文太と真堂丸

だかずお

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~ 激闘の末 ~

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ザッ ザッ ズザザッ

二人は対峙している

ジッと目を合わせ向き合う真堂丸と鬼神
「しつこい野郎め、立ち上がりやがって、だが」鬼神はニヤリ笑った。

ズサッ 突然真堂丸が地面に片膝をつく。
「見えない俺にも感じるぜ、お前はとうに限界を過ぎている、本当に動けるのか?」

確かにそうだ、あいつの様子はいつもとは違う。
もう立ってるのがやっとじゃないのか真堂丸?道来が感じる。

男の戦いに水をさすのか?
ここは全員で戦わなければ確実に真堂丸は殺される。
悔しいが鬼神、お前は確かに強い。
すまない真堂丸、お前を死なせたくはない。
許せ
道来は刀を再び鬼神に向ける

「真堂丸、悪いがお前が何と言おうと俺も一緒に戦わせてもらうことにする」

ザッ ザザッ
青鬼、一之助、太一も鬼神に刀を向ける

「ハッハッハ4対1か、まぁ、この俺相手に当然の話だがな、真堂丸よ俺と貴様の勝負は俺の勝ちか?」

「耳をかすな真堂丸」道来が叫ぶ

「道来殿の言う通りでごんす、先生あっしらに負けは許されない、ここで死んだらこの先国がどうなるか忘れちゃいけない、我々の目的は大帝国を止めることでごんす」

「ふっふっふっハッハッハ、笑わせる、貴様ら何か勘違いしてねぇか?」鬼神が言う

「まるで、貴様らが一緒に戦えば万が一にも勝てるように聞こえるが、分かってねぇな今の状況を」

「正直に言おう、俺はこの戦いにて覚醒した、事実この境地にこなければ、真堂丸、貴様には負けていただろう、くっくっく認めてやるよ」

鬼達や青鬼はそれを聞き驚く。
あの鬼神さんが負けていたなどあっさりと認めただと。
それほど今の自分に満足してるのか?
ちっ、嫌な予感がする。
鬼神は戦いの中、確かに成長したのだ。

「今の俺は過去の自身を超えた、俺はこうなってもう誰にも負ける気がしねぇ、さて」

鬼神の大きなまん丸の瞳が見つめる先に感じるのは真堂丸

目の前のそれは今再び鬼神にとってただの餌となる
事実この時、絶対強者の鬼神は息を吹き返し、自信を完全に取り戻していた。
「良いか、人間と我が部下ども、希望などない、これが証拠だ」

鬼神が真堂丸に向かって走り出す

「真堂丸」叫ぶ文太

よろめきながらも、刀を向ける真堂丸

「良いか」

「良くきけ」

「俺はぁ」

「地獄の鬼すら怖れおののく」

「鬼神だ」

「うおおおおおっ」刀を振りかざす真堂丸

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオーンッ

「真の兄貴~~」

「先生~~」

ガクガクガクッ
「あの野郎死んだんじゃねえよな」
しんべえはその光景を目の当たりにし、震えが止まらなくなる
それは鬼神の拳が真堂丸の顔面を捉え、真堂丸が地面に押しつぶされてる光景であった。

「これで決着がついたな」

「うっ、嘘だろ、真の兄貴が負けた……」

「次に俺のするべきこと、それは」

鬼神が歩き出す
「ののを殺す」
一同に戦慄が走る

「そんなことはさせない」皆がののと鬼神の間に守るように立つ

「懲りぬ奴らよ」
ズドオオンッ 力強い足音が辺りに不気味に響く

鬼神がニヤリとほくそ笑んだ

ザッ
その時、前に出たのは文太だった。

「また貴様か」

「ぶんたっ」叫ぶ仲間達

「やはり、お前はほら吹きだったな、今度こそ奴は俺に完全に負け、もう誰もののを救えない、希望など最初からなかったのだ、絶望しろ 泣け 今の現実を直視してみろ」

ズオオンッ
鬼神の潰れた目ん玉が文太の顔の真ん前にあらわれ覗き込む

「なぁ、小僧」
鋭い牙が顔の前向けられる

その時、文太の口が開く
「ののさんも、仲間も誰も殺させない」

「小僧良い加減にしやがれよ、貴様には何も出来ないことを知らしめてやるよ」

文太が鬼神をしっかりと見つめ
「真堂丸は負けない」
そう叫んだのだった。

何故ここまで信じられる?
どこまでも揺らがねぇ
気に喰わねぇ
良いだろう、これで本当に終わりだ。

「くそガキが」

真堂丸は真っ暗闇の中にいた。

俺は死んだのか?

やけに静かだ

負けちまったのか?

俺が?

ああ、静かだ このまま目を閉じたら、楽になれそうだ

静かだ


ああ


まぶたが重い


もう、眠ろう

その時だった
真堂丸の心に仲間の叫び声が響く


仲間



俺の仲間



ぶんたっ



死ねないっ

ズンンッ
真堂丸は再び立ち上がっていた。

「ばっ、ばかな」

「うおおおおおおおっ」真堂丸の刀が鬼神のみぞおちに打ち込まれる

ズドオオンッ
「てっ、てめぇ」

「礼を言う鬼神、俺も更に強くなれた」

先程と動きが違う
こっ、こいつも、俺と同じく崖っぷちの境地で成長を遂げやがったのか?

「良いだろう、決着をつけてやる」

「ぐおおおおおおおおおおおっ」

「うおおおおおおおおおおおっ」

キィん キィン キィン キン キン キィン

猛烈な攻防の中
鬼神は戦いながら気づくこととなる
今のこいつは、力、速さ、技術 全て俺を上まわっている
くそがっ、こんなことが こんなことが
鬼神の脳裏にある出来事がうかぶ

それは女狐が生きていた頃
大帝国の白い刃と呼ばれる幹部が集まった席の後だった。

「旦那、あんたは最強、人間には負けるはずないのだろう?」

「女狐嬢、何が言いたい」

「旦那、隠しなさんな気付いているんだろう?あの骸とか言う奴はあんたより強いんじゃないかい」 

「なめた口を、それ以上口を開くな」

「アッハッハッハ、妾は行くとしようかねぇ」

俺が人間に負けるなどあってはならぬ

あってはならぬのだ
「ぐおおおおおっ」

「死ね真堂丸、我が最強の技受けよ」

鬼神の腕に力が一点集中する

鬼達がざわめく、「でるぞ、鬼神様の鬼爆裂砲」

「逃げろ真堂丸」青鬼が叫ぶ

「やろう、まだあんな技を」太一が驚く

「真堂丸、負けるな」叫んだ道来

「ぐおおおおおおおおおおお」

ズキャアアアアアアアアアアアアアアアンッーー

「ふっ、ふっ フハハハハハハハハハハハハ」

「跡形も残らんだろう」

砂埃が去りゆくなか、鬼神は自身の技が完全に受けとめられた実感が現実であった事を知る。

「鬼神よ、降参しろ、俺はおまえを殺したくない」

「くっ、くそがああああああっ」

鬼神が真堂丸に襲いかかる
真堂丸はすべての拳をかわし、鬼神の背中側に立っていた。

「おまえにもう勝ち目はない」

「良いだろう、おまえは俺を超えていった、だが俺は鬼神」

「人間なんぞに負けてたまるか」

ザンッ

「くそっ」

鬼神は自身の首をはねた

ズンンッ
直後だった、地面に落ちた鬼神の首が喋りはじめる
「俺にはこれ以上の先の扉を開く意思ははじめからなかった、意味が分かるか真堂丸よ、ぐははは、貴様はもう戻れない扉を進んだ、白状しよう、己はこれ以上の強さを求めることを、いつからか恐怖した 出会ってしまうからだ、己を超える者に」

「貴様はどこまで進むんだ?これ以上は、ぐはははははははははははは 正直俺にすらおそろしい お前は俺を討ち取ってしまった 一体この先何を見るんだろうな ぐははははははは」

鬼神の声は止まった。

「あの野郎、本物の化け物だった、首だけで喋ってやがった」しんべえが言った。
あんな奴に本当に勝ったんだ。

ふぅー
真堂丸も地面に倒れこむ

「真堂丸」


その頃、龍山からおり、歩いている菊一とガルゥラ

「俺は鬼ヶ島に向かう」

「行ってどうする?万が一にもあいつが鬼神に勝っていて、あの事実を伝えてどうする?」

「さあな、ただあいつらに会いたくなっただけだ」

「ふんっ、阿呆らしい」

「お前はどうする?」

「俺も鬼ヶ島に用がある」

「は? どんな用なのかなぁ?ガルゥラちゃん」

「うっ、うるさいぞ貴様」

「さて行くかね、鬼ヶ島に」

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