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五章
第78話 慟哭
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転生者は世界的に危険視されればそれを監視、管理している何かに始末されるのではないか、というヨハンの仮説を、セスは顔色を変えることなく最後まで黙って聞いていた。
「あり得ない話ではないと思う」
これが、そこまで聞き終わったセスの第一声である。
ちなみに夕食ついでにそのまま話したので、ここにはレクシーもいる。ヨハン曰く、レクシーもこの件に片足突っ込んでるから話しておくのが筋だ、とのことだ。そのレクシーもまた、口を挟むことなく静かに話を聞いている。
「他人の夢に遠隔から干渉できるのは魔王か神かそういう次元の存在だ、というカムニ族の発言から、俺はこの件がゼノやガスパルの件と何かしらの関連性があるんじゃねぇかと踏んでいる。だから不明瞭なことははっきりさせておいた方がいいと思って俺は昨日の夜、夢の人物に会ってみることを再び提案した。そういう次元の存在が絡んでいるとするならば、すでにシエルが危険視されている可能性だってないとは言えない」
「……なるほど」
ヨハンの言葉に少し間を開けて、セスはそれだけを呟いた。
何か思うところがあるのだろう、ヨハンから視線を外し、考え込むようにどこか一点を見つめて口を閉ざしている。
「ずいぶん話が飛躍しすぎじゃない?神や魔王が関わってるなんてヨハンの推測でしかないわけでしょ?」
今まで黙って話を聞いていたレクシーが真面目なトーンで口を開き、全員の視線が集中する。
「それなのにあたかもそうであるかのように決めつけてシエルの不安を煽るのはどうなの?シエルも前の人たちと同じように消されるかもしれないから、そうなる前に全容を明らかにしておけって言ってるように聞こえるよ」
「…なんだと」
レクシーの言葉とは思えないほどの鋭さに思わず言葉を失う。が、当のヨハンは痛い所を突かれたと思ったのか、苦虫を噛み潰したような顔でレクシーへと強い目線を向けている。
「だってさ、相手が神とか魔王だっていうなら、事前にそれを知ったところでどんな対処ができるっていうの?いくらセスが強いって言ったって、さすがにそんな化け物みたいな相手に勝てるとも思えないし、世界に都合が悪いからって理由で狙われているなら、アルディナだって安全じゃないよね。シエルが夢の中の人に会う利点って何なの?ヨハンがただそれを知りたいだけじゃないの?」
「んだと、てめぇ…!」
レクシーの言葉に激昂したヨハンが、レクシーの胸ぐらを掴みかけて寸での所で手を引いた。相手が女性だから思い留まったのだろう。行き場を失った手を強く握りしめて、鋭い眼光でレクシーを睨んでいる。
レクシーはそんなヨハンに全く怯む様子も見せないが、しかしこれはよくない雰囲気だ。私のことでこの2人が揉めるのは申し訳ない。
「レクシー、ありがとう。ヨハンさんも落ち着いてください」
私の言葉で、ヨハンは気まずそうにレクシーに向けた体を真っ直ぐにして座り直し、レクシーもまた黙って私の方を真っ直ぐに見つめた。
「僕も知りたいと思う気持ちはあるんだ」
そう言いながらセスの方をチラリと見ると、一瞬悲しげな表情を見せ、スッと視線を逸らした。その様子に胸がチクリと痛む。
この話を聞いても、いや、聞いたからこそ反対だという気持ちは膨らんでしまっただろうか。
「ヨハンさんの仮説が正しいんだとしたら、僕は自分がそれに関係がないということを証明したい。だから…会ってみたいんだ。夢の中の人物に」
「……どうやって?」
会いたい、と言ったことには触れずに再び私の方を見て、セスはそれだけを返した。
「えっ…と…」
まず先に聞くことがそれなのか。さすがにその答えはすぐに出てこない。
「夢を見る時は命が危ない時なんだろう?どうやってその状態に持っていくつもりなの?まさか俺にそれをやれなんて言わないよね?」
「それについては俺に考えがある」
捲し立てるセスの言葉を遮るように、ヨハンが口を挟んだ。
「初めて夢を見たのは成人の儀で酒を飲みすぎて倒れた時、と昨日言ってただろ?成人の儀と酒を飲みすぎたことのどっちがきっかけとなったのかはわからねぇが、一度酒の方を試してみる価値はあるんじゃねぇかな」
「なるほど…お酒をたくさん飲んでみる、ってことですね」
「ああ。まぁ、医者として推奨したくねぇが、重傷にさせるくらいならまだこっちの方がいい」
確かにそうかもしれない。
しかしながらよくそんなさりげない言葉を覚えていたものだと感心してしまう。
「お前の考えはどうだ?セス。それでも反対って言うなら、これ以上は何も言わねぇよ」
「……シエルが自分に関係がないことを証明したい、と言うのなら…酒を試してみるくらいのことはしてもいいかもしれない。ただ、それで夢を見れずに結局傷を負わせなければならないと言うのなら、俺は反対だ」
「なるほどな。じゃあまずは酒を試してみるってことで」
セスの返答にそう結論付けるとヨハンはおもむろに立ち上がり、棚の中から大きめの瓶を取り出してテーブルの上に置いた。
「早速飲むぞ」
何の話をしていただろうか。
4人で話をしながらお酒を飲んでいて、急激な一気飲みなんてしていないはずなのにずいぶんと記憶が曖昧だ。
私がどこの里の生まれかと聞かれてシスタスの近くだと答えたら、ヨハンが以前カルナの医術学校で講師をしていた時代にルザリー先生に医術を教えたことがある、だから里で転生者だと明かしていたらヨハンの話をそこで聞けたはずだ、と言われて戦慄が走ったのは覚えている。
ヨハンの特殊能力が"忘却がないこと"、ということも覚えている。便利そうですね、なんて言おうとしたけど、その顔があまりにも悲痛だったので言えなかった。
他にはどんな話をしたっけな?
ユラユラと揺れている感じがして気持ちが悪い。
誰かが私の名前を呼んでいる。それは分かっているのにどうにも返事はできそうにない。
あぁ…気持ちが悪い。体が重い。
もう二度とお酒なんて飲みたくないな。
「本当にヨハンは優秀だ。もう少しで間に合わない所だった」
背後から聞こえた聞きなれない声に、混濁していた意識は急激に覚醒した。
だるく重かった体はフッと軽くなり、気持ち悪さも嘘のように消え去っている。
目を開くと白しか映らず、天井も床も何も分からない空間だった。
「待っていたよ、シエル」
再び聞こえた声に振り返れば、あの夢で最後に見た少年が微笑み立っていた。
背景と同化してどうなっているのかよく分からない白い服を来た黒い髪の少年。
「…………貴方は」
「…私はミハイル・リュミエール。かつて、そう呼ばれていた者だ」
「ミハイル・リュミエール……!?」
つい昨日、ヨハンから聞いた名前だ。2000年以上前に存在した過去の人間で、この世界で最初に名乗りを上げた転生者。
私が出会うことはないはずの人間だ。
「でも今は違う。姿は確かにミハイル・リュミエールが幼少であった頃のものだが、当時の肉体はすでに滅んでいる。この体は私の魂を入れるための造りものにしか過ぎない」
姿からは似つかわない大人びた言葉遣いで紡がれた言葉に、私は返す言葉を失った。
一歩、少年が私に近づく。それに合わせて黒い髪が揺れ、衣服が擦れるかすかな音も聞こえた。造りもの、と言ってはいたが実物と何も変わらないように見える。
「ここは一体?何故、貴方が…僕はどうしてここに?」
「私は君たち転生者を監視する者。ここはその私を閉じ込めるために神が作り上げた檻。誰にも侵入されないよう、幾重にも結界が張られている場所だ」
「転生者を監視する者…?神が作った檻…?」
まさか本当にヨハンの推測通り、転生者を監視する人間(?)や、それを支配する神が存在しているとは。いや、神が本当に存在しているというのは分かっていたが、こんな風に関わり合いになるとは思っていなかった。
しかし同じ転生者であったはずのミハイル・リュミエールがその監視者だというのはどういうことなんだ?訳が分からない。
「色々と聞きたいことがあるのは分かるが、全てを説明している時間はなくてね。早くしないと間に合わなくなる」
「間に合わなくなる?」
「本来ここには、ここを作った神すらも入れない。それなのにも関わらず君は幾重にも張られている結界を突破してここに来てしまった。監視者である私の前に、精神体である君がいる。それはすなわち、私を殺せる存在であるということだ。監視者とは神の目。神の目に干渉してしまった以上、君は神に消される運命にある」
「……どういうことですか?僕は、自分の意思でここに来たんじゃない…。今回はそうかもしれないけど…今までは違う。僕…僕は、死ぬんですか?」
自分でも何を言っているのかよく分からない。今言うことがそれなのか、とも思う。でも転生者を監視しているというこの少年に、神の目だというこの少年に"消される"などと言われたらそこには恐怖しかない。その言葉を、信じざるを得ない。
「そうだね。君は自分の意思でここに来たのではない。私が君を"視て"いたら、君の夢が呼応してしまった。私の願いに、呼び寄せられてしまった」
「……意味が、分からない…」
あぁ、声が震えている。
怖い。訳が分からなすぎて、怖い。
「転生者は何かしらの特殊能力を有している。それは君もヨハンから聞いただろう。私はミハイル・リュミエールであった時から、他の転生者を"視る"ことができるという能力を有していた。だからその力を、神に利用されたんだ」
「神…ミトスってことですか?」
「いいや、違う。地界に神は存在しない。神とはアルディナでありルブラでもある。名はリリス」
「…どういうことですか?アルディナとルブラは同一人物だと?」
「そうだ」
初耳だ。
恐らく、世界中の誰も知り得ないことだろう。
「遥か昔、リリスは2種類の大地を創った。片方を天界、片方を魔界と名付け、多種多様な種族を創り、それぞれに住まわせた。天族には自死を禁じ、必ず魂が輪廻するようにし、魔族には自死による魂の消滅を容認した。そしてこの2つの世界がどうなっていくのか観察していたんだ。いわゆる箱庭だね。そんなリリスの箱庭に、突然どこからともなく現れた地界が融合した。しかし天界と魔界の神であるリリスには、地界の存在を感知することはできても干渉はおろか、視ることすらできなかった。だからリリスはこの地界を、他の神が見捨てた大地と推測した」
「他の神が見捨てた大地…」
「今まで互いに存在すら認識していなかった天族、魔族、地族が地界を通して干渉できるようになってしまった以上、何とか上手いこと共存させていくしかない。しかしリリスには地界が見えず、干渉することができない。そこでリリスは自らの分身とも言える存在を創り上げ、地界へと送り込んだ。それが、かつての私にアルディナ語とルブラ語を教えた者たちだ」
「…………」
それが、その話に繋がるのか。
ヨハンの言い方では偶然のような感じだったが、そうではなかったようだ。
「ずっと私の側にいたその2人は、突然こんな世界に転生させられた私にとって、数少ない信用できる人間だった。だからその2人にだけは自分が転生者であること、何故かこの世界にいる他の転生者の様子を視ることができることを話した。初めは転生者という存在にすら驚いていた2人だが、やがて自分たちは天界と魔界を創った神の使いであることを告げ、私の力をその神のために貸してほしいと願った。私はその2人の願いならばとそれを承諾した…。なのに、結果はこうだ!」
「……っ」
突然、ミハイルの顔が歪められた。
憎悪に満ちた顔で、私を真っ直ぐに見据えている。
「私が人としての生を終えた後、リリスは私の魂をこの空間に閉じ込め転生者の監視をさせてきた。世界にとって都合の悪い転生者は消されるという、ヨハンの推測は総じて正しいよ。ゼノやガスパルだけじゃない…私が視たことによって害と判断され、この世界から消された転生者は数多く存在する。君もまた、そうなる運命にある1人だ」
「…………」
「私が視なければ死ななかったであろう転生者は数多くいた。君だって、私が視なければここに呼び寄せられることも、害と判断されることもなかっただろう。でも私はそうと分かっていても転生者の監視を辞めることはなかった。何故だか分かるかい?」
「…………」
急に穏やかな笑みを浮かべてミハイルが聞く。
だが私は答えることができなかった。
恐怖で震えて、言葉がでなかった。
「すべては暇つぶしのためだ!」
「……っ」
憎悪のこもった顔で、再び私を睨みつける。
思わず私の足が後ずさった。
「2000年という気の遠くなるような時間、私はたった1人でここに在り続けた。誰も来ない。誰からも名を呼ばれない。誰も私を見ない。もう、私の側にいた2人の顔も思い出せない。もちろん、転生する前の記憶など、ほとんど忘れ去った。家族の顔も、友の顔も、何もかも!この絶望は君には分からないだろう!?転生者をここから監視することしか、私にはやることがなかったんだ!!」
あまりにも悲痛な叫びだった。涙は出ていないのに、泣いているようにさえ見える。
私には到底分からないほどの絶望を、彼は負っている。転生者を監視することによってその人が世界から消されてしまうかもしれないと分かっていながらも、彼はそうせざるを得なかった。それほどまでに、この何もない空間は彼を狂わせたのだろう。誰であってもきっと同じことをしたはずだ。
「君が私の力に呼応した時、嬉しかった。君がここに来てくれれば、私はこの絶望を終わらせることができるかもしれない。来てほしい。殺してほしい。そう強く願い続けた結果、君を呼び寄せ、結界を突破させるに至った。なのに前回、寸での所で邪魔が入ってしまった。だが結界を突破してしまった以上、その時点でリリスには気取られている。リリスは精神体の君に直接干渉することはできないが、現実世界にいる君を消すための画策はしていることだろう。もう時間がない」
「…………」
「だからシエル、私を殺してくれ。そして、全員であの場所を離れるんだ。私の存在が消えればリリスは転生者を把握することができなくなる。あの場所から離れてしまえば、君の居場所を気取られることもない。君はこれからもセスと共に生きていけるんだ」
「僕が…貴方を殺す…?」
言っていることは分かる。それがミハイルの救いになることも分かる。そうしなければ自分が消されるであろうことも分かる。しかし突然そんなことを言われ、はい分かりましたと人を殺せるような神経は正直持ち合わせていない。
「何を躊躇うことがある?私を殺せばみんなが幸せになれる。もちろん、私もだ。私を救ってくれ、シエル」
そう言ってすべてを受け入れるかのように、ミハイルは両手を広げた。
「…………っ」
体が震えている。
フェリシアを殺した時は体が勝手に動いたが、あの時とは違う。自分の意思で、明確に目の前の人間を殺さなければならない。
「さぁ、時間がない。早く」
「…………」
心臓が、これ以上ないほど煩く鳴っている。
息が、苦しい。
「早く!」
「…う…うわあああああっ!!」
急かす声に私は目をきつく閉じて手を突き出し、岩の槍で突き刺すイメージで術を放った。
「ダメだよシエル。精神体である今の君に元素は扱えない」
「…………」
ミハイルが発した静かな声に目を開けると、先ほどと変わらないままの光景があった。
両手を広げたミハイルが、悲しそうに微笑んでいる。
「でも一緒に持ってきたものがあるだろう?ほら、君の腰に」
「え……?」
言われた通り手を腰に持っていくと、硬い感触が伝わってきた。
いつも着けている2双の短剣だ。
「どうして…これが…」
その内の1本を引き抜きながら無意識に呟く。
夕食を食べ、みんなで飲んでいた時には着けていなかったはずだ。
「君がいつも身に付けているものは精神体になっても共にあるということさ」
ミハイルのその言葉で左手を胸に当てると、硬い宝石の感触が服の上から伝わってきた。セスからもらったペンダントだ。確かに、これも肌身離さず身に付けている。
私はそれを強く握りしめて右手で握った短剣を見つめた。
これでミハイルを刺す。
刃物で人を傷つける。殺す。
この、ずしりと重い短剣で。
「シエル」
それで刺せ、という意味の呼名。
「ま…待って…待ってください…僕にはできな…」
「神術ではできるのにそれではできないとでも言うのか?人を殺すということに何の変りもないのに?」
「…………」
鼓動が速い。息が苦しい。体が震えて、どうしようもない。
「ふざけたこと言ってないでやれよシエル!早く俺を殺せ!!殺せえええぇぇぇ!!」
「…………っ!!」
憎悪に顔を歪めたミハイルの激しい慟哭に気圧されて、私は一歩を踏み出した。
「あり得ない話ではないと思う」
これが、そこまで聞き終わったセスの第一声である。
ちなみに夕食ついでにそのまま話したので、ここにはレクシーもいる。ヨハン曰く、レクシーもこの件に片足突っ込んでるから話しておくのが筋だ、とのことだ。そのレクシーもまた、口を挟むことなく静かに話を聞いている。
「他人の夢に遠隔から干渉できるのは魔王か神かそういう次元の存在だ、というカムニ族の発言から、俺はこの件がゼノやガスパルの件と何かしらの関連性があるんじゃねぇかと踏んでいる。だから不明瞭なことははっきりさせておいた方がいいと思って俺は昨日の夜、夢の人物に会ってみることを再び提案した。そういう次元の存在が絡んでいるとするならば、すでにシエルが危険視されている可能性だってないとは言えない」
「……なるほど」
ヨハンの言葉に少し間を開けて、セスはそれだけを呟いた。
何か思うところがあるのだろう、ヨハンから視線を外し、考え込むようにどこか一点を見つめて口を閉ざしている。
「ずいぶん話が飛躍しすぎじゃない?神や魔王が関わってるなんてヨハンの推測でしかないわけでしょ?」
今まで黙って話を聞いていたレクシーが真面目なトーンで口を開き、全員の視線が集中する。
「それなのにあたかもそうであるかのように決めつけてシエルの不安を煽るのはどうなの?シエルも前の人たちと同じように消されるかもしれないから、そうなる前に全容を明らかにしておけって言ってるように聞こえるよ」
「…なんだと」
レクシーの言葉とは思えないほどの鋭さに思わず言葉を失う。が、当のヨハンは痛い所を突かれたと思ったのか、苦虫を噛み潰したような顔でレクシーへと強い目線を向けている。
「だってさ、相手が神とか魔王だっていうなら、事前にそれを知ったところでどんな対処ができるっていうの?いくらセスが強いって言ったって、さすがにそんな化け物みたいな相手に勝てるとも思えないし、世界に都合が悪いからって理由で狙われているなら、アルディナだって安全じゃないよね。シエルが夢の中の人に会う利点って何なの?ヨハンがただそれを知りたいだけじゃないの?」
「んだと、てめぇ…!」
レクシーの言葉に激昂したヨハンが、レクシーの胸ぐらを掴みかけて寸での所で手を引いた。相手が女性だから思い留まったのだろう。行き場を失った手を強く握りしめて、鋭い眼光でレクシーを睨んでいる。
レクシーはそんなヨハンに全く怯む様子も見せないが、しかしこれはよくない雰囲気だ。私のことでこの2人が揉めるのは申し訳ない。
「レクシー、ありがとう。ヨハンさんも落ち着いてください」
私の言葉で、ヨハンは気まずそうにレクシーに向けた体を真っ直ぐにして座り直し、レクシーもまた黙って私の方を真っ直ぐに見つめた。
「僕も知りたいと思う気持ちはあるんだ」
そう言いながらセスの方をチラリと見ると、一瞬悲しげな表情を見せ、スッと視線を逸らした。その様子に胸がチクリと痛む。
この話を聞いても、いや、聞いたからこそ反対だという気持ちは膨らんでしまっただろうか。
「ヨハンさんの仮説が正しいんだとしたら、僕は自分がそれに関係がないということを証明したい。だから…会ってみたいんだ。夢の中の人物に」
「……どうやって?」
会いたい、と言ったことには触れずに再び私の方を見て、セスはそれだけを返した。
「えっ…と…」
まず先に聞くことがそれなのか。さすがにその答えはすぐに出てこない。
「夢を見る時は命が危ない時なんだろう?どうやってその状態に持っていくつもりなの?まさか俺にそれをやれなんて言わないよね?」
「それについては俺に考えがある」
捲し立てるセスの言葉を遮るように、ヨハンが口を挟んだ。
「初めて夢を見たのは成人の儀で酒を飲みすぎて倒れた時、と昨日言ってただろ?成人の儀と酒を飲みすぎたことのどっちがきっかけとなったのかはわからねぇが、一度酒の方を試してみる価値はあるんじゃねぇかな」
「なるほど…お酒をたくさん飲んでみる、ってことですね」
「ああ。まぁ、医者として推奨したくねぇが、重傷にさせるくらいならまだこっちの方がいい」
確かにそうかもしれない。
しかしながらよくそんなさりげない言葉を覚えていたものだと感心してしまう。
「お前の考えはどうだ?セス。それでも反対って言うなら、これ以上は何も言わねぇよ」
「……シエルが自分に関係がないことを証明したい、と言うのなら…酒を試してみるくらいのことはしてもいいかもしれない。ただ、それで夢を見れずに結局傷を負わせなければならないと言うのなら、俺は反対だ」
「なるほどな。じゃあまずは酒を試してみるってことで」
セスの返答にそう結論付けるとヨハンはおもむろに立ち上がり、棚の中から大きめの瓶を取り出してテーブルの上に置いた。
「早速飲むぞ」
何の話をしていただろうか。
4人で話をしながらお酒を飲んでいて、急激な一気飲みなんてしていないはずなのにずいぶんと記憶が曖昧だ。
私がどこの里の生まれかと聞かれてシスタスの近くだと答えたら、ヨハンが以前カルナの医術学校で講師をしていた時代にルザリー先生に医術を教えたことがある、だから里で転生者だと明かしていたらヨハンの話をそこで聞けたはずだ、と言われて戦慄が走ったのは覚えている。
ヨハンの特殊能力が"忘却がないこと"、ということも覚えている。便利そうですね、なんて言おうとしたけど、その顔があまりにも悲痛だったので言えなかった。
他にはどんな話をしたっけな?
ユラユラと揺れている感じがして気持ちが悪い。
誰かが私の名前を呼んでいる。それは分かっているのにどうにも返事はできそうにない。
あぁ…気持ちが悪い。体が重い。
もう二度とお酒なんて飲みたくないな。
「本当にヨハンは優秀だ。もう少しで間に合わない所だった」
背後から聞こえた聞きなれない声に、混濁していた意識は急激に覚醒した。
だるく重かった体はフッと軽くなり、気持ち悪さも嘘のように消え去っている。
目を開くと白しか映らず、天井も床も何も分からない空間だった。
「待っていたよ、シエル」
再び聞こえた声に振り返れば、あの夢で最後に見た少年が微笑み立っていた。
背景と同化してどうなっているのかよく分からない白い服を来た黒い髪の少年。
「…………貴方は」
「…私はミハイル・リュミエール。かつて、そう呼ばれていた者だ」
「ミハイル・リュミエール……!?」
つい昨日、ヨハンから聞いた名前だ。2000年以上前に存在した過去の人間で、この世界で最初に名乗りを上げた転生者。
私が出会うことはないはずの人間だ。
「でも今は違う。姿は確かにミハイル・リュミエールが幼少であった頃のものだが、当時の肉体はすでに滅んでいる。この体は私の魂を入れるための造りものにしか過ぎない」
姿からは似つかわない大人びた言葉遣いで紡がれた言葉に、私は返す言葉を失った。
一歩、少年が私に近づく。それに合わせて黒い髪が揺れ、衣服が擦れるかすかな音も聞こえた。造りもの、と言ってはいたが実物と何も変わらないように見える。
「ここは一体?何故、貴方が…僕はどうしてここに?」
「私は君たち転生者を監視する者。ここはその私を閉じ込めるために神が作り上げた檻。誰にも侵入されないよう、幾重にも結界が張られている場所だ」
「転生者を監視する者…?神が作った檻…?」
まさか本当にヨハンの推測通り、転生者を監視する人間(?)や、それを支配する神が存在しているとは。いや、神が本当に存在しているというのは分かっていたが、こんな風に関わり合いになるとは思っていなかった。
しかし同じ転生者であったはずのミハイル・リュミエールがその監視者だというのはどういうことなんだ?訳が分からない。
「色々と聞きたいことがあるのは分かるが、全てを説明している時間はなくてね。早くしないと間に合わなくなる」
「間に合わなくなる?」
「本来ここには、ここを作った神すらも入れない。それなのにも関わらず君は幾重にも張られている結界を突破してここに来てしまった。監視者である私の前に、精神体である君がいる。それはすなわち、私を殺せる存在であるということだ。監視者とは神の目。神の目に干渉してしまった以上、君は神に消される運命にある」
「……どういうことですか?僕は、自分の意思でここに来たんじゃない…。今回はそうかもしれないけど…今までは違う。僕…僕は、死ぬんですか?」
自分でも何を言っているのかよく分からない。今言うことがそれなのか、とも思う。でも転生者を監視しているというこの少年に、神の目だというこの少年に"消される"などと言われたらそこには恐怖しかない。その言葉を、信じざるを得ない。
「そうだね。君は自分の意思でここに来たのではない。私が君を"視て"いたら、君の夢が呼応してしまった。私の願いに、呼び寄せられてしまった」
「……意味が、分からない…」
あぁ、声が震えている。
怖い。訳が分からなすぎて、怖い。
「転生者は何かしらの特殊能力を有している。それは君もヨハンから聞いただろう。私はミハイル・リュミエールであった時から、他の転生者を"視る"ことができるという能力を有していた。だからその力を、神に利用されたんだ」
「神…ミトスってことですか?」
「いいや、違う。地界に神は存在しない。神とはアルディナでありルブラでもある。名はリリス」
「…どういうことですか?アルディナとルブラは同一人物だと?」
「そうだ」
初耳だ。
恐らく、世界中の誰も知り得ないことだろう。
「遥か昔、リリスは2種類の大地を創った。片方を天界、片方を魔界と名付け、多種多様な種族を創り、それぞれに住まわせた。天族には自死を禁じ、必ず魂が輪廻するようにし、魔族には自死による魂の消滅を容認した。そしてこの2つの世界がどうなっていくのか観察していたんだ。いわゆる箱庭だね。そんなリリスの箱庭に、突然どこからともなく現れた地界が融合した。しかし天界と魔界の神であるリリスには、地界の存在を感知することはできても干渉はおろか、視ることすらできなかった。だからリリスはこの地界を、他の神が見捨てた大地と推測した」
「他の神が見捨てた大地…」
「今まで互いに存在すら認識していなかった天族、魔族、地族が地界を通して干渉できるようになってしまった以上、何とか上手いこと共存させていくしかない。しかしリリスには地界が見えず、干渉することができない。そこでリリスは自らの分身とも言える存在を創り上げ、地界へと送り込んだ。それが、かつての私にアルディナ語とルブラ語を教えた者たちだ」
「…………」
それが、その話に繋がるのか。
ヨハンの言い方では偶然のような感じだったが、そうではなかったようだ。
「ずっと私の側にいたその2人は、突然こんな世界に転生させられた私にとって、数少ない信用できる人間だった。だからその2人にだけは自分が転生者であること、何故かこの世界にいる他の転生者の様子を視ることができることを話した。初めは転生者という存在にすら驚いていた2人だが、やがて自分たちは天界と魔界を創った神の使いであることを告げ、私の力をその神のために貸してほしいと願った。私はその2人の願いならばとそれを承諾した…。なのに、結果はこうだ!」
「……っ」
突然、ミハイルの顔が歪められた。
憎悪に満ちた顔で、私を真っ直ぐに見据えている。
「私が人としての生を終えた後、リリスは私の魂をこの空間に閉じ込め転生者の監視をさせてきた。世界にとって都合の悪い転生者は消されるという、ヨハンの推測は総じて正しいよ。ゼノやガスパルだけじゃない…私が視たことによって害と判断され、この世界から消された転生者は数多く存在する。君もまた、そうなる運命にある1人だ」
「…………」
「私が視なければ死ななかったであろう転生者は数多くいた。君だって、私が視なければここに呼び寄せられることも、害と判断されることもなかっただろう。でも私はそうと分かっていても転生者の監視を辞めることはなかった。何故だか分かるかい?」
「…………」
急に穏やかな笑みを浮かべてミハイルが聞く。
だが私は答えることができなかった。
恐怖で震えて、言葉がでなかった。
「すべては暇つぶしのためだ!」
「……っ」
憎悪のこもった顔で、再び私を睨みつける。
思わず私の足が後ずさった。
「2000年という気の遠くなるような時間、私はたった1人でここに在り続けた。誰も来ない。誰からも名を呼ばれない。誰も私を見ない。もう、私の側にいた2人の顔も思い出せない。もちろん、転生する前の記憶など、ほとんど忘れ去った。家族の顔も、友の顔も、何もかも!この絶望は君には分からないだろう!?転生者をここから監視することしか、私にはやることがなかったんだ!!」
あまりにも悲痛な叫びだった。涙は出ていないのに、泣いているようにさえ見える。
私には到底分からないほどの絶望を、彼は負っている。転生者を監視することによってその人が世界から消されてしまうかもしれないと分かっていながらも、彼はそうせざるを得なかった。それほどまでに、この何もない空間は彼を狂わせたのだろう。誰であってもきっと同じことをしたはずだ。
「君が私の力に呼応した時、嬉しかった。君がここに来てくれれば、私はこの絶望を終わらせることができるかもしれない。来てほしい。殺してほしい。そう強く願い続けた結果、君を呼び寄せ、結界を突破させるに至った。なのに前回、寸での所で邪魔が入ってしまった。だが結界を突破してしまった以上、その時点でリリスには気取られている。リリスは精神体の君に直接干渉することはできないが、現実世界にいる君を消すための画策はしていることだろう。もう時間がない」
「…………」
「だからシエル、私を殺してくれ。そして、全員であの場所を離れるんだ。私の存在が消えればリリスは転生者を把握することができなくなる。あの場所から離れてしまえば、君の居場所を気取られることもない。君はこれからもセスと共に生きていけるんだ」
「僕が…貴方を殺す…?」
言っていることは分かる。それがミハイルの救いになることも分かる。そうしなければ自分が消されるであろうことも分かる。しかし突然そんなことを言われ、はい分かりましたと人を殺せるような神経は正直持ち合わせていない。
「何を躊躇うことがある?私を殺せばみんなが幸せになれる。もちろん、私もだ。私を救ってくれ、シエル」
そう言ってすべてを受け入れるかのように、ミハイルは両手を広げた。
「…………っ」
体が震えている。
フェリシアを殺した時は体が勝手に動いたが、あの時とは違う。自分の意思で、明確に目の前の人間を殺さなければならない。
「さぁ、時間がない。早く」
「…………」
心臓が、これ以上ないほど煩く鳴っている。
息が、苦しい。
「早く!」
「…う…うわあああああっ!!」
急かす声に私は目をきつく閉じて手を突き出し、岩の槍で突き刺すイメージで術を放った。
「ダメだよシエル。精神体である今の君に元素は扱えない」
「…………」
ミハイルが発した静かな声に目を開けると、先ほどと変わらないままの光景があった。
両手を広げたミハイルが、悲しそうに微笑んでいる。
「でも一緒に持ってきたものがあるだろう?ほら、君の腰に」
「え……?」
言われた通り手を腰に持っていくと、硬い感触が伝わってきた。
いつも着けている2双の短剣だ。
「どうして…これが…」
その内の1本を引き抜きながら無意識に呟く。
夕食を食べ、みんなで飲んでいた時には着けていなかったはずだ。
「君がいつも身に付けているものは精神体になっても共にあるということさ」
ミハイルのその言葉で左手を胸に当てると、硬い宝石の感触が服の上から伝わってきた。セスからもらったペンダントだ。確かに、これも肌身離さず身に付けている。
私はそれを強く握りしめて右手で握った短剣を見つめた。
これでミハイルを刺す。
刃物で人を傷つける。殺す。
この、ずしりと重い短剣で。
「シエル」
それで刺せ、という意味の呼名。
「ま…待って…待ってください…僕にはできな…」
「神術ではできるのにそれではできないとでも言うのか?人を殺すということに何の変りもないのに?」
「…………」
鼓動が速い。息が苦しい。体が震えて、どうしようもない。
「ふざけたこと言ってないでやれよシエル!早く俺を殺せ!!殺せえええぇぇぇ!!」
「…………っ!!」
憎悪に顔を歪めたミハイルの激しい慟哭に気圧されて、私は一歩を踏み出した。
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