないとも言わないのだろうか。そもそも前世の記憶を持って生まれ変わるという発想自体、普通は持たないことなのか?
私はこの質問をしたことによって、自分が異質な存在であると公言してしまっただろうか。
「前世の記憶を持って生まれ変わった者は…俺が知る限りではアルディナにはいない」
その返答をするのに何故セスは時間をかけたのだろうか。
しかしアルディナ"には"いない、か。
「じゃあミトスにはいるの?ルブラには?」
「……」
この質問にもセスはすぐには答えなかった。また沈黙が訪れる。
この間が何を意味しているのかわからず焦りが生まれる。
「…なるほど」
呟くようにセスが言った。
何がなるほどなんだ。
今の問答で一体何を把握したというのか。
セスは先ほどから全く表情を変えない。いつものように感情を私に悟らせずに対峙している。
怖い。会話をすればするほど心の中を見透かされていくような気がする。
「答える前に俺からも質問させてもらおうか。君が前世の記憶を持っているからそれを聞いているの?」
「……」
セスにも聞こえているのではないかと思うほど大きい音で心臓が脈打っている。呼吸が速くなる。
まるで確定事項の確認をしているかのようだ。
セスはこの会話の流れで私が前世の記憶を持っていることを確信したというのか。
確信した上であえてそう聞いているに違いない。きっとあの沈黙はそのための間だった。
だとしたらもう隠しても無駄だ。隠してもというか、初めから言うつもりだったことのはずなのになんだろうこれ。
嫌な汗が止まらない。
「…そう、だよ」
絞り出した声は震えていた。
「そうだよね。ごめん、わかってて聞いた」
およそ申し訳ないという気持ちなど微塵も感じられない声色でセスは淡々と答えた。
「……」
予測していたことだからなのだろうか、私の答えを聞いてもその表情に変化はない。
酷く喉が渇いてバルロ茶を口にする。グラスを持った手も震えていた。
苦いはずのバルロ茶の味は全く分からなかった。
「じゃあ重ねて聞こう。君は異世界と呼ばれるところから転生したのかな?」
「…!」
異世界、という言葉に全身が硬直した。
手が滑り、置こうとしていたグラスが少し高い位置から落下して大きな音を立てた。
「大丈夫?よかったね、グラスが倒れなくて」
セスが言う。
大丈夫?などとどの口が聞いているのだろうか。
まさかその単語をこちらから言う前にセスから聞くことになるとは思っていなかった。
前世の記憶を持っているというところから、なぜセスは異世界から転生したところまで繋げたのか。
前世の記憶を持っている人間は須らく異世界からの転生者だとでも?
私は今、恐怖と驚きを持ってセスを見つめている。それはもう酷い顔をしていることだろう。
一方のセスはまるで人形のようにその表情に色を映すことなく私を見つめている。
私の動揺を見てもその表情を変えることはない。
自分に関係のないところでそれを見ていたのだとしたら、きっと美しいと思ったことだろう。
でも今それは私に向けられている。そこには恐怖しかなかった。
もうセスは全てわかっている。私はこの沈黙と動揺を持ってしてセスの問いを肯定しているのだから。なのに言葉が出ない。
セスも何も言わない。
呼吸が何だか苦しい。心臓が痛い。
異世界からの転生者は私以外にもこの世界に存在する。それはセスからその言葉が出てきた以上、確実だ。
じゃあその存在とは?この世界においてどのような意味を持つ?セスにとってどのような意味を持っている?
それを知ったセスはどうするつもりだ?今目の前にいるセスは敵か?味方か?
「…は…っ」
呼吸の仕方を忘れてしまったのではないかと思うほどに空気を吸えない。思わず苦しい息が漏れた。
今感じているのは死への恐怖ではない。
もちろん、死は怖い。
でも今は何一つ自分が置かれている状況がわからないのに、セスは全てを分かっていることに恐怖を感じている。
自分が生かされるのか殺されるのかすらわからないこの状況に。
「…別に何もしないから落ち着くといい」
そんな私の心を読んだかのようにセスが言う。
世間一般的に人を安心させたい時はそれなりにそういう感情を言葉に込めるものだ。
しかしセスはその言葉に何の感情も入れていない。
それで"何もしない"と言われたところで正直説得力の欠けらもないというものだ。
でも今はその言葉を信じることにする。
信じる信じないに関わらず私の命はもうセスが握っている。それならば信じたい。
「…ごめん、怖くて…」
何とか絞り出した声は掠れていた。
ゆっくりと息を吐く。そしてゆっくり息を吸い、体に空気を送り込む。
「そうだろうね」
怖い、という言葉に疑問を持つこともなく、それ以上何かを言うでもなく、セスはただそれだけを言って私が落ち着くのを待った。
「君は異世界からの転生者が君以外にも存在するかどうか知らなかったんだろう?だから俺に探りを入れてそれを聞き出そうとした」
「……」
私の呼吸が落ち着いた頃にセスは静かに話し始めた。
当然ながら私が異世界からの転生者であるという体で話が進んでいる。
もうここまでくると恐怖を通り越して悟りの境地に足を踏み入れている気分だ。
「君は、異世界からの転生者が存在するしないに関わらず、それを知った俺がどういう出方をするのか予想ができなかった。だから怖いのだろう。俺が敵に回って君を殺しにかかる可能性も考えたはずだ」
セスは心理学者にでもなった方がいいのではなかろうか。感情を出さずに淡々と語るセスを見てそう思う。この世界にそんな職業があるのかは知らないけれど。
「全くもってその通りすぎて何も言えないよ…」
感服だ。
どう言おうか悩む必要すらなく、言いたいことは全部言ってくれた。
清々しいとすら思えてくる。
「じゃあ安心させるためにもう一度言っておこうか。俺は君を害することはしない。それは約束しよう。むしろ君にとって有益な話ができるのではないかな」
「…有益?」
予想外の言葉が返ってきた。
しかし私にとって有益な話ということは、セスは味方だということを意味している。
そうだよね?そうだと信じよう。
だとしたら、だ。
「ならさ、もう少し違う言い方あったよね。わざわざあんな言い方をして僕の恐怖を煽る必要あった?」
恐怖を通り越し、悟りの境地すらも通り越し、怒りが湧いてくる。
「君は直接的に言うのが怖かったんだろうから、俺の方から単刀直入に話をした方がいいと思っただけだ。別に恐怖を煽ろうと思ったわけではないよ」
私が怒りの感情を持っていることはきっとセスにも伝わっている。
だがそれでもセスは表情も変えないし、その言葉に感情も乗せてこない。
それがさらに私を苛立たせた。
「じゃあ何であんな淡々と言うの?ただでさえ怖いのにあんな感情のない声で言われたらさらに恐怖が煽られるよ!」
「じゃあ君はなぜ一番最初に俺に話をしたの?ご両親は?いるよね?」
「……」
冷静なその言葉にヒートアップした気持ちが一気に醒めていく。
これじゃただの八つ当たりだ。セスがこういう人なのはわかっていたことなのに。
「ごめん…酷いことを言った」
「いや…俺も冷たい言い方をしてしまったのは事実だ。君の気持ちをもっと考えるべきだった。すまない」
「ううん…ごめん」
私の謝罪にセスは同じく謝罪で返した。
セスが悪いんじゃない。私が勝手に話したことなのに大人な対応だ。
「両親はいる…けど、拒絶されるのが怖かった。それに、元の世界と違うこの世界を見る前に里で死ぬのは嫌だった」
「だとしても、最初にニコラあたりに話をしていればもう少し安心して話せたと思うよ。俺は暗殺者なんだって言ったよね」
確かにその通りだ。私はリスクが高いとわかっていながらセスに話をすることを選んだ。それを決めたのは自分だ。
「君は自分が異世界からの転生者だと打ち明けることによって、相手がどういう出方をするのかわからなかったんだろう?受け入れられるのか、排斥されるのか、命すら狙われるのか。俺が君を殺しにかかったらどうするつもりだったの?戦うつもりだった?それとも逃げるつもりだった?」
真面目な顔でセスが聞く。
「諦めるつもりだった」
「…どうして…。相手がニコラなら君に対して情をかけると思うし、仮にそうではないにしても君なら逃げられるはずだ」
セスが眉を寄せる。
そうだろうな。
もし転生者が殺されるべき存在だとしても、ニコラはきっと躊躇うだろう。その隙に逃げることは、たぶんできる。
「僕がこの世界で生きてはいけない存在だとしたら、ここで生き延びたとしてもいつかは誰かに殺されることになる。それだったら、僕はセスに殺されたかった」
「……」
セスが驚愕の表情を浮かべて私を見つめた。
セスでも予想外のことがあるんだな、なんてどこか冷静な考えが頭に浮かぶ。
「…なぜ」
どうして、なぜ。セスは疑問を繰り返す。
「僕は元の世界で1人だった。今の僕と同じくらいの時に家族が全員死んで、そこからは誰にも必要とされず、誰にも愛されなかった。この世界でもそうなら、生きていたって何の意味もない。だから僕は…セスに受け入れてほしかったんだと思う。受け入れられないのなら殺してほしかった。後でそうなって絶望に落とされるくらいなら、今そうしてほしい」
「……」
私の話をセスは口を挟むこともなく、ただ静かに聞いている。
私の目を真っ直ぐに見つめる青い瞳は揺れていた。
今何を考えているんだろう。私の話をどう感じたのだろう。
「でも正直…衝動的だった。さっきの帰り道で急に話そうと思ったんだ。酔ってたのかもね。だからここに帰ってきて、一気に怖くなった」
「それなのに話をしたの?話をする前の君には、やっぱりやめるという選択肢だってあったはずだ」
「いや、だって聞いてほしいって言っちゃったし…。まぁ、受け入れてほしいという気持ちが大きかったのかな…」
「……」
沈黙が流れた。
セスは視線を落として何かを考えているのか何も言わない。
今は何時なのだろう。もうだいぶ遅い時間なはずなのに眠気は感じられない。昼にたくさん寝てしまったからというより、気持ちが落ち着かないせいで眠気が来ない。
口に含んだバルロ茶は苦かった。
今まで見せてきた色々な一面の、どこに真意があるのだろうか。もしくは、そのすべてが真意なのだろうか。
この問いを、私はもう何度繰り返しただろう。
ただ今の段階で言えることは、セスは私を裏切りはしないだろう、ということだ。
まぁ、そもそも私たちの関係性において何を持って裏切りと定義するのかもよくわからないが、セスに命を狙われることはないだろう。
セスが私を殺す必要性がないからだ。
今のところは。
私はセスを信じたい。セスが暗殺者だとしても、仲間だという言葉を信じたい。信じている。
そして仲間がほしい。これからこの世界を一緒に旅をする仲間が。
だからセスと一緒に行きたい。私はセスを仲間だと思っているし、セスだって私のことを仲間だと、アルセノまで一緒に行ってもいいと言ってくれている。
でもそれは私が"シエル"だから。
私が異世界から転生した人間だと知ったら、セスはどう思うのだろう。
この世界において転生者とはどのような意味を持つのだろう。
今までに前例がないことなのか、それとも私が知らないだけで実は普通にいて、世間一般にもその存在が知られているのだろうか。
わからないけれど、今後一緒に行くのであれば、セスに自分が転生者であることを話しておきたい。
本当の自分を、受け入れてほしい。誰にも必要とされなかった自分を。
私が転生者だとこの世界の人間に打ち明けるにあたって、最初の1人目にセスを選ぶことはかなりリスクが高いことだとは思う。
転生者という存在がこの世界に知られていてもいなくても、どういう結果になるのか予測がつかないからだ。
もしそれを言った瞬間にセスが敵に回ると言うのであれば、私には為す術がない。
暗殺者なんて相手が悪すぎる。敵いもしないだろうし、逃げられもしないだろう。最悪、殺されるかもしれない。
しかし転生者がこの世界で生きてはいけないのなら、ここでそのことを話さずに生き延びたとしてもいずれ誰かに殺されることになるのだろう。
それならば、私を殺す人間はセスがいい。
誰でも殺せると冷たく言い放ったセスが、私の命を危険に晒したと後悔したセスが、私を殺す時にはどんな表情を見せるのか見てみたい。せめてそこに少しでも躊躇いがあるだろうか。
ずいぶん、狂った思考をしているものだと自分でも思う。
少しの酔いのせいなのか、夜の闇の深さに惑わされているのか。それとも妖麗に笑うセスがどうしようもなく美しかったからなのか。
あるいはその全てなのかもしれない。
その全てがこの日の私を狂わせた。
あの言葉を最後に、私たちは沈黙を保って歩き続けている。
ずいぶんと長く考え込んでしまった。
セスは今一体何を考えているのだろうか。
「ねぇ、セス」
声をかけて止まると、セスもこちらを向いて止まった。
「どうしたの?」
呼んで何も言わない私に、セスが問いかける。
いわゆるショッピングモール風なメイン通りも、今は灯が落ちてだいぶ薄暗い。
所々にある冒険者向けの屋台が発する光が、辺りを仄かに照らしている。
セスの顔も暗さで今はあまり見えない。
「セスに話したいことがある」
「なに?」
「宿に戻ったら聞いてくれる?もう、時間もだいぶ遅いんだけど」
「いいよ」
短く返事をして、セスはまた歩き出した。
宿に着いた時には0時を少し回っていた。
それでも行きに比べればかなり早かったのではないだろうか。行きはリーゼロッテの歩幅に合せていたので、男女の差なのかな。
部屋の奥にある小さなテーブルと、2脚の椅子。
私たちはそこで向かい合わせに座っている。
セスは私が入れたお茶を一口飲んで静かにグラスを置いた。
このお茶はバルロ茶と言って、2日酔いによく効くお茶と言われている。もっとも、私もセスもこのお茶を飲む必要があるわけではないのだが、部屋にこれしかお茶がないので仕方がない。
冒険者向けの宿によく置かれていて、少し苦いのが特徴だ。
「ずいぶんと話すのを躊躇っているね」
長い沈黙を破ってセスが言った。
「ごめん、時間も遅いのに」
「いや、それは別に構わないけど」
「僕の今後に大きく関わることなんだ。少し、緊張して」
「ゆっくりでいいよ」
これが大人の余裕というものなのだろうか。
私だったらこんなに焦らされたら先を促してしまうだろう。
いや、そもそも私だって子供ではないのだ。前世から数えればもう36年生きている。なのにこの余裕のなさに自分でも笑えてくる。
「質問してもいい?」
「どうぞ」
セスがもう一口バルロ茶を口にした。
胸元を大きく開けた白いシャツの隙間から、黄色い宝石がついたネックレスが下げられているのが見えた。そしてそれに重なるように、リュシュナ族の証だという蒼い秘石が見え隠れしている。その2つが重なるとそれは碧に色を変え、秘石の周りに描かれた複雑な模様のようなものと相まって、どこか現実離れした光景のように思えた。
「人は死ぬと魂が神の元へ還るんだよね?そして生前の行いによって神が次の生を決める。僕は父からそう聞いたんだけど、それは世界の共通認識なのかな?」
「アルディナとルブラではそうだね。ミトスは神の存在が明らかにされていないから、人によって考えは違うと思う。ただ、君がそう教わってきたならエルフはミトスの存在を信じているんだろうね」
「天族や魔族はどうしてそれを信じているの?天王や魔王がいるから?セスは神を見たことある?」
何だか質問ばかりになってしまった。
言うと決めたのだからはっきり言えばいいのだけれども、どうにも恐怖が拭えない。
もしそれでセスが敵に回るとなったら私は今ここで死ぬかもしれないのだ。
酔いはもう完全に醒めている。
先ほど私を狂わせたあの瞬間を若干後悔しているほどに。
だから自分が異世界からの転生者だと言う前に、その存在が他にもいるのかどうか知りたい。
異世界から、というところまでは無理でも、せめて前世の記憶を持ったまま生まれ変わった人間がいるのかどうかだけでも分かれば。
それによって話し方も大きく変わる。
「神を見たことはない。天族の話で言えば、神の意思を受けた天王がそれを公言しているからアルディナではその考えが信じられている。ルブラでも同様だろう」
「信じられている、ということは、実際本当に生まれ変わっているのか天族の間でも確信が持てていないということ?」
「確信は得ていると思う。神がそうだと言えばそれに疑いはない」
セスは私の質問に的確に答えてくれている。
しかしこのままでは欲しい答えは得られそうにない。
やはりちゃんと聞かないとダメか…。
「例えば…前世の記憶を持って生まれ変わった人はいないの?その記憶があったら生まれ変わりが証明できるよね」
「……」
私の質問に、セスは視線を逸らして何かを考え始めた。
答えがすぐに返ってこなかったことで、私の心臓は早鐘を打つ。
なぜいるともいないとも言わないのだろうか。そもそも前世の記憶を持って生まれ変わるという発想自体、普通は持たないことなのか?
私はこの質問をしたことによって、自分が異質な存在であると公言してしまっただろうか。
「前世の記憶を持って生まれ変わった者は…俺が知る限りではアルディナにはいない」
その返答をするのに何故セスは時間をかけたのだろうか。
しかしアルディナ"には"いない、か。
「じゃあミトスにはいるの?ルブラには?」
「……」
この質問にもセスはすぐには答えなかった。また沈黙が訪れる。
この間が何を意味しているのかわからず焦りが生まれる。
「…なるほど」
呟くようにセスが言った。
何がなるほどなんだ。
今の問答で一体何を把握したというのか。
セスは先ほどから全く表情を変えない。いつものように感情を私に悟らせずに対峙している。
怖い。会話をすればするほど心の中を見透かされていくような気がする。
「答える前に俺からも質問させてもらおうか。君が前世の記憶を持っているからそれを聞いているの?」
「……」
セスにも聞こえているのではないかと思うほど大きい音で心臓が脈打っている。呼吸が速くなる。
まるで確定事項の確認をしているかのようだ。
セスはこの会話の流れで私が前世の記憶を持っていることを確信したというのか。
確信した上であえてそう聞いているに違いない。きっとあの沈黙はそのための間だった。
だとしたらもう隠しても無駄だ。隠してもというか、初めから言うつもりだったことのはずなのになんだろうこれ。
嫌な汗が止まらない。
「…そう、だよ」
絞り出した声は震えていた。
「そうだよね。ごめん、わかってて聞いた」
およそ申し訳ないという気持ちなど微塵も感じられない声色でセスは淡々と答えた。
「……」
予測していたことだからなのだろうか、私の答えを聞いてもその表情に変化はない。
酷く喉が渇いてバルロ茶を口にする。グラスを持った手も震えていた。
苦いはずのバルロ茶の味は全く分からなかった。
「じゃあ重ねて聞こう。君は異世界と呼ばれるところから転生したのかな?」
「…!」
異世界、という言葉に全身が硬直した。
手が滑り、置こうとしていたグラスが少し高い位置から落下して大きな音を立てた。
「大丈夫?よかったね、グラスが倒れなくて」
セスが言う。
大丈夫?などとどの口が聞いているのだろうか。
まさかその単語をこちらから言う前にセスから聞くことになるとは思っていなかった。
前世の記憶を持っているというところから、なぜセスは異世界から転生したところまで繋げたのか。
前世の記憶を持っている人間は須らく異世界からの転生者だとでも?
私は今、恐怖と驚きを持ってセスを見つめている。それはもう酷い顔をしていることだろう。
一方のセスはまるで人形のようにその表情に色を映すことなく私を見つめている。
私の動揺を見てもその表情を変えることはない。
自分に関係のないところでそれを見ていたのだとしたら、きっと美しいと思ったことだろう。
でも今それは私に向けられている。そこには恐怖しかなかった。
もうセスは全てわかっている。私はこの沈黙と動揺を持ってしてセスの問いを肯定しているのだから。なのに言葉が出ない。
セスも何も言わない。
呼吸が何だか苦しい。心臓が痛い。
異世界からの転生者は私以外にもこの世界に存在する。それはセスからその言葉が出てきた以上、確実だ。
じゃあその存在とは?この世界においてどのような意味を持つ?セスにとってどのような意味を持っている?
それを知ったセスはどうするつもりだ?今目の前にいるセスは敵か?味方か?
「…は…っ」
呼吸の仕方を忘れてしまったのではないかと思うほどに空気を吸えない。思わず苦しい息が漏れた。
今感じているのは死への恐怖ではない。
もちろん、死は怖い。
でも今は何一つ自分が置かれている状況がわからないのに、セスは全てを分かっていることに恐怖を感じている。
自分が生かされるのか殺されるのかすらわからないこの状況に。
「…別に何もしないから落ち着くといい」
そんな私の心を読んだかのようにセスが言う。
世間一般的に人を安心させたい時はそれなりにそういう感情を言葉に込めるものだ。
しかしセスはその言葉に何の感情も入れていない。
それで"何もしない"と言われたところで正直説得力の欠けらもないというものだ。
でも今はその言葉を信じることにする。
信じる信じないに関わらず私の命はもうセスが握っている。それならば信じたい。
「…ごめん、怖くて…」
何とか絞り出した声は掠れていた。
ゆっくりと息を吐く。そしてゆっくり息を吸い、体に空気を送り込む。
「そうだろうね」
怖い、という言葉に疑問を持つこともなく、それ以上何かを言うでもなく、セスはただそれだけを言って私が落ち着くのを待った。
「君は異世界からの転生者が君以外にも存在するかどうか知らなかったんだろう?だから俺に探りを入れてそれを聞き出そうとした」
「……」
私の呼吸が落ち着いた頃にセスは静かに話し始めた。
当然ながら私が異世界からの転生者であるという体で話が進んでいる。
もうここまでくると恐怖を通り越して悟りの境地に足を踏み入れている気分だ。
「君は、異世界からの転生者が存在するしないに関わらず、それを知った俺がどういう出方をするのか予想ができなかった。だから怖いのだろう。俺が敵に回って君を殺しにかかる可能性も考えたはずだ」
セスは心理学者にでもなった方がいいのではなかろうか。感情を出さずに淡々と語るセスを見てそう思う。この世界にそんな職業があるのかは知らないけれど。
「全くもってその通りすぎて何も言えないよ…」
感服だ。
どう言おうか悩む必要すらなく、言いたいことは全部言ってくれた。
清々しいとすら思えてくる。
「じゃあ安心させるためにもう一度言っておこうか。俺は君を害することはしない。それは約束しよう。むしろ君にとって有益な話ができるのではないかな」
「…有益?」
予想外の言葉が返ってきた。
しかし私にとって有益な話ということは、セスは味方だということを意味している。
そうだよね?そうだと信じよう。
だとしたら、だ。
「ならさ、もう少し違う言い方あったよね。わざわざあんな言い方をして僕の恐怖を煽る必要あった?」
恐怖を通り越し、悟りの境地すらも通り越し、怒りが湧いてくる。
「君は直接的に言うのが怖かったんだろうから、俺の方から単刀直入に話をした方がいいと思っただけだ。別に恐怖を煽ろうと思ったわけではないよ」
私が怒りの感情を持っていることはきっとセスにも伝わっている。
だがそれでもセスは表情も変えないし、その言葉に感情も乗せてこない。
それがさらに私を苛立たせた。
「じゃあ何であんな淡々と言うの?ただでさえ怖いのにあんな感情のない声で言われたらさらに恐怖が煽られるよ!」
「じゃあ君はなぜ一番最初に俺に話をしたの?ご両親は?いるよね?」
「……」
冷静なその言葉にヒートアップした気持ちが一気に醒めていく。
これじゃただの八つ当たりだ。セスがこういう人なのはわかっていたことなのに。
「ごめん…酷いことを言った」
「いや…俺も冷たい言い方をしてしまったのは事実だ。君の気持ちをもっと考えるべきだった。すまない」
「ううん…ごめん」
私の謝罪にセスは同じく謝罪で返した。
セスが悪いんじゃない。私が勝手に話したことなのに大人な対応だ。
「両親はいる…けど、拒絶されるのが怖かった。それに、元の世界と違うこの世界を見る前に里で死ぬのは嫌だった」
「だとしても、最初にニコラあたりに話をしていればもう少し安心して話せたと思うよ。俺は暗殺者なんだって言ったよね」
確かにその通りだ。私はリスクが高いとわかっていながらセスに話をすることを選んだ。それを決めたのは自分だ。
「君は自分が異世界からの転生者だと打ち明けることによって、相手がどういう出方をするのかわからなかったんだろう?受け入れられるのか、排斥されるのか、命すら狙われるのか。俺が君を殺しにかかったらどうするつもりだったの?戦うつもりだった?それとも逃げるつもりだった?」
真面目な顔でセスが聞く。
「諦めるつもりだった」
「…どうして…。相手がニコラなら君に対して情をかけると思うし、仮にそうではないにしても君なら逃げられるはずだ」
セスが眉を寄せる。
そうだろうな。
もし転生者が殺されるべき存在だとしても、ニコラはきっと躊躇うだろう。その隙に逃げることは、たぶんできる。
「僕がこの世界で生きてはいけない存在だとしたら、ここで生き延びたとしてもいつかは誰かに殺されることになる。それだったら、僕はセスに殺されたかった」
「……」
セスが驚愕の表情を浮かべて私を見つめた。
セスでも予想外のことがあるんだな、なんてどこか冷静な考えが頭に浮かぶ。
「…なぜ」
どうして、なぜ。セスは疑問を繰り返す。
「僕は元の世界で1人だった。今の僕と同じくらいの時に家族が全員死んで、そこからは誰にも必要とされず、誰にも愛されなかった。この世界でもそうなら、生きていたって何の意味もない。だから僕は…セスに受け入れてほしかったんだと思う。受け入れられないのなら殺してほしかった。後でそうなって絶望に落とされるくらいなら、今そうしてほしい」
「……」
私の話をセスは口を挟むこともなく、ただ静かに聞いている。
私の目を真っ直ぐに見つめる青い瞳は揺れていた。
今何を考えているんだろう。私の話をどう感じたのだろう。
「でも正直…衝動的だった。さっきの帰り道で急に話そうと思ったんだ。酔ってたのかもね。だからここに帰ってきて、一気に怖くなった」
「それなのに話をしたの?話をする前の君には、やっぱりやめるという選択肢だってあったはずだ」
「いや、だって聞いてほしいって言っちゃったし…。まぁ、受け入れてほしいという気持ちが大きかったのかな…」
「……」
沈黙が流れた。
セスは視線を落として何かを考えているのか何も言わない。
今は何時なのだろう。もうだいぶ遅い時間なはずなのに眠気は感じられない。昼にたくさん寝てしまったからというより、気持ちが落ち着かないせいで眠気が来ない。
口に含んだバルロ茶は苦かった。
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