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四章
幕間 ヘルムート
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それは氷のように冷たく、炎のように熱く、風のように掴み所がない。かと思えば大地のようにただ静かにそこにいて、時の流れを見守っている。
「悪くない、光景だ…」
その呟きすら、私を見下ろす深い青の双眸に吸い込まれていく気がした。
「少し、私に時間をもらえるかな」
「…ええ」
だいぶ闇が深くなった頃、突然の訪問だったにも関わらずその部屋の主は驚き1つ見せずに私を迎え入れた。
「シエルは、この部屋を訪ねてきたりするのかな?」
私を部屋の奥にある椅子に座るように促し飲み物を用意している部屋の主、セスの背に私は問いかけた。
「少なくとも今まではなかったので、確率としてはそう高くないでしょう」
「今までは、ね。でも君たちの関係性は変わったのだろう?」
私に背を向けたまま淡々と答えるセスに言葉を投げ掛けると、セスは動きを止めて振り返った。
私をまっすぐに捉えるその瞳は、彼がシエルに見せていたものに比べると遥かに温度を下げている。
「……なるほど」
そしてすべてを理解したかのような物言いをして、再び背を向け静かに液体をグラスへと注いだ。液体が流れ落ちるその音が、何故かとても心地よく感じる。
やがて2つのグラスを持ってセスは私の前まで歩みを進め、それをテーブルに置いて向かいへと座った。
「ありがとう」
「バルロ茶しかありませんでしたが」
「構わないよ」
こういった宿には大抵バルロ茶が置かれている。
置かれているからと言って常日頃口にしている訳でもないそのバルロ茶を口に含むと、何とも言えない苦味が広がった。
「あなたはシエルから色々と聞いているんですね」
断定するような言い方をするセスは無表情だ。そこから感情を読み取ることは難しい。
「そうだね。君が聞くよりも早く聞いたこともある。だがそれを私に話すことでシエルはこの結果を選ぶことができたのだ。責めないであげてほしいね」
「別に、責めるつもりなどありません。今までそれを知りながら拒んでいたのは俺の方ですから」
視線を外し、少し悲しげな表情を見せてセスはそう答えた。
「君には君の事情があったのだろう。そしてシエルにもシエルの事情があった。いつ何時でもすべてを晒け出せる人間などそういない。一度発した言葉は、なかったことにはできないからね」
「……」
知った上で拒んでいたのなら、それはそれなりの理由があるのだろう。
それが何なのか私が知ることではないが、"間に合った"彼らが少し羨ましくなった。
「それでも、君たちは互いに晒け出す選択をし、受け入れる選択をした。出過ぎた真似をしたかもしれないが、私は君に私と同じ轍を踏んでほしくなかったものでね」
「出過ぎた真似など…そんなことはありません。貴方には本当に感謝しています」
再び私の目をまっすぐに見てセスは言った。
この男が今まで抱え込んでいた何かを覆してもいいと思える存在を手に入れられたのなら、単純に良かった、と思う。
おそらく、シエルよりもよほどこの男の方が、1人では生きていけない人間だ。
「では、君から礼をもらおうかな」
わざとらしく笑みを作ってそう言うと、セスは再び私から視線を外した。
「ええ。俺にできることなら、何なりと」
まるで、私が何を目的として彼の前に居座っているのかわかっているかのように。
セスがリュシュナ族であろうことはゲオルグも予想していたし、その話を聞いた私もそうだろうと思っていた。
武器を持って戦う天族はそう多くなく、その中でもヒューマに最も近い見た目を持つのがリュシュナ族だ。
実際、セスからもシエルからもセスがリュシュナ族であると聞いたわけではないが、そうであることはおそらく間違いないだろう。
アルディナは、自身が創り出した天族という存在に、自死を禁じた。
魂を傷つけられるのは自分自身のみであり、それが傷つけば転生の輪廻から外れる。それをさせないために、アルディナは本能として自らの魂を傷つける行為を取れないようにと天族を創り上げた。
まぁ、抜け道はいかようにもあるらしいが、基本的には寿命を待つか、誰かに殺してもらわなければ死ぬことは叶わない。
元々、リュシュナ族がアルディナの各地で独自ギルドのようなものを作り上げたのは、死を望む天族に死を与えることを目的としていたのだという。
正当な取引としてそれを行うことで、望む方も、望まれる方も罪悪感を得ることがないようにと。
果たしてそれはアルディナの望むところだったのかどうなのか甚だ疑問だが、とにかくリュシュナ族は他人に死を与えることを生業としている一族だ。
そこに何の感情を入れることもなく、ただ与えらえた仕事を淡々と熟す。そんな一族だ。
だから、私はセスに会いたかった。
シエルが事の顛末をセスに説明した際、私とモニカのことを話すことはなかった。
私に窺いを立てることもなくそれを話す人間ではないことはわかっていたので、それについては補足という形で私から軽く説明してある。
セスはそれを聞いて少なからず自分と私を重ね合わせたであろうが、最初から最後まで顔色を変えることはなかった。
それを見て、この男はそれだけで私の望みを把握したのだと悟った。
「私は呪われていてね」
幾分長考だったかもしれないが、その間もセスはただ静かに私の言葉を待っていた。
「ゲオルグさんの呪いですか?」
私の言葉に視線を上げ、やはり感情の籠らない瞳で私を見つめている。
「そうだ。君たち天族と同じ、自身の魂を傷つけられない呪い」
自死を禁じられている天族とは違い、魔族はいつだってそれを自由に行うことができる。不死特性を持つ魔族だって、自分自身で魂を傷つければ死ぬことができる。
しかしゲオルグは呪術を使って私に自死を禁じる呪いをかけた。それがなければ、私はとっくに自ら命を絶っていただろう。
記憶を持って転生できないのであれば、転生をする意味などない。しかし記憶を持って転生するのであれば、それもまた今の私には意味のないことだ。結局、転生に拘る意味がない。
モニカは自身の命を代償としたことで、魂を滅してしまったのだから。
それを考えると、異世界からの転生者は哀れだ。
今までに聞いたどの転生者も、卑劣な考えを起こす人間たちによって散々利用されてきている。
別の世界の、類稀なる知識を持ったまま転生してしまったがために。
しかしそれでもシエルは、セスという絶対的に信頼できる存在を得たことで救われたのかもしれない。
「モニカが命を代償にして私を救ったことで、一番人生を狂わされたのはゲオルグだ。ゲオルグにとって、モニカはすべてだった。だからそのモニカに生かされた私を生かすことでしか、己を保つことができなかったんだろう」
「…なるほど」
屈強な男に見えて、ゲオルグは弱い。
モニカのためにすべてを捨て、モニカのためだけに生きて来たのだから、そのモニカを失えば崩れてしまうのは仕方がないのかもしれない。
が、解呪するためにとゲオルグを殺せなかった私は、きっとそれ以上に弱いのだろう。
「だからセス、私を殺してくれ。対価はシエルを君の元に連れて来たことと、君に渡したあの剣だ」
そう言いながら、剣の対価として受け取った白金貨10枚をテーブルに置いた。
私の言葉を聞いても、置かれた白金貨を見ても、セスの表情は変わらない。
「こちらの出す条件を呑んでいただけるなら、お受けします」
そして静かにそう口にした。
なるほど、その内容は予想できる。
「シエルに気取られるな、って?」
「…そうです。言わずとも、貴方は元よりそのつもりなのではないかと思ってはいるのですが」
私の言葉にセスは苦い笑みを浮かべて言葉を返した。
「そうだね。わざわざシエルの前で君に剣を買わないか持ちかけてみたり、シエルが寝静まった後にこうして君を訪ねてみたり、私なりに気取られないようにしているつもりだ。シエルは君に私を殺させたくはないだろうからね」
「助かります。シエルに気持ちをぶつけられると心が乱れますし、その後のフォローも正直、大変なので」
好きな女の言葉1つで心を掻き乱されるだなんて、何とも人間らしい。
人間らしいが故にこうして必死になっているんだと思うと、哀れにもなる。
「では、正式に貴方の依頼をお受けしましょう。それに際し、いくつか確認しておきたいことがあるのですがよろしいですか?」
「ああ」
「貴方がどのような方法を望むのかと、どこまでを望むのかについて」
単純に、"心臓を一突きにしてくれ"と頼んだら、"クビト族である貴方の場合、そう楽には死ねないと思いますがいいですか"と聞かれた。
"それでもいい"と答えると、"わかりました"と短く返事をして、彼は次の話に移った。
次にセスは、私が死んだ後にその肉体をどうするのかと問うた。
確かにクビト族である私の肉体は、死してなお使い道がある。おそらく望めばその痕跡をすべて消してもらえるのだろう。だが、自分が死んだ後のことなど正直どうでもよかった。
だから、"その場にそのまま残して構わない、何なら君が利用してくれてもいい"と答えた。
セスはそれを聞いて、"では自然の摂理に任せます"とだけ言った。
その気遣いは、素直に嬉しいと感じた。
「すみません、お待たせしました」
別に時間を約束していた訳でもないのに、現れた彼は私を見るなりそう言った。
ここはロッソの街を出て1時間ほど歩いた場所にある、丘だ。
近くに1本高く伸びる木があり、ロッソの街からはちょうどいい目印となった。
この場所を指定したのは私だ。あそこで待っているからいつでもいいとセスに告げ、最後の朝食を共にしてから数時間が経過しただろうか。
「シエルに勘付かれるといけないので、少し入念に準備をさせてもらいました」
「構わないよ。急いでいるわけではないからね。しかし何と言って別行動を取っているのかは知らないが、シエルが君の後をつけてくることはないだろうに」
「そうですね。ほぼないでしょう。ですが、そのわずかな可能性を捨てたがために過去何度か失敗しましたので、今回ばかりは念入りに。シエルは俺の予測の範囲を思いもよらない所から超えていくので」
この男でもシエルに翻弄されることがあるのだと思うと、思わず笑みがこぼれそうで慌てて噛み殺した。
「可笑しいですよね」
「いや、すまない。笑うつもりはなかったのだが、少々意外でね」
噛み殺せていなかったらしい笑みを悟られ、私は取り繕うようにそう言った。
「いいんです。俺も自分で呆れてしまいましたから。ここまで自分の予測に収まらないのかと」
「それだけ君に対して真剣に向き合っているのだろう、シエルは」
「ええ、そうですね…」
そう言って笑うセスは諦めたようでいて、どこか嬉しそうに見えた。
「1つ、聞かせてほしい。もし君が、自分の命を絶つことができるとするなら…シエルを失った時に君はどうしていた?」
それを聞いてどうするのかと言われるだろうか。しかし自分と似た境遇を持つこの男は、今でこそ笑みを浮かべているが一時は絶望の最中にいたはずだ。もしその時に自死が可能だったとするならば、どういう選択をしたのだろうか。
「天族が自死を禁じられているというのは世に広く浸透しているのでしょうが、実はいかようにもやり方はあるんですよ。あの時の俺にもそれは可能だった。しかし、シエルが俺の命を救うために命を懸けたのだと思うと…この命を捨てることはできませんでした」
「…ほぅ」
私の質問にしかしセスは真面目に答えてくれた。
「それは、どのような方法だ?呪いをかけられた時に、私はそれでも自分の命を絶つ方法を模索した。しかし結局、人を喰わずしてゆるゆると朽ちて行くのを待つより他になかった。君はどのようなからくりを使って自分の命を絶てるというのだ?」
セスがどのような選択をしたのかよりも、いかようにもやり方はあると豪語したその方法が気になった。
それならば、その時の私にもやりようはあったのだろうか。
「1つ目は、俺が持っているアルディナへの転移石を使う方法です。神力をある程度消費してから使えば、発動に足る神力がないがために簡単に死ぬことができる。その場に死体を残すことになるので、あまり推奨はされませんけどね」
なるほど。確かに術師ではない人間の場合、転移術は命に関わる。しかしそれには転移石という道具が必要だ。そう易々と手に入るものではない。
「2つ目は、"クルスの調べ"を発動する方法」
「クルスの調べ?話には聞いたことあるが、実在する術なのか?」
それは、自死を禁じられた天族がどうやったらそれを可能とするか研究し尽くして生まれた術だと聞いたことがある。
しかも、神力を封じられた状態でも使え、自死には当たらずして自分の命を絶てるという奇跡のような神術らしい。
奇しくもアルディナの意思に逆らうような形で、天族は禁忌をひっくり返すほどの奇術を手に入れたのだ。
しかし話の中だけで存在する術なのでは、という説も聞くくらい、それを実際に見たものはいない。
「クルスの調べは実在します。音を使う難しい術なので、できる人間は限られますが」
「君はそれができるというのか」
「ええ。できるから、俺はミトスに降りることを許された。クルスの調べはリュシュナ族の秘石ごと、完全に肉体を消滅させる。"秘石を利用される前に、肉体を滅せよ"ミトスで死を悟った時にはそうするように、命令を受けています」
「なるほどな。他には?」
その方法は論外だ。一部の天族にしか使えない術では意味がない。
「俺があの時に取れた方法は、その2つです」
「そうか。私にはやはり無理だったか」
「そうですね。転移石でも手に入れない限りは、難しいでしょう。クビト族は魔術、使えませんよね」
「ああ、使えない」
人を糧とし、血で人を癒す。それがクビト族の能力であり、それがクビト族のすべてだ。
だから皆武器を取り、利用価値の高い自分の身を守った。リュシュナ族と似通った部分はある。
「それでもやっとここまで来た。やっと、死ねる」
「俺からも1つ聞かせてください。貴方はどうしてそこまで死を強く望めるのですか。俺にはできない。シエルの命を犠牲として生き延びたこの命で死を望むことは、どうしてもできなかった」
安堵の息を吐いた私を見据えてセスが言う。
セスはそうすることで私を責めているわけではなく、純粋にその理由を聞きたいようだ。
「私が弱いからだ。どちらかが死なねばならぬのなら、私はきっと自分の身を犠牲としてモニカを助けることはなかっただろう。そうしてモニカを1人残すくらいなら私は共に死ぬことを選ぶし、モニカにもそれを選んでほしかった。モニカは私だけのもので、私もまた、モニカだけのものだ。1人で生きている意味など、ない」
「…貴方は、強い。誰に何を言われようと、それを貫き通した貴方は強い」
どうだろうか。
おそらく強いのは、そんな私に死という赦しを与えてくれるセスだ。
それを言えばきっと彼は、"これは正当な取引ですから"とでも答えるのだろう。
「さぁ、始めようか、セス」
「……」
両手を広げた私を前に、セスは無言で背中から短剣を抜いた。
私が渡した剣を使わないところが、何ともセスらしい。
「動かないでくださいね。なるべく、苦しませたくはないので」
短剣に神気を纏わせてセスが言う。
例えば私が動いて急所を外したら、セスは"やっぱりやめますか"と聞くのだろうか。それとも、冷静に刺し直すのだろうか。
さすがにそれを試す気にはなれないが、苦しむ私を前にセスがどういう態度を取るのか少し気になった。
「あぁ、一思いに頼む」
その言葉を最後に、セスは地面を蹴った。
セスは、私をその手にかけるとシエルが悲しむことを理解している。
理解している上で、それを淡々と遂行しようとしている。
シエルに気取られないように、何事もなかったかのように。
わかっていてそれをやらせる私は、非道だろうか。
「……っ!!」
胸を深々と刺し貫く痛みに思考が遮られる。
わずかな息を吐き出した瞬間に短剣が引き抜かれ、私はまた痛みに息を詰めた。
崩れ落ちていく体を支えることもなく、感情の色を見せることもなく、セスはただ静かに私を見下ろしている。
まるで人形のようにも見えるそれは氷のように冷たく、炎のように熱く、風のように掴み所がない。かと思えば大地のようにただ静かにそこにいて、時の流れを見守っている。
「悪くない、光景だ…」
その呟きすら、私を見下ろす深い青の双眸に吸い込まれていく気がした。
私はやっと、私を縛るすべてのものから解放される。
「悪くない、光景だ…」
その呟きすら、私を見下ろす深い青の双眸に吸い込まれていく気がした。
「少し、私に時間をもらえるかな」
「…ええ」
だいぶ闇が深くなった頃、突然の訪問だったにも関わらずその部屋の主は驚き1つ見せずに私を迎え入れた。
「シエルは、この部屋を訪ねてきたりするのかな?」
私を部屋の奥にある椅子に座るように促し飲み物を用意している部屋の主、セスの背に私は問いかけた。
「少なくとも今まではなかったので、確率としてはそう高くないでしょう」
「今までは、ね。でも君たちの関係性は変わったのだろう?」
私に背を向けたまま淡々と答えるセスに言葉を投げ掛けると、セスは動きを止めて振り返った。
私をまっすぐに捉えるその瞳は、彼がシエルに見せていたものに比べると遥かに温度を下げている。
「……なるほど」
そしてすべてを理解したかのような物言いをして、再び背を向け静かに液体をグラスへと注いだ。液体が流れ落ちるその音が、何故かとても心地よく感じる。
やがて2つのグラスを持ってセスは私の前まで歩みを進め、それをテーブルに置いて向かいへと座った。
「ありがとう」
「バルロ茶しかありませんでしたが」
「構わないよ」
こういった宿には大抵バルロ茶が置かれている。
置かれているからと言って常日頃口にしている訳でもないそのバルロ茶を口に含むと、何とも言えない苦味が広がった。
「あなたはシエルから色々と聞いているんですね」
断定するような言い方をするセスは無表情だ。そこから感情を読み取ることは難しい。
「そうだね。君が聞くよりも早く聞いたこともある。だがそれを私に話すことでシエルはこの結果を選ぶことができたのだ。責めないであげてほしいね」
「別に、責めるつもりなどありません。今までそれを知りながら拒んでいたのは俺の方ですから」
視線を外し、少し悲しげな表情を見せてセスはそう答えた。
「君には君の事情があったのだろう。そしてシエルにもシエルの事情があった。いつ何時でもすべてを晒け出せる人間などそういない。一度発した言葉は、なかったことにはできないからね」
「……」
知った上で拒んでいたのなら、それはそれなりの理由があるのだろう。
それが何なのか私が知ることではないが、"間に合った"彼らが少し羨ましくなった。
「それでも、君たちは互いに晒け出す選択をし、受け入れる選択をした。出過ぎた真似をしたかもしれないが、私は君に私と同じ轍を踏んでほしくなかったものでね」
「出過ぎた真似など…そんなことはありません。貴方には本当に感謝しています」
再び私の目をまっすぐに見てセスは言った。
この男が今まで抱え込んでいた何かを覆してもいいと思える存在を手に入れられたのなら、単純に良かった、と思う。
おそらく、シエルよりもよほどこの男の方が、1人では生きていけない人間だ。
「では、君から礼をもらおうかな」
わざとらしく笑みを作ってそう言うと、セスは再び私から視線を外した。
「ええ。俺にできることなら、何なりと」
まるで、私が何を目的として彼の前に居座っているのかわかっているかのように。
セスがリュシュナ族であろうことはゲオルグも予想していたし、その話を聞いた私もそうだろうと思っていた。
武器を持って戦う天族はそう多くなく、その中でもヒューマに最も近い見た目を持つのがリュシュナ族だ。
実際、セスからもシエルからもセスがリュシュナ族であると聞いたわけではないが、そうであることはおそらく間違いないだろう。
アルディナは、自身が創り出した天族という存在に、自死を禁じた。
魂を傷つけられるのは自分自身のみであり、それが傷つけば転生の輪廻から外れる。それをさせないために、アルディナは本能として自らの魂を傷つける行為を取れないようにと天族を創り上げた。
まぁ、抜け道はいかようにもあるらしいが、基本的には寿命を待つか、誰かに殺してもらわなければ死ぬことは叶わない。
元々、リュシュナ族がアルディナの各地で独自ギルドのようなものを作り上げたのは、死を望む天族に死を与えることを目的としていたのだという。
正当な取引としてそれを行うことで、望む方も、望まれる方も罪悪感を得ることがないようにと。
果たしてそれはアルディナの望むところだったのかどうなのか甚だ疑問だが、とにかくリュシュナ族は他人に死を与えることを生業としている一族だ。
そこに何の感情を入れることもなく、ただ与えらえた仕事を淡々と熟す。そんな一族だ。
だから、私はセスに会いたかった。
シエルが事の顛末をセスに説明した際、私とモニカのことを話すことはなかった。
私に窺いを立てることもなくそれを話す人間ではないことはわかっていたので、それについては補足という形で私から軽く説明してある。
セスはそれを聞いて少なからず自分と私を重ね合わせたであろうが、最初から最後まで顔色を変えることはなかった。
それを見て、この男はそれだけで私の望みを把握したのだと悟った。
「私は呪われていてね」
幾分長考だったかもしれないが、その間もセスはただ静かに私の言葉を待っていた。
「ゲオルグさんの呪いですか?」
私の言葉に視線を上げ、やはり感情の籠らない瞳で私を見つめている。
「そうだ。君たち天族と同じ、自身の魂を傷つけられない呪い」
自死を禁じられている天族とは違い、魔族はいつだってそれを自由に行うことができる。不死特性を持つ魔族だって、自分自身で魂を傷つければ死ぬことができる。
しかしゲオルグは呪術を使って私に自死を禁じる呪いをかけた。それがなければ、私はとっくに自ら命を絶っていただろう。
記憶を持って転生できないのであれば、転生をする意味などない。しかし記憶を持って転生するのであれば、それもまた今の私には意味のないことだ。結局、転生に拘る意味がない。
モニカは自身の命を代償としたことで、魂を滅してしまったのだから。
それを考えると、異世界からの転生者は哀れだ。
今までに聞いたどの転生者も、卑劣な考えを起こす人間たちによって散々利用されてきている。
別の世界の、類稀なる知識を持ったまま転生してしまったがために。
しかしそれでもシエルは、セスという絶対的に信頼できる存在を得たことで救われたのかもしれない。
「モニカが命を代償にして私を救ったことで、一番人生を狂わされたのはゲオルグだ。ゲオルグにとって、モニカはすべてだった。だからそのモニカに生かされた私を生かすことでしか、己を保つことができなかったんだろう」
「…なるほど」
屈強な男に見えて、ゲオルグは弱い。
モニカのためにすべてを捨て、モニカのためだけに生きて来たのだから、そのモニカを失えば崩れてしまうのは仕方がないのかもしれない。
が、解呪するためにとゲオルグを殺せなかった私は、きっとそれ以上に弱いのだろう。
「だからセス、私を殺してくれ。対価はシエルを君の元に連れて来たことと、君に渡したあの剣だ」
そう言いながら、剣の対価として受け取った白金貨10枚をテーブルに置いた。
私の言葉を聞いても、置かれた白金貨を見ても、セスの表情は変わらない。
「こちらの出す条件を呑んでいただけるなら、お受けします」
そして静かにそう口にした。
なるほど、その内容は予想できる。
「シエルに気取られるな、って?」
「…そうです。言わずとも、貴方は元よりそのつもりなのではないかと思ってはいるのですが」
私の言葉にセスは苦い笑みを浮かべて言葉を返した。
「そうだね。わざわざシエルの前で君に剣を買わないか持ちかけてみたり、シエルが寝静まった後にこうして君を訪ねてみたり、私なりに気取られないようにしているつもりだ。シエルは君に私を殺させたくはないだろうからね」
「助かります。シエルに気持ちをぶつけられると心が乱れますし、その後のフォローも正直、大変なので」
好きな女の言葉1つで心を掻き乱されるだなんて、何とも人間らしい。
人間らしいが故にこうして必死になっているんだと思うと、哀れにもなる。
「では、正式に貴方の依頼をお受けしましょう。それに際し、いくつか確認しておきたいことがあるのですがよろしいですか?」
「ああ」
「貴方がどのような方法を望むのかと、どこまでを望むのかについて」
単純に、"心臓を一突きにしてくれ"と頼んだら、"クビト族である貴方の場合、そう楽には死ねないと思いますがいいですか"と聞かれた。
"それでもいい"と答えると、"わかりました"と短く返事をして、彼は次の話に移った。
次にセスは、私が死んだ後にその肉体をどうするのかと問うた。
確かにクビト族である私の肉体は、死してなお使い道がある。おそらく望めばその痕跡をすべて消してもらえるのだろう。だが、自分が死んだ後のことなど正直どうでもよかった。
だから、"その場にそのまま残して構わない、何なら君が利用してくれてもいい"と答えた。
セスはそれを聞いて、"では自然の摂理に任せます"とだけ言った。
その気遣いは、素直に嬉しいと感じた。
「すみません、お待たせしました」
別に時間を約束していた訳でもないのに、現れた彼は私を見るなりそう言った。
ここはロッソの街を出て1時間ほど歩いた場所にある、丘だ。
近くに1本高く伸びる木があり、ロッソの街からはちょうどいい目印となった。
この場所を指定したのは私だ。あそこで待っているからいつでもいいとセスに告げ、最後の朝食を共にしてから数時間が経過しただろうか。
「シエルに勘付かれるといけないので、少し入念に準備をさせてもらいました」
「構わないよ。急いでいるわけではないからね。しかし何と言って別行動を取っているのかは知らないが、シエルが君の後をつけてくることはないだろうに」
「そうですね。ほぼないでしょう。ですが、そのわずかな可能性を捨てたがために過去何度か失敗しましたので、今回ばかりは念入りに。シエルは俺の予測の範囲を思いもよらない所から超えていくので」
この男でもシエルに翻弄されることがあるのだと思うと、思わず笑みがこぼれそうで慌てて噛み殺した。
「可笑しいですよね」
「いや、すまない。笑うつもりはなかったのだが、少々意外でね」
噛み殺せていなかったらしい笑みを悟られ、私は取り繕うようにそう言った。
「いいんです。俺も自分で呆れてしまいましたから。ここまで自分の予測に収まらないのかと」
「それだけ君に対して真剣に向き合っているのだろう、シエルは」
「ええ、そうですね…」
そう言って笑うセスは諦めたようでいて、どこか嬉しそうに見えた。
「1つ、聞かせてほしい。もし君が、自分の命を絶つことができるとするなら…シエルを失った時に君はどうしていた?」
それを聞いてどうするのかと言われるだろうか。しかし自分と似た境遇を持つこの男は、今でこそ笑みを浮かべているが一時は絶望の最中にいたはずだ。もしその時に自死が可能だったとするならば、どういう選択をしたのだろうか。
「天族が自死を禁じられているというのは世に広く浸透しているのでしょうが、実はいかようにもやり方はあるんですよ。あの時の俺にもそれは可能だった。しかし、シエルが俺の命を救うために命を懸けたのだと思うと…この命を捨てることはできませんでした」
「…ほぅ」
私の質問にしかしセスは真面目に答えてくれた。
「それは、どのような方法だ?呪いをかけられた時に、私はそれでも自分の命を絶つ方法を模索した。しかし結局、人を喰わずしてゆるゆると朽ちて行くのを待つより他になかった。君はどのようなからくりを使って自分の命を絶てるというのだ?」
セスがどのような選択をしたのかよりも、いかようにもやり方はあると豪語したその方法が気になった。
それならば、その時の私にもやりようはあったのだろうか。
「1つ目は、俺が持っているアルディナへの転移石を使う方法です。神力をある程度消費してから使えば、発動に足る神力がないがために簡単に死ぬことができる。その場に死体を残すことになるので、あまり推奨はされませんけどね」
なるほど。確かに術師ではない人間の場合、転移術は命に関わる。しかしそれには転移石という道具が必要だ。そう易々と手に入るものではない。
「2つ目は、"クルスの調べ"を発動する方法」
「クルスの調べ?話には聞いたことあるが、実在する術なのか?」
それは、自死を禁じられた天族がどうやったらそれを可能とするか研究し尽くして生まれた術だと聞いたことがある。
しかも、神力を封じられた状態でも使え、自死には当たらずして自分の命を絶てるという奇跡のような神術らしい。
奇しくもアルディナの意思に逆らうような形で、天族は禁忌をひっくり返すほどの奇術を手に入れたのだ。
しかし話の中だけで存在する術なのでは、という説も聞くくらい、それを実際に見たものはいない。
「クルスの調べは実在します。音を使う難しい術なので、できる人間は限られますが」
「君はそれができるというのか」
「ええ。できるから、俺はミトスに降りることを許された。クルスの調べはリュシュナ族の秘石ごと、完全に肉体を消滅させる。"秘石を利用される前に、肉体を滅せよ"ミトスで死を悟った時にはそうするように、命令を受けています」
「なるほどな。他には?」
その方法は論外だ。一部の天族にしか使えない術では意味がない。
「俺があの時に取れた方法は、その2つです」
「そうか。私にはやはり無理だったか」
「そうですね。転移石でも手に入れない限りは、難しいでしょう。クビト族は魔術、使えませんよね」
「ああ、使えない」
人を糧とし、血で人を癒す。それがクビト族の能力であり、それがクビト族のすべてだ。
だから皆武器を取り、利用価値の高い自分の身を守った。リュシュナ族と似通った部分はある。
「それでもやっとここまで来た。やっと、死ねる」
「俺からも1つ聞かせてください。貴方はどうしてそこまで死を強く望めるのですか。俺にはできない。シエルの命を犠牲として生き延びたこの命で死を望むことは、どうしてもできなかった」
安堵の息を吐いた私を見据えてセスが言う。
セスはそうすることで私を責めているわけではなく、純粋にその理由を聞きたいようだ。
「私が弱いからだ。どちらかが死なねばならぬのなら、私はきっと自分の身を犠牲としてモニカを助けることはなかっただろう。そうしてモニカを1人残すくらいなら私は共に死ぬことを選ぶし、モニカにもそれを選んでほしかった。モニカは私だけのもので、私もまた、モニカだけのものだ。1人で生きている意味など、ない」
「…貴方は、強い。誰に何を言われようと、それを貫き通した貴方は強い」
どうだろうか。
おそらく強いのは、そんな私に死という赦しを与えてくれるセスだ。
それを言えばきっと彼は、"これは正当な取引ですから"とでも答えるのだろう。
「さぁ、始めようか、セス」
「……」
両手を広げた私を前に、セスは無言で背中から短剣を抜いた。
私が渡した剣を使わないところが、何ともセスらしい。
「動かないでくださいね。なるべく、苦しませたくはないので」
短剣に神気を纏わせてセスが言う。
例えば私が動いて急所を外したら、セスは"やっぱりやめますか"と聞くのだろうか。それとも、冷静に刺し直すのだろうか。
さすがにそれを試す気にはなれないが、苦しむ私を前にセスがどういう態度を取るのか少し気になった。
「あぁ、一思いに頼む」
その言葉を最後に、セスは地面を蹴った。
セスは、私をその手にかけるとシエルが悲しむことを理解している。
理解している上で、それを淡々と遂行しようとしている。
シエルに気取られないように、何事もなかったかのように。
わかっていてそれをやらせる私は、非道だろうか。
「……っ!!」
胸を深々と刺し貫く痛みに思考が遮られる。
わずかな息を吐き出した瞬間に短剣が引き抜かれ、私はまた痛みに息を詰めた。
崩れ落ちていく体を支えることもなく、感情の色を見せることもなく、セスはただ静かに私を見下ろしている。
まるで人形のようにも見えるそれは氷のように冷たく、炎のように熱く、風のように掴み所がない。かと思えば大地のようにただ静かにそこにいて、時の流れを見守っている。
「悪くない、光景だ…」
その呟きすら、私を見下ろす深い青の双眸に吸い込まれていく気がした。
私はやっと、私を縛るすべてのものから解放される。
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