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四章
第65話 エルンストとリュナ
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1人はつまらない。
昔はずっと1人だったはずなのに、いつからこんな風に感じるようになってしまったのだろう。
…などと問いかけなくとも、私の隣にセスがいるようになってからだというのは自覚している。
だから物珍しい工場地帯を1人で歩いていても、別段何も感じない。
結局、適当に街を見て回って、適当に小腹を満たして、最後にリッキーたちの顔を見に行って、私は早々に宿へと帰った。
私とセスは同じ宿でも階層が違うので、セスがいつ帰ってきたのかなんて全くわからなかったが、お腹が空いたななんて思い始めた頃にちょうど扉を叩く音がした。
「ねぇ、もし明日、お姉さんを見つけたら、セスは僕の前からいなくなるの?」
1人はつまらない、なんて昼に考えていたからだろうか。
セスと共に食堂で夕食を摂っていたら、私たちが旅を共にするのはセスがお姉さんを見つけるまでという条件付きだったことを急に思い出した。
「……」
それを聞いた私を、セスは見なかった。
「姉のことは、正直もうどうでもいい。見逃しても構わないと思っている。でも、ある日突然姿を消した姉とは違って、俺の生死は一族に把握されているんだ。任務を放棄すれば次は俺が処分対象になる」
「どうやって一族はセスが任務を放棄したと判断するの?」
どういう手法で生死を把握されているのかというのも気になるのだが、任務の放棄を判断する基準が一番気になる。
生死を把握されているだけなら、セスがお姉さんを追っているのか放棄しているのか一族は知り得ない気がするんだけど。20年という期間をヨハンの元で過ごしていたのだから、GPS的なものはついていないのだろうし。
「2~3年に一度、報告に戻っているんだ。だから多分5年とか、そういう期間戻らなければ放棄したと判断されるんじゃないかな」
「え、そうなの!?じゃあヨハンさんの所にいた時はどうしてたの?」
「その時だけヨハンの元を出てアルセノに行った。エスタでユスカに襲われる前、ちょうどアルセノからアルディナに戻って一度報告していたからね。次の報告の頃合いには純粋にヨハンに師事していた部分もあるし、ヨハンも止めなかったんだ」
「なるほど…」
20年間の間で何度かそうやってアルディナに戻っていたわけか。
それでまたちゃんとヨハンの元に戻っているということは、2人の関係性は話に聞くほど悪くなさそうな気がする。そのまま帰らないことだってできたんだし。
「任務を放棄して処分対象になったとしても、俺が姉を見つけられないようにそう簡単に見つかることはないかもしれない。でも、もし見つかった場合、きっと君を巻き込んでしまう。俺が追手だったら、確実に君を人質に取るからね」
「まぁ…そうなるよね…」
私でもきっとそうする。
わざわざ真正面から現れてセスと正々堂々戦うなんて危険すぎる。
しかし人質に取られるのはさすがに本意ではない。セスの枷になるなんてまっぴらごめんだ。
「じゃあ現状維持が一番なのかな」
お姉さんを取り立てて追う訳でもなく、しかし報告は怠らない。
そうすれば今と変わらず旅を続けることができる。
「そうなんだけど、一族が姉の捜索を打ち切ったら俺はもうミトスに戻れなくなるから…報告の時には君も一緒に連れて行こうかな。ただまぁ、アルディナでは俺は自由にできないから、できればミトスにいたいんだけどね」
「え、アルディナに行けるの!?」
「……そんなにアルディナに行きたいのか」
その言葉で目を輝かせた私を見て、セスが呆れたように笑った。
「そりゃあ、天界だから!一度は行ってみたいよね」
「天界だから、の意味がよくわからないけど、まぁ、じゃあ、エスタでヨハンに会った後はアルセノに渡ってアルディナに行こうか。ちょうど報告の時分だから」
「うんうん。じゃあ、アルディナ語をもっとちゃんと教わらなきゃ!」
「…普通にミトス語通じるけどね…」
というセスの呟きは聞こえなかったことにして、私はこの後セスの部屋を訪ねてアルディナ語を教えてもらった。
「ここからエスタに行くための経路は2つ。このまま北へ向かってアドルドを経由してヴェデュールに入るか、いったん東に出てヘレンシスカからヴェデュールに入るかだ」
朝食を食べ終わった後、テーブルに地図を広げてセスが切り出した。
ロッソの北にはアドルドがあり、東にはヘレンシスカがある。
ルーマスの最北に位置するヴェデュールはアドルドの北に当たるが、L字を逆にしたような形状のヘレンシスカもヴェデュールに接している。
「単純に考えれば最短距離はアドルド経由だよね。ヘレンシスカを経由する選択肢が出てきたのはどうして?僕が行きたいかどうか?」
「いや、そうじゃない。アドルドは山に囲まれている国だ。ヘレンシスカ経由に比べたら道中も険しいし、危険も多い。ヘレンシスカを経由して安全を取る選択肢もあるということだ」
「なるほど…」
確かに地図で見るアドルドは四方を山に囲まれており、入るのも出るのも山を越える必要がありそうだ。
しかしそれを避けてヘレンシスカを経由するなら、かなりの遠回りになる。
「どっちがおすすめ?」
「俺と君の2人なら問題ないだろうから、アドルド経由かな?ただその場合、馬車は用意しない方がいい。カデムに積める最低限の荷物だけで行かないと、山道がきつい」
「うーん…」
ということは、料理もできないのか。別にそんなに料理が好きというわけじゃないんだけど、保存食ばかりは飽きてしまう。
かと言ってそれを理由にわざわざ遠回りするのもなぁ。急いでエスタに行かなきゃいけないわけでもないから、いいっちゃいいのかもしれないけど…。
「何を悩んでいるの?」
「馬車じゃないと料理道具は積めないなーと思って」
「なるほど、そういうことか。まぁ、任せるよ。俺はどっちでもいいから」
だよね。どっちでもいいって言われると思った。
まぁ、でも馬車を用意するなら荷台を買うしかないわけだし、料理のためにそこまでお金をかける必要もない。荷台がいくらで買えるのか知らないけど。
「じゃあアドルド経由で」
「わかった。じゃあ今日準備を整えて、明日には発とうか。ここにいる理由もないしね」
「うん、そうだね」
というわけで色々と準備を整えて準備万端になった夕方、驚いたことにセスは私を知り合いの診療所へ連れて行った。
そこは店なども少ない住宅街と思わしき場所にあった。ここまでは足を踏み入れたことがないので、セスから見つけてもらわなければ何をどうやっても私にセスを見つけることはできなかっただろう。
「やぁ、あんたがセスの言っていたエルフの少年か。初めまして、俺はエルンストだ」
「初めまして、シエルです」
差し出された手を握り返して私も自己紹介した。
エルンストは、ずんぐりむっくりしていたガルガッタとは違い、ほっそりとしたドワーフだった。見た目的には40代くらいだろうか?どこにでもいそうなおじさんの背を小さくしたみたいな感じだ。
「もう落ち着いたのか?」
「あぁ、そろそろ閉めようかと思っていたところだよ」
セスの問いかけにエルンストは机の周りを片づけながら答えた。
道中に聞いた話によると、この診療所は外来がメインなんだそうだ。一応、2~3人なら入院もできるように設備としては整っているらしいが、入院が必要なほど重傷な患者は最初から大きい病院に行くことが多いので普段はあまり来ないらしい。
かと言って暇かと言われたらそうじゃないみたいで、工場で働く人たちがひっきりなしに訪れるんだとか。確かに工場は怪我が多そうな職場だもんな。
「シエル、飯でも食ってけよ。ちょうど嫁が今作ってるから」
「えっ?」
突然話を振られたので素っ頓狂な声が出てしまった。
「あ、えーと…」
いいのかどうかわからなくてチラッとセスを見ると、軽く頷いたのでいいということだろう。
「では、お言葉に甘えていただきます」
エルンストの奥さんはリュナという名前で、40代くらいの肝っ玉母さんを小さくした感じのドワーフだった。
「いやぁ、あんたが生きてて本当によかったよ!数日前までのセスは本当に死んだみたいに落ち込んでたからねぇ!」
「リュナやめてくれ」
「もうご飯も食べないし部屋から出てこないしでどうしようかと思ったよ!」
「リュナ」
「だから無理矢理買い物に行かせたんだけど帰って来ないし、どこ行ったのかと思ったらあんたを見つけたって言うからさぁ!」
多分セスはご飯をご馳走になる許可を出したことを心底後悔していることだろう。
頭を抱えるセスを全く気にすることなく、リュナはセスがいかに落ち込んでいたかを大声で語ってくれた。
ばらされたくなかったんだろうな…かわいそうに…。私はその話聞けて少し嬉しかったけど。
「あまり俺をいじめてくれるなよ、リュナ。貴女がシエルを連れて来いっていうから来たのに」
「いいじゃないか!めでたい話なんだからさ!」
あれ、そういう話だったのか。
そうか、昨日セスはここに手伝いにきているからその時にそう言われたのかな。
それにしてもセスが人に翻弄されているのはちょっと面白い。
「命は重いからな。それを実感できたみたいなら何よりだ」
「別に命を軽視しているわけじゃない」
口を挟んだエルンストに、セスはムッとしたように言葉を返した。
「そういう意味で言っているんじゃない。お前にとって命は今まですべて同等の重さだった。誰が死のうと誰が生きようと同じだ。でもシエルの命はそれより重かったんだろう?お前に足りなかったのはそれだよ。自分に失いたくない命があって初めて命の重さを知るんだ」
「……」
エルンストの言葉にセスは黙った。
本来ならセスにとっての失いたくない命はユスカのはずだった。だから、エルンストの理論で言えば一度は命の重さを知ったはずだ。きっとセスは一度知ったはずのそれがどうでもよくなるほど絶望したんだろう。信じていた人に裏切られたからこそ、すべてがどうでもよくなったんだろう。
誰が死のうが、誰が生きようが、構わない。
「さ、重苦しい話は終わりにして食べようや。シエルの口に合うといいんだがなぁ」
「あんたが言うんじゃないよ!!」
エルンストの軽口にリュナが芸人のツッコミよろしく言葉を返したので、先ほどまでの重い空気は一転して騒がしくなった。
セスもこれで終わりだと安心したのか、苦い笑みを浮かべている。
リュナが作ってくれた料理は、店で食べるものよりも味が薄く私好みだった。
入院している人のご飯も作ったりしているらしいので、それで薄味にしているのだろう。
私とセスが喋らずとも、エルンストとリュナの2人が絶えず喋っているので食卓は盛り上がりを見せた。
何だか久しぶりにこんなにワイワイとした食事を摂った気がする。
討伐隊にいた時以来だろうか。懐かしい。
「明日発つことにした」
食事があらかた綺麗になった頃、今まであまり喋っていなかったセスが口を開いた。
「そうかい。ずいぶんと急だな」
「ここにいる目的もないからな」
「そりゃ寂しいこと言うねぇ。ここからどこへ行くんだ?元々はネリスの手前にいたんだろ?」
「エスタへ」
「ほぉ、ヨハンの所に行くのか。シエルをヨハンに会わせるのか?」
エスタ、という言葉を聞いた瞬間、エルンストの表情が明るくなった。
セスはヨハンの名前を一言も出していないのだが、エルンストにとってはエスタ=ヨハンなんだろうな。
まぁ、実際ヨハンに会いに行くわけだから間違いではないけれど。
「ヨハンとシエルは"同郷"なんだ」
「へぇ…そういうことか」
その言葉で思い当たったらしいエルンストは真剣な表情で私を見つめた。
ということはヨハンが転生者なのは知っているということだ。
そしてセスが私のことも話したということは、エルンストはかなり信頼できる人物なのだろう。
「シエル、あんたにとっちゃ生きにくい世界だと思うが、辛くなったらいつだってセスを頼れ。ヨハンに会ってみてヨハンが気に入ったなら、ヨハンでもいい。何なら、俺でも。とにかくあんたは1人で生きようとするな」
「…はい」
エルンストが言うことの深い場所まではきっと理解できていない。
けれど、覚えておかなければならないんだろう。転生者は1人で生きてはいけない、ここはそんな世界だということを。
「じゃあ気を付けてな。ヨハンによろしく言っといてくれ」
「またね、セス、シエル。ロッソに来た時は顔を出しておくれよ」
「ああ。世話になった」
「ありがとうございました」
見送ってくれたエルンストとリュナに別れを告げて、私たちは宿へと戻った。
いい人たちだったね、という私の言葉に、セスはそうだね、と言いつつも苦い笑みを返した。
「大きい鳥が飛んでる」
朝、リッキーとライムを引き取りに行こうと街を歩いている時に、ふと空を見上げてみたら凄まじく大きい鳥が数羽飛んでいるのが目に入った。
その内の1匹は足に何か大きな荷物をぶら下げている。
「あぁ…あれがケルデスだよ。高所に物を運ばせているんだろうね」
セスも私に習って空を見上げて言った。
「あれが…ケルデス…」
高いところを飛んでいるので正確な大きさはわからないが、普段見てきた鳥と比べたらかなり大きいことはわかる。人を運べるというのも納得だ。
「もしかしたらここでならケルデスを売ってるかもしれないよ。見に行ってみる?」
「うん、行ってみたい」
そういって訪れた調教屋さんに、予想通りケルデスはいた。
店内を見る限り1羽しかいないようだが、想像以上に大きい。羽を広げたら3mくらいはありそうだ。
「白金貨3枚か」
セスが想定した通りの値段だった。買えなくはない。
と、考え込みながら前に立つ私を、ケルデスがジッと見つめている。
色合いも姿形も鷲に近くてかっこいい。
「そいつは若いが頭はいいぞ。こちらの命令はちゃんと習得している」
店主のドワーフが近づいてきて言った。
「どうやって命令を出すんですか?」
「基本的には笛を使う。決められた吹き方で決められた動きをするように躾けてあるからな。でも、繰り返し覚えさせれば言葉も理解するようになる」
「へぇ…すごい」
頭がいい鳥なんだな。
「ケルデスは何を餌とするんですか?」
「肉食だから肉なら何でもいい。餌となる獣が生息する場所なら、自分で狩りをして自分で餌を調達することもできる」
「肉か…」
餌にお金がかかりそうだ。
でもまぁ、こういう鳥は大体が肉食だもんなぁ。
「人間がもう1人増えたと思えばいいんじゃないのかな」
後ろで黙って見ていたセスが口を開いた。
セスはケルデスを買うことに反対はないようだ。食材は共通なので、セスがそう言ってくれるなら買おうかな。
「じゃあ、買います」
「はいよ、ありがとね。じゃあちょっと色々やらなきゃいけないことがあるからこっちにきてくれ」
そう言って店主は店の奥に私とセスを連れて行くと、1つの透明な触媒のようなものを取り出した。
「ケルデスみたいな戦闘能力が高い天獣を買う場合は、まず飼い主登録してもらうのが決まりでね」
なんでもそれは呪術の一種で、名前を与えた人間を主として認識させるというものらしい。それをやっておくと、主が攻撃命令を出さなければ人や獣を傷つけることはないんだとか。
最も、ケルデスは元々人を襲うような鳥ではないのだが、戦闘能力が高い天獣や魔獣を買う場合は、一応形式としてやっておかなければならない決まりなんだそうだ。
先ほど取り出した触媒は、名前を与えて呪術で縛る、ということを誰でもできるようにするためのものらしい。
そしてここで売られている飼い主登録が必須な天獣や魔獣は、店主が仮の名前を与えて呪縛しているそうで、売れたら解呪して新しい主に呪縛し直してもらうんだそうだ。
「名前は決まっているか?」
「この子は雄ですか?雌ですか?」
「雄だ」
なるほど、雄か。
しかしいきなり名前と言われてもケルデスを買おうと決めたのは急だったので何も考えていない。
かっこいい鳥だからかっこいい名前を付けたいところではある。
「名前が決まったら片手で触媒を握り、片手でケルデスに触れて詠唱してくれ。文言は教える」
そう言ってから店主はケルデスの解呪を始めた。
その時に番号を口にしていたのだが、それが仮の名前だったのだろうか。愛着を湧かせないためにはいいのかもしれない。
さて、名前を考えなければ。
昔はずっと1人だったはずなのに、いつからこんな風に感じるようになってしまったのだろう。
…などと問いかけなくとも、私の隣にセスがいるようになってからだというのは自覚している。
だから物珍しい工場地帯を1人で歩いていても、別段何も感じない。
結局、適当に街を見て回って、適当に小腹を満たして、最後にリッキーたちの顔を見に行って、私は早々に宿へと帰った。
私とセスは同じ宿でも階層が違うので、セスがいつ帰ってきたのかなんて全くわからなかったが、お腹が空いたななんて思い始めた頃にちょうど扉を叩く音がした。
「ねぇ、もし明日、お姉さんを見つけたら、セスは僕の前からいなくなるの?」
1人はつまらない、なんて昼に考えていたからだろうか。
セスと共に食堂で夕食を摂っていたら、私たちが旅を共にするのはセスがお姉さんを見つけるまでという条件付きだったことを急に思い出した。
「……」
それを聞いた私を、セスは見なかった。
「姉のことは、正直もうどうでもいい。見逃しても構わないと思っている。でも、ある日突然姿を消した姉とは違って、俺の生死は一族に把握されているんだ。任務を放棄すれば次は俺が処分対象になる」
「どうやって一族はセスが任務を放棄したと判断するの?」
どういう手法で生死を把握されているのかというのも気になるのだが、任務の放棄を判断する基準が一番気になる。
生死を把握されているだけなら、セスがお姉さんを追っているのか放棄しているのか一族は知り得ない気がするんだけど。20年という期間をヨハンの元で過ごしていたのだから、GPS的なものはついていないのだろうし。
「2~3年に一度、報告に戻っているんだ。だから多分5年とか、そういう期間戻らなければ放棄したと判断されるんじゃないかな」
「え、そうなの!?じゃあヨハンさんの所にいた時はどうしてたの?」
「その時だけヨハンの元を出てアルセノに行った。エスタでユスカに襲われる前、ちょうどアルセノからアルディナに戻って一度報告していたからね。次の報告の頃合いには純粋にヨハンに師事していた部分もあるし、ヨハンも止めなかったんだ」
「なるほど…」
20年間の間で何度かそうやってアルディナに戻っていたわけか。
それでまたちゃんとヨハンの元に戻っているということは、2人の関係性は話に聞くほど悪くなさそうな気がする。そのまま帰らないことだってできたんだし。
「任務を放棄して処分対象になったとしても、俺が姉を見つけられないようにそう簡単に見つかることはないかもしれない。でも、もし見つかった場合、きっと君を巻き込んでしまう。俺が追手だったら、確実に君を人質に取るからね」
「まぁ…そうなるよね…」
私でもきっとそうする。
わざわざ真正面から現れてセスと正々堂々戦うなんて危険すぎる。
しかし人質に取られるのはさすがに本意ではない。セスの枷になるなんてまっぴらごめんだ。
「じゃあ現状維持が一番なのかな」
お姉さんを取り立てて追う訳でもなく、しかし報告は怠らない。
そうすれば今と変わらず旅を続けることができる。
「そうなんだけど、一族が姉の捜索を打ち切ったら俺はもうミトスに戻れなくなるから…報告の時には君も一緒に連れて行こうかな。ただまぁ、アルディナでは俺は自由にできないから、できればミトスにいたいんだけどね」
「え、アルディナに行けるの!?」
「……そんなにアルディナに行きたいのか」
その言葉で目を輝かせた私を見て、セスが呆れたように笑った。
「そりゃあ、天界だから!一度は行ってみたいよね」
「天界だから、の意味がよくわからないけど、まぁ、じゃあ、エスタでヨハンに会った後はアルセノに渡ってアルディナに行こうか。ちょうど報告の時分だから」
「うんうん。じゃあ、アルディナ語をもっとちゃんと教わらなきゃ!」
「…普通にミトス語通じるけどね…」
というセスの呟きは聞こえなかったことにして、私はこの後セスの部屋を訪ねてアルディナ語を教えてもらった。
「ここからエスタに行くための経路は2つ。このまま北へ向かってアドルドを経由してヴェデュールに入るか、いったん東に出てヘレンシスカからヴェデュールに入るかだ」
朝食を食べ終わった後、テーブルに地図を広げてセスが切り出した。
ロッソの北にはアドルドがあり、東にはヘレンシスカがある。
ルーマスの最北に位置するヴェデュールはアドルドの北に当たるが、L字を逆にしたような形状のヘレンシスカもヴェデュールに接している。
「単純に考えれば最短距離はアドルド経由だよね。ヘレンシスカを経由する選択肢が出てきたのはどうして?僕が行きたいかどうか?」
「いや、そうじゃない。アドルドは山に囲まれている国だ。ヘレンシスカ経由に比べたら道中も険しいし、危険も多い。ヘレンシスカを経由して安全を取る選択肢もあるということだ」
「なるほど…」
確かに地図で見るアドルドは四方を山に囲まれており、入るのも出るのも山を越える必要がありそうだ。
しかしそれを避けてヘレンシスカを経由するなら、かなりの遠回りになる。
「どっちがおすすめ?」
「俺と君の2人なら問題ないだろうから、アドルド経由かな?ただその場合、馬車は用意しない方がいい。カデムに積める最低限の荷物だけで行かないと、山道がきつい」
「うーん…」
ということは、料理もできないのか。別にそんなに料理が好きというわけじゃないんだけど、保存食ばかりは飽きてしまう。
かと言ってそれを理由にわざわざ遠回りするのもなぁ。急いでエスタに行かなきゃいけないわけでもないから、いいっちゃいいのかもしれないけど…。
「何を悩んでいるの?」
「馬車じゃないと料理道具は積めないなーと思って」
「なるほど、そういうことか。まぁ、任せるよ。俺はどっちでもいいから」
だよね。どっちでもいいって言われると思った。
まぁ、でも馬車を用意するなら荷台を買うしかないわけだし、料理のためにそこまでお金をかける必要もない。荷台がいくらで買えるのか知らないけど。
「じゃあアドルド経由で」
「わかった。じゃあ今日準備を整えて、明日には発とうか。ここにいる理由もないしね」
「うん、そうだね」
というわけで色々と準備を整えて準備万端になった夕方、驚いたことにセスは私を知り合いの診療所へ連れて行った。
そこは店なども少ない住宅街と思わしき場所にあった。ここまでは足を踏み入れたことがないので、セスから見つけてもらわなければ何をどうやっても私にセスを見つけることはできなかっただろう。
「やぁ、あんたがセスの言っていたエルフの少年か。初めまして、俺はエルンストだ」
「初めまして、シエルです」
差し出された手を握り返して私も自己紹介した。
エルンストは、ずんぐりむっくりしていたガルガッタとは違い、ほっそりとしたドワーフだった。見た目的には40代くらいだろうか?どこにでもいそうなおじさんの背を小さくしたみたいな感じだ。
「もう落ち着いたのか?」
「あぁ、そろそろ閉めようかと思っていたところだよ」
セスの問いかけにエルンストは机の周りを片づけながら答えた。
道中に聞いた話によると、この診療所は外来がメインなんだそうだ。一応、2~3人なら入院もできるように設備としては整っているらしいが、入院が必要なほど重傷な患者は最初から大きい病院に行くことが多いので普段はあまり来ないらしい。
かと言って暇かと言われたらそうじゃないみたいで、工場で働く人たちがひっきりなしに訪れるんだとか。確かに工場は怪我が多そうな職場だもんな。
「シエル、飯でも食ってけよ。ちょうど嫁が今作ってるから」
「えっ?」
突然話を振られたので素っ頓狂な声が出てしまった。
「あ、えーと…」
いいのかどうかわからなくてチラッとセスを見ると、軽く頷いたのでいいということだろう。
「では、お言葉に甘えていただきます」
エルンストの奥さんはリュナという名前で、40代くらいの肝っ玉母さんを小さくした感じのドワーフだった。
「いやぁ、あんたが生きてて本当によかったよ!数日前までのセスは本当に死んだみたいに落ち込んでたからねぇ!」
「リュナやめてくれ」
「もうご飯も食べないし部屋から出てこないしでどうしようかと思ったよ!」
「リュナ」
「だから無理矢理買い物に行かせたんだけど帰って来ないし、どこ行ったのかと思ったらあんたを見つけたって言うからさぁ!」
多分セスはご飯をご馳走になる許可を出したことを心底後悔していることだろう。
頭を抱えるセスを全く気にすることなく、リュナはセスがいかに落ち込んでいたかを大声で語ってくれた。
ばらされたくなかったんだろうな…かわいそうに…。私はその話聞けて少し嬉しかったけど。
「あまり俺をいじめてくれるなよ、リュナ。貴女がシエルを連れて来いっていうから来たのに」
「いいじゃないか!めでたい話なんだからさ!」
あれ、そういう話だったのか。
そうか、昨日セスはここに手伝いにきているからその時にそう言われたのかな。
それにしてもセスが人に翻弄されているのはちょっと面白い。
「命は重いからな。それを実感できたみたいなら何よりだ」
「別に命を軽視しているわけじゃない」
口を挟んだエルンストに、セスはムッとしたように言葉を返した。
「そういう意味で言っているんじゃない。お前にとって命は今まですべて同等の重さだった。誰が死のうと誰が生きようと同じだ。でもシエルの命はそれより重かったんだろう?お前に足りなかったのはそれだよ。自分に失いたくない命があって初めて命の重さを知るんだ」
「……」
エルンストの言葉にセスは黙った。
本来ならセスにとっての失いたくない命はユスカのはずだった。だから、エルンストの理論で言えば一度は命の重さを知ったはずだ。きっとセスは一度知ったはずのそれがどうでもよくなるほど絶望したんだろう。信じていた人に裏切られたからこそ、すべてがどうでもよくなったんだろう。
誰が死のうが、誰が生きようが、構わない。
「さ、重苦しい話は終わりにして食べようや。シエルの口に合うといいんだがなぁ」
「あんたが言うんじゃないよ!!」
エルンストの軽口にリュナが芸人のツッコミよろしく言葉を返したので、先ほどまでの重い空気は一転して騒がしくなった。
セスもこれで終わりだと安心したのか、苦い笑みを浮かべている。
リュナが作ってくれた料理は、店で食べるものよりも味が薄く私好みだった。
入院している人のご飯も作ったりしているらしいので、それで薄味にしているのだろう。
私とセスが喋らずとも、エルンストとリュナの2人が絶えず喋っているので食卓は盛り上がりを見せた。
何だか久しぶりにこんなにワイワイとした食事を摂った気がする。
討伐隊にいた時以来だろうか。懐かしい。
「明日発つことにした」
食事があらかた綺麗になった頃、今まであまり喋っていなかったセスが口を開いた。
「そうかい。ずいぶんと急だな」
「ここにいる目的もないからな」
「そりゃ寂しいこと言うねぇ。ここからどこへ行くんだ?元々はネリスの手前にいたんだろ?」
「エスタへ」
「ほぉ、ヨハンの所に行くのか。シエルをヨハンに会わせるのか?」
エスタ、という言葉を聞いた瞬間、エルンストの表情が明るくなった。
セスはヨハンの名前を一言も出していないのだが、エルンストにとってはエスタ=ヨハンなんだろうな。
まぁ、実際ヨハンに会いに行くわけだから間違いではないけれど。
「ヨハンとシエルは"同郷"なんだ」
「へぇ…そういうことか」
その言葉で思い当たったらしいエルンストは真剣な表情で私を見つめた。
ということはヨハンが転生者なのは知っているということだ。
そしてセスが私のことも話したということは、エルンストはかなり信頼できる人物なのだろう。
「シエル、あんたにとっちゃ生きにくい世界だと思うが、辛くなったらいつだってセスを頼れ。ヨハンに会ってみてヨハンが気に入ったなら、ヨハンでもいい。何なら、俺でも。とにかくあんたは1人で生きようとするな」
「…はい」
エルンストが言うことの深い場所まではきっと理解できていない。
けれど、覚えておかなければならないんだろう。転生者は1人で生きてはいけない、ここはそんな世界だということを。
「じゃあ気を付けてな。ヨハンによろしく言っといてくれ」
「またね、セス、シエル。ロッソに来た時は顔を出しておくれよ」
「ああ。世話になった」
「ありがとうございました」
見送ってくれたエルンストとリュナに別れを告げて、私たちは宿へと戻った。
いい人たちだったね、という私の言葉に、セスはそうだね、と言いつつも苦い笑みを返した。
「大きい鳥が飛んでる」
朝、リッキーとライムを引き取りに行こうと街を歩いている時に、ふと空を見上げてみたら凄まじく大きい鳥が数羽飛んでいるのが目に入った。
その内の1匹は足に何か大きな荷物をぶら下げている。
「あぁ…あれがケルデスだよ。高所に物を運ばせているんだろうね」
セスも私に習って空を見上げて言った。
「あれが…ケルデス…」
高いところを飛んでいるので正確な大きさはわからないが、普段見てきた鳥と比べたらかなり大きいことはわかる。人を運べるというのも納得だ。
「もしかしたらここでならケルデスを売ってるかもしれないよ。見に行ってみる?」
「うん、行ってみたい」
そういって訪れた調教屋さんに、予想通りケルデスはいた。
店内を見る限り1羽しかいないようだが、想像以上に大きい。羽を広げたら3mくらいはありそうだ。
「白金貨3枚か」
セスが想定した通りの値段だった。買えなくはない。
と、考え込みながら前に立つ私を、ケルデスがジッと見つめている。
色合いも姿形も鷲に近くてかっこいい。
「そいつは若いが頭はいいぞ。こちらの命令はちゃんと習得している」
店主のドワーフが近づいてきて言った。
「どうやって命令を出すんですか?」
「基本的には笛を使う。決められた吹き方で決められた動きをするように躾けてあるからな。でも、繰り返し覚えさせれば言葉も理解するようになる」
「へぇ…すごい」
頭がいい鳥なんだな。
「ケルデスは何を餌とするんですか?」
「肉食だから肉なら何でもいい。餌となる獣が生息する場所なら、自分で狩りをして自分で餌を調達することもできる」
「肉か…」
餌にお金がかかりそうだ。
でもまぁ、こういう鳥は大体が肉食だもんなぁ。
「人間がもう1人増えたと思えばいいんじゃないのかな」
後ろで黙って見ていたセスが口を開いた。
セスはケルデスを買うことに反対はないようだ。食材は共通なので、セスがそう言ってくれるなら買おうかな。
「じゃあ、買います」
「はいよ、ありがとね。じゃあちょっと色々やらなきゃいけないことがあるからこっちにきてくれ」
そう言って店主は店の奥に私とセスを連れて行くと、1つの透明な触媒のようなものを取り出した。
「ケルデスみたいな戦闘能力が高い天獣を買う場合は、まず飼い主登録してもらうのが決まりでね」
なんでもそれは呪術の一種で、名前を与えた人間を主として認識させるというものらしい。それをやっておくと、主が攻撃命令を出さなければ人や獣を傷つけることはないんだとか。
最も、ケルデスは元々人を襲うような鳥ではないのだが、戦闘能力が高い天獣や魔獣を買う場合は、一応形式としてやっておかなければならない決まりなんだそうだ。
先ほど取り出した触媒は、名前を与えて呪術で縛る、ということを誰でもできるようにするためのものらしい。
そしてここで売られている飼い主登録が必須な天獣や魔獣は、店主が仮の名前を与えて呪縛しているそうで、売れたら解呪して新しい主に呪縛し直してもらうんだそうだ。
「名前は決まっているか?」
「この子は雄ですか?雌ですか?」
「雄だ」
なるほど、雄か。
しかしいきなり名前と言われてもケルデスを買おうと決めたのは急だったので何も考えていない。
かっこいい鳥だからかっこいい名前を付けたいところではある。
「名前が決まったら片手で触媒を握り、片手でケルデスに触れて詠唱してくれ。文言は教える」
そう言ってから店主はケルデスの解呪を始めた。
その時に番号を口にしていたのだが、それが仮の名前だったのだろうか。愛着を湧かせないためにはいいのかもしれない。
さて、名前を考えなければ。
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