神様のせいで異世界に引っ越すことになったので、神子の力で好きにさせてもらいます。

ももなんばん

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PT

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 受付のお姉さんに用紙を渡すと渋い顔をされた

「もう少し詳しく書くことはできませんか?あまりにも情報が少ないとPT斡旋などで困りますので」

やはりPTを組むのが前提で話が進んでいく、魔導士が一人で戦闘をするのはそれほどむつかしいのだろう。

どうしたものかと思いながらも、わからないなら聞いてみるしかないと質問することにした。

「やはりPTを組まなくてはいけませんか?今まで一人でやってきたし、あまり知らない方と一緒にというのは」

語尾をごにょごにょと誤魔化しながら聞いてみると、受付のお姉さんは妙なものを見るような顔でこちらを見ていた。

それだけソロでの活動はおかしなことなのだろうか?だがほとんど知らない人と命がかかっているモンスターとの戦闘などそちらのほうが心配になる。

「ご存じないようですが、魔導士のソロでの活動はかなり厳しいものになるでしょう。今のあなたのレベルでは数匹のモンスターに囲まれたら生き残れないのではありませんか?それに魔導士は比較的珍しいスキルで人気がありますので募集されているPTも多いですよ。ただやはり、攻撃魔法や回復魔法が使える魔導士が好まれますね。」

うーん、やっぱりPTは大事か。確かに今までのようにモンスターが必ず一匹で出るとは限らないのだ安全を考えるとPTに参加させてもらうのがいいのだろうけど、私のステータスを考えるとどうしても信用できるかわからない人に打ち明ける気にはならない。こんなことで神様の過保護が裏目に出るとは思いもしなかった。

私が困った顔をしていたためか

「いままでPTを組んだことがなかったようですし、よろしければ募集しているPTをご紹介しますのでひとまず3日ほどPTを組んでみてはいかがでしょう?双方気に入ればそのままPTを続ければいいですし。条件が合わない場合はほかのPTをお勧めすることもできます。いかがですか」

なるほどお試しにPTを組んでみることができるのか、短期間であれば私のステータスがちょっと特殊であることはばれないだろうし、PTとはどんな感じなのかも知っておくべきだとも思う、一度試してみてそれからどうするかを決めればいい。

「では、それでお願いします。」

「かしこまりました。それではPTの件は後にしましてまず、ギルドに入会いただきます。そのための手続きとして記入されているステータスの確認が必要になります。」

お姉さんに促されてステータスの用紙に記入したところのみを見せる

「ステータスの記載は後からでも変更できますので、気が変わったりステータスに変化があった場合はいつでもお申し付けください。ではこれで登録ができました、ステータスで加入できているかとギルドランクをご確認ください」

 言われた通りステータスを開いてみると今までになかった記載があった



名前 ユリナ・シラナミ 15才 犯罪歴なし

職業 魔導士 Lv8

冒険者ギルド ランクF

スキル

補助魔法 Lv11

魔道補助 Lv10

杖術 Lv11

生活魔法 Lv10

「冒険者ギルド ランクF」が追加されている、これでいいのかわからないため受付のお姉さんに確認してもらうと、お姉さんは問題無いというようにうなずいている。そして

「では、斡旋するPTが決まるのが早くて明後日の朝になりますので昼前に一度ここを訪れていただけますか?後のことは、本人同士で話し合って決めていただくことになります。」

たしかにすべてのPTの面倒を1人ずつは見ていられないので、細かい取り決めは本人たちですることになるのだろう。正直今回私はあまり乗り気でもないこととステータスのこともあるので多少損な条件でもかまわないのでPTとはどんなものかわかればいいくらいに思っている。

今日はもう特にやることがないのでそのまま街の中を見て回ったお昼も近づいてきたので踊る子猫亭に戻ることにした、子猫亭はお昼もお金を出せば食事ができるので助かっている。できたらまた、おじさんたちに話を聞いてもらって相談したいと思っていた。

帰ってみると人がたくさん入っていて、何とかエミリーさんに声をかけ私とルナのご飯を部屋にお願いできた、

少し時間がたってからノックがして扉を開くとエミリーさんがご飯を持ってきてくれた。

「遅くなってごめんなさいねー。もう少し暇になったら今日のギルドでの事教えてちょうだいよ、私もギルドに入ってるから役に立てることもあるかもよ。」

こちらからお願いしようとしていたことを、エミリーさんから言われて安心した

「ぜひお願いします。今日はこのまま予定はないのでエミリーさんの都合がいい時に声かけてくださいね。」

エミリーさんはにこりと笑い

「じゃぁ、またあとでねぇ」

ニコニコ笑いながら階下に降りて行った。

その間私はルナと相談だ。

「ねぇ、ルナ実際のところどう思う?知らない人たちとPT組むって、このステータスだと結構むつかしいよね?」

そうなのだ、攻撃魔法はLvの割に魔力のランクが高いため、通常よりも攻撃力が高く回復に至ってはもはや神の奇跡である。よって記入できるスキルやランクがものすごく微妙になってしまうのである。ギルドで提出したステータス記入書で想像できる私の戦闘スタイルは強化魔法で身体強化して杖で殴ってる感じじゃないだろうか?

「うむ、これでは前衛にもできず後衛に回せば身体強化の魔法しか使うことの出来ない、獣魔を連れていれば契約魔法を使うことはわかるだろうが、戦闘に向いた獣魔がいないのでは意味がないし、わしが戦闘に出ればお前の経験に全くならないからな。それに天使猫だとばれてそれを利用しようとするものによからぬことを考えられても困るのでわしは今まで通り戦闘には参加する気はない。」

前半はわかっていたことだが後半が気になった

「ルナって戦えるの、今まで一度も戦ってるの見たことないけど」

「当然だ、わしはもしもの時の護衛もかねてユリナの獣魔になったのだ」

こんなに小さいのに私の護衛もしてくれる気でいたなんて浮かれて自然と笑顔になってしまう

「ルナ!私もそのうちルナを守れるくらい強くなるからね!」

「その時は、三食昼寝付き肉多めで頼む」

こっちは結構本気で言ってるのにルナは相変わらずクールに流してしまった。

そんな話をしているうちに、お店のほうが暇になってきたのかノックの音がした。

扉を開けるとやはりエミリーさんで、ギルドでの事を簡単に説明し記入したステータスを教えたところ、不思議そうにされた。

「ねぇ、あなた確か攻撃魔法使えるのよね?」

そういえばここのご主人であるおじさんの前で炎の魔法を使ったのだった

「主人はスライムを一発の魔法で倒したって言ってたけど、それが本当なら何故ステータスに乗せないの?かなり有利にPTの条件が決められるわよ。」

これは、なんと言い訳すればいいのかわからない考えた末にエミリーさんが信用できる人だと信じて相談することにしたスキルLv15であること、MPと魔力のランクが生まれつきかなり高いことを説明した。エミリーさんは察してくれたのかMPと魔力のランクを特に聞いてくることはなかった。

 「生まれつきスキル持って生まれてくる子や一部のランクが人より高かったりする子が生まれることはあるけど」

 そういう人私以外にもいるのか。それでも私のステータスが他より異常なのはわかるが。

「それを隠したいってことは何か事情があるのね、でもそれではあなたがこまるわよ」

 一緒に悩んでくれた結果、

「あなた、魔力を抑えることはできないの?」

その一言に言われてみればと思った。なぜ思いつかなかったのか。

そう言われてみれば以前ルナに言われて魔力を抑える訓練もしていたまだ完ぺきではないがそれが役に立ちそうだ。

結局、攻撃魔法のLvだけは公表することにして他は秘密のままにした。PTに入ったら初めは弱めに攻撃魔法を使い信用できそうな人かどうか確認することにした。

 まだお昼を過ぎて少しなのもあるので、エミリーさんにお礼を言ってもう一度冒険者ギルドまで向かった。

 受付にはさっきのお姉さんがおり、中途半端な時間のため人もいなかったのですぐに話しかけた。

「先ほどのステータスの件ですが、付け足したいことがありまして」

「かしこまりました。ではステータスをお願いします。」



名前 ユリナ・シラナミ 15才 犯罪歴なし

職業 魔導士 Lv8

冒険者ギルド ランクF

スキル

攻撃魔法 Lv15

補助魔法 Lv11

魔道補助 Lv10

杖術 Lv11

生活魔法 Lv10

「これでお願いします」

「まぁ、攻撃魔法をお使いになれるのですねLvも15なぜ先ほどお書きにならなかったのですか?」

「あの、練習はしているんですけど攻撃魔法はどうも苦手で」

手加減が。

「あら、そうなのですね。でもこのステータスなら紹介できるPTも増えますし。いい出会いがあればいいのですが」

「ありがとうございます、では、明後日よろしくお願いします」

お姉さんにお礼を言ってから受付を離れそのままギルドを出ようと思ったが、大きなボードが壁にいくつもあり、そのボードにたくさんの紙が張り付けてあるのを見て気になって近づいていくとどうやらクエストの張り紙らしくモンスターの盗伐や何かの素材、護衛など色々なクエストが出ていた。目が引かれたのは端っこのほうに古くなっている紙に魔法錬金術で使う素材の買い取りクエストだった。端っこに張られしかも紙が古くなっているところを見るとよほど人気がないのだろう、私も自分で素材を集められるようにならなくてはこんな風にいつ買えるともわからないクエストを出し続けるしかないのだろうか?

それを考えるとやはり戦う力は必要なのだなと再確認した。
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