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20.断罪 後編
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使者として訪れたのは、神官所属の老人が3名。
そして、護衛が6名。
多くのものが罰せられる間、彼等は退屈な観劇でも見させられるかのような不満を隠す事はなかった。 むしろ罪人として裁かれる者達に嫌悪?侮辱?それとも敵意? そんなものに近い感情が瞳にやどっていたような気すら見せていた。
「どうか、どうかお助け下さい」
声が掛けられれば、その者に蹴りを入れる始末。
「隣国逃げておきながら、その地を尊重することもできず、国の中枢に入り込み尊厳を踏みつぶした罪をシッカリと償うがいい」
軽蔑の混ざった冷ややかな視線
「そんな!! 我々には罪を認め、罰を受け、償いをすると機会も与えられないのですか!お願いです」
そう叫ぶ者達の首には、ぐるりと1周巡るように水ぶくれが出来ていた。
「聖女殿は、国を捨てたそなたらを助ける気はないのだ。 だから裁く者を寄越さなかったのじゃ、諦めるがいい」
「お前がぁああああ!!」
罪人として並び座っている1人が、大声で叫び老人神官に襲い掛かろうとすれば、護衛は躊躇なくその男を切り捨てた。 あたりに血が飛び散り、共に国を出てきた仲間たちの上に降り注いだ。
「きゃぁああああああああああ!!」
「うわぁあああ」
叫びと混乱が起こる!!
「遠慮していただけますかな? 確かに彼等の所属は聖国にありますが、罪を裁くべきは迷惑をこうむった当方にあるのですから」
ディルクの言葉に、老人神官は冷ややかな侮蔑の表情から人の好い笑みへと表情を変えた。
「これは申し訳ない。 ですが、彼等は我が国を出た事で先に罪人となっているのです」
食事と言われて顔を出しディルクの肩に止まるように、腕にすがりつくように戯れていた小さな竜が、怯えたように服の中に再度隠れてしまうのを見て、老人たちはコホンと咳払いをしてみせた。
「死体と血の後始末は、自らの罪を理解させるためにも、罪人たちにやらせてくださいませ」
「彼等のおかげで王宮は血生臭くなるばかりだ」
苦笑交じりにディルクが言えば、
「自国の防衛を改めるべきではありませんかな」
ディルクは微笑みを浮かべたままで黙りこんだ。 自己の正当化、見下し、侮蔑、国から逃げ出す者達に対して責任のないかのように語る言葉。
聖国の者達の大半が、国から逃げ出したくなる環境を作る聖女が悪いのだと言って効かない。 逃亡に対して罪悪感を抱かない。 豊穣の神の加護を持たぬ聖女ゆえに、秩序と法の聖女であるにもかかわらず、その厳しさをもって悪の聖女とさえ民に言われている。
神の加護を持つ聖女がいるからこそ、魔力生物と呼ばれる生物を国から排除しており、凶悪な魔物に人が襲われる心配がないという利点があることも理解していない。 だが、これはあくまで聖国側の視点である。
魔力生物に関しての見解の違いから、クライン国と聖国の間には、大きな隔たりがあった。
隣国は聖女信仰の性質上、竜を魔物の1種類としてしかとらえていない。 クライン国のように人と友好関係を築ける魔物を幻獣として特別なものとすることはない。 魔物と呼ばれる魔法生物は、神の作り出した汚点として全て排除すると言うのが聖国の正義なのだ。
故に、クライン国の貴族・王族は、聖国へと立ち入ることが出来ない。 聖国の者はクライン国の者を魔物のように見下し下げずむため、酒聖女の追放先として選ばれたのだ。
ディルクは心の中で父である、廃人となった王を責めていた。
オマエが、甘い態度で隣国を受け入れたのが全ての悪い。 力を借りたいと言われれば、魔物と呼ばれていた事を忘れ、考えを改めてくれたとホイホイと喜んで見せた。 厄介者を押し付けられても、ようやく理解を得た、友好関係を築いてくれたと喜んだ。
馬鹿だ……。
『人を悪く見れば悪くかえる。 優しくすれば優しくしてもらえる。 オマエが冷たくされるのは、オマエに問題があるのではないのか?』
憐れむように自分に言った顔を思い出せば、今でも怒りがこみあげてくる。
偽善者が!! そのままクタバレ! ディルクは父王を殺したいほどに憎んではいたが、王位につきたくないと言う理由で生かしているにすぎなかった。
「食事の場へとご案内します」
涼やかな容姿をしたロイスが、老人神官達に告げれば、老人たちはロイスの後を行く。 ディルクは足を止め、年配の騎士を招き1通の聖国神殿の管職図を手渡した。
「各機関から情状酌量を求めるあったものを中心に、聖国からの逃亡に手を貸した首謀者を白状するよう促せ。 有益な情報をもたらせば、家族もろとも亡命を許可しこの国の正式な民として認め、聖女の罰からの開放をすると伝えよ。 ただし、竜を馬鹿にするような相手と判断したなら、容赦する必要はない」
「はっ」
そしてディルクはロイスと老人神官を追った。
食事として移動する先には、王宮奪還の惨劇を氷漬けのままで保存した広間へと向かった。 実際には血の跡こそそのままだが、ぐちゃぐちゃに踏みつぶされた鎧の中身は、既に処理が行われていた。
「うっ……このような汚れた場所を、使者である我らに見せるとは、非常識にも程があるのではないかね!!」
老人の1人が怒り出した。
怒りはするが、その状況に嫌悪や吐き気を見せることはない。 彼等にとっては、それが見慣れた景色なのだろうと、想像すればロイスは品の良い顔をゆがめた、怒りを抑え込みながら言葉を吐きだした。
「これらすべては、貴国の者の簒奪行為によって犠牲になった我が国の者達です。 聖女によって洗脳され、心も肉体も全て踏みつぶされた者達の記録と言えるでしょう」
ロイスの言葉に、護衛の1人の視線が揺らぎ、首筋にうっすらと糸のような赤い筋が見えた。 それでも老人たちは一切の狼狽を見せることはない。
「たかが、小娘1人制御できなかった。 この国の者達のふがいなさが招いたものだろう。 その罪はそなたらの罪だ」
ロイスが声を荒げそうになった時、ディルクが現れた。
「なかなかの絶景でしょう。 うちの騎士達は体力も力もあり頑丈でね。 こんな面白い光景は二度と出来ないだろうと思って保管しているのですよ」
気の狂った発言を、穏やかで優しそうな微笑みと共にするディルクを老人たちは振り返る。 待ってましたとばかりに、ディルクに近寄り、人の好い笑みを向けて話しかけた。
「先ほどの竜の姫君の歌は本当にお見事でした」
「天女のごとき歌声、あれならば我が神も特別な寵愛をお与えになる事でしょう」
「我らに撫でさせてはもらえぬだろうか?」
ザワリとディルクの怒気が立ち上り、老人たちが破裂した。
「殿下!!」
「しまったなぁ……」
ディルクは頭をかきながら少し考えこんだ。
「服を着ていない俺の妻を、撫でさせろと言ってきたのだから、これは罪だよな?」
「まぁ……発言だけなので、ギリセーフだと思いますけど」
「可愛いティアを嫌らしい目で見ていたから、アウトだ」
「内面の欲望まで、罪にできませんよ」
「きっと、自国に連れ帰って飼おうとしたにきまっている」
「妄想です」
「きっと、そうに違いない。 よし、そう言う罪でOKだ。 聖国にはソレで通そう。 もともと酒の聖女と裏で手を組んでいただろう人物を寄越せと言っていたのだ。 向こうだって罪人であることは想定済だろう!」
「強引な……」
ロイスが呆れたように溜息をついたが、実際にディルクの発言で通すしかない。
「という事で通すためには、護衛達にも死んでもらう必要があるのだが?」
「ひぃ、あぁぁあああ余計な事は口にしません。 だから、命だけは……」
「そうかそうか、オマエは物分かりがよく見どころがある。 ついでといっちゃぁなんだが、あの3人の行動を、オマエが悪だと感じた行動を教えてくれたなら。 オマエをこの国の民として認めてやってもよいんだがなぁ」
身勝手に、聖国の民を自国に取り込んでいっているように見えるが、今回の断罪劇を行うにあたり、聖国の法聖女と法王とは多くの取り決めを行っていた。
1.罪人の追放として酒聖女を送り込んできた事、罪人の存在を秘密にしたこと、それらの後始末として酒聖女の身柄を聖国において処理する。
2.王宮に入り込み、国を混乱に貶めた者の扱いは2種類とする。
a友好関係を築いた者は、竜の民とする。
b竜の民を見下している者は、送り返す。
3.王都以外に流入している聖国の民に関しては、基本的にクライン国の民を『トカゲ人間』と見下し横暴を尽くす傾向がみられるため、例外なく聖国へと送り返す。(両国の人間たちの間に子が生まれた場合は? という問題もあったが、聖国側の激しい差別意識により両国の血を引く子供は生まれていない)
4.クライン国は、聖国側の裏切り者調査に対して協力を行う。
5.クライン国側での罪が大きい場合は、クライン国側での処罰を許可する。
6.2-aにおいて、有益性のある人材をクライン国の民にする場合には、1人につき米、麦、イモ、豆、いずれか100kgと交換を行う。
少々、クライン国側が不利と思われる契約ではあるが、流民を国にとどめる面倒を考えるなら、多少の不利は飲み込もうと決定した。 ただし、聖国側は、クライン国の妥協を、自国優位な立場と勘違いする者も多く、交渉時には予断を許さない状況が続いている。
そして断罪劇から数日後。
クライン国から罪人の罪を記した書状と共に、酒聖女をはじめ、価値が無いとされた罪人たちが送り返された。 庶民に紛れた聖国の民は日々捕獲されて、一定人数が溜まった時点で送り返されると言う行為が続いていた。
この搬送が終了した暁には、人食いを好む魔物たちに聖国の民を食べても討伐対象としないという交渉を、ディルクは持ちかけることとなる。
そして、護衛が6名。
多くのものが罰せられる間、彼等は退屈な観劇でも見させられるかのような不満を隠す事はなかった。 むしろ罪人として裁かれる者達に嫌悪?侮辱?それとも敵意? そんなものに近い感情が瞳にやどっていたような気すら見せていた。
「どうか、どうかお助け下さい」
声が掛けられれば、その者に蹴りを入れる始末。
「隣国逃げておきながら、その地を尊重することもできず、国の中枢に入り込み尊厳を踏みつぶした罪をシッカリと償うがいい」
軽蔑の混ざった冷ややかな視線
「そんな!! 我々には罪を認め、罰を受け、償いをすると機会も与えられないのですか!お願いです」
そう叫ぶ者達の首には、ぐるりと1周巡るように水ぶくれが出来ていた。
「聖女殿は、国を捨てたそなたらを助ける気はないのだ。 だから裁く者を寄越さなかったのじゃ、諦めるがいい」
「お前がぁああああ!!」
罪人として並び座っている1人が、大声で叫び老人神官に襲い掛かろうとすれば、護衛は躊躇なくその男を切り捨てた。 あたりに血が飛び散り、共に国を出てきた仲間たちの上に降り注いだ。
「きゃぁああああああああああ!!」
「うわぁあああ」
叫びと混乱が起こる!!
「遠慮していただけますかな? 確かに彼等の所属は聖国にありますが、罪を裁くべきは迷惑をこうむった当方にあるのですから」
ディルクの言葉に、老人神官は冷ややかな侮蔑の表情から人の好い笑みへと表情を変えた。
「これは申し訳ない。 ですが、彼等は我が国を出た事で先に罪人となっているのです」
食事と言われて顔を出しディルクの肩に止まるように、腕にすがりつくように戯れていた小さな竜が、怯えたように服の中に再度隠れてしまうのを見て、老人たちはコホンと咳払いをしてみせた。
「死体と血の後始末は、自らの罪を理解させるためにも、罪人たちにやらせてくださいませ」
「彼等のおかげで王宮は血生臭くなるばかりだ」
苦笑交じりにディルクが言えば、
「自国の防衛を改めるべきではありませんかな」
ディルクは微笑みを浮かべたままで黙りこんだ。 自己の正当化、見下し、侮蔑、国から逃げ出す者達に対して責任のないかのように語る言葉。
聖国の者達の大半が、国から逃げ出したくなる環境を作る聖女が悪いのだと言って効かない。 逃亡に対して罪悪感を抱かない。 豊穣の神の加護を持たぬ聖女ゆえに、秩序と法の聖女であるにもかかわらず、その厳しさをもって悪の聖女とさえ民に言われている。
神の加護を持つ聖女がいるからこそ、魔力生物と呼ばれる生物を国から排除しており、凶悪な魔物に人が襲われる心配がないという利点があることも理解していない。 だが、これはあくまで聖国側の視点である。
魔力生物に関しての見解の違いから、クライン国と聖国の間には、大きな隔たりがあった。
隣国は聖女信仰の性質上、竜を魔物の1種類としてしかとらえていない。 クライン国のように人と友好関係を築ける魔物を幻獣として特別なものとすることはない。 魔物と呼ばれる魔法生物は、神の作り出した汚点として全て排除すると言うのが聖国の正義なのだ。
故に、クライン国の貴族・王族は、聖国へと立ち入ることが出来ない。 聖国の者はクライン国の者を魔物のように見下し下げずむため、酒聖女の追放先として選ばれたのだ。
ディルクは心の中で父である、廃人となった王を責めていた。
オマエが、甘い態度で隣国を受け入れたのが全ての悪い。 力を借りたいと言われれば、魔物と呼ばれていた事を忘れ、考えを改めてくれたとホイホイと喜んで見せた。 厄介者を押し付けられても、ようやく理解を得た、友好関係を築いてくれたと喜んだ。
馬鹿だ……。
『人を悪く見れば悪くかえる。 優しくすれば優しくしてもらえる。 オマエが冷たくされるのは、オマエに問題があるのではないのか?』
憐れむように自分に言った顔を思い出せば、今でも怒りがこみあげてくる。
偽善者が!! そのままクタバレ! ディルクは父王を殺したいほどに憎んではいたが、王位につきたくないと言う理由で生かしているにすぎなかった。
「食事の場へとご案内します」
涼やかな容姿をしたロイスが、老人神官達に告げれば、老人たちはロイスの後を行く。 ディルクは足を止め、年配の騎士を招き1通の聖国神殿の管職図を手渡した。
「各機関から情状酌量を求めるあったものを中心に、聖国からの逃亡に手を貸した首謀者を白状するよう促せ。 有益な情報をもたらせば、家族もろとも亡命を許可しこの国の正式な民として認め、聖女の罰からの開放をすると伝えよ。 ただし、竜を馬鹿にするような相手と判断したなら、容赦する必要はない」
「はっ」
そしてディルクはロイスと老人神官を追った。
食事として移動する先には、王宮奪還の惨劇を氷漬けのままで保存した広間へと向かった。 実際には血の跡こそそのままだが、ぐちゃぐちゃに踏みつぶされた鎧の中身は、既に処理が行われていた。
「うっ……このような汚れた場所を、使者である我らに見せるとは、非常識にも程があるのではないかね!!」
老人の1人が怒り出した。
怒りはするが、その状況に嫌悪や吐き気を見せることはない。 彼等にとっては、それが見慣れた景色なのだろうと、想像すればロイスは品の良い顔をゆがめた、怒りを抑え込みながら言葉を吐きだした。
「これらすべては、貴国の者の簒奪行為によって犠牲になった我が国の者達です。 聖女によって洗脳され、心も肉体も全て踏みつぶされた者達の記録と言えるでしょう」
ロイスの言葉に、護衛の1人の視線が揺らぎ、首筋にうっすらと糸のような赤い筋が見えた。 それでも老人たちは一切の狼狽を見せることはない。
「たかが、小娘1人制御できなかった。 この国の者達のふがいなさが招いたものだろう。 その罪はそなたらの罪だ」
ロイスが声を荒げそうになった時、ディルクが現れた。
「なかなかの絶景でしょう。 うちの騎士達は体力も力もあり頑丈でね。 こんな面白い光景は二度と出来ないだろうと思って保管しているのですよ」
気の狂った発言を、穏やかで優しそうな微笑みと共にするディルクを老人たちは振り返る。 待ってましたとばかりに、ディルクに近寄り、人の好い笑みを向けて話しかけた。
「先ほどの竜の姫君の歌は本当にお見事でした」
「天女のごとき歌声、あれならば我が神も特別な寵愛をお与えになる事でしょう」
「我らに撫でさせてはもらえぬだろうか?」
ザワリとディルクの怒気が立ち上り、老人たちが破裂した。
「殿下!!」
「しまったなぁ……」
ディルクは頭をかきながら少し考えこんだ。
「服を着ていない俺の妻を、撫でさせろと言ってきたのだから、これは罪だよな?」
「まぁ……発言だけなので、ギリセーフだと思いますけど」
「可愛いティアを嫌らしい目で見ていたから、アウトだ」
「内面の欲望まで、罪にできませんよ」
「きっと、自国に連れ帰って飼おうとしたにきまっている」
「妄想です」
「きっと、そうに違いない。 よし、そう言う罪でOKだ。 聖国にはソレで通そう。 もともと酒の聖女と裏で手を組んでいただろう人物を寄越せと言っていたのだ。 向こうだって罪人であることは想定済だろう!」
「強引な……」
ロイスが呆れたように溜息をついたが、実際にディルクの発言で通すしかない。
「という事で通すためには、護衛達にも死んでもらう必要があるのだが?」
「ひぃ、あぁぁあああ余計な事は口にしません。 だから、命だけは……」
「そうかそうか、オマエは物分かりがよく見どころがある。 ついでといっちゃぁなんだが、あの3人の行動を、オマエが悪だと感じた行動を教えてくれたなら。 オマエをこの国の民として認めてやってもよいんだがなぁ」
身勝手に、聖国の民を自国に取り込んでいっているように見えるが、今回の断罪劇を行うにあたり、聖国の法聖女と法王とは多くの取り決めを行っていた。
1.罪人の追放として酒聖女を送り込んできた事、罪人の存在を秘密にしたこと、それらの後始末として酒聖女の身柄を聖国において処理する。
2.王宮に入り込み、国を混乱に貶めた者の扱いは2種類とする。
a友好関係を築いた者は、竜の民とする。
b竜の民を見下している者は、送り返す。
3.王都以外に流入している聖国の民に関しては、基本的にクライン国の民を『トカゲ人間』と見下し横暴を尽くす傾向がみられるため、例外なく聖国へと送り返す。(両国の人間たちの間に子が生まれた場合は? という問題もあったが、聖国側の激しい差別意識により両国の血を引く子供は生まれていない)
4.クライン国は、聖国側の裏切り者調査に対して協力を行う。
5.クライン国側での罪が大きい場合は、クライン国側での処罰を許可する。
6.2-aにおいて、有益性のある人材をクライン国の民にする場合には、1人につき米、麦、イモ、豆、いずれか100kgと交換を行う。
少々、クライン国側が不利と思われる契約ではあるが、流民を国にとどめる面倒を考えるなら、多少の不利は飲み込もうと決定した。 ただし、聖国側は、クライン国の妥協を、自国優位な立場と勘違いする者も多く、交渉時には予断を許さない状況が続いている。
そして断罪劇から数日後。
クライン国から罪人の罪を記した書状と共に、酒聖女をはじめ、価値が無いとされた罪人たちが送り返された。 庶民に紛れた聖国の民は日々捕獲されて、一定人数が溜まった時点で送り返されると言う行為が続いていた。
この搬送が終了した暁には、人食いを好む魔物たちに聖国の民を食べても討伐対象としないという交渉を、ディルクは持ちかけることとなる。
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