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第4話 何をしたの?
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―――あまりにもタイミングが重なっていた。
―――偶然の一致とはもう言えないレベルで。
―――だから、もうわかっていたはずだ。でも…
「何も感じないな…」
特に何の感情も湧かなかった。クラスのやつとはあまり交流もなかったしな…。友人と呼べるのは他のクラスのやつくらいか。
「はァーん。俗にいうサイコパスってやつか?」
ロザが眉をひそめる。
「…でもまァ、そっちの方が都合がいいまであるな。勇者様には―――」
「―――勇者様には亜神と戦ってもらう。軍とも、クラスメイトとも」
妹がぴくりと震える。
「…なぜなのです?私達でなくとも…そもそも何故戦うことに」
声がわずかに震えている。だがロザは表情をぴくりとも動かさずに告げる。
「―――攻めてくるからだァ。世界が融合しきるまであっちではあと1ヶ月…こっちでは300年。理由は狂おしいまでの信仰。どうしようもねェ…それに…」
「それに?」
俺が聞き返す。
「…この世界のやつらは人間を過剰なまでに恨んでるからなァ。殺すことに喜びすら覚えてやがる」
「…恨み?」
「ああ、そうだ。こんだけ…こんだけ経っても少しも変わらねェ。平和を崩した種族への恨みっつーもんがよ…」
「平和を…崩す?それは、どういう…」
「それを話すなら、創世まで遡らなきゃなんねぇなァ。昔話としてはちょうどいいだろ。ちょっとまってな―――」
壁に備え付けられた本棚から、ロザが何も書かれていない本を取り出す。
《古の記憶よ・今に目覚めよ・語れ原初を》
本が光り出し、文字が白紙のページに紡がれていく―――
―――この世界の管理人は、主神から新たな世界を創れと命じられ、何もない世界に放り出された。管理人は主神からもらった参考文献をもとに、自分の理想の世界を創った。浮かぶ島、踏める雲…何もかもが管理人の思い通りだった。でも、突然つまらなくなってきた。自分以外の知的生命体はおらず、喋り相手と言えば時折様子を見にくる主神程度のもの。だから創った。管理人とそっくりの妖魔を。他にも妖精や天使、様々な生物を創った。魔界と呼ぶにはあまりに混沌とし過ぎていたが、絶妙なバランスで世界は保たれていた。―――ある時、管理人は創ってしまった。善にも悪にも容易く転がる、『人間』を。最初に創った人間は、管理人そっくりの性格をした、優しい人間だった。でも、数が増えるに連れて人間は次第に種族差に不満を覚えるようになった。…人間は弱かった。他の種族とは、逆立ちしても敵わぬ程に。どれほど努力しようとも覆すことの出来ないポテンシャルの差に、人間は劣等感に苛まれていった。―――ある日、人間は思った。数はこっちのほうが多い。神一人さえ従えられれば、もう人間を下に見ることなど出来ない―――神は、いつも一人で居た。誰かを疑うということなど、露ほどもなかった。その純粋さが、災いした。神は―――か…み…は…k、m―――くぁwせdrftgyふじこlp
「わっ」
「ぴっ」
「おっと、もう稼働限界かァ」
ロザが慌てて呪文を唱える。
《古の記憶よ・その瞼を閉じよ・安らかに眠れ》
「すまんすまん。でもここまで言やァ分かんだろ?」
「まぁ…流石にな」
妹がおずおずと口を開く。
「ロザさん、もう一つ聞きたいことが。…何故私達なのです?」
「何故、か。特に深い意味はない―――と、言いたいところだがなァ。それに関しては、全くの偶然と言っていいし。お前たち主神の世界の住人であり、この世界と今最も近かった者たちが選ばれるんだ。主神の世界の住人は総じて適応力が高いからなァ」
俺と妹は揃って首を傾げる。
「てきおうりょく?なんの?」
「ポケ◯ンのとくせいじゃないんですから漢字でお願いします兄者」
===========================
魔王「模擬戦まで長くない?」
エイヴェリー「もういいよ!ボクぼこぼこにされちゃう!」
寧「というか皆名前適当ですよね」
魔王「え?」
エイヴェリー「え?」
寧「兄者の名前は作者の好きなラノベのキャラの名前繋げただけですし…私も同じですし…」
魔王「え⁉」
エイヴェリー「ボクは⁉ボクはボクは⁉」
寧「キャラクター性はUNDERT◯LEのフラ◯ィっぽくしようとしたらしいけど複雑すぎて諦め、名前は『英語圏 名前』ってググったのらしいのです」
エイヴェリー「なん…だと…」
魔王「ロザは?」
寧「作者がバラ育てているからですね。名字は友人のやつパクっただけなのです」
魔王「ホントに適当だな…エイヴェリーがまっしろに…」
―――
更新遅れてすみません!今日から再開いたしますので!
―――偶然の一致とはもう言えないレベルで。
―――だから、もうわかっていたはずだ。でも…
「何も感じないな…」
特に何の感情も湧かなかった。クラスのやつとはあまり交流もなかったしな…。友人と呼べるのは他のクラスのやつくらいか。
「はァーん。俗にいうサイコパスってやつか?」
ロザが眉をひそめる。
「…でもまァ、そっちの方が都合がいいまであるな。勇者様には―――」
「―――勇者様には亜神と戦ってもらう。軍とも、クラスメイトとも」
妹がぴくりと震える。
「…なぜなのです?私達でなくとも…そもそも何故戦うことに」
声がわずかに震えている。だがロザは表情をぴくりとも動かさずに告げる。
「―――攻めてくるからだァ。世界が融合しきるまであっちではあと1ヶ月…こっちでは300年。理由は狂おしいまでの信仰。どうしようもねェ…それに…」
「それに?」
俺が聞き返す。
「…この世界のやつらは人間を過剰なまでに恨んでるからなァ。殺すことに喜びすら覚えてやがる」
「…恨み?」
「ああ、そうだ。こんだけ…こんだけ経っても少しも変わらねェ。平和を崩した種族への恨みっつーもんがよ…」
「平和を…崩す?それは、どういう…」
「それを話すなら、創世まで遡らなきゃなんねぇなァ。昔話としてはちょうどいいだろ。ちょっとまってな―――」
壁に備え付けられた本棚から、ロザが何も書かれていない本を取り出す。
《古の記憶よ・今に目覚めよ・語れ原初を》
本が光り出し、文字が白紙のページに紡がれていく―――
―――この世界の管理人は、主神から新たな世界を創れと命じられ、何もない世界に放り出された。管理人は主神からもらった参考文献をもとに、自分の理想の世界を創った。浮かぶ島、踏める雲…何もかもが管理人の思い通りだった。でも、突然つまらなくなってきた。自分以外の知的生命体はおらず、喋り相手と言えば時折様子を見にくる主神程度のもの。だから創った。管理人とそっくりの妖魔を。他にも妖精や天使、様々な生物を創った。魔界と呼ぶにはあまりに混沌とし過ぎていたが、絶妙なバランスで世界は保たれていた。―――ある時、管理人は創ってしまった。善にも悪にも容易く転がる、『人間』を。最初に創った人間は、管理人そっくりの性格をした、優しい人間だった。でも、数が増えるに連れて人間は次第に種族差に不満を覚えるようになった。…人間は弱かった。他の種族とは、逆立ちしても敵わぬ程に。どれほど努力しようとも覆すことの出来ないポテンシャルの差に、人間は劣等感に苛まれていった。―――ある日、人間は思った。数はこっちのほうが多い。神一人さえ従えられれば、もう人間を下に見ることなど出来ない―――神は、いつも一人で居た。誰かを疑うということなど、露ほどもなかった。その純粋さが、災いした。神は―――か…み…は…k、m―――くぁwせdrftgyふじこlp
「わっ」
「ぴっ」
「おっと、もう稼働限界かァ」
ロザが慌てて呪文を唱える。
《古の記憶よ・その瞼を閉じよ・安らかに眠れ》
「すまんすまん。でもここまで言やァ分かんだろ?」
「まぁ…流石にな」
妹がおずおずと口を開く。
「ロザさん、もう一つ聞きたいことが。…何故私達なのです?」
「何故、か。特に深い意味はない―――と、言いたいところだがなァ。それに関しては、全くの偶然と言っていいし。お前たち主神の世界の住人であり、この世界と今最も近かった者たちが選ばれるんだ。主神の世界の住人は総じて適応力が高いからなァ」
俺と妹は揃って首を傾げる。
「てきおうりょく?なんの?」
「ポケ◯ンのとくせいじゃないんですから漢字でお願いします兄者」
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魔王「模擬戦まで長くない?」
エイヴェリー「もういいよ!ボクぼこぼこにされちゃう!」
寧「というか皆名前適当ですよね」
魔王「え?」
エイヴェリー「え?」
寧「兄者の名前は作者の好きなラノベのキャラの名前繋げただけですし…私も同じですし…」
魔王「え⁉」
エイヴェリー「ボクは⁉ボクはボクは⁉」
寧「キャラクター性はUNDERT◯LEのフラ◯ィっぽくしようとしたらしいけど複雑すぎて諦め、名前は『英語圏 名前』ってググったのらしいのです」
エイヴェリー「なん…だと…」
魔王「ロザは?」
寧「作者がバラ育てているからですね。名字は友人のやつパクっただけなのです」
魔王「ホントに適当だな…エイヴェリーがまっしろに…」
―――
更新遅れてすみません!今日から再開いたしますので!
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