冬馬君の春と夏

だかずお

文字の大きさ
27 / 35

バリ観光に出発

しおりを挟む
ホテルの前の通りのお店でディナーを済ませた一同はホテルに帰って来た。
時刻は22時30を過ぎた頃
この時間になっても通りのライブレストランの音楽は鳴り続け、賑やかな夜は続いていた。
「22時過ぎても、メイン通りのいろんなお店でバンド演奏まだ演ってたし、夜も賑やかなんですね」と多網ママ

「もっと遊んでたかったな~、しっかし泊まってるホテルも凄い綺麗だし、最高~」ホテルに戻って来てライトアップされているプールが視界に入り、きみ子は上機嫌になる。

「本当に豪華、今まで人生で泊まったホテルで一番良いホテルかも知れない」サーが続く。

「確かに私も」正子が言う。

大人達も立派なホテルに大満足
バリの一日を満喫していた。

そう、こやつ以外は
先程の店で恥をかいた隆はまだ気にしていた。
ああ、国外で日本人としてみっともない事を。

するとサーが「恥はかき捨てですよ、気にしない、気にしない」

おおサーさんありがとう、自分の落ち込みに気付いてくれていたんだ。はっ!! 男はハッとする。
恥だと思われとる!!

ホテルのロビーの前の所を通った時
多網が「荷物が届いてる!!」
見た事のある自分のスーツケースがロービの端にあるのを発見する。
一同大喜び。
「やったーようやく荷物が届いた~」

ようやく届かなかった自分達のスーツケースがホテルに届いていた一同は一安心、
 「部屋まで運びましょうか?(英語)」ホテルの人がニッコリ笑って荷物を持って来てくれる。

ジェスチャーでなんて言ってるか予想のついた多網ママが「ノー、OKセンキュー」とにっこり返事していた。

夜のホテルはプールがライトアップされていて、また昼間とは違った雰囲気となる。
冬馬君はなんだか夢見心地で部屋に戻るまでの景色を眺めていた。
あ~今は海外に来てるんだなぁ、ここは日本じゃないんだ。

部屋に戻った一同はようやく自分達の荷物を手にしてホッと一安心。
「ようやく、着替えが出来る~」大喜が持って来た寝巻きに着替え始める

「あ~良かったね、やっぱ荷物は大事だね」笑い合う冬馬君と大喜。

「明日は何するの?」ベットで飛び跳ねながら、きみ子が言った。

「明日は車をチャーターして、観光スポット周るよ」と、サー

「ひやっほ~楽しみ~」

「バリのガイドさんと運転手さんが色々観光スポットに連れて行ってくれるんだって」

「最高~」

子供達はベットの上で寝そべる
あ~このベットの上でくつろぐ瞬間もたまら~ん
夜の異国でのホテルを堪能している。
「今日が飛行機の日にち入れて二日目になるんだ、後何日泊まれるんだっけ?」冬馬君が残りの予定を気にして言った。

「帰りの日もいれて後三泊泊まれるんじゃない」

きみ子のその発言に後3日も居れるんだ~と大喜びの子供達
何気にサーも喜んでいる、やったまだ非日常に浸っていられる。
仕事は休みだ~!!
みんなのテンションは上がった。
多網も喜びのプップしている(いつもの屁)

すると隣の部屋の隆と正子が、こちらの多網家の部屋の方にやってくる。
「せっかくだし、こちらの部屋で軽く飲みませんか?」

この瞬間子供達は興奮した、何故なら子供達だけの夜中の語り合いバリバージョンをしたかったからだ。
そう、部屋に居る大人達が邪魔だったのだ(笑)

この機を逃すなと言わんばかりに
「そうだよ、まだ早いしせっかくだからまだ飲んでなよ」と冬馬君

「そうそう、せっかくのバリ旅行始まったばっかなんだから」きみ子も続く。

そんなノリで大人達は隣の部屋に行く事に、ちなみに目覚めていた多美も多網ママと一緒に隣に連れて行かれたそうな。
(くそがああっ、絶対あたいをはぶいてるやろ~)多美の心の声

こうして子供達の夜中の語り合い、イン バリが行われる事に。
子供達はベッドの上で大喜び
「ひやっほ~夏休みもまだ始まったばっかだし、バリ旅行始まったばっかりだしも~最高~~」
子供達は一斉に叫んだ。

「さぁ、今日は何を語ろう」大喜が嬉しそうに微笑む。

ああ旅先で、いつも日本でしている日常的な事が出来る、こんな瞬間もなんともリラックスする。
子供達はいつも冬馬家に泊まった時にやる様に会話を始める。
会話は本当にとりとめもなく、どうでもいい事なのだけど、みんなでベッドの上で寝ずに語り合う瞬間は心も落ち着くし、本当に面白かった。
なんだかホッとする一時なのである。

「明日は何処行くの?」多網がボソリ

「聞いたら朝からウブドって言う所に行くみたいだよ、こっちは海だけど、ウブドは山に囲まれてるって」ときみ子

冬馬君と大喜が顔を見合わせる「あっ、観光ブックで見た緑が多い観光地だ」

「ひゃっほ~楽しみだぁ~」

するときみ子が「そう言えばバリに来てる事、清香ちゃんとアミちゃん知ってるの?」
ズギャアンッ(凄い効果音)
そ好きな人の名前が会話に出てドキッとする、冬馬君と大喜
ドキッとするも、やはりこのシチュエーション、二人の事を話したいのだ。

「いや、二人は知らないよ」

「え~それならせめてお土産買って渡しに行った方がいいよ、会うのに丁度いい口実が出来るし」

「おお姉御」冬馬君と大喜はきみ子に握手を求める。

バリでの夜中の語り合いはその後、多網ママとサーが帰ってくる十二時まで続いたそうな。

翌朝八時
一同はホテルでのバイキング朝食を済ませ、部屋に戻って来た。
「あ~もうお腹いっぱい~」

「9時にチャーターした車が迎えに来てくれるから、みんな支度しておいてね」サーが言った。

今日は運転手の人と、ガイドさんのバリ人の二人がウブドまで観光案内してくれるそう、これからホテルのロビーで何処に行くか細かく話して決めて、出発するらしい。
有り難い事に日本語OKである。
みんなはシャワーを浴び、着換えを済ませ準備万端。
ロビーに降りて行く。
ロビーに行くと、肌は日焼けして黒い肌、少しぽっちゃり、年は五十代くらいだろうか?
感じの良さそうなバリ人が待っていた。

「冬馬家ですか?」

その日本語に隆は感動した。
「べりーナイス、日本語っ」怪しいのは日本人のお前の日本語じゃないかっ。

「私の名前はテセンって呼んで下さい」愛嬌のある笑顔にみんなはホッとする。

ぼったくられないか心配で眠れなかった隆とサーはようやく安心したのだ。
良い人そうな人で良かった。

「今日は何処に行きたいとかプランはありますか?」

実は隆はウブドにあるバビグリンと言うタイの豚肉料理を美味しく提供してくれると言うお店に食べに行ってみたかった、何故なら観光ブックに美味しいと書いてあったからだ(単純な男)

「えっと、このお店に行ってみたいんですけど知ってますか?」

「おー、あそこですか、良いですよ」

「サーさん達は?」

「自分達は特に、お任せします」

「そしたら、そこまで決まってないならお勧めの観光スポット案内しましょうか?」

「じゃあお願いします」

そんな流れで彼等に行く場所はお任せする事に。
車は皆を乗せホテルを出発する。

「皆さんこんにちは、私はテセン、彼は運転手のラドルフです、彼は日本語を喋りませんが一日運転してくれます」

「よろしくお願いします」

「まずは、バリの伝統的な踊りを皆さんに見てもらいたいと思うので安くて、良い所案内しますね、それから色んな伝統工芸品のお店を少し回ってウブドに行きましょう」

げっ、別にそんなお店はまわらなくてそのままウブド行ってくれれば良いんだけど、それが言えない二人の男は少し困惑したのだが、こう返事していたそうな
「オッケー」

車からバリの景色を眺めている子供達は、日本とは違う街の景色を喜んで見ている。
一時間くらい走っただろうか、車は止まる。

「皆さん、ここでバリの伝統踊りと音楽が見れますので行きましょう」

辺りは田んぼの風景が広がる
五十人くらいが座れる椅子にぱらぱらと観光客が座っている。
前方では、音楽を演奏するのであろう、ここの村の人達であろう
人達が楽器の前に座り準備をしていた。
十分程してからそれは始まった。
突然バリ独特の音楽が流れ、衣装を来た人達が音楽に合わせて踊る、きちんとしたストーリの流れもあった。
何故か劇の途中、顔をヒクヒクさせ猿の真似をしている多網ときみ子に笑った。

パチパチパチパチ

劇が終わり、再び劇場の外で待っていたテセンさんと合流
「どうでした?楽しかった?」

「面白かった~」子供達は見た事の無い劇に大喜び

「それは良かった、では行きましょう」

車は次なる場所に到着
「ここは伝統工芸品などが売ってるお土産屋さんです、私達はここで待ってます、見終わったらここに集合しましょう」

こうして何故かお土産屋に来ている一同
まぁ、こうやって助け合いビジネスが成り立ってるんだろう、要らなきゃ買わなきゃ良いんだ。
そんな想いで顔を見合わせる隆とサー

「わーこれ良いなぁ」喜ぶ妻と子供達の顔に男達は値段を見る

バリの相場よりも高いんじゃないか?
男達は買わないぞと身構えていたのだが

「ねぇ、これ安くて良いよ」

「要らないよ、後で街のお土産屋で買えば良いじゃん」
と隆が正子に言った。
すると「ここでしか買えない」
なんとお店の人は日本語を理解していた。
赤面する隆
「ねっ、まけるから、ほんと」
十分後には隆とサーの腕には、先程まで無かった袋があったそうな。

「ではいよいよウブドに出発しましょ~」

「オー」

こうして冬馬家のバリ観光は続く。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...