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第一章 ムーン・ブル編
第38話 役割分担
しおりを挟む「知ってるとは思うけど、この街の名前はムーン・ブルって言うの。由来は、街の中央にあるムーン・ツリーって呼ばれてる木からよ。木を気に入った人がこの街を造ったそうよ。私は他所からここに来たからあまり詳しく知らないけど。でも、その木には面白い言い伝えがあってね。それは…」
「キャーー! これがあのデザート?!」
明るい様子のマリーは、物語に入り込むかのようにして話していた。突然、左側のバーのようなカウンター席から疑問の黄色い声が強く届いた。不意な俺は、思わず顔をそちらに向けてしまう。
(なっ………、なんだあれは?! でかい…、しその葉っぱ??)
「こちらは、新ダンジョンで新発見されたスイーツです」
「恐らく、スイーツ好きなキャッツさんでも食べたことのない不思議な甘みですよ」
(新、新、しかも、スイーツ好きでも食べたことのない不思議な甘みだと?!!)
困惑な俺は、思わずカウンター上の皿の上に用意されている人の顔面ほどの多きさのしその葉っぱのような物をガン見して一層疑問に思考していた。淑女なバーテンダーは魅惑に話し、紳士なバーテンダーは誘惑に話した。混乱な俺は、思わず両拳を固めながら疑問に一層強く思考していた。両足を子供のようにぶらつかせ始めるキャッツは、しその葉っぱのようなスイーツを両手で掴む。口を大きく開いて頬張る。
「あはん♡」
項垂れると同時に両腕をカウンター上に伸ばすキャッツは、甘い吐息を漏らした。痙攣している体を素早く戻す。涎付きの口を大きく開いて二口目を頬張る。
「うふん♡ おいちい♡」
再び甘い吐息を漏らすキャッツは、両の瞳をうるうる潤ませると同時にとろける頬を両手で支えて幼子の声を漏らした。
(口の中がけばけばしないのか?! ごわごわしないのか?! 痒くはないのか?! どんな不思議な甘みか?! いったいなんなんだーー!!)
天才な俺は、思わず両拳をきつく握り締めてありとあらゆる食感のパターンを暴走するかのように疑問に強く妄想して凄まじく切実な叫び声をより強く思考していた。
「…ティ。ルーティ」
曖昧な俺は、意識を平静に戻す中でマリーの声を捉えた。顔を正面に向ける。両手を前のめりでテーブルに突いているマリーを捉える。
「ふふ~ん。あなた、さっきから私の話を全然聞いてないでしょう」
「…」
冷徹な笑みを糸目で浮かべるマリーは、顔を引くつかせて話した。引き続き天才な俺は、思わず眉間に皺を寄せると同時に顔を逸らしてありとあらゆる言い訳のパターンを模索するがぐうの音も出なかった。
「せっかく大切な話をしてたのに」
「わ、悪い。もう一回」
不満な様子のマリーは、姿勢を戻しながら話した。謝罪な俺は、顔を戻して両手を合わせて頭を拝むように下げて話した。
「だめよ。他にも話すことがあるから」
「…」
マリーの不機嫌そうな声が届いた。反省な俺は、拝み続けて返事を無言に戻した。
「仕方ないわね~。今度、また話してあげるわ」
「ありがと」
マリーの呆れるような声が届いた。感謝な俺は、顔を上げて笑顔で話した。
「急ぐから、次の話に移るわね。ちゃんと聞いててよ?」
「分かった。ちゃんと聞く」
真剣な様子のマリーは疑問に尋ね、集中な俺は姿勢と表情を正して返事を戻した。
「この街は、空気中の魔力を街全体でコントロールしてるの。例えば、魔力を建造物の塗料で吸収したりしてね。吸収した魔力は、制御装置を通して街を囲んでる外壁の強化や各施設のエネルギーに利用してるの」
平静な様子のマリーは、慣れた口調で話した。俺の理解度を確認するかのような目付きで見つめる。
(ん~ややこしそうな話だが、ソーラーパネルみたいなものか? 確か、オーストラリアで街全体の電力をソーラー発電だけでカバーするシステムがあった気がするが…、そんな感じか?)
「技術的なことは、考えない方がいいわよ。そういうのは、専門家がやることだから」
「役割分担か…。そうだな。そうするよ」
真剣な俺は、思わず眉間に皺を寄せて視線を右下に逸らして疑問に思考していた。大人な様子のマリーは、笑みを見せて話した。慎重な俺は、呟いたあとに視線を戻して返事を明るく戻した。
「それじゃあ問題です。今話した仕組みで街の防衛とペットのモンスター化を防いでるんだけど、もう一つ防いでるものがあるけど分かるかしら?」
「もう一つ?」
右人差し指を立てるマリーは、再び笑みを見せて疑問に尋ねた。困惑な俺は、思わず目を見張るようにして疑問に返事を戻していた。
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