国王陛下は愛する幼馴染との距離をつめられない

迷い人

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15.誤解は残れども、静けさは取り戻された

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 私は反射的に手を引いてしまった。

 私を油断させるためか? それとも、本当に困っているのか? 幼い頃、私を怒らせたときにした顔と同じように、口元を笑みの形に歪めながら泣きそうな瞳で私を見つめてくる。

 瞳を見つめれば、妙に喉の渇きを覚えた。

「ぁ……」

 逃げたい……。

 だけど、ここで放置していい話ではない。
 それでは何も変わらない。

「陛下は、私に欲情しておりますの? それとも……」

 生理的現象なのか? そう問いたかった。

「ヨミに、ヨミだけに欲情している。 俺は国王だ。 欲求を満たしたいだけなら、いくらでも相手がいる。 ヨミだけだよ」

 頬に触れてきて唇を啄むようにキスをしてきた。 もう一度手を掴まれ、ガウンの内側の陛下の胸、素肌に直接触れさせられれば、激しく打ち鳴らされる鼓動の音を感じた。

「緊張して、興奮して、今にも理性を失いそうだと言うのに。 ずっと、ずっと子供の頃から、ヨミをそういう目で見ていた。 軽蔑するか?」

 切なく甘い声で言われれば、呼吸を忘れ、驚きと共に陛下を見つめれば、悪戯が見つかった子供のような笑みを浮かべ笑って見せる。

「ごめんな」

 私は慌てて首を横に振った。

「ずっと、知りませんでした。 ……ごめんなさい」

 ゴツゴツした大きな手が頬を撫でた。

「そんな顔をさせたかった訳じゃない。 ずっと愛されていたかった……だから伝えられなかった」

 既に私は、最上で最高の愛を陛下に捧げている。 だからと言って、欲情を抱き合う対象となりえるか? と言われれば……きっと子供としか見なかったと思う。 守るべき相手としてしか思わなかっただろう。

 そっと、その胸に身を預けた。

 抱きしめられるに任せた。

 強く抱きしめられれば、お腹に硬いものがあたる。

「あの……、それは、そのままで大丈夫なのでしょうか?」

「結構、ツライかも」

 苦笑いが向けられ、そして言葉が続けられた。

「協力してもらえるかな?」

「ぇ……その……あの、私に出来る事などあるのでしょうか?」

「ヨミにしかできないって、話し聞いていた?」

 苦笑気味に言いながら下着を脱ぎだし、大きくなった陛下の股間のものが視線に飛び込み、慌てて視線を背ければ、手が取られ剥き出しとなった局部に誘われた。

「あ、の……」

 僅かな力で抵抗すれば、陛下は耳に唇が触れる距離で、甘く掠れた声で囁いた。

「協力してくれるんだろう?」

「どう、すれば……」

「ヨミの意志で触って」

 オズオズと指先をその先端に触れた。 ピクンっとソレは痙攣するように動き驚いた。

「ぁ、痛い?」

「いや、ヨミに触れてもらえると思ったらね。 興奮してきた」

 指先で恐る恐る触れる。
 触れた指に、陛下の熱がうつる。

「はぁ……」

 陛下の呼吸に溜息がこぼれおちる。 そっと指先で熱く硬くなったモノに触れていれば、ピクピクとそれが動く。 先端を撫でれば、くぼみから雫が溢れていた。

「もっと、シッカリと触れて、それだとじれったい」

「えっと……」

 竿の部分を手のひらで握るようにすれば、手のひらに伝わる熱に緊張する。

「陛下……」

「それだけじゃぁ、いけない。 もっと力を入れて上下に動かすんだ」

 私の手の甲の上から重ねられた手が、力を込めて、私の手を上下に動かし誘導する。 繰り返される行為。

「もう少し手伝ってもらっていい?」

 色香のある少し苦し気な声に、私は頷いて見せた。

「先端を口に含んで舐めて、あぁ、手はそのまま動かして」

 言われるままに、手と口と舌を使う。
 局部の熱があがり、硬さが増し、ぴくぴくと痙攣する。

「くっ、もう、ダメだ……いくっ」

 口内の奥深くに粘着性の液体が放たれた。 口内に満ちる濃い匂いがきつかったが、ソレは喉の奥を流れていった。



 そして、陛下の欲求は収まり……私はふぅっと息をつき、これならなんとかなりそうだと安堵した……。
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