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第2章
時の魔道士と不思議なカエル
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ダートンは魔装を展開し、槍を構える。
だがアレンとアンジ、戦闘に置いては自分より上の2人がやられたと言う事実は体に震えを起こさせる。
そんな事はお構い無しに、猿は殴り掛かってくる。
ディンゲを発動させ、防御をはかる。
殴りに来た右拳とぶつかり、猿の攻撃を弾き返すがディンゲには大きなヒビが入った。
ダートンは防御魔法には自信があった。事実、今までにディンゲ自体にヒビを入れられた事は無い。
猿の2撃目で粉々に破壊されたディンゲは、まさに自分のアイデンティティが破壊されたに等しかった。
倒すのはやはり無理だと判断したダートンは、防御魔法に集中するため槍を捨てる。
「マナ! 君だけでも逃げろ! 僕が出来るだけ時間を稼ぐ」
そう言うと、猿とマナの間に土魔法「土壁」を発動させマナを守る。
ダートンに向かって、拳を大きく振りかぶる猿。
ディンゲを一撃で突き破ると、猿の拳は勢いそのままにダートンを吹き飛ばす。激しく打ち付けられた体は、動けと言うダートンの命令に応じ無かった。
力余りの差を見せつけられたダートンは、抵抗をする気力を失くした。
ここでみんな死ぬのか、そう思った時。
突如、猿の足元が凍りついたかと思えば、空が裂ける様な轟音と共に猿に向かって雷が落ちて来た。
猿が怯み動きが止まると、次は猿の立っている地面にから植物が急速に成長し、猿を飲み込みながら1本の木へと姿を変える。
猿は拘束されながらも、なお唸り声を上げる。
「山登りに来たのか? 災難だったな」
声の主らしき銀髪の男と、体長が40cmはあろうかと思われる大きなカエルが現れた。
「スノウ!」
マナが呼びかけると、スノウでは無くカエルがやって来る。
跳びながらでは無く、二足歩行で歩いてくる異様なカエルに、マナは少し悲鳴を上げてしまった。
「失礼なやつケロ」
カエルは不服そうに腕を組む。
「喋った? なんなのこのカエル」
「カエルが喋っちゃ駄目ケロか!」
マナを一喝した後、カエルはアレンとアンジに回復魔法を放つ。
マナの回復魔法とはランクの違う魔法らしく、キズがあっという間に塞がっていく。
「ロバートケロ」
「これはロバートと言う魔法なの? 凄い力ね」
「吾輩の名前ケロ! 乾燥ガエルのロバートケロ!」
2本足であるき、喋り、魔法を使い、怒りっぽい。聞きたい事はあるが、関わるのは面倒くさいかも知れないと思い、マナは苦笑いだけ返した。
ここはゴツゴツとした硬い岩盤の地面だが、スノウはダートンを引きずりながら運んで来た。
「ちょっと! もっと優しく運べないの」
「大丈夫。ロバートの魔法で治るから」
「そうケロよ!」
相槌を打つとロバートはダートンにも回復魔法をかける。
「あの猿に止めは刺さないの?」
「森の王が居なくなれば、この森のバランスが崩れる。だから殺しは出来ないね」
「でもアレン達を抱えて逃げる事も出来ないわよ」
「大丈夫。とっておきがあるから」
何を考えているか伺い知る事の出来ない無表情のまま、アレン達の周りに魔法陣を書き始める。
「さぁ、マナもこの中に入って」
「これは何の魔法なの?」
マナは少し警戒した様子だ。
「転移魔法さ。町まで移動させて上げるよ」
マナは驚いた。転移魔法とは魔法における一つの到達点だ。そんな大魔法を使えると言うのか。
「じゃあはい、行きます」
「待って! ケイムがスノウの事呼んでたわよ!」
「そうなんだ」
魔法陣が光出すと、マナの体が透け始める。
「これが転移魔法?」
そう言った時、魔法陣に吸い込まれる。
次にマナの目が写したのは、完全な暗闇では無く。星が瞬いている様な不思議な闇の世界だった。
だがアレンとアンジ、戦闘に置いては自分より上の2人がやられたと言う事実は体に震えを起こさせる。
そんな事はお構い無しに、猿は殴り掛かってくる。
ディンゲを発動させ、防御をはかる。
殴りに来た右拳とぶつかり、猿の攻撃を弾き返すがディンゲには大きなヒビが入った。
ダートンは防御魔法には自信があった。事実、今までにディンゲ自体にヒビを入れられた事は無い。
猿の2撃目で粉々に破壊されたディンゲは、まさに自分のアイデンティティが破壊されたに等しかった。
倒すのはやはり無理だと判断したダートンは、防御魔法に集中するため槍を捨てる。
「マナ! 君だけでも逃げろ! 僕が出来るだけ時間を稼ぐ」
そう言うと、猿とマナの間に土魔法「土壁」を発動させマナを守る。
ダートンに向かって、拳を大きく振りかぶる猿。
ディンゲを一撃で突き破ると、猿の拳は勢いそのままにダートンを吹き飛ばす。激しく打ち付けられた体は、動けと言うダートンの命令に応じ無かった。
力余りの差を見せつけられたダートンは、抵抗をする気力を失くした。
ここでみんな死ぬのか、そう思った時。
突如、猿の足元が凍りついたかと思えば、空が裂ける様な轟音と共に猿に向かって雷が落ちて来た。
猿が怯み動きが止まると、次は猿の立っている地面にから植物が急速に成長し、猿を飲み込みながら1本の木へと姿を変える。
猿は拘束されながらも、なお唸り声を上げる。
「山登りに来たのか? 災難だったな」
声の主らしき銀髪の男と、体長が40cmはあろうかと思われる大きなカエルが現れた。
「スノウ!」
マナが呼びかけると、スノウでは無くカエルがやって来る。
跳びながらでは無く、二足歩行で歩いてくる異様なカエルに、マナは少し悲鳴を上げてしまった。
「失礼なやつケロ」
カエルは不服そうに腕を組む。
「喋った? なんなのこのカエル」
「カエルが喋っちゃ駄目ケロか!」
マナを一喝した後、カエルはアレンとアンジに回復魔法を放つ。
マナの回復魔法とはランクの違う魔法らしく、キズがあっという間に塞がっていく。
「ロバートケロ」
「これはロバートと言う魔法なの? 凄い力ね」
「吾輩の名前ケロ! 乾燥ガエルのロバートケロ!」
2本足であるき、喋り、魔法を使い、怒りっぽい。聞きたい事はあるが、関わるのは面倒くさいかも知れないと思い、マナは苦笑いだけ返した。
ここはゴツゴツとした硬い岩盤の地面だが、スノウはダートンを引きずりながら運んで来た。
「ちょっと! もっと優しく運べないの」
「大丈夫。ロバートの魔法で治るから」
「そうケロよ!」
相槌を打つとロバートはダートンにも回復魔法をかける。
「あの猿に止めは刺さないの?」
「森の王が居なくなれば、この森のバランスが崩れる。だから殺しは出来ないね」
「でもアレン達を抱えて逃げる事も出来ないわよ」
「大丈夫。とっておきがあるから」
何を考えているか伺い知る事の出来ない無表情のまま、アレン達の周りに魔法陣を書き始める。
「さぁ、マナもこの中に入って」
「これは何の魔法なの?」
マナは少し警戒した様子だ。
「転移魔法さ。町まで移動させて上げるよ」
マナは驚いた。転移魔法とは魔法における一つの到達点だ。そんな大魔法を使えると言うのか。
「じゃあはい、行きます」
「待って! ケイムがスノウの事呼んでたわよ!」
「そうなんだ」
魔法陣が光出すと、マナの体が透け始める。
「これが転移魔法?」
そう言った時、魔法陣に吸い込まれる。
次にマナの目が写したのは、完全な暗闇では無く。星が瞬いている様な不思議な闇の世界だった。
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