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46.微妙な三角関係
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「それで?」
「あの……、美子姉さん? いきなり『それで?』と言われても、何が何やら」
姉夫婦の部屋に入り、カーペットに向かい合わせで正座した途端、短く問われてた美幸は、最初愛想笑いをしながら惚けようとしたが、美子は容赦なかった。
「美実と、部屋でこそこそと話していた内容よ。夕飯の時からあの子の方を見ながらそわそわしていた癖に、私の気のせいとか、ふざけた事は言わないわよね? もう高三なんだし、そんな事を口走ったらどうなるか、あくまでしらを切り通したらどうなるか位、見当を付けて欲しいんだけど」
「…………」
淡々と追及された美幸は冷や汗を流し、咄嗟に室内の机で仕事中だったらしい秀明に無言で助けを求めたが、仕事を中断してマグカップ片手に美子達の様子を眺めていた彼は、幾分申し訳無さそうな表情になって美幸から視線を逸らした。
(お義兄さん……。本当に通常運転なら、美子姉さんに逆らわないんですね……)
「さっさと白状しなさい」
「……お話しします」
自分が孤立無援なのを理解した美幸は、再度姉に迫られて洗いざらい白状した。
「……と言うわけなんですが」
「…………」
淳とのやり取りに始まり、美実との話の一部始終を語った美幸は、慎重に美子の様子を窺ったが、彼女は微動だにせず、しかめっ面をしながら黙りこくっていた。
(怖い! この沈黙が怖過ぎる! お義兄さん、ヘルプミー!)
気まずい沈黙に耐えきれず、美幸が目線で秀明に助けを求めると、今度はさすがに不憫に思ったのか、助け舟を出してきた。
「美子。取り敢えず話はさせても構わないだろう。美幸ちゃんも同席するし、土日なら俺もこっそり付いて行くから。何だったらお前も行くか?」
(お義兄さん、口添えはありがたいんですが、事態が余計に混乱しそうなんですが!?)
賛同してくれた事には安堵したものの、益々面倒くさくなりそうな提案を聞いて、美幸は内心で狼狽した。しかし予想に反して、美子が冷静に反論してくる。
「私やあなたまで、出向くには及ばないでしょう。美幸、あなたが責任を持って、美実を連れ帰って来れば良いわ」
「良いの!?」
本気で驚いた美幸だったが、美子は落ち着き払って答えた。
「ええ。ただ私達が知っている事は、あの子達には内緒にしておきなさい。無条件に連絡を取るのを、許したわけでは無いしね。それから詳細について、後から報告して貰うからそのつもりで」
「了解しました」
(取り敢えず良かった……。仲介した事を怒られなくって)
そんな緊張感溢れる会話が取り敢えず終了した事で、安堵した美幸が何気なく周囲に目をやると、部屋の隅のおもちゃ箱から、美樹が何やらブツブツ言いながらぬいぐるみを取り出しているのに気が付いた。
「……みーちゃん、……、これ、あっちゃん、……と、まーちゃん、うん、できた」
国民的キャラクターのウサギとクマとトラのぬいぐるみを三角形に並べ、満足そうに頷いている美樹を見て美幸は首を捻ったが、それは美子も同様だったらしく、娘に訝しげな声をかけた。
「美樹。さっきからそれで、何をしているの? 美実がどうかしたの?」
「これ、みーちゃん。これ、あっちゃん。これ、まーちゃん」
振り返って母親に向かって一つずつ指さしながら説明した美樹だったが、まだ分からない内容について、美子が尋ねた。
「『まーちゃん』って誰?」
「かずま」
「『かずま』って……。もしかして、小野塚さんの事?」
「うん」
「それで? このぬいぐるみを三人に見立てて、遊んでいたの?」
「うん。しゅらば」
「…………」
邪気の無い笑顔を振りまきながら美樹がそう口にした途端、室内が静まり返った。そしてニコニコしている美樹から夫と妹に視線を移した美子は、断定口調で二人を責める。
「美幸、あなた。二人とも、小さな子供に何て言葉を教えているのよ。もう少し考えて頂戴」
「ちょっと待て、美子。俺は無実だ」
「私だって教えて無いから! どうして断定口調なの!?」
幾分狼狽しながら二人が弁解したが、美子はそれを一刀両断した。
「だってお父さんや美野が、こんな言葉を教える筈無いじゃない。家族の中での信頼度の低い順番よ」
「酷っ!! と言うか、私はともかく、お義兄さんが下から二番目ってどうなの!?」
「私から見たら当然だもの」
「何か最近美子姉さんの、お義兄さんに対する態度が酷いと思う!」
「美幸ちゃん、良いから」
「だけどお義兄さん!」
抗議する美幸を秀明が苦笑しながら宥めていると、大人達の会話を不思議そうに眺めていた美樹が、立て続けに言い出した。
「しゅらば、どろどろ、ふりん、ふたまた、せくはら、ひるどら、みーちゃん」
そして再び部屋が静まり返る中、美子がボソッと呟く。
「……なるほど、良く分かったわ」
それからゆっくりと立ち上がった美子は、無言のまま部屋を出て行った。そして少ししてから、廊下の向こうから彼女の怒声が伝わってくる。
「美実!! あなた小さな子供と一緒に、どんなテレビを見ているの!? 少しは考えなさい!!」
「え、ええぇ!? ちょっと待って! いきなり何!?」
それを聞いた秀明は、溜め息を吐いて娘を見下ろした。
「美樹。たくさん覚えているのは凄いが、今言った言葉はあまり口に出さない様にしろ」
「ダメ? しゃべるの」
「大きくなったら良い」
「うん」
美樹が素直に頷き、ぬいぐるみを手にして遊びだした為、秀明は美幸に向き直って、美子の代わりに詫びを入れた。
「疑ってしまって悪かったね」
「いえ、お義兄さんが謝る事じゃありませんから」
「えいっ! やあ! とうっ! ほりゃっ!」
何やら勇ましい声が聞こえてきた為、二人がそちらに顔を向けると、美樹が淳と和真に見立てたぬいぐるみを両手に持ち、互いに攻撃しているつもりなのか、掛け声に合わせてぶつけていた。
「美樹……。そういう遊びも止めろ」
「ダメ? これも?」
うんざりしながら秀明が窘めると、美樹がキョトンとした顔で父親を見上げる。それを見た美幸が、思わず頭を抱えた。
(この先、本当にどうにかなるのかしら?)
かなり不安で一杯になりながらも、美幸は早速予定をすり合わせる為に、自室に戻って淳と連絡を取り始めた。
「部長補佐、駿台興業についての報告書です」
「今、目を通すから、少し待っていてくれ」
「分かりました」
桜査警公社で残業中だった和真の下に、部下の一人がやって来た。彼が提出した報告書に目を通した和真は、満足そうに頷いて話題を変える。
「ご苦労だった。それで、頼んでいた別件の方はどうなった?」
「旅館の方は、滞り無く仕込みを進めております」
「計画通りなら、そのまま進めてくれ。全面的に任せる」
「はい。それから報告が遅れて申し訳ありません。男の方ですが、即座に女を叩き出しまして。加えて翌日には仕掛けておいた物が発見されて、全て機能不全になりました」
幾分残念そうに報告してきた彼を、和真は苦笑いしながら宥める。
「奴が底なしの馬鹿ではなかったと言う事だな。尤もこれ位であっさり引っ掛かるようなら、叩き潰すまでも無いだろう。こっちは通常業務の片手間にやって貰っているから、数日報告が遅れても構わない」
「恐縮です。それで部長補佐、今後はどうしましょう。再度仕掛けますか?」
「いや、同じ手は二度と食わないだろうし、鍵の取り換え位はするだろう。別の手を考える」
「そうですか……」
淡々と答える和真に相槌を打った部下は、口を閉ざして物言いたげな表情になった。それを見た和真が、不思議そうに尋ねる。
「どうかしたのか?」
「その……、部長補佐が随分楽しそうなので」
「ああ、楽しいさ。最近楽しくて仕方が無い。ご苦労だった。もう帰って良いぞ」
「はい、お疲れ様でした」
下がる許可を貰って一礼した彼は、和真に背を向けて歩き出しながら、上司の遊び道具と化している人物に対して、心から同情したのだった。
「あの……、美子姉さん? いきなり『それで?』と言われても、何が何やら」
姉夫婦の部屋に入り、カーペットに向かい合わせで正座した途端、短く問われてた美幸は、最初愛想笑いをしながら惚けようとしたが、美子は容赦なかった。
「美実と、部屋でこそこそと話していた内容よ。夕飯の時からあの子の方を見ながらそわそわしていた癖に、私の気のせいとか、ふざけた事は言わないわよね? もう高三なんだし、そんな事を口走ったらどうなるか、あくまでしらを切り通したらどうなるか位、見当を付けて欲しいんだけど」
「…………」
淡々と追及された美幸は冷や汗を流し、咄嗟に室内の机で仕事中だったらしい秀明に無言で助けを求めたが、仕事を中断してマグカップ片手に美子達の様子を眺めていた彼は、幾分申し訳無さそうな表情になって美幸から視線を逸らした。
(お義兄さん……。本当に通常運転なら、美子姉さんに逆らわないんですね……)
「さっさと白状しなさい」
「……お話しします」
自分が孤立無援なのを理解した美幸は、再度姉に迫られて洗いざらい白状した。
「……と言うわけなんですが」
「…………」
淳とのやり取りに始まり、美実との話の一部始終を語った美幸は、慎重に美子の様子を窺ったが、彼女は微動だにせず、しかめっ面をしながら黙りこくっていた。
(怖い! この沈黙が怖過ぎる! お義兄さん、ヘルプミー!)
気まずい沈黙に耐えきれず、美幸が目線で秀明に助けを求めると、今度はさすがに不憫に思ったのか、助け舟を出してきた。
「美子。取り敢えず話はさせても構わないだろう。美幸ちゃんも同席するし、土日なら俺もこっそり付いて行くから。何だったらお前も行くか?」
(お義兄さん、口添えはありがたいんですが、事態が余計に混乱しそうなんですが!?)
賛同してくれた事には安堵したものの、益々面倒くさくなりそうな提案を聞いて、美幸は内心で狼狽した。しかし予想に反して、美子が冷静に反論してくる。
「私やあなたまで、出向くには及ばないでしょう。美幸、あなたが責任を持って、美実を連れ帰って来れば良いわ」
「良いの!?」
本気で驚いた美幸だったが、美子は落ち着き払って答えた。
「ええ。ただ私達が知っている事は、あの子達には内緒にしておきなさい。無条件に連絡を取るのを、許したわけでは無いしね。それから詳細について、後から報告して貰うからそのつもりで」
「了解しました」
(取り敢えず良かった……。仲介した事を怒られなくって)
そんな緊張感溢れる会話が取り敢えず終了した事で、安堵した美幸が何気なく周囲に目をやると、部屋の隅のおもちゃ箱から、美樹が何やらブツブツ言いながらぬいぐるみを取り出しているのに気が付いた。
「……みーちゃん、……、これ、あっちゃん、……と、まーちゃん、うん、できた」
国民的キャラクターのウサギとクマとトラのぬいぐるみを三角形に並べ、満足そうに頷いている美樹を見て美幸は首を捻ったが、それは美子も同様だったらしく、娘に訝しげな声をかけた。
「美樹。さっきからそれで、何をしているの? 美実がどうかしたの?」
「これ、みーちゃん。これ、あっちゃん。これ、まーちゃん」
振り返って母親に向かって一つずつ指さしながら説明した美樹だったが、まだ分からない内容について、美子が尋ねた。
「『まーちゃん』って誰?」
「かずま」
「『かずま』って……。もしかして、小野塚さんの事?」
「うん」
「それで? このぬいぐるみを三人に見立てて、遊んでいたの?」
「うん。しゅらば」
「…………」
邪気の無い笑顔を振りまきながら美樹がそう口にした途端、室内が静まり返った。そしてニコニコしている美樹から夫と妹に視線を移した美子は、断定口調で二人を責める。
「美幸、あなた。二人とも、小さな子供に何て言葉を教えているのよ。もう少し考えて頂戴」
「ちょっと待て、美子。俺は無実だ」
「私だって教えて無いから! どうして断定口調なの!?」
幾分狼狽しながら二人が弁解したが、美子はそれを一刀両断した。
「だってお父さんや美野が、こんな言葉を教える筈無いじゃない。家族の中での信頼度の低い順番よ」
「酷っ!! と言うか、私はともかく、お義兄さんが下から二番目ってどうなの!?」
「私から見たら当然だもの」
「何か最近美子姉さんの、お義兄さんに対する態度が酷いと思う!」
「美幸ちゃん、良いから」
「だけどお義兄さん!」
抗議する美幸を秀明が苦笑しながら宥めていると、大人達の会話を不思議そうに眺めていた美樹が、立て続けに言い出した。
「しゅらば、どろどろ、ふりん、ふたまた、せくはら、ひるどら、みーちゃん」
そして再び部屋が静まり返る中、美子がボソッと呟く。
「……なるほど、良く分かったわ」
それからゆっくりと立ち上がった美子は、無言のまま部屋を出て行った。そして少ししてから、廊下の向こうから彼女の怒声が伝わってくる。
「美実!! あなた小さな子供と一緒に、どんなテレビを見ているの!? 少しは考えなさい!!」
「え、ええぇ!? ちょっと待って! いきなり何!?」
それを聞いた秀明は、溜め息を吐いて娘を見下ろした。
「美樹。たくさん覚えているのは凄いが、今言った言葉はあまり口に出さない様にしろ」
「ダメ? しゃべるの」
「大きくなったら良い」
「うん」
美樹が素直に頷き、ぬいぐるみを手にして遊びだした為、秀明は美幸に向き直って、美子の代わりに詫びを入れた。
「疑ってしまって悪かったね」
「いえ、お義兄さんが謝る事じゃありませんから」
「えいっ! やあ! とうっ! ほりゃっ!」
何やら勇ましい声が聞こえてきた為、二人がそちらに顔を向けると、美樹が淳と和真に見立てたぬいぐるみを両手に持ち、互いに攻撃しているつもりなのか、掛け声に合わせてぶつけていた。
「美樹……。そういう遊びも止めろ」
「ダメ? これも?」
うんざりしながら秀明が窘めると、美樹がキョトンとした顔で父親を見上げる。それを見た美幸が、思わず頭を抱えた。
(この先、本当にどうにかなるのかしら?)
かなり不安で一杯になりながらも、美幸は早速予定をすり合わせる為に、自室に戻って淳と連絡を取り始めた。
「部長補佐、駿台興業についての報告書です」
「今、目を通すから、少し待っていてくれ」
「分かりました」
桜査警公社で残業中だった和真の下に、部下の一人がやって来た。彼が提出した報告書に目を通した和真は、満足そうに頷いて話題を変える。
「ご苦労だった。それで、頼んでいた別件の方はどうなった?」
「旅館の方は、滞り無く仕込みを進めております」
「計画通りなら、そのまま進めてくれ。全面的に任せる」
「はい。それから報告が遅れて申し訳ありません。男の方ですが、即座に女を叩き出しまして。加えて翌日には仕掛けておいた物が発見されて、全て機能不全になりました」
幾分残念そうに報告してきた彼を、和真は苦笑いしながら宥める。
「奴が底なしの馬鹿ではなかったと言う事だな。尤もこれ位であっさり引っ掛かるようなら、叩き潰すまでも無いだろう。こっちは通常業務の片手間にやって貰っているから、数日報告が遅れても構わない」
「恐縮です。それで部長補佐、今後はどうしましょう。再度仕掛けますか?」
「いや、同じ手は二度と食わないだろうし、鍵の取り換え位はするだろう。別の手を考える」
「そうですか……」
淡々と答える和真に相槌を打った部下は、口を閉ざして物言いたげな表情になった。それを見た和真が、不思議そうに尋ねる。
「どうかしたのか?」
「その……、部長補佐が随分楽しそうなので」
「ああ、楽しいさ。最近楽しくて仕方が無い。ご苦労だった。もう帰って良いぞ」
「はい、お疲れ様でした」
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