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「ぁああっ……ユタさぁんっ」
ユタに覆い被さられたさつきは、胸の先を柔らかく食まれながら前を扱かれて、腰を大きく揺らした。
頭上で纏められた手首も、急所に嵌められた戒めも解かれないまま、長く焦らされた末に達した快感は、さつきを放心状態にした。
「あっ……あっ……」
時間にすれば数分だったが、快感が長く続き、さつきは小さく喘ぎながら断続的に腰を震わせる。
ユタの愛撫は執拗なほどで、さつきがもう無理だといくら身体を捩っても、引き戻されて続けられた。そうして、自分の限界以上と思う先で、信じられないような快感が得られることを、ユタが教えてくれる。
ただユタの指先が、素肌に触れるだけで。ユタの温かく湿った舌先に、胸を舐められるだけで。ユタの形の良い指に、前を扱かれるだけで。
こんなに気持ちがいいと、数ヶ月前までは知らなかった。それが、ユタに出会ってからは、すっかりこの快感の虜になっている。ユタと会って、色々なことを話すのが好きだ。それ以上に、会えば裸で触れ合えることに期待している。このマヴィに到着する道すがら、身体が勝手に反応してしまう程に。
こんな下劣な自分を、ユタはなぜ受け入れてくれるのだろうか。
「挿れなくても、上手にイけたね」
さつきの胸の先から唇を離して、ユタは微笑む。赤い唇は妖艶に濡れていた。
器具に拘束されたまま、さつきのペニスがぶるっと震える。
頭上に固定されていた両手首の拘束が解かれて、今度はうつ伏せに寝かされた。
「あ、う……」
くちゅ、と粘度の高い音が聞こえて、さつきの後孔でずっと振動しながら中を刺激していた器具が引き抜かれる。代わりに、温かく固いものがあてられた感触に気付く。
後ろはヒタヒタに湿っていて、奥まで入ってくるのを期待しているかのように、あてられたユタのものに吸い付いていた。
欲しい。早く。繋がりたい。
しかし、ユタは自身のペニスをさつきの後孔に押し付けては離れて、中々奥まで入れない。
「どうして、っ……」
さつきは泣き出しそうになりながらユタに振り向く。すると、ふわりと背中から抱きしめられた。
「言葉で伝えて。言わないと解らないよ」
興奮してせわしなく呼吸を繰り返す唇に、ユタが優しいキスを落とす。
「可愛いおねだりきかせて?」
続けて耳元で囁かれ、さつきはびくりと肩を震わせた。
「……い、いれてほしい、です」
「何を、どこに? どんな風にいれてほしい?」
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