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第一章 ムーン・ブル編
第40話 ムーン・ツリー
しおりを挟む「覗いてみるよ。さっきのムーン・ツリーは、これか?」
「ええ、そうよ。環状通りの中心に立つ大きな木だから一目で分かるわ」
平静な俺は、向き直るマリーを確認して地図上の中央の大きな木の絵を人差し指で示して疑問に尋ねた。再び視線を地図上に移すマリーは、微笑みを見せて返事を戻した。納得な俺も、微笑みを見せる。
「行かなくちゃ。ごめんなさいね。話が足早になって」
「全然、構わないよ」
椅子から立ち上がるマリーは、地図を丸めながら話した。平静な俺は、地図を左手で掴むマリーを見つめて返事を戻した。
「よいしょ。それじゃあ、明日ね」
「ああ」
椅子を仕舞うマリーは、笑みを見せて右手をバイバイのように振りながら話した。期待な俺も、同様にして返事を戻した。背後に振り向くマリーは、小走りでカウンターの奥へと向かう。
(よし。とりあえず宿屋に行くか。寝床は確保しておいた方が落ち着くからな)
一息な俺は、椅子から立ち上がりながら思考した。椅子を仕舞い、背後に振り向いて出入り口に向かう。
「遅ーい!」
「ごめーん」
「なになに、いい男だったの?」
「ええ、いい男だったわ」
「「「きゃー!」」」
三度目の女性の声がギルドの奥側から強く届いた。マリーとの会話の直後、少数の黄色い声がギルド内に強く鳴り響いた。臆病な俺は、思わず体をビクつかせると同時に歩きを止めてしまう。
(この世界の女性も、肉食系が多いのか?)
草食系な俺は、思わず表情をこわばらせて思考していた。恐る恐る背後に振り向きながら顔をギルドの奥側に向ける。複数の見知らぬ女性を発見する。
「「「「「きゃーーー!!」」」」」
(なんか増えてないか?!)
複数の黄色い声がギルド内にけたたましく鳴り響いた。不意な俺は、思わず人数を五人と確認しながら疑問に強く思考していた。直ちに前方に向き直る。
(あっ、あれは、声がうるさいし、怖い)
恐怖な俺は、思わず身震いを起こしてしどろもどろにして思考していた。警戒しながら前へと歩きを再開する。
「クスクス」
(?!)
右側の耳元から女性の笑い声が届いた。驚愕な俺は、思わず硬直すると同時に絶句していた。恐る恐る顔を右側に向ける。何者も存在しない。恐る恐る背後に振り向く。周囲を見回す。何者も存在しない。顔をギルドの奥側に向ける。マリー達が楽し気におしゃべりしている。
(ふう。気のせいか)
安堵な俺は、思わず脱力して思考していた。前方に向き直る。
『ヒュルーン』
柔らかな風が、俺の全身を優しく包み込みながら右側の耳元で安心する音を立てた。勇敢な俺は、右側の開いている窓を見つめる。
(風通しのいいギルドだな)
爽快な俺は、風に後押しされながら今は恐怖を心の片隅に仕舞おうと思考した。ギルドの出入り口に向かう。出入り口を風と共に清々しく通り抜ける。予期しない賑わう人々を目の当たりにして思わず足を止めてしまう。
(来た時よりも、かなり人が増えたな)
平穏な俺は、思わず頬を緩めて思考していた。
「ヒヒーン!」
「ブルル」
右側から二頭の馬と思われる声が届いた。困惑な俺は、顔を右側に向ける。城門から二頭の馬が歩き始める。馬の背後に馬車が窺える。
『ガラガラガラ』
(おっ、おおっ、おおおーっ! あれが生馬車か!)
キャリッジ風の貴族が所有するような褐色を基調とする四輪馬車の車輪から夢のような音が届いた。感動な俺は、思わず目を見張りながら声を上げるように強く思考していた。前方を通過する馬車を凝視する。
(やっぱり馬車はいいな~。これこそ俺の浪漫だ! いつか絶対に手に入れよう)
感激な俺は、思わず両拳を固めて強く思考していた。左奥側へと進む馬車の背後を見送る。馬車の背後の遠方に枝葉が傘のように広がる母性を覚える巨大な木を発見する。
(あれがムーン・ツリーか!)
興奮な俺は、思わず右足を一歩前方に踏み出して前のめりで強く思考していた。ムーンツリーを眺める。
(個性的だ! 面白い!)
関心な俺は、思わず笑みを浮かべてマリーの話の通りと強く思考していた。階段を軽い足取りで下る。森の宿を目指して南大通りを北に向かう。街並をしばし楽しむ。
(街並みも温かいな~)
高揚な俺は、思わず表情を豊かにして思考していた。
街並は、妻側を見せる二階建ての建物が大通りの左右に達並ぶ。建物は、店舗が所々に見られて他は住居と推測される。外観は、外壁の色が、ベージュ、オレンジ、ブルー、グリーンなどなどとカラフルな色相と、木製と思われる柱や梁や筋交いが外部に露出するデザイン。全体として冒険者ギルドと類似する温かい印象を受ける。
(いろんな色の建物があって見てて楽しいが、何か引っ掛かるな…)
困惑な俺は、思わず周囲の建物を見回しながら顔をしかめて思考していた。不意に目元に掛かる柔らかくウエーブする金髪サラサラヘアーを右手で掻き上げようとする。
(そうだ髪の色!)
失念な俺は、思わず歩きを止めると同時に掻き上げる右手も止めて強く思考していた。視線を賑わう人々の髪に移す。人々の髪は、街並みに合わせているかのようにカラフルな色相。
(皆カラフルだ。これなら金髪でも目立たないな)
安堵な俺は、掻き上げる右手を再開して柔らかくウエーブする金髪サラサラヘアーを優雅に跳ね上げて思考した。歩きも優雅に再開し、視線をムーン・ツリーの周辺に移した。
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