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25.異母妹との間に広がる確執
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ルークは、姉の療養先、そして祖母の避難先を探してくれるよう願ってくれると言ってはいましたが、それは、3日経っても4日経っても返事はなく、既に10日が経過しようとしていた。
下働きのネズミの限界というところでしょうか?
その間、私は祖母から礼儀作法を学び、祖母には老いても快適に過ごせるよう簡単な魔力調整を覚えて頂き、朝食は私が私の準備をすると言う事で了承を受け同席し、昼と夜は、自由に食事をさせてもらう許可を得ることができました。
代わりと言うものではありませんが、礼儀作法のお披露目と言うことで、祖母が古い知人を集め茶会をするから、準備をするようにと申し付けられました。
招待状の準備、予定とされる時期の気候などを配慮した舞台設定、季節に相応しい菓子と茶の準備。 招待状は多めに100近くだすことにしたのですが、エミリーは不満だったようです。
「我が家の状況を分かっているのですか!!」
「使用人に邪魔をさせないようにさえしていただければ、何かが起こった際の責任は、私が行わせて頂きますわ」
そう胸を張って言えたのは、いくら祖母名義の招待であっても、家と関わることを拒否する者が多いだろうと考えたため、祖母自身の御友人方々が参加したくとも、公爵にたてつく者と言われるのが嫌で、大半の者が欠席の意志を伝えるだろうと考えたためです。
そして、実際に参加の返事を寄越したのは7名のみ。
寂しく、切なく、悲しい、とその魔力を奏でる祖母に、私は言う。
「こんな状況で、お茶会に応じてくれた相手です。 きっと長く良い付き合いが出来るはずですわ」
そんな私の言葉を遮りエミリーは叫ぶように言ってきた。
「まったくノンキな事ですわ。 100の招待状に付き人を増し200の人が来る可能性だってあったと言うのに、今のうちではそのような」
「そのようなことになっていないのだから、お黙りなさい」
祖母に言われエミリーは口を閉ざし、溜息をついて見せた。
「まったく、どのようにしてお婆様を懐柔したと言うのかしら……。 お姉様、今からフリーダお姉様のお見舞いに行こうと考えておりますの。 お姉様もご一緒しませんか?」
何か、思惑があるのだろうことは、数日間を共に暮らしていれば、対人関係が苦手な私であっても自然と理解できるものです。
「ご一緒いたしましょう。 では、祖母様、失礼させて頂きます」
私は落ち着いた様子で頭を下げれば、
「お茶の時間までには戻ってきなさい。 出席の御返事と共に頂いたお茶を淹れて頂戴」
「はい」
今となっては、祖母が私を教育するため側においているのか、私を信頼しているから側においているのか分からない状態。 その様子が如実になるにつれエミリーはイライラし、イライラするものの私に対して嫌がらせをすることが出来ない。 そんな日々が続いているかのように思われました。
下働きのネズミの限界というところでしょうか?
その間、私は祖母から礼儀作法を学び、祖母には老いても快適に過ごせるよう簡単な魔力調整を覚えて頂き、朝食は私が私の準備をすると言う事で了承を受け同席し、昼と夜は、自由に食事をさせてもらう許可を得ることができました。
代わりと言うものではありませんが、礼儀作法のお披露目と言うことで、祖母が古い知人を集め茶会をするから、準備をするようにと申し付けられました。
招待状の準備、予定とされる時期の気候などを配慮した舞台設定、季節に相応しい菓子と茶の準備。 招待状は多めに100近くだすことにしたのですが、エミリーは不満だったようです。
「我が家の状況を分かっているのですか!!」
「使用人に邪魔をさせないようにさえしていただければ、何かが起こった際の責任は、私が行わせて頂きますわ」
そう胸を張って言えたのは、いくら祖母名義の招待であっても、家と関わることを拒否する者が多いだろうと考えたため、祖母自身の御友人方々が参加したくとも、公爵にたてつく者と言われるのが嫌で、大半の者が欠席の意志を伝えるだろうと考えたためです。
そして、実際に参加の返事を寄越したのは7名のみ。
寂しく、切なく、悲しい、とその魔力を奏でる祖母に、私は言う。
「こんな状況で、お茶会に応じてくれた相手です。 きっと長く良い付き合いが出来るはずですわ」
そんな私の言葉を遮りエミリーは叫ぶように言ってきた。
「まったくノンキな事ですわ。 100の招待状に付き人を増し200の人が来る可能性だってあったと言うのに、今のうちではそのような」
「そのようなことになっていないのだから、お黙りなさい」
祖母に言われエミリーは口を閉ざし、溜息をついて見せた。
「まったく、どのようにしてお婆様を懐柔したと言うのかしら……。 お姉様、今からフリーダお姉様のお見舞いに行こうと考えておりますの。 お姉様もご一緒しませんか?」
何か、思惑があるのだろうことは、数日間を共に暮らしていれば、対人関係が苦手な私であっても自然と理解できるものです。
「ご一緒いたしましょう。 では、祖母様、失礼させて頂きます」
私は落ち着いた様子で頭を下げれば、
「お茶の時間までには戻ってきなさい。 出席の御返事と共に頂いたお茶を淹れて頂戴」
「はい」
今となっては、祖母が私を教育するため側においているのか、私を信頼しているから側においているのか分からない状態。 その様子が如実になるにつれエミリーはイライラし、イライラするものの私に対して嫌がらせをすることが出来ない。 そんな日々が続いているかのように思われました。
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