神様のせいで異世界に引っ越すことになったので、神子の力で好きにさせてもらいます。

ももなんばん

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ドルゴと借金

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 今日は、朝から早めに行動する。朝食後はドルゴの家に行き今後どうするかよく話し合うためである。
朝食はルナがお肉お肉というのでベーコンエッグにするそれとパン、ルナのベーコンは厚切りで、隣から視線を感じ見てみるとうらやましそうに厚切りのベーコンを見ているラークがいた。
男の子だもんね、私に合わせて食事出してら足らなかったのかも。申し訳なく思い厚切りベーコンを増やす。
それを卵と焼いてお皿に、パンはラークが準備してくれたのでそのままテーブルまで運んでもらう。
朝食の席で自分のお皿のベーコンの厚みを見てどこかラークの目がキラキラしているように感じられた、気のせいかお耳もピクピク動いてるような、何とも癒される空間が出来上がった。
ルナは堂々とテーブルにのぼり自分の皿を見ている、ベーコンの厚みに満足したのかこちらも耳をピクピクしている。
そういえば、今更ではあるがラークはルナのことを特に訊ねてきたことがない、ルナも相変わらず食事の時以外は誰かがいると、ラークであっても肩の上に乗っている。不思議に思尋ねると、
「ラークはルナを見ても驚かないね?ミラクルキャットて知ってる?」
「知ってるし、驚いたが色々と驚くことに忙しくてな、あの頃は」
なんか遠い目をして言ってるが、そんなに日にち立ってないからね?
しかし、考えてみればルナのことは特に紹介したことはない、ルナは相変わらず人がいると話さないしどうするかルナに尋ねたほうがいいかな?
とりあえず朝食を終えてから、ルナを肩に乗せて自分の部屋に移動する。
「ルナはさ、ラークの前でも話さないけど、このまま秘密にしておきたいの?」
「いや、どうでもいいな」
どうでもいいのか・・・。
「えーとじゃぁ、今更だけどラークにちゃんと紹介するね、出来たらエミリーさんとジャンさんにも紹介できたらいいなぁ」
「奴隷契約した者にはいっても問題ないだろ、だがそれ以外の者にはよく考えて決めるのだな」
反対はされなかったが、特に賛成という訳でもないらしい。
とりあえずラークにだけは紹介しておこうと、出かける準備をして部屋から出た。
ラークも準備ができているようでリビングのソファーに座って待っている。
そこにラークとは反対の席に座わり、
「今更だけど紹介するね、エンジェルキャットのルナちゃんです、今後もよろしくね。」
「わしがミラクルキャットと羨望されるルナである、楽にせよ」
「ミラクルキャットて話すんですね。これからもよろしくお願いします」
やたら尊大なルナに対し、結構普通に受け入れるラークという面白い場面になってしまった。
だが、紹介は無事終わったので、早速出かけることにする。
「じゃぁ、少し早いけどドルゴのところに行きましょう?」
そうしてドルゴの家に着いたときはまだ早い時間だったがちゃんと起きて身支度もできていた、聞いたら朝食もとったのことで話し合いをすぐにも始めることになった。
まずは、お金のことをはっきりさせないと、
「ドルゴさん、まずは言いにくいことですがお金のことをはっきりさせておきたくて、話してくれるかな?」
おおむね、前回聞いた話と変わらなかった、日本だったらどうにかなったかもしれないが、この世界では意味がない。なぜそんなところで借りたのか?言いたいことは沢山あるがとりあえず残額を聞く。
「実は、よくわからないけど利息がどんどん増えていくんだ。でも今なら家を渡しさえすれば300万ラナで必ずたりるはずなんだ」
何故そんなところで借りたのか?なんどでも言いたい・・・
どんどん利息が増えていくなど完全に悪徳金貸し業者ではないか。
「本当に300万ラナで足りるんでしょうね?それ以上になるとこっちも厳しいわよ。」
ただでさえ、ラークより高いのに。心の中で付け足す。
「昼前に相手の人が来るからその人に詳しく聞いてくれ、その前にやっておかなくてはならないことがあるんだ!ユリナさんに手伝ってもらいたい」
何を手伝うのか聞いてみるとお店の中の道具をできるだけ回収したいとのことだった。高額になる鉱石なんかは持っていかれてしまったようだが普通の鉱石などはそのまま残っている、また使い慣れた道具がいいと言ってどうしてもと、言われて借金の担保は家と土地だけなのだから残す必要もないなと思いなおし手伝うことにした。
片っ端から、アイテムボックスに詰めていく。鉱石、道具、参考書、ドルゴの私物もついでに、せっかくなので、相手の人間が来るまでに、お通しする部屋以外の家具もすべて収納してしまった。
ちょっとやりすぎたかなと思ったけど、残しても仕方がないのでいつか、活用できればいいなと思いとりあえずお客様を通す部屋以外はすべてマジックボックスに収納した。
その後ドルゴと話し合い、返済が間違いなく行われたと証明する方法があるのか尋ねると証文があるのでそれは大丈夫だと言われて少し安心した。
確認など丁度終わったころに尋ねてきた人がいた予想どおり悪徳金貸し業者の人だった。
見た感じ悪徳商人に見えるおっさんだった。
とりあえず、残った客室のソファをすすめ、向かいの席にドルゴと私が座る、ソファの後にラークが立っていた。
 おっさんはちらりとこちらを見たが、特に気にすることなく話始めた。
「そろそろ期限になりますが準備のほうはできておりますか?」
「ああ、店は手放すことにした。残りの残金も支払いの予定はできてる、だから以前持って行った武器と防具を返してくれ。あれは客に渡す大切なものだ。」
「支払いの予定ができたのですか?店の分を差し引いても280万ラナは必要ですが?」
どこか馬鹿にしたように言うおっさんはちらりとこちらを見る。
「そちらのお嬢さんが払ってくださるとでも?」
いかにも馬鹿にされたので私も黙っているのはやめた。
「そうですね、ドルゴさんには、今後も私たちの武器を作ってもらわなくてはなりませんので、支払いは私がさせていただきます。」
おっさんは、フンッと笑ったかと思うと
「店は抵当に入っているので今後武器を作る子はできないのではありませんか?」
「それは、あなたには関係のないことです。支払いは私が行いますので請求書をお願いします。それと、武器と防具の返却もです。」
少し強く言えば相手もやっと本気だとわかったのか何かごちゃごちゃ言っていたがすべてスルーして、おかねっを払いますのでお引き取りくださいと言い続ける。
根負けしたおっさんが、
「分かりました。ではお支払いをお願いします。そして、今日中に出て行ってもらいますよ。」
どこか勝ち誇っているおっさんに、
「分かりました、今日中に出ていきますのでそちらこそきちんと支払いが終わったとわかるように証文を残してもらいます。」
この証文も契約魔法の一種の様なので今後の為に勉強しておこうと思った、もし今回証文が無かったらこのおっさんと見つめ合うことになったかもしれないと思うとうんざりする。
金額を確認すると280万ラナに少し届かないくらいだった。お金を払ってお別れしたかったので少しせかし気味に支払いをする。
すると用紙を出してきてドルゴと何やら話している、最後には用紙燃えて無くなった。あれが証文だったのだろう。
無事、返済が終わり、おっさんが返って行ったので最後にこの部屋の家具をすべてアイテムボックスにいれて店を後にする、とりあえず貸家に行き一休みすることにした。
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