国王陛下は愛する幼馴染との距離をつめられない

迷い人

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03.愛の告白をしてみよう

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 ダリオが、ヨミに愛を告白したのは夜を共にした2日後のこと……。

「愛している!!」

 勢いをつけ言えば、ヨミは少しだけ考えこんだ後に、わずかに視線が左右に揺れ、戸惑いがちにピンク色の唇がユックリと動きだした。

「あの、突然にそのように言われては、困らせるだけだとは思いませんか?」

「ぇ……、えっと、それは……悪かった。 その……」

 な、何を話せばいいんだ? 悩みに悩んだ結果、仕事で1日を終えてしまった。

 いつからか王宮に泊まる事を辞め、夕食前に帰るようになったヨミは、帰り際にこう語りだす。

「陛下、好ましいと思われる女性がいる場合、まずは調査をなさってくださいませ。 何しろ陛下がお付き合いをする相手となれば、お妃候補と言う事になります。 礼儀作法を身に着けた方で、散財を好まず、異性との華やかな噂はないに越したことはありません。 加えてお家の方に問題がないか? も、調べあげる必要があります」

「ぇ、あ……うん。 でも、ヨミは問題ないよな?」

「陛下にとって最も身近な女性は私ですが、私を女性の基準とするのは如何なものでしょうか? 私は幼い頃から陛下にこの身を捧げていますが、一般的な女性はもっと……こう、もっと、華やかで可愛らしいものですから」

「ヨミも可愛らしいぞ!」

「あ、ありがとうございます。 それで、話を戻しますが、陛下の婚姻は国の一大イベントです。 どんなに用心深くしておいても、心配をする方々、不満を持つ方々は出てくるものです」

「それは……確かにそうだな」

 政治とはそういうものだ。

「ですので調査の後に、政略的な状況も含めて相手の一族の当主に願うのが良いでしょう」

「俺はその……妻となる人は大切にしたいのだ。 プレゼントをするなら、どんなものが良いのだろうか? 政治的な意味合いの重要性も理解できるが、やはり、喜んでもらいたい」

「どうなのでしょう? シバラクお時間を頂ければ調査してまいりますが?」

「ぇ、あ、いや一般的でなくとも……ヨミの欲しいものとか、したいことで良いんだぞ?」

「陛下の幸福が、私の最も欲しいものでございますよ」

 ニッコリ微笑まれた。

 話が通じていないと思っていたが、シッカリと通じていたんだなと安堵した。

「それで、俺はどうすればいいんだ?」

「えっと……何がでございますか?」

「結婚を勧めるためにだ」

「ぁ、えぇ、そう言う話でしたわね。 そうですね……先ほども言った通り、政略的な形に持ち込むのが色々と面倒が少ないので、長老方にご相談するべきではないでしょうか?」

「愛し合っているのにか?」

 そう問えば、ニッコリと微笑まれたから、微笑み返した。

「相手との家柄、派閥等色々ございますでしょう?」

「なるほど、わかった。 そのように勧める事にしよう」

「このまま、ご結婚なさらないのではと心配しておりましたが、安堵いたしました」

「ぇ、いや……それは、心配させて申し訳なかった。 これからは、その、余り心配をかけぬよう。 俺の方から、その、なるべく、リードさせてもらうから……」

「私も、応援させて頂きます。 何かあればご相談くださいませ」

「あぁ、任せてくれ!!」
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