冬馬君の春と夏

だかずお

文字の大きさ
16 / 35

妖怪ガム

しおりを挟む
その日
冬馬君と親友の慎司は今二人のブームである妖怪ガムを買いに駄菓子屋に向かっていた。
一個十円、妖怪ガムの中には一枚のシールが入っている、これを二人はえらく気に入り集めているのだ。

「ゼッタイ今度こそ妖怪三ツ目リーゼント当ててやる(どんな妖怪じゃ)」冬馬君は鼻息荒く興奮していた。

手にはなけなしの百円玉が握られている。

すると慎司が「冬馬まさか百円全部妖怪ガムに使うの?」

「それは厳しいよ、せめて二個にするよ、僕だってお腹空いてるからお菓子も買いたいし」

冬馬君は頭の中でなんのお菓子を買うか想像してわくわくしていた。
六十円ラーメンも良いな、それで残り二十円で妖怪ガムと後は二十円でチョコや飴も良いなぁ」

「八十円焼きそばもあるよ」と慎司

「あ~あれも美味しいんだよね」顔を合わせニンマリ笑う。

二人は早く駄菓子屋に着きたくなり自然と足は速まった。
そして駄菓子屋到着

「まずは妖怪ガム~~」二個ずつ買い、一旦店の外に出た。
とりあえずなんのシールが当たったか速く見たかったのだ。

ペロッと紙を開く(効果音が味噌)どうでもええ~

「嘘でしょ~また妖怪フケかけババアだ(どんなババアじゃ、にしてもフケをかけるって結構ツワモノだな、もはや妖怪であるのかすら分からなかった)

慎司は笑っている「これで冬馬三枚目じゃん」

続いて慎司が紙を開ける

ペロッとね

「嘘でしょ……」

見事にフケかけババアだった。

冬馬君大爆笑

「絶対次は三つ目リーゼント当ててやる」

何が出るかな、何が出るかな~ペロンッ

フケかけババアだった

「きしゃあ~~」取り合えず破いてしもうた。
もうこの時点で慎司の顔は真っかっ赤、大爆笑である。

「フケかけババア三枚って」ゲラゲラ笑っている。

「じゃ次は絶対に三つ目リーゼントだ」

ペロン

「ぬおおっ」慎司は驚きの余り声をあげた、どうでもいいが微妙に声は裏返っていた。

「何?」冬馬君が慎司のシールを覗き込む。

「ぬおおおおっ」

なんと、フケかけババアの壺だった。

なんじゃこりゃ、よもや妖怪すら印刷されてない、まさかの壺、フケの入った壺だけが商品化されとる。

二人は駄菓子屋に駆け込む
「こーなりゃ三つ目リーゼント当てるまで帰れない」
なんと残りのお金全部使ってしまった。
十六個もの妖怪ガム

「どりゃー」

ペロッ


フケかけババアのシャンプー

「どしぇ~~」


ペロッ

フケかけババアの内縁の夫

「どうでもええ~~」


ペロッ

フケかけババア

四枚目


ペロッ

フケかけババアの朝食の鮭定食

「だからなんじゃこりゃー」


ペロッ

フケかけババアが三年前に買った花柄ワンピース

(どんだけフケかけババアを押しとるんじゃこの妖怪ガムは、脇役じゃろーーが)


ペロッ

「うひゃーーー」シールの文字に心が踊る

「三つ目がって書いてある、しかも光ってる」

「マジかよ冬馬、いいなぁ~」


三つ目がフケかけババアだった。

二人はずっこけた。


「なんなんだよこれ」

ペロッ

フケかけババア二十歳の時の写真



ペロッ

フケかけババアのお母さん



ペロッ

フケ



ペロッ

3日乾燥させたフケかけババアのフケ

(妖怪でもなんでもねぇ)


ペロッ

ノッてるフケかけババア


とりあえず全てのガムを開き、分かった事
それはフケかけババアのヒストリーであった。
その日を栄えに二人の妖怪ガムブームは終わり、大量のガムだけが残ったと言われている。



チ~~~~~~ンッ


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...