【R18】薬師の魔女は、愛する公爵の愛を信じられない【完結】

迷い人

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恋する魔女

04.私は悪い魔女 03

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 愛おしくて仕方がないのだと隠すことも無く髪に触れ、髪を梳くように撫で続けた。 荒くれた戦場に1年の大半は身を置いているにもかかわらず、触れた髪は柔らかい。 幼い子にするように髪を撫で続ければ、本人は気づいていないのだろうか? もっと撫でて欲しいと頭を寄せ、頬を摺り寄せてくる。

 綺麗で、恰好良くて……情が深くて……カワイイ方。

 頬を撫で、額に口づけ、目元に口づける。

 潤んだ瞳が熱っぽく欲求を露わにしてくるけれど、私はそれに気づかぬふりをして、身体に触れた。 熱く固い胸板を撫で首筋に口づけ、ゆっくりと舌を這わせる。

「はぁ……」

 熱い吐息が零れた。

 私は身体を浮かせ体の位置を変え。 その腰のあたりをまたぐように腰を落とせば、ディック様がひそかに息を飲むのが分かった。 ローブを開き現れたのは日に焼けよく鍛えられた胸元と腹部に残る新しい傷跡。

「また、こうして傷をつけてくる……」

 拗ねたように言えば、苦笑交じりで返される。

「すまない」

 チュッと肌に口づけ、舌を這わせる。 甘くゆっくりと丁寧に魔力を練り込み、その傷の回復を願いながら。

「他の者にもこのようにしているのか?」

 険のこもった声に私は笑って返す。

「まさか、私が魔女である事は秘密だと言ったのは公爵様ではありませんか。 それに、私の技は今だ未熟……他の方に治療を施す甲斐性などありませんよ」

 これは嘘……曾祖母が殺される半年前11の年には、曾祖母に一人前として認められ12の年には魔法薬師協会に正式な登録を行う予定だった。

「そのように、イヤラシイ顔を他にも見せているのかと思えば、心配になる」

 意地悪くニヤリと笑われ、私は羞恥に熱を持った。

「私は、ただ、施術を!!」

 必死に誤魔化し、顔を背けた。

 年と共に強くなる欲情は、そろそろ無邪気で誤魔化しきる事が出来なくなったのか、時折こうやって牽制されるようになってきていた。

「あぁ、そうだな……そう、慌てるな」

「慌ててなど!!」

「猫の子のように爪を引っかけているが」

「ぁ、ご、ごめんなさい」

「いや、少しばかり擽ったいだけだ」

 そう言われた通り、彼の肌には新しい傷は1つもない。 身体の脇の部分を手で撫でるように触れてみれば、それはそれで擽ったいらしく、身じろぎをしていた。

「な、にをする」

「いえ……普通に触る程度では何も感じないのかな? と」

「それは、生きていくのにとても危険ではないかな?」

 溜息交じりに言われた。

「それも、そうですねぇ……」

 口づけは傷を癒しながら、心臓部分まで移動する。

「公爵様、よろしいですか?」

「あぁ」

 さわさわと指先で身体を撫で、身体に馴染ませた魔力を介在に、魔力を伸ばし、身体に負担を与える毒素を一気に取り出せば、小さな呻きと共にディック様は意識を飛ばした。

 私は意識が無い事を良いことに、その素肌に身を寄せ……そして口づける。 チュッと軽い音をならし、舌先で味わうように唇を舐めた。

 どうにも卑怯な気がするが、未だ婚約者も居ないとはいえ、今年28にもなろうと言う健康な男子だ。 それなりに、私の知らないところで色々済ませているだろうから、キスの1度や2度に傷物にされたなどと騒ぎだす事はないだろう。

 そんな言い訳をしながら、広い胸板に唇を落とす。 チュッと音を立て、甘く噛み、舌を這わせ、隆起する小さな胸の飾りを指先で触れれば、既にそこは欲情を表すように固くなっていた。 面白がるように舌先で舐れば、小さな吐息と共に急に抱きしめられた。

 拘束が解かれた?!

 油断していた……と言うか、元々それだけの力があるだけか? それでも、私を抱きしめる腕は、私を抱きつぶすようなことはなく、ただ、やり返すように肌をまさぐってくる。

「ぁっ、ん」

 甘い声が漏れ出て、慌てて口を閉ざし、視線だけでディック様を見たがどうやら寝ぼけているらしい……。 手を押しのけ逃げようとすればするほど、器用に絡みついてきて、スカートをめくり太腿が撫でられ、その手は上に上がってきた。

「だ、ダ……め」

 拒絶の言葉は口の中に指を入れられ塞がれる……。 右手ではショーツの上から秘部に触れられた。

「ぁ、ひっ」

 なんで、そんなところに障るんですか!!

 泣きたくなるような混乱を無視して、首筋に甘く噛みつかれ、吸われ……追いやられ、口を塞いでいた手が、胸元へと移動した瞬間……。 眠りを深くする魔法を使い、私はその腕から脱した。



 リーリヤが読んだ物語では口づけ以上が書かれていない……。
 性的知識を手に入れる伝手が無い。

 寝てる相手にできるのは、少しの悪戯程度なのだ……。



「なんだか……」

 勿体ないような、不毛なような……私は複雑な気持ちで部屋を出る。
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