クルスの調べ

緋霧

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四章

第59話 クビト族

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 愛する者を失った。生きている意味がない。そう語るヘルムートの顔は無表情だ。これを私は知っている。悲しみを通り越した人間が見せる表情だ。

「だから…後を追いたいということですか…」

 それを実際に行動に移そうとしているヘルムートほどではないだろうが、家族を亡くした私にもその気持ちは分からなくもない。

「そうだな。だがゲオルグはそれが許せないんだ。私が愛したのはゲオルグの妹で、その彼女は私を守るために死んだ。だから彼女に守られて生き残った私が死を望むことが許せない」

「……っ」

 まるでパーシヴァルとエレンのようだ。いや、まさに今回私だってその彼女と同じことをした。ゲオルグがヘルムートを死なせたくない気持ちも分かってしまう。

「それでも…ヘルムートさん、貴方は…死を望むんですね…」

「…愛する者がいない世界で生きるのは辛い。彼女は私を守って死んだが、もし逆の立場なら私はそうせずに彼女を殺して共に死んだだろう」

「…その方が、幸せなのかもしれませんね…」

 相手を残して死ぬくらいなら、いっそ一緒に死んだ方がいい。そういう選択肢も悪くはないと思う。それをお互いが望む間柄なのであれば。

「でも君がここにいるということは、君は自らの身を犠牲として天族を逃がしてきたのだろう?まさか仲間に見捨てられたというわけではあるまい」

 射抜くようなヘルムートの言葉に、心臓が跳ねた。

「…そう、ですね…。セスは…仲間はもう、戦える状態じゃなかった…。僕もそんな仲間を守って戦えるほど…力が残っていなかった。だから仲間を先に逃がして、後で追いかけるつもりだったんです…。こんな結果になって、説得力もありませんが…自分の命を犠牲にするつもりは、なかった」

「なるほど。満身創痍の状態で勝てるほど、ゲオルグも弱い男じゃないだろうからな」

 私の言葉に悲しそうな表情を見せて、ヘルムートは静かに言った。
 そうか、事情を知らないヘルムートは私がゲオルグと戦って負けたと思っているのか。

「違うんです。ゲオルグさんとは、戦ってません。僕たちがルブラに来る原因となった魔族が…リンクの側で待ち構えていたんです。ゲオルグさんと同じように、僕たちが死ぬか弱るのを狙って…」

「君たちをルブラに落としたロア族の魔族か」

「ロア族?貴方は…フェリシアを知っているんですか?」

「その人物は知らない。魔族が開いたゲートでルブラに落とされた、と君はゲオルグに話したのだろう?私はそれを又聞きしただけだ。そしてそれができる種族はロア族しかいない」

「なるほど…」

 だからフェリシアを知っているかのような口ぶりだったのか。
 ヘルムートはゲオルグがセスを手に入れようとしていたことを事前に知っていたようだし、私がゲオルグに協力を仰ぐ際に説明した事情も聞いていたのだろう。

「そのロア族は君が倒したのか?それともゲオルグが?」

「僕です。ほとんど、相打ちでしたけど…」

「なるほど。それで後から来たゲオルグに捕えられたというわけか」

「…その通りです。ヘルムートさん、どうして僕は…生け捕りにされたんですか?ゲオルグさんは、"屍を拾いに来た"と言っていました。ということは、死体でもよかったということですよね。生きたまま食べたほうが、糧になるということですか?」

「……」

 私の質問にヘルムートはすぐに答えなかった。
 ただ真っ直ぐに私の目を見つめている。その表情には感情の色が見えなくて何を考えているのか窺い知れない。

「…廻《まわ》し餌《え》にするためだ」

「廻し餌…?」

 長い沈黙を経てヘルムートが口を開いた。
 確かゲオルグもその単語を口にしていた。
 餌を回すという言葉から察するにあまりいい意味ではなさそうだな。

「クビト族は血を与えることで傷を癒す能力を有している。だから、人を喰ってその傷を癒し、また喰う。1人の人間をそうやって餌にし続けることを、廻し餌という」

「……」

 生きたまま喰われて治癒されてまた喰われる。そんなの拷問より酷い。拷問なら聞かれたことを吐けば終わるがこれは終わらない。体の自由を奪われて、力も封じられて自分で死ぬことすら叶わない状況で、永遠に苦痛を与えられる。そのために私は生きたまま連れて来られたなんてゾッとするどころの話じゃない。

「…餌にされる側はたまったものではないだろう。クビト族に会ったら即座に命を絶て、などと言われているくらいだ。だが我々とて情というものがあるのでな。死んだ人間の肉を喰う者がほとんどだ」

 クビト族は血も涙もない悪魔、というわけではないようだ。
 まぁ、元々ヘルムートに私を餌とする気はないようだが、いつ気が変わるとも分からない。今のうちに殺してもらえるようお願いしておこう。

「…じゃあ、僕を殺してもらえませんか…。今の貴方に僕を廻し餌にするつもりは、ないんですよね」

「…ない。それをわかった上で君は私に殺してほしいと懇願するのか。なぜ助けを乞わない?今すぐ神力が尽きるというわけではなさそうだが」

 怪訝そうな表情でヘルムートが問う。
 確かにヘルムートならば頼めば私を解放してくれるかもしれないが、それだけでは解決しない。私はゲオルグに術を封じられているのだ。

「貴方が助けてくれたとしても…ゲオルグさんは納得しないでしょう…。そこで素直に納得して術を解いてくれるなら…きっと僕たちを追ってはこなかった。確かに、今すぐ神力が尽きるということはないですが、リンクまで行けるかと言ったら難しい…。カデムもミトスに逃がしてしまったので…」

 今の神力残量は2000ほどだ。もう体もだいぶ辛い。リッキーもいない今の状態でここから歩いたら何日かかるか分からないし、森にはカーダもいる。とてもじゃないが無事にたどり着けるとは思えない。

「もし君が私が出す条件を呑むというのならば、そのすべての問題を解決することは可能だ。君は生きてミトスに帰れるだろう」

「…条件?」

 願ってもない申し出ではあるが、あまりいい条件だとは思えない。
 ヘルムートは死を望んでいるのだ。助ける代わりに殺してほしいとでも言いだすのではないだろうか。おそらくヘルムートが自分で自分の命を絶たないのは、そうすると魂が消滅すると信じているからだろう。ゲオルグはヘルムートを生かしたいのだから望みを叶えることはしないし、これはヘルムートにとって絶好の機会でもあるはずだ。

「一度だけ、君を喰わせてほしい。そうすれば君を連れてミトスに行くくらいならできるだろう。ただ、なるべく苦痛を少なくする方法は取るが、それでもかなり辛い思いはさせることになる。だからそれを望まないというのならば、ここで一思いに殺してあげても私は構わない。さぁ、どうする?」

「……」

 違った。予想外過ぎた。
 かなり究極の選択だ。
 怖い。どうしよう。もう痛いのは嫌だ。確かにミトスに帰りたいけど、セスはもう私は死んだと思っているはずだし、ミトスに帰っても会えるかどうか分からない。だったらいっそ、ここで楽にしてもらったほうがいいのではないか…。

「…悩んでいるようだな」

 ヘルムートが私を見下ろして言った。
 その表情は真剣で、どの言葉にも嘘がないのだとわかる。身を差し出せば本当に生きてミトスに帰れるのだろう。
 でも、じゃあお願いしますだなんて、そう簡単に口にできない。

「…はい…」

「君が逃がした天族は、君とどういう関係だったんだ?仲間か?恋仲か?」

「…恋…っ!?」

 ヘルムートはゲオルグからセスの性別を聞いていないのか。
 思いもよらないことを聞かれてかなりの動揺を見せてしまったが、そういうことなら少し自分の気持ちを話してみてもいいかもしれない。

「仲間ですが…僕は、好きでした。向こうは、そういう目で僕を見ることはありませんでしたが、それでも構わなかった…一緒にいられれば、それだけで…」

「ならば、その者の元に帰りたいとは思わないのか?」

 真っ直ぐに私を見つめてヘルムートが聞く。
 愛する者がいない世界なら死んだ方がいい。それだけの思いを持った人間の視線が、覚悟を決められない私に痛いほど刺さってくる。

「思います…が…きっともう、向こうは…僕を待っているということは…ないでしょうから…」

「そうかな。ゲオルグの話を聞いた限りでは、天族の男も君のために命を捨てる覚悟だったようだが?そこまでできるほどの存在を失った人間が、そうすぐに遠くに行くとは思えないが」

「それは、…って、えっ?あれ、ヘルムートさん、連れが男って知ってたんですか?」

「ゲオルグから聞いたからな」

「…えぇ…」

 ヘルムートの顔は真面目そのものだ。真面目にセスが男であることを知った上で私に恋仲かと聞いてきたらしい。この世界でもアリなんだろうか。そういうの。

「別にだからどうだというのだ。誰かを想う気持ちに性別など関係あるまい」

「待って…待ってください、違うんです。確かにそうかもしれませんが、僕は違うんです。少し僕の話を、してもいいですか?」

「あぁ、構わないが」

 ここまで来たら転生者であることを話してしまおう。おそらくヘルムートはそれを知っても、私を利用しようなどと考えないはずだ。
 仮にそうしようとしたとしても、もうどうにでもなれ。案外喰われるか死ぬか以外の選択肢が出てくるかもしれない。

「ヘルムートさんは…転生者という存在を、知っていますか?」

「存在自体は知っている」

 ヘルムートは表情を変えることもなくただそれだけを返した。

「僕は、転生者なんです。異世界で生きていた記憶を持って…こちらの世界に転生した」

「…なるほど。つまり異世界で生きていた時には女性だったと、そう言いたいのかな」

 そりゃこのタイミングで突然こんなことを話したのだから、話の脈絡的にさすがにすぐそういう結論に至るだろう。
 話が早くて助かる。

「そう、そうなんです…。僕は、女なんです」

「そのことを天族は知っているのか?」

「転生者であることは知っていますが…元の世界で女であったことは、話してません」

「なぜ?」

 なぜ。確かに当然の質問だろう。
 好きということはともかく、女であることくらいは話しても支障はないわけだし。

「必要がなかったから…かな?それを言って…もし拒絶されたら、僕は立ち直れない。名をセスと言うのですが、セスとは今の関係を続けていければ、ただそれだけでよかった…」

「それにも関わらず、君たちは互いに命を懸けられるほどの関係性だったというわけか。ならば尚のこと帰ってやったらどうだ?おそらく君が思っている以上に、相手も君を大事に思っている。大切に想っている者を失くすのは辛い」

「……」

 ヘルムートはそう言うが、セスが私のために命を懸けようとしたのは、自分がもう生きて出られることはないと覚悟を決めていたからだ。
 そりゃ、仲間として大切に想っていてくれたことには変わりないだろうが、セスが男である私をそれ以上に想っていたとは考えにくい。というか、もしそれ以上に何か特別な感情を持っていたとするならばそれはいわゆるBLってことになる。実際どうだったのかはわからないが、私からはそんな風には見えなかった。
 でもまぁ、ヘルムートの言うことはわかる。ヘルムートは愛する人に守られて生き残った。セスに同じような思いをさせたくないと考えるのは自然だろうし、私だってパーシヴァルとエレンを見ていたのだ。セスに同じ思いはさせたくない。
 だから、自分だけここで楽になってはだめだ。生きられる可能性があるならば、足掻かなければ。

「…そうですね。それはわかっていたはずなのに…僕は、自分のことしか考えてなかった。セスのためにも…帰りたいです。どうか、力を貸してください」

「わかった」

 私の言葉に若干の笑みを見せてから短く返事をして、ヘルムートは立ち上がった。
 そして部屋の奥にある棚から剣を取り、私の側まで歩いてくる。
 鞘にも柄にも豪華な模様が描かれている剣だ。エクスカリバー、という名前がついていてもおかしくないくらいの豪華さがある。抜かれた刀身には一点の曇りもなく、よく手入れされているのがわかる。

「腕を2本もらう」

「…う、腕…?」

「落とした腕はちゃんと再生させるから安心するといい」

「…わかり、ました」

 苦痛を少なくする方法、とは剣で落としてから食べるということか。確かにそのままムシャムシャやられるよりはその方が格段に楽だろう。しかし欠損した腕も再生できるとはクビト族の能力はすさまじいな。

「動かないように。動くと余計に苦しむぞ」

「……」

 ヘルムートが構えた剣から禍々しい気配のようなものを感じる。例えるならば、刀身に見えない煙が纏わり付いているような感じだ。きっとそれが魔気なのだろう。
 怖い。怖いが自分でそう決めたことだ。
 しかし余計に苦しむのはごめんなので、私は強く目を閉じて大人しくその時を待った。



 結論から言うと、辛かったが拷問を受けた時に比べればまだマシだった。
 ヘルムートが躊躇わずに両腕を落としてすぐに回復させてくれたおかげで、苦痛にもがく時間は短くて済んだんだと思う。
 しかし無くなった腕が再生していくのには何とも言葉に言い表せない不快感があったし、床に落ちた自分の両腕を見下ろした時には吐き気を催した。そしてそれをこれからヘルムートが喰うのだと思うと、助けてもらっておきながら悍《おぞ》ましさすら感じてしまった。
 そんな私を気遣うためなのか、単に自分が人肉を食すところを他人に見せたくないからなのか、ヘルムートがお風呂を勧めてくれた。
 何とここには、薪で沸かすお風呂があった。湯船にパイプが付けられていて、外で薪を燃やして温めるようになっている。
 シスタスやカルナには当然このようなお風呂はなかった。自分でお湯を作れない人は風呂屋に頼むのが普通だと思っていたのでとても新鮮だ。
 ヘルムートは私が連れて来られる直前にお風呂を準備していたのだそうで、ちょうどいい温度のお湯が並々張られていた。
 それに加えてヘルムートはボロボロになった服じゃあれだから、と自分が使っていたらしい服までくれた。ヘルムートは背が結構高いのでサイズは合わないが、さすがに血まみれボロボロの服よりいい。腕のことは考えないようにして、ありがたく久しぶりのお風呂を堪能した。

 そしてこの時、服を脱いで初めて自分の胸に赤い文様があることに気づいた。
 剣を模したような、複雑な文様だった。きっとこれがゲオルグが私にかけた呪術なのだろう。
 試しに神術を使おうとしたけれど、封力の首輪を着けられた時と同じように何も起こらなかった。

 お風呂から戻った時には腕はおろか血の跡すらなく、ゲオルグが私に着けた枷だけが床に落ちていた。それもきっとヘルムートが気を遣って綺麗にしてくれたのだろう。
 私も入ってくる、と入れ違うようにヘルムートはお風呂へと行ってしまったが、先ほどまでの具合の悪そうな感じは微塵もなかった。腕の2本だけでそこまでの回復を見せるとは驚きだ。
 寝室にはベッドと棚しかないので、床に座って1人でヘルムートの戻りを待つ。
 ここ数日ろくに食事も摂っていないが、あまり空腹は感じない。が、息が苦しい。神力の残りは25%ほどだ。体力も同様に減っている。いくら怪我を治してもらったと言っても、これ以上に体力は回復しない。正直かなりしんどい。

「シエル」

「……っ!?」

 名前を呼ばれて覚醒した。いつの間にか寝てしまっていたようだ。こんな状況なのに眠ってしまうとは自分でも呆れる。

「すみません、寝てました…」

「いや、構わない。食事は摂れそうか?一応軽く用意をしたから食べられそうならこちらに来るといい」

 特に気にした様子もなくヘルムートが言った。
 いつの間にか食事を用意してくれていたようだ。

「ありがとうございます。いただきます…」

 ここから先を考えると少しでも食べておかねばならない。
 リンクまでは騎乗生物に乗ったとしても2日ほどかかる。ヘルムートがどういう手段で行くつもりなのかはわからないが、まともに食事を摂れるのはこのタイミングが最後になるはずだ。
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