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14.望まざる再会
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人であったころの習慣で、空が白み始める頃に目を覚まし、自分の身体を確認したところ外見上は特に変わったところはなかった。 だけれど内面は魔力量が増え少し落ち着いた感じがする。
ベッドの上に正座して、私は満足そうに魔力が満ちているお腹を撫でる。
満腹……。
「お腹が空いたのか?」
突然に声をかけられると、驚き、しまってあった尻尾と翼が出て宙に浮く。
「な、何?」
足首を掴まれ引き戻され、抱きしめられた。
「お腹が空いたのかと聞いている」
「いえ、むしろ魔力総量が一気に増えています」
「まぁ、中に沢山そそいだからな」
クスクスと笑いながら言われれば、自分の顔が真っ赤になるのがわかった。
「子の元となる種だ。 唾液より余程魔力が濃いからな」
言われれば、羞恥に身もだえしながら、ミニドラゴンになり耳を塞いだ。 だが、それはそれで容易に抱きかかえられる訳で、ボールを抱えるようにだけれど……。
「なんだ、俺との関係は忘れ去りたいと?」
「そう言う訳ではありません。 ただ、恥ずかしくて……」
「それは、大変だな」
ふわふわサラサラのタテガミが、ぷにぷにコロコロもっちりなお腹がナデナデされる。
「なんて、肌触りがいい……最高だティア」
恍惚と言われれば、それはソレで複雑な気分となる訳なのですよ。 それでも主である男が悩みから解放された様子は嬉しいわけなのです。
まぁ、いいんですけどね……。
尻尾をパタパタしながら、私は彼の幻獣らしくその腕の中に大人しく収まり、撫でまわされるままになっている。 幸福な時間だなと私は日が上る空を眺めていた。
突然にディルクは、私と視線が合う場所へと持ち上げて、何処までも真顔で囁いた。
「俺と一緒に生きて欲しい」
少し不安そうに戸惑い交じりに。
だけど、私は迷う事はない。 生まれる前から、この人の側に居るのだと決めていたのですから。 決めたから生まれてきたのですから。
「はい」
もし人間であれば、軽率過ぎると考えたかもしれません。 だけど、私は幻獣でそもそも愛情と魔力が無ければ幻獣の卵は孵る事すらないのですから、その時点で共に生きる最低条件は突破している訳なのですよ。
「ずいぶんと、簡単だな」
不安の混ざった頼りない声で彼が言うから、私は不敵に返してみる。
「生まれる前に決めていましたから。 そもそも、嫌だったら卵から孵ろうと思いませんよ」
それでも不安そうなディルクにミニドラゴンのままで口づける。
「ティア」
いや……押し倒すのはどうなのだろうか? と思いつつも、力の差と言うか、体格差というかでアッサリと押し倒され、お腹にむにむにと顔を埋められた。 かなり複雑な気分だ。
「ですが、」
「どうかしたのか?」
「ディルクは、この国の王子様なのですよね? いいのですか? 人の妻を娶らなくても。 ディルクは国を守るために戦場で戦い大きな功績を残したと伺いましたよ? そうなると、立場に相応しい妻となるべき人を迎えなければならないのではないでしょうか?」
「そういう心配はいらないさ。 今、国の柱となっている法が何処から来たか知っているか?」
「竜信仰ですよね?」
「いいや、西方の聖国から40年ぐらい前に嫁いできた聖女によって、この国は徐々に聖女信仰へと転化され、堂々と竜を讃える声を上げれば罰が与えられるのが、今のこの国だ」
ずっと屋敷から出る事の無かった私には、知りようのない事実でした。
「ぇ? でも……私が知っているのは……」
私を竜の娘と信仰する者達。
「ティアの知っている者達は、この国に僅かに残った裏組織、隠れ組織のようなものだ。 ずいぶん前に密告を受け、罰をあたえられ、改宗が行われたと聞いている。 ようするに俺は……俺らはかな? 排斥される側の人間だと言うことだ」
「その、組織の方は、酷い目にあったのでしょうか?」
「いや、ティアが消えた頃、組織全体が取り締まりをうけ、王妃自らが説得し改宗が行われたと聞いている」
「そうですか」
彼等の好意は決して私が望んだものではありませんでしたが、幼児期に不自由のない生活を与えてくれたのは事実です。 そんな人達が酷い目にあっていないなら、良かったと思うのは間違ってはいないはずです。
私達は名実共にパートナーとなり、騎士団内で囁かな祝いを受けた。
そして、6年にも及ぶ北方との戦を終えた事を祝い、祝賀会にもパートナーとして連れ出される事となった。
「いいのですか?」
「構わんよ。 むしろ申し訳ないぐらいだ」
本当に申し訳なさそうな表情が向けられ、きっとよくない事が起こるだろうし、それを理解して連れ出されたのだと覚悟を決める。
私は身体にフィットした背が広くあいた白いドレスに銀糸の刺繍の入ったドレスを着ていた。 セクシー過ぎる気もするけれど、翼を出すかもしれない可能性を考えれば、仕方がない。
ディルクはお揃いは髪色だけでいいだろう? 俺に純白が似合うはずなかろう!! と、頑張ったため黒のスーツを着ているが、タイにほどこされた銀刺繍がお揃いとなっている。
クスクスと周囲から嘲笑が漏れる。
ソレは決して好意的なものではなかった。
「なんてはしたない女性を連れているのかしら。 戦場で一帯何をがんばっていらしたのやら」
なんて声がアチコチから聞こえた。
「まぁ、ティアは裸体が一番美しいがな」
思わず足を踏みそうになるのを我慢しました。
ディルクは素知らぬ顔でいるけれど、周囲から上がる誹謗の声は余りにも酷い、幻獣を従える獣王子はまだいい。 彼自身を魔物と例える者すらおり、角がピリピリしてしまいます。
「まぁ、落ち着け」
トントンと剥き出しの背が撫でられ、髪に口づけられ、せっかく結ったはずの髪が解かれ、角が露わとなる。
「殿下!!」
横合いからロイスの悲鳴のような叫びがあがり、ディルクの行動を非難する。
「混乱を起こすつもりですか!」
責めるような視線でロイスはディルクを見るが、ディルクは何時ものように笑うだけ。 どのみち、角はすでに見られており、今更後戻りできるものでもない。
ロイスはボソリと「油断した」と呟いていたが、その意味は未だ私にはわからない。 だが、変化は直ぐにあった。 なにしろもともと視線を集めていたのだから、人は私の角に釘付けとなる。
「ま、魔物!!」
幻獣と魔物の差は、認識の差でしかない。 その騒ぎが伝染し広がりを見せるかと思った。
だが、
「姫様!!」
涙ながらにそう声をあげ駆け寄る者があった。
泣きながら目の前にひれ伏すものがあった。
そして、
「アンタ、生きていたのね」
恨みの色を露わに、私を睨みつけてくる視線。
サイズの合わない古い形のドレスを着た元従姉妹の姿もあった。
ベッドの上に正座して、私は満足そうに魔力が満ちているお腹を撫でる。
満腹……。
「お腹が空いたのか?」
突然に声をかけられると、驚き、しまってあった尻尾と翼が出て宙に浮く。
「な、何?」
足首を掴まれ引き戻され、抱きしめられた。
「お腹が空いたのかと聞いている」
「いえ、むしろ魔力総量が一気に増えています」
「まぁ、中に沢山そそいだからな」
クスクスと笑いながら言われれば、自分の顔が真っ赤になるのがわかった。
「子の元となる種だ。 唾液より余程魔力が濃いからな」
言われれば、羞恥に身もだえしながら、ミニドラゴンになり耳を塞いだ。 だが、それはそれで容易に抱きかかえられる訳で、ボールを抱えるようにだけれど……。
「なんだ、俺との関係は忘れ去りたいと?」
「そう言う訳ではありません。 ただ、恥ずかしくて……」
「それは、大変だな」
ふわふわサラサラのタテガミが、ぷにぷにコロコロもっちりなお腹がナデナデされる。
「なんて、肌触りがいい……最高だティア」
恍惚と言われれば、それはソレで複雑な気分となる訳なのですよ。 それでも主である男が悩みから解放された様子は嬉しいわけなのです。
まぁ、いいんですけどね……。
尻尾をパタパタしながら、私は彼の幻獣らしくその腕の中に大人しく収まり、撫でまわされるままになっている。 幸福な時間だなと私は日が上る空を眺めていた。
突然にディルクは、私と視線が合う場所へと持ち上げて、何処までも真顔で囁いた。
「俺と一緒に生きて欲しい」
少し不安そうに戸惑い交じりに。
だけど、私は迷う事はない。 生まれる前から、この人の側に居るのだと決めていたのですから。 決めたから生まれてきたのですから。
「はい」
もし人間であれば、軽率過ぎると考えたかもしれません。 だけど、私は幻獣でそもそも愛情と魔力が無ければ幻獣の卵は孵る事すらないのですから、その時点で共に生きる最低条件は突破している訳なのですよ。
「ずいぶんと、簡単だな」
不安の混ざった頼りない声で彼が言うから、私は不敵に返してみる。
「生まれる前に決めていましたから。 そもそも、嫌だったら卵から孵ろうと思いませんよ」
それでも不安そうなディルクにミニドラゴンのままで口づける。
「ティア」
いや……押し倒すのはどうなのだろうか? と思いつつも、力の差と言うか、体格差というかでアッサリと押し倒され、お腹にむにむにと顔を埋められた。 かなり複雑な気分だ。
「ですが、」
「どうかしたのか?」
「ディルクは、この国の王子様なのですよね? いいのですか? 人の妻を娶らなくても。 ディルクは国を守るために戦場で戦い大きな功績を残したと伺いましたよ? そうなると、立場に相応しい妻となるべき人を迎えなければならないのではないでしょうか?」
「そういう心配はいらないさ。 今、国の柱となっている法が何処から来たか知っているか?」
「竜信仰ですよね?」
「いいや、西方の聖国から40年ぐらい前に嫁いできた聖女によって、この国は徐々に聖女信仰へと転化され、堂々と竜を讃える声を上げれば罰が与えられるのが、今のこの国だ」
ずっと屋敷から出る事の無かった私には、知りようのない事実でした。
「ぇ? でも……私が知っているのは……」
私を竜の娘と信仰する者達。
「ティアの知っている者達は、この国に僅かに残った裏組織、隠れ組織のようなものだ。 ずいぶん前に密告を受け、罰をあたえられ、改宗が行われたと聞いている。 ようするに俺は……俺らはかな? 排斥される側の人間だと言うことだ」
「その、組織の方は、酷い目にあったのでしょうか?」
「いや、ティアが消えた頃、組織全体が取り締まりをうけ、王妃自らが説得し改宗が行われたと聞いている」
「そうですか」
彼等の好意は決して私が望んだものではありませんでしたが、幼児期に不自由のない生活を与えてくれたのは事実です。 そんな人達が酷い目にあっていないなら、良かったと思うのは間違ってはいないはずです。
私達は名実共にパートナーとなり、騎士団内で囁かな祝いを受けた。
そして、6年にも及ぶ北方との戦を終えた事を祝い、祝賀会にもパートナーとして連れ出される事となった。
「いいのですか?」
「構わんよ。 むしろ申し訳ないぐらいだ」
本当に申し訳なさそうな表情が向けられ、きっとよくない事が起こるだろうし、それを理解して連れ出されたのだと覚悟を決める。
私は身体にフィットした背が広くあいた白いドレスに銀糸の刺繍の入ったドレスを着ていた。 セクシー過ぎる気もするけれど、翼を出すかもしれない可能性を考えれば、仕方がない。
ディルクはお揃いは髪色だけでいいだろう? 俺に純白が似合うはずなかろう!! と、頑張ったため黒のスーツを着ているが、タイにほどこされた銀刺繍がお揃いとなっている。
クスクスと周囲から嘲笑が漏れる。
ソレは決して好意的なものではなかった。
「なんてはしたない女性を連れているのかしら。 戦場で一帯何をがんばっていらしたのやら」
なんて声がアチコチから聞こえた。
「まぁ、ティアは裸体が一番美しいがな」
思わず足を踏みそうになるのを我慢しました。
ディルクは素知らぬ顔でいるけれど、周囲から上がる誹謗の声は余りにも酷い、幻獣を従える獣王子はまだいい。 彼自身を魔物と例える者すらおり、角がピリピリしてしまいます。
「まぁ、落ち着け」
トントンと剥き出しの背が撫でられ、髪に口づけられ、せっかく結ったはずの髪が解かれ、角が露わとなる。
「殿下!!」
横合いからロイスの悲鳴のような叫びがあがり、ディルクの行動を非難する。
「混乱を起こすつもりですか!」
責めるような視線でロイスはディルクを見るが、ディルクは何時ものように笑うだけ。 どのみち、角はすでに見られており、今更後戻りできるものでもない。
ロイスはボソリと「油断した」と呟いていたが、その意味は未だ私にはわからない。 だが、変化は直ぐにあった。 なにしろもともと視線を集めていたのだから、人は私の角に釘付けとなる。
「ま、魔物!!」
幻獣と魔物の差は、認識の差でしかない。 その騒ぎが伝染し広がりを見せるかと思った。
だが、
「姫様!!」
涙ながらにそう声をあげ駆け寄る者があった。
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