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47.価値観の相違、再び
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美幸を同伴して指定の日時に出向いた美実は、喫茶店で待っていた淳と、落ち着き払って挨拶を交わした。
「久しぶりだな」
「そうね。この前この店で顔を合わせてから、何だかんだで三ヶ月近く経っている筈だし」
「この前、美幸ちゃんから近況は聞いていたが、元気そうで良かった」
「心配かけてるみたいね。取り敢えず順調だから。健診でも異常は見られないし」
「そうか」
そんな会話を交わす間に美実達は淳の向かい側の席に収まり、メニューを引き寄せて注文を済ませた。そしてウエイトレスがそのテーブルから離れると同時に、美実が思い出した様にハンドバッグの中を漁り出す。
「あ、そうだわ。忘れないうちに淳に渡しておくから」
「何を?」
戸惑う淳の前に、美実は予めキーホルダーから外しておいた、彼のマンションの鍵を置いた。
「これ。私が持ったままになっていた、淳の部屋の鍵」
そう説明を加えた美実に、淳は僅かに顔を強張らせて尋ねる。
「どうして返す?」
その反応は予想外だった美実は、不思議そうに問い返した。
「え? お義兄さんから聞いたんだけど、淳の部屋に泥棒が入ったんでしょう? それで合鍵を落としてないかって、お義兄さんに聞かれて思い出したの」
「だから……、どうして返す?」
「だって……、付き合ってるわけじゃ無いのに、合鍵を持ってるなんておかしいでしょう?」
多少自信なさげに付け加えた美実に、淳は溜め息を吐いてから右手を伸ばした。
「一応、貰っておく。尤も、玄関の鍵は丸ごと取り替えたから、これはもう使えないんだが」
「あ……、そ、そうなんだ……。それもそうね、ごめんなさい。余計な事だったわね」
「いや……、別に、余計な事とかじゃ無いから」
そこで互いに俯き加減で黙り込んでしまった為、本来は部外者の美幸はあまりの居たたまれなさに、運ばれてきたケーキを食べる事に専念するふりをした。
(うぅ、気まずい。いきなり二人揃って、無言にならないで欲しいんだけど。居心地悪さが半端じゃ無いわ。どちらからも緊張感が漂ってくるし)
早くも付いて来た事を後悔し始めた美幸だったが、一心不乱にケーキを食べ、紅茶を飲みながら考えを巡らせた。
(これは取り敢えず、無理やりにでも話を進めた方が良いわね)
そう腹を括った彼女は、カップをソーサーに戻して控え目に声をかけてみた。
「あ、あの~、美実姉さん? 取り敢えずこの前小早川さんから言われた、ご両親が家に来た時の顛末を説明しない?」
そう言われた美実は気を取り直し、再びハンドバッグの中を確認しながら申し出た。
「あ、そうだったわね。実はあの時の一部始終を録ったデータがあるのよ。私から話すより、それを聞いて貰った方が正確だし早いと思ったから持って来たんだけど。聞きたい?」
その提案に、淳が真顔で頷く。
「そうだな。だが、構わないのか?」
「ええ、そのつもりで持って来たし。イヤホンも有るから、ここで聞いて」
「じゃあ、そうさせて貰う」
そして淳が差し出された長方形のICレコーダーにイヤホンを差し込んでいると、美幸が恐る恐る言い出した。
「美実姉さん、次に私にも聞かせて欲しいんだけど、駄目?」
「それは構わないわ」
するとここで顔を上げた淳が、予想外の事を言い出した。
「それなら美幸ちゃん、一緒に聞くかい?」
「良いんですか?」
「ああ」
「それじゃあ、失礼します」
淳からの申し出に目を丸くした美幸だったが、すぐに座席を移動して向かい側の淳の隣に座った。そして淳が右耳に、美幸が左耳にイヤホンをセットしたのを確認した美実が、若干テーブルに身を乗り出し、レコーダーのデジタル表示を見つつ操作する。
「えっと……、じゃあここら辺からね。再生するわよ?」
「分かったわ」
「頼む」
そして問題のやり取りの実況を耳にし始めた二人だったが、すぐに両者とも無意識に呻き声を漏らした。
「うわぁ……、聞くんじゃなかった……」
「……勘弁してくれ」
しかし顔色を悪くしながらも、それ以上に余計な事は言わずに一部始終を聞き終えた二人は、のろのろと耳からイヤホンを外した。そして美幸は元の席に戻り、淳はレコーダーを美実に返しながら頭を下げる。
「わざわざ持って来て貰って悪かった」
「大した荷物でも無いし、それは気にしないで」
苦笑気味にそれを受け取り、ハンドバッグにしまっている姉を見ながら、美幸は疲れた様に声をかけた。
「美実姉さん……。この前の美子姉さんの怪我の理由って、音だけだと良く分からなかったんだけど、この時、何があったの?」
その問いに、美実は冷静に答えた。
「淳のお母さんが美子姉さん目掛けて、思い切り本を投げつけてね。その角が姉さんの手の甲に当たったのよ」
それを聞いた美幸が、更に顔色を悪くする。
「座卓を挟んだだけの至近距離から? それじゃあ、ああなるわけだ……。目とかに当たらなくて、本当に良かったわ」
しみじみと感想を述べた美幸だったが、淳も同感と言わんばかりに頷き、幾分険しい口調で言い切る。
「一応、親から話は聞いていたが、美子さんが激怒した理由は良く分かった。怒って当然だ」
しかし険しい表情の淳を見て、美実は思わず良子を庇う発言をした。
「でも、美子姉さんも色々挑発まがいの内容を口にしていたし、淳のお母さんが怒るのも無理ないと思うわ。わざわざ東京まで出て来たのにこれじゃあ、申し訳無いわよ」
「だが、美実の仕事にケチを付けただけでは無く、一方的に藤宮家の事を誹謗中傷する内容を口にしたわけだし。全面的にこっちが悪い」
そしてそのまま不毛な言い合いに突入しかけた二人だったが、本来傍観者の美幸が冷静に指摘してきた。
「あの……、二人とも。ここで身内の事で謝り合っていても、どうにもならないと思うんだけど……」
それで瞬時に我に返った淳は、決意も新たに断言した。
「確かにそうだな。やっぱり両親に言い聞かせて、今度きちんと美子さんに詫びを入れさせる事にする」
しかしこれに、美実が待ったをかけた。
「ちょっと待って。お父さんはともかく、お母さんにそんな事言っても無理じゃない? もの凄く怒っていたし、余計にこじれそうよ?」
「だが、お前や藤宮家に対して失礼な事を言った挙げ句に、美子さんに怪我をさせたのは事実だろうが」
「それは確かにそうだけど、お母さんが私の事を気に入らなかったのは仕方がないし」
「それはちょっとした誤解と偏見だろうが。お前は別に他人と比べても見劣りなんかしないし、自分の仕事に引け目を感じてもいないだろう?」
「それはそうだけど、どうしても相容れないって人は居るだろうし、自分の価値観を無理に他人に押し付けたくは無いのよ。お母さんが嫌だって言う物を、無理に認めさせる様な事はしたくないわ」
そこまで聞いて、淳ははっきりと顔を顰めた。
「俺は不愉快だ。確かに無理強いするつもりは無いが、一方的に誹謗中傷して良いと言う訳でも無いだろう。気に入らなければ、話題に出さずに黙っていれば良いだけの話だ。これ以上ガタガタ言うなら、すっぱり親子の縁を切るつもりだ」
その発言を聞いた美実は、瞬時に血相を変えて問い質した。
「ちょっと待って! どうしてそんな事で、縁を切る、切らないの話になってるのよ!?」
「当然だろう。お前と家族とどっちを取るかとなったら、お前なんだから」
サラッと自分の家族に対して薄情な事を口にした淳だったが、美実は即座に真顔で返した。
「私、淳と家族のどっちを取るかって言われたら、家族なんだけど」
「…………」
すこぶる冷静に断言されて、淳は思わず黙り込んだ。そして姉の薄情過ぎる発言を聞いて思わず頭を抱えた美幸は、すぐに気を取り直して姉に取り縋った。
「美実姉さん! 家族より自分の方が大事って言って貰ったんだから、ここは一つ素直に、ありがとうって言っておこうよ!? それで円満解決じゃない!」
「だって淳に向かって、嘘とか適当な事は言いたく無いんだもの」
「あ、あのねえっ!」
あくまで本気で言い返してくる美実に美幸は絶句し、彼女の腕から手を離してテーブルに突っ伏した。
(駄目だ……。そう言えば、美実姉さんって思い込んだら一直線な所があって、美子姉さん並みに頑固な所があったっけ……)
もう打つ手無しの気分で美幸がそのままでいると、何を思ったか、隣で美実が淡々と話し出した。
「久しぶりだな」
「そうね。この前この店で顔を合わせてから、何だかんだで三ヶ月近く経っている筈だし」
「この前、美幸ちゃんから近況は聞いていたが、元気そうで良かった」
「心配かけてるみたいね。取り敢えず順調だから。健診でも異常は見られないし」
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「何を?」
戸惑う淳の前に、美実は予めキーホルダーから外しておいた、彼のマンションの鍵を置いた。
「これ。私が持ったままになっていた、淳の部屋の鍵」
そう説明を加えた美実に、淳は僅かに顔を強張らせて尋ねる。
「どうして返す?」
その反応は予想外だった美実は、不思議そうに問い返した。
「え? お義兄さんから聞いたんだけど、淳の部屋に泥棒が入ったんでしょう? それで合鍵を落としてないかって、お義兄さんに聞かれて思い出したの」
「だから……、どうして返す?」
「だって……、付き合ってるわけじゃ無いのに、合鍵を持ってるなんておかしいでしょう?」
多少自信なさげに付け加えた美実に、淳は溜め息を吐いてから右手を伸ばした。
「一応、貰っておく。尤も、玄関の鍵は丸ごと取り替えたから、これはもう使えないんだが」
「あ……、そ、そうなんだ……。それもそうね、ごめんなさい。余計な事だったわね」
「いや……、別に、余計な事とかじゃ無いから」
そこで互いに俯き加減で黙り込んでしまった為、本来は部外者の美幸はあまりの居たたまれなさに、運ばれてきたケーキを食べる事に専念するふりをした。
(うぅ、気まずい。いきなり二人揃って、無言にならないで欲しいんだけど。居心地悪さが半端じゃ無いわ。どちらからも緊張感が漂ってくるし)
早くも付いて来た事を後悔し始めた美幸だったが、一心不乱にケーキを食べ、紅茶を飲みながら考えを巡らせた。
(これは取り敢えず、無理やりにでも話を進めた方が良いわね)
そう腹を括った彼女は、カップをソーサーに戻して控え目に声をかけてみた。
「あ、あの~、美実姉さん? 取り敢えずこの前小早川さんから言われた、ご両親が家に来た時の顛末を説明しない?」
そう言われた美実は気を取り直し、再びハンドバッグの中を確認しながら申し出た。
「あ、そうだったわね。実はあの時の一部始終を録ったデータがあるのよ。私から話すより、それを聞いて貰った方が正確だし早いと思ったから持って来たんだけど。聞きたい?」
その提案に、淳が真顔で頷く。
「そうだな。だが、構わないのか?」
「ええ、そのつもりで持って来たし。イヤホンも有るから、ここで聞いて」
「じゃあ、そうさせて貰う」
そして淳が差し出された長方形のICレコーダーにイヤホンを差し込んでいると、美幸が恐る恐る言い出した。
「美実姉さん、次に私にも聞かせて欲しいんだけど、駄目?」
「それは構わないわ」
するとここで顔を上げた淳が、予想外の事を言い出した。
「それなら美幸ちゃん、一緒に聞くかい?」
「良いんですか?」
「ああ」
「それじゃあ、失礼します」
淳からの申し出に目を丸くした美幸だったが、すぐに座席を移動して向かい側の淳の隣に座った。そして淳が右耳に、美幸が左耳にイヤホンをセットしたのを確認した美実が、若干テーブルに身を乗り出し、レコーダーのデジタル表示を見つつ操作する。
「えっと……、じゃあここら辺からね。再生するわよ?」
「分かったわ」
「頼む」
そして問題のやり取りの実況を耳にし始めた二人だったが、すぐに両者とも無意識に呻き声を漏らした。
「うわぁ……、聞くんじゃなかった……」
「……勘弁してくれ」
しかし顔色を悪くしながらも、それ以上に余計な事は言わずに一部始終を聞き終えた二人は、のろのろと耳からイヤホンを外した。そして美幸は元の席に戻り、淳はレコーダーを美実に返しながら頭を下げる。
「わざわざ持って来て貰って悪かった」
「大した荷物でも無いし、それは気にしないで」
苦笑気味にそれを受け取り、ハンドバッグにしまっている姉を見ながら、美幸は疲れた様に声をかけた。
「美実姉さん……。この前の美子姉さんの怪我の理由って、音だけだと良く分からなかったんだけど、この時、何があったの?」
その問いに、美実は冷静に答えた。
「淳のお母さんが美子姉さん目掛けて、思い切り本を投げつけてね。その角が姉さんの手の甲に当たったのよ」
それを聞いた美幸が、更に顔色を悪くする。
「座卓を挟んだだけの至近距離から? それじゃあ、ああなるわけだ……。目とかに当たらなくて、本当に良かったわ」
しみじみと感想を述べた美幸だったが、淳も同感と言わんばかりに頷き、幾分険しい口調で言い切る。
「一応、親から話は聞いていたが、美子さんが激怒した理由は良く分かった。怒って当然だ」
しかし険しい表情の淳を見て、美実は思わず良子を庇う発言をした。
「でも、美子姉さんも色々挑発まがいの内容を口にしていたし、淳のお母さんが怒るのも無理ないと思うわ。わざわざ東京まで出て来たのにこれじゃあ、申し訳無いわよ」
「だが、美実の仕事にケチを付けただけでは無く、一方的に藤宮家の事を誹謗中傷する内容を口にしたわけだし。全面的にこっちが悪い」
そしてそのまま不毛な言い合いに突入しかけた二人だったが、本来傍観者の美幸が冷静に指摘してきた。
「あの……、二人とも。ここで身内の事で謝り合っていても、どうにもならないと思うんだけど……」
それで瞬時に我に返った淳は、決意も新たに断言した。
「確かにそうだな。やっぱり両親に言い聞かせて、今度きちんと美子さんに詫びを入れさせる事にする」
しかしこれに、美実が待ったをかけた。
「ちょっと待って。お父さんはともかく、お母さんにそんな事言っても無理じゃない? もの凄く怒っていたし、余計にこじれそうよ?」
「だが、お前や藤宮家に対して失礼な事を言った挙げ句に、美子さんに怪我をさせたのは事実だろうが」
「それは確かにそうだけど、お母さんが私の事を気に入らなかったのは仕方がないし」
「それはちょっとした誤解と偏見だろうが。お前は別に他人と比べても見劣りなんかしないし、自分の仕事に引け目を感じてもいないだろう?」
「それはそうだけど、どうしても相容れないって人は居るだろうし、自分の価値観を無理に他人に押し付けたくは無いのよ。お母さんが嫌だって言う物を、無理に認めさせる様な事はしたくないわ」
そこまで聞いて、淳ははっきりと顔を顰めた。
「俺は不愉快だ。確かに無理強いするつもりは無いが、一方的に誹謗中傷して良いと言う訳でも無いだろう。気に入らなければ、話題に出さずに黙っていれば良いだけの話だ。これ以上ガタガタ言うなら、すっぱり親子の縁を切るつもりだ」
その発言を聞いた美実は、瞬時に血相を変えて問い質した。
「ちょっと待って! どうしてそんな事で、縁を切る、切らないの話になってるのよ!?」
「当然だろう。お前と家族とどっちを取るかとなったら、お前なんだから」
サラッと自分の家族に対して薄情な事を口にした淳だったが、美実は即座に真顔で返した。
「私、淳と家族のどっちを取るかって言われたら、家族なんだけど」
「…………」
すこぶる冷静に断言されて、淳は思わず黙り込んだ。そして姉の薄情過ぎる発言を聞いて思わず頭を抱えた美幸は、すぐに気を取り直して姉に取り縋った。
「美実姉さん! 家族より自分の方が大事って言って貰ったんだから、ここは一つ素直に、ありがとうって言っておこうよ!? それで円満解決じゃない!」
「だって淳に向かって、嘘とか適当な事は言いたく無いんだもの」
「あ、あのねえっ!」
あくまで本気で言い返してくる美実に美幸は絶句し、彼女の腕から手を離してテーブルに突っ伏した。
(駄目だ……。そう言えば、美実姉さんって思い込んだら一直線な所があって、美子姉さん並みに頑固な所があったっけ……)
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