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脇役ストーリー教師編
第3話【心と心】
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生活指導の教師ことヒ◯ラー似の穴黒は有給休暇で休暇中の校長から夏季補習期間中の3日間、校内の廊下の見回りを頼まれていた。
穴黒「3日間と言わず、ずっと私が校長の代わりに再び公務を行なっても構わないのですがねぇ……」
穴黒はかつてこの学校の副校長だった。先代の病弱な校長に代わって公務を行なっていた。
当時の教頭と穴黒はとても仲が悪く言い争いは日常茶飯事。それは教頭と穴黒が目指す生徒と教師の在り方が違っていたからだ。
当時の教頭「毎度、毎度同じ事を言わせないで下さい!!あたくしは教師が生徒を暴力で従わせるなんておかしいと言っているのです!心と心を通わし話し合いで解決すれば良いではないですかっ!?」
穴黒「あの野蛮な生徒が言葉を理解出来ないから教師はやむ終えずしてるだけだと言ってるだろう!!」
当時の教頭「まぁ~!?生徒を猿呼ばわりですって!?もぅ~っ耐えられません。副校長!あなたにはしかるべき処置をある方に実行して頂きますから!!」
そう言って教頭は辞表と書かれた封筒を副校長に叩きつけ職員室を出て行く。
翌日の放課後PTAの会長と副会長、教育委員会の教育長が学校に訪れ、生徒に対し暴力で指導したとされる3名の教師と副校長の処遇について言い渡された。
教育長「3名の教師はそれぞれ別の学校へ異動して頂きます。そして副校長あなたはこの学校に残り副校長としてではなく生活指導教師として勤務して頂きます。役職の格下げ、及び給料を現在の半分に減給になりますのでご了承下さい」
穴黒「そ、そんなぁ。し、しかしですね。私が今、副校長を降りたら学校はどうなるのですか!?校長は今、療養中ですし……」
教育長「問題ありません。明後日から急遽別の地方学校より新しく校長が赴任されますのでご安心を。それではこのあと、あなた達(3名の教師)の異動先をお伝えしますのでこのまま残って下さい。副校長、いえ穴黒さんは即刻退室し自席を片付け願います」
穴黒「……は、はい」
穴黒は席を立ち会議室から出ていく。
今、考えると当時の教頭の言うことは正しかった。だか、生徒にも非があると私は思う。
当時、教師を舐め腐っていた一部の生徒達の態度が許せなかった。素行の悪い生徒を持つ担任がいつも職員室とは別の教室で隠れて泣いているのを私は授業中の廊下の見回りで知っていたからだ。
生徒を正し道に戻すには非道であることは解っていた。しかし時には暴力は仕方ないと私は思う。
教師もひとりの人間だ。同じ教員として、ツライめに遭っている教師を守っても良いじゃないのだろうか。学校とは……生徒や教育委員会、PTAと保護者だけのものではない。
後日、別の教師に聞いた話によれば、当時の教頭は数年前から親しくしているPTAの会長に相談をし、PTAの会長が知り合いの教育委員に私の処遇について直接働きかけていたらしい。当時の教頭はよほど私の事が嫌いで「副校長」という役職から降ろしたかったんだろうなと今頃になって思う。
教師編(3)話[穴黒(生活指導の教師)の過去]End
お題【心と心】24‘12/13
穴黒「3日間と言わず、ずっと私が校長の代わりに再び公務を行なっても構わないのですがねぇ……」
穴黒はかつてこの学校の副校長だった。先代の病弱な校長に代わって公務を行なっていた。
当時の教頭と穴黒はとても仲が悪く言い争いは日常茶飯事。それは教頭と穴黒が目指す生徒と教師の在り方が違っていたからだ。
当時の教頭「毎度、毎度同じ事を言わせないで下さい!!あたくしは教師が生徒を暴力で従わせるなんておかしいと言っているのです!心と心を通わし話し合いで解決すれば良いではないですかっ!?」
穴黒「あの野蛮な生徒が言葉を理解出来ないから教師はやむ終えずしてるだけだと言ってるだろう!!」
当時の教頭「まぁ~!?生徒を猿呼ばわりですって!?もぅ~っ耐えられません。副校長!あなたにはしかるべき処置をある方に実行して頂きますから!!」
そう言って教頭は辞表と書かれた封筒を副校長に叩きつけ職員室を出て行く。
翌日の放課後PTAの会長と副会長、教育委員会の教育長が学校に訪れ、生徒に対し暴力で指導したとされる3名の教師と副校長の処遇について言い渡された。
教育長「3名の教師はそれぞれ別の学校へ異動して頂きます。そして副校長あなたはこの学校に残り副校長としてではなく生活指導教師として勤務して頂きます。役職の格下げ、及び給料を現在の半分に減給になりますのでご了承下さい」
穴黒「そ、そんなぁ。し、しかしですね。私が今、副校長を降りたら学校はどうなるのですか!?校長は今、療養中ですし……」
教育長「問題ありません。明後日から急遽別の地方学校より新しく校長が赴任されますのでご安心を。それではこのあと、あなた達(3名の教師)の異動先をお伝えしますのでこのまま残って下さい。副校長、いえ穴黒さんは即刻退室し自席を片付け願います」
穴黒「……は、はい」
穴黒は席を立ち会議室から出ていく。
今、考えると当時の教頭の言うことは正しかった。だか、生徒にも非があると私は思う。
当時、教師を舐め腐っていた一部の生徒達の態度が許せなかった。素行の悪い生徒を持つ担任がいつも職員室とは別の教室で隠れて泣いているのを私は授業中の廊下の見回りで知っていたからだ。
生徒を正し道に戻すには非道であることは解っていた。しかし時には暴力は仕方ないと私は思う。
教師もひとりの人間だ。同じ教員として、ツライめに遭っている教師を守っても良いじゃないのだろうか。学校とは……生徒や教育委員会、PTAと保護者だけのものではない。
後日、別の教師に聞いた話によれば、当時の教頭は数年前から親しくしているPTAの会長に相談をし、PTAの会長が知り合いの教育委員に私の処遇について直接働きかけていたらしい。当時の教頭はよほど私の事が嫌いで「副校長」という役職から降ろしたかったんだろうなと今頃になって思う。
教師編(3)話[穴黒(生活指導の教師)の過去]End
お題【心と心】24‘12/13
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