子兎とシープドッグ

篠原皐月

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本編

第5話 熱い血筋

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 その日、祐司は仕事を終わらせるのに手間取り、十分遅れて待ち合わせ場所に到着したが、その途端、貴子が容赦なく責め立ててきた。

「祐司、遅い! レディを待たせるなんて、なってないわね。意外に無神経でズボラだから、女とすぐ別れる事になるのよ?」
 その日は厄介な仕事にかかりきりになって疲労感満載だった為、反論する気も起きなかった祐司は、溜め息を吐き出して懇願する。
「姉貴、頼む……。そこら辺は結構気にしてるんだから、少しは手加減してくれ」
「それはともかくとして……。例の携帯電話を拾ってくれた子にお詫びを兼ねたお礼をしようとして、見事に失敗したのよね?」
 しかし姉がさらっと話題を変えてきた事で、更にダメージを受けた祐司は、本気でその場に蹲りそうになった。

「だから、そうサクッと切り込んで来るのは勘弁って言ってるだろ? 頼むから、黙って力を貸してくれ」
「分かったわよ。それで? 問題の店って言うのはどこなの?」
「すぐそこだから案内する」
 そうして連れ立って歩いて一分程で、祐司が前回綾乃達を誘った店の前に着いた。

「ここなんだけど……」
「取り敢えず入るわよ」
 そして祐司と共に店内に入った貴子は、店員に誘導される間、さり気なく他の客が注文して食べている物を眺めやった。そしてテーブルに着いてから、頬杖を付いて少し離れたテーブルに視線を向ける。

「ふぅん……」
「早速、何か気になる事でも?」
 何やら考え込んでいる貴子を見て、メニューを開いた祐司が尋ねたが、貴子は肘をテーブルから下ろして淡々と告げた。
「ちょっとね。でも、他人の食べている物をジロジロ見るのも失礼だし、食べながら判断するわ。注文は任せるから」
「ああ」
 そして祐司が前回頼んだ物と同じセットメニューを二人前頼んでから、ふと思い付いたように貴子に尋ねた。

「そう言えば……、姉貴はどうして広島風お好み焼きの食べ歩きなんかしたんだ? 仕事か何かで?」
 すると貴子は不愉快そうに、僅かに顔を歪めて話し出した。
「違うわ。プライベートでね。昔、付き合っていた広島出身の男に、関西風のお好み焼きを作って出したら『こんなお好み焼きと言えない代物が食えるか!』と文句を付けられたのよ」
 それを聞いた祐司は、本気で肝を冷やした。

「そいつ本当に、姉貴に面と向かってそんな事を言ったのか? 命知らずだな」
「そんな事を言われて黙って引っ込んだら、料理研究家の肩書きが泣くじゃない。だから完璧な広島風お好み焼きを作れるように、試食と研究を重ねたわけ」
 吐き捨てる口調で説明された祐司は、恐る恐るその結果を尋ねてみた。

「ご苦労様。それで? その結果はどうなったんだ?」
「三ヶ月後に作って奴に食べさせたら、『美味い! これこそ本物のお好み焼だ!』と満足して貰えたわ」
「へぇ、それは良かったな。頑張った甲斐があったみたいで」
 そう祐司がホッとしたのも束の間、貴子がいきなり般若の形相になった。

「全然、良くないわよ。奴はそれを綺麗に完食してから、『いやぁ、これだったら本場で店を出してもやっていけるぞ。やっぱり貴子は、俺が居なくても大丈夫だな。悪いけど、他に守ってやらないといけない女ができたから、今日ですっぱり分かれてくれ』とふざけた事をほざきやがったから、フライパンで殴り倒してやったわ」
「……ご愁傷様です」
 思わず呟いた祐司の言葉に、貴子が鋭く突っ込みを入れる。

「今の台詞は、あっさりふられた私に対して? それとも殴り倒されたあの下衆野郎に対して?」
「両方……、いって!」
 つい正直に答えてしまった祐司の額を、貴子がテーブルにあった割り箸で勢い良く突き、祐司は額を押さえて呻いた。それを冷たく眺めながら、貴子が無表情で立ち上がる。

「帰らせて貰うわ」
「ちょっと待って! 悪かった、謝る。何が拙いのかを教えてくれ。頼むから!」
 咄嗟に自分の腕を掴み、必死の表情で懇願してきた異父弟を見て、貴子は溜め息を吐いて元通り座った。

「全く、しょうがないわね。分かったわよ、付き合ってあげるから」
「お待たせしました~」
 その時、絶妙のタイミングで店員が注文の品を運んで来た。そしてテーブルに手際良く並べられたお好み焼き、ミニサラダ、スープを眺めた貴子は、中央の鉄板に乗っているお好み焼きを指さし、祐司に短く確認を入れる。

「本当に、これを注文したの?」
「ああ。そうだけど」
 祐司も端的に答えると、貴子は困惑顔で感想を述べた。
「……これじゃあ、食べないかもね」
「どうして?」
 食べもしないうちからどうして断言出来るのかと、祐司は怪訝な顔になって尋ねたが、貴子は無言のまま割り箸を割り、問題の物に箸を伸ばした。

「まず……、キャベツと麺と肉の比率がなってないわ。山盛りにすれば良いって物じゃ無いのよ?」
「そうなのか?」
 お好み焼きを箸で切りながら遠慮のない感想を述べた貴子に対し、祐司がまだ要領を得ない顔付きで応じた。更に中の具材を確認した貴子が、鋭く詳細について指摘する。

「しかも、もやしが細もやしじゃないなんて、信じられない……」
「細もやし?」
「ブラックマッペの事よ」
「ごめん、分からない」
 そして切り分けながら食べ始めた貴子の、容赦が無さ過ぎる判定が続く。

「それから、中華麺が茹で過ぎ」
「そんなに柔らかいか?」
「生地の厚さにムラがある」
「ほとんど気にならないけど……」
「青ノリがかけすぎで、味のバランスを壊してるわ」
「いや、青ノリの味って、別に気になる程じゃ」
「極めつけは」
 そこで「はぁ……」と、如何にも救いようが無いと言う感じで目の前で盛大に溜め息を吐かれた祐司は、控え目に続きを促した。

「何がそんなに拙いんだ?」
「ソースが、オタフクソースじゃ無いわ」
 真顔できっぱり断言した貴子に、祐司が半ば茫然としながら確認を入れる。
「……それ、重要なのか?」
「当たり前でしょうが! あんた、何を言ってるのよ!?」
「……すみません」
 本気で叱りつけられて祐司が反射的に謝ると、貴子は難しい顔になって考え込んだ。

「だけどそうなると、これは結構厄介かもしれないわ」
「何が?」
「その子、食べないうちから泣き出して『食べられない』って帰っちゃったんでしょう?」
「……ああ」
 その時の事を思い出し、無意識に憮然とした表情になった祐司だったが、その弟に貴子は真剣な表情で問い掛けた。

「ソースの香りでもう駄目だと思ったのかもしれないけど、僅かに見えた具材を素早く判断して断ったかもね。これがどういう事だか分かる?」
「どういうって?」
「地元の愛着が有るものには、トコトン拘る熱い子って事よ。あんたから電話で話を聞いた限りじゃ、内気で控え目な子らしいけど、そんな一面も有るって事を、考慮しないとね。ただ内気なだけなら、どんな物が出ても相手の顔を潰さないように、黙って食べて帰るんじゃない?」
「確かに、そうかもしれない。じゃあ姉貴。そんな子が満足できる、広島風お好み焼きを出す店を、紹介してくれないかな?」
 姉の言う事に尤もだと頷き、更なる助力を求めた祐司だったが、その申し出を貴子は一蹴した。

「祐司! あんた、人の話を聞いてるの!? そんな子相手に、小手先の謝罪でお茶を濁そうとしても駄目でしょうが!」
「はぁ? じゃあどうすれば良いんだ?」
「簡単よ。あんたの誠意を見せる為に、自分で非の打ち所が無い広島風お好み焼きを作って、その子にご馳走すれば良いのよ」
 そう言い切って食べるのを再開した貴子に、祐司が困惑しきった声を上げた。

「え? いや、ちょっと待ってくれ、それは……」
「姉弟の よしみで、特別に個人授業料はタダにしてあげるわ。気合いを入れて頑張りなさい」
「だからちょっと待てって」
「善は急げよ。直近のあんたの休みを教えなさい。私のスケジュールと照らし合わせるから。実際にご馳走する時は、その場所に私の家を提供するしね」
「姉貴……」
「何よ、何か文句でもあるの? 私がここまでしてあげるって言ってるのに。その子に度重なる非礼を詫びて、すっきりしたいんじゃなかったの?」
 軽く睨まれながらそんな事を言われた祐司は、反論を諦めて軽く頭を下げた。

「……お願いします」
「よし、最後まで面倒見てあげるから、安心しなさい。ビシビシ鍛えてあげるから!」
 もはや自分の意見など聞いて貰えないと悟った祐司は、諦めて手帳を取り出して、自分のスケジュールを貴子に伝えた。

 同じ頃、綾乃は自宅として与えられたマンションで、父親を出迎えていた。

「お父さん、いらっしゃい」
「やあ、俺の可愛い兎ちゃん。元気にしていたか?」
 玄関の扉を開けるなり自分を抱き締めてきた父親に苦笑しつつ、綾乃は抱き締め返した上で、ささやかな抗議をした。

「お父さん、先週も会ったばかりよ? それに、その『兎ちゃん』はそろそろ止めて欲しいんだけど」
「うん? そうか? 可愛らしいと思うが」
「もう……」
 真顔で反論する父に困った顔になってから、綾乃はその背後に佇む顔見知りの男性に笑顔を向けた。

「蓼原さん、ご苦労様です。蓼原さんの分も夕飯を準備しておきましたので、食べていって下さい」
「お嬢さん、ありがとうございます。しかし……、先生?」
 親子水入らずの場を邪魔するのはどうかと思った蓼原が短く雇い主にお伺いを立てたが、対する君島は鷹揚に笑って手招きした。

「おう、上がれ上がれ、遠慮するな」
「失礼します。お相伴に預かります」
「はい、どうぞ」
 綾乃と蓼原双方が安堵しながら室内に入り、綾乃がダイニングテーブルに、準備しておいた三人分の料理を、手早く並べた。
 一人暮らしには広すぎる2LDKであり、綾乃は東京での住居としてこの物件を父から提示された時は「贅沢過ぎるし自分の給料で遣り繰りします!」と頑強に抵抗したのだが、君島が「管理人常駐、オートロック、その他監視システム完備の物件でないと許さん!」と主張を曲げず、渋々綾乃が折れた経緯があった。当然入居前に立派な応接セットやダイニングテーブルなども揃えられ、それを見た綾乃は本気で頭を抱えたが、三人でテーブルを囲んでいるのを見て(大きなテーブルが無駄にならなくて良かった)などと、少し安堵していた。
 そんな事を考えていると、父親と並んで反対側に座っている蓼原が、しみじみとした口調で話しかけてくる。

「お嬢さん、とても美味しいです。それにここ暫く、こういう家庭料理に飢えていましたし、食べる事ができて嬉しいです」
 それを聞いた綾乃は、笑顔で応じた。
「良かったです。お代わりもありますから、遠慮しないで下さいね?」
「ありがとうございます」
「そう言えば……、蓼原さんは、最近私設秘書から公設秘書に変わられたんですよね? 東京に詰める事が多くなって、広島の家になかなか戻れませんか?」
 ふと「家庭料理が久し振り」と言うフレーズが気になって尋ねてみると、蓼原が僅かに驚いた表情になった。

「まあ、そんな所です。近々広めの物件を借りて、家族を呼び寄せようかと思ってはいるのですが……。しかしお嬢さん、良くご存じでしたね?」
「母から、秘書の方や後援会で主だった方が異動されたり交代した時は、その都度教えられてきましたから。『お父さんの仕事を支えて下さる方達の顔と名前位は、常にきちんと把握しておくのが、最低限の礼儀ですよ』と言って。蓼原さんの異動の件は、先月実家に電話した時、母から聞いていました」
 綾乃が淀みなく説明した内容を聞いた蓼原は、今度こそ感心したように唸った。

「流石は奥様、感服しました。それを実行に移している、お嬢さんも流石です」
「そんな事は無いですよ。ただ教えられた事を頭に入れているだけですから」
 照れながら軽く手を振って見せた綾乃だったが、君島は妻子が誉められて嬉しいのか、無言のまま食事をしつつも僅かにその表情を緩めた。そんな君島に、蓼原が思い出したように尋ねる。

「そう言えば、先ほどもそうでしたが、以前から先生はお嬢さんの事を口にする時、『俺の可愛い兎ちゃんが』と仰っていますが、どうして兎なんですか?」
「だからお父さん、外で『兎ちゃん』って言うのは止めて……」
 がっくりと項垂れた綾乃を見て、君島は小さく笑ってから、蓼原に視線を向けた。

「それはだな……。綾乃は小さい頃、同年代の子供より一回り小さくて身体も弱かった上、他人と張り合うような性格でも無かったから、見事にイジメの標的でな。目を真っ赤にして、学校から泣いて帰って来るのが常だったんだ」
「そうでしたか。確かにお嬢さんは、年の割には小柄だとは思っていましたが……」
「やだ、蓼原さん。子供の頃の話ですから」
 綾乃が小学生の頃から君島家に出入りしていた蓼原が僅かに痛ましそうな表情を向けると、綾乃は恥ずかしそうに弁解した。それを微笑ましく見やってから、君島が説明を続けた。

「それで私が家に帰ると、殆ど毎回真っ赤な目をして走り寄って来て、抱き付くのが常でな? つい『俺の可愛い兎ちゃん。そんな赤い目をして、今日はどうした?』と言うのが癖になってしまって……」
「なるほど、良く分かりました」
 そこで苦笑いした君島を見て、思わず蓼原も笑顔で頷いた。すると君島が何か思い付いたらしく顔付きを改め、綾乃に尋ねる。

「因みに……、綾乃。ここに泊まりに来たのはほぼ一月ぶりだし、先週は党本部近くの喫茶店で会議の合間に顔を合わせただけだから、落ち着いて話ができなかったからな。どうだ? 最近誰かに苛められたり、泣かされたりしてはいないか?」
「え?」
 そう問い掛けられた途端、綾乃の血の気が引いた。

(うっ……、まずい。最近のあれこれを、ここで正直にお父さんに話したりしたら、広島に強制送還される事確実じゃない)
 ダラダラと冷や汗を流しながら、自分の考えに全身を強張らせる綾乃。

(入社以来、色々覚える事や考える事が多くてすっかり忘れてたけど……。星光文具に入社したのには、大きな理由があるんだもの。それをうっかり忘れて、つい弱気になってたけど、思い出した以上はお母さんの為にも、辞表なんて書いていられないんだから! 絶対に逃げ帰ったりしないわ!)
 そんな風に心の中で自分自身に喝を入れていた綾乃だったが、流石にテーブルの反対側から、訝しげな視線が向けられた。

「何だ、急に黙ってどうした? 綾乃」
「お嬢さん、どうかしましたか?」
 その声に我に返った綾乃は、慌てて必死に弁明する。

「う、ううんっ! 何でも無いの! 仕事もプライベートも至って順調だから! とっ、友達も沢山出来たし、落とし物を届けようとしたら怒鳴られたりしてないし、社内でコネ入社とか疑われて無いし、他社製品を使っている事で上司に叱られたりしてないし、いきなり現れた人に驚いて突き飛ばしたりしてないし、変な物を食べさせられたりもしてないから!」
 それを聞いた君島は両眼を鋭く光らせ、口調だけは穏やかに綾乃に語りかけた。

「ほぅ? そうかそうか。新生活が順調そうで、何よりだな、綾乃」
「う、うんっ! 全然大丈夫だから、微塵も少しもかけらも心配しないでね!」
「ああ……、凄く良く分かった」
 狼狽しまくりながら綾乃が「あははははっ!」と笑い、君島もそれに合わせて薄く笑ったが、その目が全く笑っていないのを見た蓼原は、本気で頭を抱えたくなった。

(お嬢さん……、正直なのは普通は美点ですが、嘘を吐け無さ過ぎるのもどうかと思います)
 そんな暗澹とした気分になっていた蓼原の耳に、君島の声が伝わってきた。

「綾乃、すまんがお代わりをくれるか? ご飯と味噌汁と、この白和えと肉じゃがも少しずつ」
「分かったわ。温め直すから、少し待っててね」
 これで話題が逸れたと綾乃が嬉々として器を抱えてキッチンに向かうと、君島は先程までの娘に対する口調とはまるで違う、地を這うような声音で、短く蓼原の名を呼んだ。

「蓼原……」
「早急に、調査させます」
 君島の言いたい事を瞬時に察し、キッチンに居る綾乃には聞こえない程度の小声で蓼原が応じると、君島は厳しい表情のまま話を続けた。

「調査結果次第では、対処も頼む事になるかもしれん」
「先生が適当と判断された手段に合わせて人員その他を手配しますので、後ほど指示をお願いします」
「ああ、取り敢えず調査結果待ちだな。全く……、だから遠藤なんぞの会社に入れるのは反対だったんだ。夢乃があんなに強固に主張しなかったら、大事な綾乃を誰が入社させるか!」
 忌々しげに吐き捨てた君島に、つい蓼原が口を挟んだ。

「やはり奥様には頭が上がりませんか?」
「当たり前の事を言うな」
 当然の如く言い切られ、蓼原は今度こそ失笑した。しかしすぐに笑いを引っ込め、ふと感じた疑問を口にしてみる。

「先生、一つお聞きしても宜しいですか?」
「何だ?」
「昔、お嬢さんが苛められていたのを、先生は放置なさっていたのですか?」
(今も昔も、変わらず溺愛しているように見えるんだが……)
 そんな素朴な疑問を呈した蓼原だったが、それを聞いた君島は面白く無さそうに告げた。

「放置など、するわけが無かろう。徹底的に調べて、単なるガキのちょっかいなら軽く脅して、悪質なのは一家揃って選挙区から叩き出してやった。……綾乃には言うなよ?」
「……心得ております」
(やはりな。変な男でも纏わりついていたら、下手したら血を見るぞ。お嬢さん、すみません)
 本人の与り知らない所で、綾乃のOLライフに赤信号が点りかけている現状を憂いつつ、君島に逆らう事など思いもよらない蓼原は、心の中で密かに綾乃に詫びを入れたのだった。
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