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4.淳の怒り
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その頃秀明は、わざとゆっくりと靴を履き、玄関と門の鍵を時間をかけて開けて、険しい表情で外に立っていた友人を出迎えた。
「よう、お疲れ」
「秀明……、そこをどけ」
挨拶もそこそこに、自分の横をすり抜けていこうとした淳の肩を、すかさず秀明が捕まえて押し止める。途端に淳は殺気の籠った目で恫喝してきたが、秀明は全く恐れ入る事無く、冷静に話しかけた。
「出血はしなかったらしいが、どうせなら少し血の気を抜いた方が良かったみたいだな。ちょっと落ち着け」
「邪魔するなら、貴様から沈めるぞ?」
「やれるものならやってみろと、本来だったら口にするところだがな……。美子から、座敷に案内して来いと言われたんだ。大人しく付いて来い」
大学在学中に武道愛好会なるサークルを立ち上げて以降、やりたい放題やってきた腕に覚えがある二人は、無言での睨み合いに突入した。しかし二分程経過したところで、淳が盛大に舌打ちして吐き捨てる。
「ちっ! ったく。女房に、牙を根こそぎ抜かれやがって……」
「牙を全部抜かれたら、お前と真っ向から立ち向かおうとなど思わないが? 怪我をしたくないから、押し入れに隠れるさ」
苦笑した秀明を淳は冷え切った目で見やり、無言で案内するよう促した。それに素直に従い、秀明は彼を引き連れて玄関に入り、上がり込んで廊下を進む。
「ここだ」
「お前は余計な口を挟むなよ?」
案内された襖の前で淳が釘を刺すと、秀明は無言で肩を竦める。そしてすぐに彼から襖に視線を移した淳は、それを勢い良く引き開けながら、中に居る筈の人物に向かって呼びかけた。
「美実、居るか!? 居ないのならさっさと呼んできて貰お」
「あら、小早川さん、いらっしゃいませ。家事の片手間にお出迎えして、申し訳ありません」
しかしにこやかに彼を出迎えたのは、正面に座っていた美子だけだった。そして彼女の前に置かれている座卓には、彼女側にビニールシートが敷かれ、更にその上に滑り止めらしい濡れ布巾を下に敷いた砥石が置かれ、美子が三徳包丁を研いでいるところだった。しかも砥石の横には、研いだ後か前か不明な出刃包丁、柳刃包丁、菜切り包丁まで置かれ、淳は通常では有り得ない情景に思わずたじろぎ、目の前の座布団に座りながら、神妙に声をかけた。
「……夜分恐れ入ります。美実をここに呼んで頂けないでしょうか?」
「生憎と美実は」
「失礼します」
「美野ちゃん?」
美子が何か言いかけた時、襖が開いてお盆を抱えた美野が入室してきた。
「美子姉さん、中砥を持って来ました」
「ありがとう。次も宜しく」
「はい」
並んで座った男二人を綺麗に無視して、美子の手元にある砥石と、自分が運んできた濡れた砥石を交換し、再び出て行こうとする彼女と入れ替わりに、美幸が茶碗を一つ乗せたお盆を手に現れた。そして「失礼します」と挨拶してから、淳の側に座った彼女は、震える手で茶托を持ち上げ、静かに座卓に置く。
「い、いらっしゃいませ……。毒も薬も雑巾のすすぎ水も入っていない、単なる五回抽出した後の出がらしの粗茶ですが、宜しかったらどうぞ……」
「…………どうも」
殆ど色が付いていないお茶を出された淳は、美幸が(一刻も早く、帰った方が良いですよ!)と涙目で訴えてきたのは分かったが、ここで引き下がる気はさらさら無く、密かに気合いを入れ直した。その間も美子は包丁を手にしてシュッ、シュッと微かな音を立てながら研いでいたが、再び美野が砥石持参でやって来る。
「美子姉さん、そろそろ合砥で良いかしら?」
「ええ、タイミングがぴったりね」
美野が先程と同様に、手元と座卓の砥石を交換して腰を上げると、思わず淳が問いかけた。
「どうして頻繁に変えているんです? それにどうしてこんな夜に、研いでいるんですか?」
その問いに、美子はうっすらと笑って、研ぎの仕上げにかかりながら答える。
「きめの細かさが違う砥石を使って、刃を付ける必要があるもので。それに砥石は水分を含ませておかないといけないので、一本研ぐ毎に交換して貰っているだけです。それに……」
そこで一度言葉を途切れさせた美子は、真剣な表情で包丁の刃を眺めてから、物騒な笑みを淳に向けた。
「これから、普段とは違う使い方をする可能性がありますから、切れ味を確実にしておきたかったんです。あまり気になさらないで下さい」
「…………」
一見朗らかに微笑んでみせた美子と、黙り込んだ淳を眺めた秀明は、(できる事なら、押し入れに隠れていたかった)と遠い目をしながら、いつでも淳を押さえられる位置で会話の行方を見守った。
そして室内が居心地悪い空気に包まれる中、美子は手にしていた包丁を横の布巾の上に置いてから、落ち着き払って妹二人に声をかけた。
「美野、もう全部研ぎ終わったから、砥石の交換は良いわ。美幸と一緒に二階に行って、美恵にここに来るように言って貰えないかしら?」
それを聞いた二人は、嬉々として頷く。
「分かりました!」
「失礼します!」
そして座敷を出るまではしずしずと下がった二人は、襖を閉めるなりバタバタと音を立てて廊下を駆け去って行った。そして再び静まり返った室内に、美子の声が響く。
「それでは、お互いに気分が少し落ち着いたところで、事実関係を確認したいのですが。小早川さんは構いませんか?」
それを聞いた淳が、僅かに眉根を寄せる。
「事実確認? 何をどう確認しろと?」
「今日、食事の席で、美実があなたに『妊娠したから別れて欲しい』と言ったら、あなたが激怒して美実を罵倒した挙げ句に平手打ち。その直後に、美実があなたをワインボトルで強打した。大まかな流れは、これで間違いありませんか?」
淡々と事実を述べた美子に向かって、ここで淳が座卓を叩きながら吠えた。
「ああ、その通りだ! だからとっとと、あの尻軽女を出しやがれ!!」
「おい、淳!」
「五月蝿い! お前は部外者だろう! 引っ込んでろ!」
思わず横から秀明が腕を掴んで窘めたが、淳の怒声は収まらなかった。それを座卓を挟んだ向かい側から眺めていた美子は、疲れた様に溜め息を吐く。
「……その調子で、随分と言いたい放題言ったと見えますね」
「はぁ? 本当の事を言って何が悪い!?」
「だからちょっと落ち着けと言っている!」
男二人が、再び一触即発の気配を醸し出してきたところで、廊下の方から新たな声が割り込んだ。
「姉さん、入るわよ?」
「ええ、入って頂戴」
すると美子同様微妙な顔付きになっている、美実のすぐ上の姉の美恵が、細長いICレコーダー片手に座敷に入って来た。その彼女に美子が尋ねる。
「どう?」
短い問いかけだったが、美恵は聞かれた内容について淡々と述べた。
「取り敢えず言いたいだけ言ったら、幾らか落ち着いたみたいだから、安曇を任せてきたわ」
「安曇ちゃんを?」
怪訝な顔になった美子だったが、美恵が肩を竦めて付け加える。
「一人でぼーっとしてるより、何かやる事があった方が気が紛れるし、精神的に落ち着くわよ。美野も付けたし、美樹ちゃんには美幸を付けておいたから、暫くは心配要らないわ。それで、これ。持って来たから」
美恵が差し出してきた物を確認した見た美子が、頷いて指示を出した。
「ありがとう。じゃあ早速、小早川さんにも聞いて貰いましょうか。適当な所から出して」
「了解」
そして美子の隣に座った美恵が、カウンターを見ながら操作を始めた為、淳は訝しげに尋ねた。
「何を聞かせる気だ?」
「美実の言い分よ」
「は? あの厚顔無恥女の言い分だと?」
「…………」
途端に声を尖らせた淳に、美子は僅かに顔をしかめたが、口に出しては何も言わなかった。当然秀明も余計な発言はせず、室内に静寂が漂う中、唐突に怒声が響き渡った。
「よう、お疲れ」
「秀明……、そこをどけ」
挨拶もそこそこに、自分の横をすり抜けていこうとした淳の肩を、すかさず秀明が捕まえて押し止める。途端に淳は殺気の籠った目で恫喝してきたが、秀明は全く恐れ入る事無く、冷静に話しかけた。
「出血はしなかったらしいが、どうせなら少し血の気を抜いた方が良かったみたいだな。ちょっと落ち着け」
「邪魔するなら、貴様から沈めるぞ?」
「やれるものならやってみろと、本来だったら口にするところだがな……。美子から、座敷に案内して来いと言われたんだ。大人しく付いて来い」
大学在学中に武道愛好会なるサークルを立ち上げて以降、やりたい放題やってきた腕に覚えがある二人は、無言での睨み合いに突入した。しかし二分程経過したところで、淳が盛大に舌打ちして吐き捨てる。
「ちっ! ったく。女房に、牙を根こそぎ抜かれやがって……」
「牙を全部抜かれたら、お前と真っ向から立ち向かおうとなど思わないが? 怪我をしたくないから、押し入れに隠れるさ」
苦笑した秀明を淳は冷え切った目で見やり、無言で案内するよう促した。それに素直に従い、秀明は彼を引き連れて玄関に入り、上がり込んで廊下を進む。
「ここだ」
「お前は余計な口を挟むなよ?」
案内された襖の前で淳が釘を刺すと、秀明は無言で肩を竦める。そしてすぐに彼から襖に視線を移した淳は、それを勢い良く引き開けながら、中に居る筈の人物に向かって呼びかけた。
「美実、居るか!? 居ないのならさっさと呼んできて貰お」
「あら、小早川さん、いらっしゃいませ。家事の片手間にお出迎えして、申し訳ありません」
しかしにこやかに彼を出迎えたのは、正面に座っていた美子だけだった。そして彼女の前に置かれている座卓には、彼女側にビニールシートが敷かれ、更にその上に滑り止めらしい濡れ布巾を下に敷いた砥石が置かれ、美子が三徳包丁を研いでいるところだった。しかも砥石の横には、研いだ後か前か不明な出刃包丁、柳刃包丁、菜切り包丁まで置かれ、淳は通常では有り得ない情景に思わずたじろぎ、目の前の座布団に座りながら、神妙に声をかけた。
「……夜分恐れ入ります。美実をここに呼んで頂けないでしょうか?」
「生憎と美実は」
「失礼します」
「美野ちゃん?」
美子が何か言いかけた時、襖が開いてお盆を抱えた美野が入室してきた。
「美子姉さん、中砥を持って来ました」
「ありがとう。次も宜しく」
「はい」
並んで座った男二人を綺麗に無視して、美子の手元にある砥石と、自分が運んできた濡れた砥石を交換し、再び出て行こうとする彼女と入れ替わりに、美幸が茶碗を一つ乗せたお盆を手に現れた。そして「失礼します」と挨拶してから、淳の側に座った彼女は、震える手で茶托を持ち上げ、静かに座卓に置く。
「い、いらっしゃいませ……。毒も薬も雑巾のすすぎ水も入っていない、単なる五回抽出した後の出がらしの粗茶ですが、宜しかったらどうぞ……」
「…………どうも」
殆ど色が付いていないお茶を出された淳は、美幸が(一刻も早く、帰った方が良いですよ!)と涙目で訴えてきたのは分かったが、ここで引き下がる気はさらさら無く、密かに気合いを入れ直した。その間も美子は包丁を手にしてシュッ、シュッと微かな音を立てながら研いでいたが、再び美野が砥石持参でやって来る。
「美子姉さん、そろそろ合砥で良いかしら?」
「ええ、タイミングがぴったりね」
美野が先程と同様に、手元と座卓の砥石を交換して腰を上げると、思わず淳が問いかけた。
「どうして頻繁に変えているんです? それにどうしてこんな夜に、研いでいるんですか?」
その問いに、美子はうっすらと笑って、研ぎの仕上げにかかりながら答える。
「きめの細かさが違う砥石を使って、刃を付ける必要があるもので。それに砥石は水分を含ませておかないといけないので、一本研ぐ毎に交換して貰っているだけです。それに……」
そこで一度言葉を途切れさせた美子は、真剣な表情で包丁の刃を眺めてから、物騒な笑みを淳に向けた。
「これから、普段とは違う使い方をする可能性がありますから、切れ味を確実にしておきたかったんです。あまり気になさらないで下さい」
「…………」
一見朗らかに微笑んでみせた美子と、黙り込んだ淳を眺めた秀明は、(できる事なら、押し入れに隠れていたかった)と遠い目をしながら、いつでも淳を押さえられる位置で会話の行方を見守った。
そして室内が居心地悪い空気に包まれる中、美子は手にしていた包丁を横の布巾の上に置いてから、落ち着き払って妹二人に声をかけた。
「美野、もう全部研ぎ終わったから、砥石の交換は良いわ。美幸と一緒に二階に行って、美恵にここに来るように言って貰えないかしら?」
それを聞いた二人は、嬉々として頷く。
「分かりました!」
「失礼します!」
そして座敷を出るまではしずしずと下がった二人は、襖を閉めるなりバタバタと音を立てて廊下を駆け去って行った。そして再び静まり返った室内に、美子の声が響く。
「それでは、お互いに気分が少し落ち着いたところで、事実関係を確認したいのですが。小早川さんは構いませんか?」
それを聞いた淳が、僅かに眉根を寄せる。
「事実確認? 何をどう確認しろと?」
「今日、食事の席で、美実があなたに『妊娠したから別れて欲しい』と言ったら、あなたが激怒して美実を罵倒した挙げ句に平手打ち。その直後に、美実があなたをワインボトルで強打した。大まかな流れは、これで間違いありませんか?」
淡々と事実を述べた美子に向かって、ここで淳が座卓を叩きながら吠えた。
「ああ、その通りだ! だからとっとと、あの尻軽女を出しやがれ!!」
「おい、淳!」
「五月蝿い! お前は部外者だろう! 引っ込んでろ!」
思わず横から秀明が腕を掴んで窘めたが、淳の怒声は収まらなかった。それを座卓を挟んだ向かい側から眺めていた美子は、疲れた様に溜め息を吐く。
「……その調子で、随分と言いたい放題言ったと見えますね」
「はぁ? 本当の事を言って何が悪い!?」
「だからちょっと落ち着けと言っている!」
男二人が、再び一触即発の気配を醸し出してきたところで、廊下の方から新たな声が割り込んだ。
「姉さん、入るわよ?」
「ええ、入って頂戴」
すると美子同様微妙な顔付きになっている、美実のすぐ上の姉の美恵が、細長いICレコーダー片手に座敷に入って来た。その彼女に美子が尋ねる。
「どう?」
短い問いかけだったが、美恵は聞かれた内容について淡々と述べた。
「取り敢えず言いたいだけ言ったら、幾らか落ち着いたみたいだから、安曇を任せてきたわ」
「安曇ちゃんを?」
怪訝な顔になった美子だったが、美恵が肩を竦めて付け加える。
「一人でぼーっとしてるより、何かやる事があった方が気が紛れるし、精神的に落ち着くわよ。美野も付けたし、美樹ちゃんには美幸を付けておいたから、暫くは心配要らないわ。それで、これ。持って来たから」
美恵が差し出してきた物を確認した見た美子が、頷いて指示を出した。
「ありがとう。じゃあ早速、小早川さんにも聞いて貰いましょうか。適当な所から出して」
「了解」
そして美子の隣に座った美恵が、カウンターを見ながら操作を始めた為、淳は訝しげに尋ねた。
「何を聞かせる気だ?」
「美実の言い分よ」
「は? あの厚顔無恥女の言い分だと?」
「…………」
途端に声を尖らせた淳に、美子は僅かに顔をしかめたが、口に出しては何も言わなかった。当然秀明も余計な発言はせず、室内に静寂が漂う中、唐突に怒声が響き渡った。
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