スキルマスター

とわ

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第一章 ムーン・ブル編

第41話 森の宿

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(あれが環状通りか)

 優雅な俺は、地図の大通りを思い出して思考した。地図の大通りは、東西南北の城門から街の中心に位置する環状通りに直線で繋がる。視線を環状通の内側に移す。

(子供が走り回ってて元気だな。出店があって大人はベンチで寛いでるから、中は公園みたいだな)

 関心な俺は、思わず表情を穏やかにして思考していた。視線をムーン・ツリーに移す。

(それにしても、やっぱりデカいな~)

 唖然な俺は、目前に迫るムーン・ツリーを見回して思考した。

 ムーンツリーは、どっしりとしている太い幹から複数の力強い枝を伸ばす。力強い枝は、環状通の外側を囲む建物の屋根の上部を越えて伸びる。伸びる枝から無数の小枝が生命力豊かに伸びて青々とする葉を雄大に茂らせる。

(力強いな。木漏れ日も奇麗だ)

 感動な俺は、枝葉の下側へと向かいながら上側を見上げて思考した。雄大に茂る葉の隙間から柔らかい木漏れ日が降り注ぐ。

(不思議だな。これだけで森林浴みたいに瑞々しい)

 安堵な俺は、上側を見上げたままで目元を優しく細めて自然は素晴らしいと思考した。環状通りを西側へと向う。

(これは、あれだな。この木なんの木、気になる木の、デカいバージョンだな)

 大満足な俺は、思わず首が疲れながらもCMでお馴染みのそれを思い出して思考していた。後ろ髪を引かれつつも首と目元を戻す。環状通りから西大通りに抜ける。南大通りと類似の街並をしばし楽しみながら森の宿を目指す。左前方に花屋を発見する。手前側の路地を確認する。

(あれを左か)

 平穏な俺は、マリーの話を思い出して思考した。花屋の角を左折する。

(ここも瑞々しいな。いい匂いだ)

 感賞な俺は、思わず花を購入していた過去を思い出して思考していた。再び後ろ髪を引かれながらも路地を進む。右前方に三角型の看板を発見する。看板の前で足を止める。看板は、森の宿の店名と宣伝のようなものがアットホームに描かれている。

(ここだな)

 慎重な俺は、視線を森の宿の建物に移して思考した。

(安宿なのに、大通りの建物と同じ造りか。見た目も明るくて奇麗だ。この造りは、町おこしかなんかで安いのか?)

 冷静な俺は、森の宿の建物を見回して街並を思い出して疑問に思考した。

 建物は、妻側を見せる二階建て。外観は、外壁がベージュ色かつ木製と思われる柱や梁や筋交いが外部に露出するデザイン。一階の正面中央に開いている片開きの玄関が一か所、その左右の1メートルほど離れた位置に横幅が2メートルほどの腰窓が一か所ずつ、二階のほぼ等間隔の配置に木製と観音開きと思われる小窓が五か所。窓等の配置より、建物の幅は10メートルほどと推測される。全体としてアットホームな印象を受ける。

(二階は部屋だと思うが、配置から、窓は一つの部屋に二か所か? それなら六畳ぐらいの広さはあるな。どうとでもなる)

 楽観な俺は、二階の小窓を人差し指で数えて自分の部屋を思い出して頬を緩めて思考した。店内を玄関から窺う。

(中も明るくて奇麗だ。これなら入ってみるか)

 陽気な俺は、思わず笑みを浮かべて思考していた。店内に進む。

 店内は、食堂の様子。内観は、壁色が外観に合わせているかのようなベージュ色かつ柱や梁や筋交いも同様。テーブル席が全体に、カウンター席が左手奥側の厨房の手前に、食器棚が壁際に配置されている。花瓶入りの花も配置され、全体として外観と同様にアットホームな印象を受ける。

「いらっしゃいませ!」

 小学校の中学年ほどの少女が、俺に気付いて掃き掃除の手を止めて明るい笑顔で元気な声を強く上げた。小走りして俺の下で立ち止まる。可愛らしい笑顔を俺に見せる。

「お食事ですか? お泊りですか? そっ…。それとも………」

 笑顔の少女は、明るく尋ねたあとに言葉を詰まらせ、俯きながらもじもじし始めて話を中断した。表情を真っ赤に染め上げる。

「なっ、なっ、なっ、何が起きてる?! おっ、俺は、いつの間にか異世界に転生でもしたのか??!」

 仰天な俺は、思わず挙動不審にして言葉を詰まらせながら目を見張りつつ周囲を素早く見回して声を激しく疑問に強く上げていた。アットホームな店内を確認する。

「ここはさっき確認した森の宿だ。だから現実世界で大丈夫!ふう~」

 安堵な俺は、思わず体を力ませたあとに額の汗を拭いながら脱力して声を漏らしていた。視界の中のもじもじする少女に気付く。

「って違う! 誰だ! 子どもにこんな事を言わせる奴は?!」

 憤怒な俺は、周囲を再び素早く見回して声を強く上げた。人は周囲に存在しない。思わず歯ぎしりしてしまう。

(子供は大人を見て育つ! 大人になってこういうことを言うのは自己責任だが、子供が言うのは怖ろし過ぎる! しかも、変なところで話を止めたし!!)

 正義な俺は、思わず両拳をきつく固めて激しく思考していた。視線を少女に戻す。頬を赤く染める少女は、口を開き掛けて何かを話そうとしている。

(この子の話の続きは多分あれだ。だが、今の俺の目的は宿を決めること。ここは強引に話を進めよう!)

 冷静な俺は、この問題は一旦保留にしようと思考した。右拳を緩めて口元に運ぶ。

「オホン。ああ、泊りだ。まずは一泊の値段を教えてくれるか?」

 紳士な俺は、咳払いしたあとに疑問に尋ねた。口を開き掛けている少女は、ぱっと明るい表情を見せる。

「えっ、えっと、一泊は、朝と夜の食事付きで、銀貨1枚と銅貨5枚になります。お酒と追加の注文は、別料金です」

「ふっ」

 明るい表情の少女は、顔を逸らしたあとに明るい表情を見せて話した。迂闊な俺は、思わず顔を右上側に向けると同時に声を漏らしていた。優雅な金髪サラサラヘアーの前髪が目元に掛かる。

(相場が全く分からん)

 優雅な俺は、金髪サラサラヘアーの前髪を右手で鮮やかに跳ね上げて思考した。首を小さく傾ける少女は、俺を不思議に見つめる。

「とっ、とりあえず、一泊で頼むよ」

「かしこまりました!」

 不安な俺は、言葉を詰まらせながらも明るく話した。瞳を輝かせる少女は、再びぱっと明るい表情を見せて話した。続けて、俺のちっぽけな不安を消し去るほどの気持ちの良い笑顔をプレゼントしてくれる。

(このタイミングで…。これは癒されるな~)

 平穏な俺は、子供の無邪気な笑顔は計り知れないパワーがあると思考した。


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