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終章
59.王太子殿下の謀叛
ヒュブリス騎士団団長執務室を前。
賢者宅の押収品調査を終えた隊員たちは、調査報告書を手に扉の前でうろうろしていた。
「アナタ方は動物園の猿ですか」
一応、王都内にも小さいが動物園と言う子供を対象とした娯楽施設はある。 時折、ただ飯を食いに魔物が混ざっているため、魔物排除に出向くヒュブリス騎士団には比較的なじみのある場所であり、落ち着きの無い猿のようだと言われた隊員たちは、不機嫌になる程度には右往左往する猿の姿を見知っていた。
だが、振り返りアイザックの姿を確認すると同時に、苦情と反論を諦めた。
「調査報告書が出来たのですが……」
「中に入るのが怖いと?」
戦場で散々狂暴化状態のパーシヴァルを見てきたが、それはあくまで敵に向けられるものであり、今のパーシヴァルは感情の矛先を見失っている状態。 万が一機嫌を損ねればと考えると恐怖であった。
「仕方がないですねぇ~。 僕がつきあってあげますよ」
ソレはソレで後が恐ろしいと考えつつも、彼等はアイザックを頼るしかなかった。
ノックをすれば、ルーカスによる返事が返る。 最近は24時間体制でパーシヴァルの側についているルーカス。 慣れとはすごいものである。
いや、そもそもスルースキルが高いのか?!
自分よりも背が低く肩幅も狭いアイザックの後ろに隠れるようにする騎士達は、内心困惑していた。
「何をしているんですか? ボス?」
アイザックの視線の先には、お手製のシヴィルヌイグルミを抱きしめボンヤリしているパーシヴァルの姿があった。
「触れないでやってください」
ルーカスが遠くを眺めながら言う。
狂暴化状態のパーシヴァルを想像していた騎士達は戸惑っていた。 戦場ではパーシヴァルの後ろを必死についてきた者達だ。 ヌイグルミを抱きしめ溜息をつくパーシヴァルの姿に困惑しない訳がない。
見たくはなかった。
いや、見なかったことにしようと決意した。
団長の名誉は、俺達が守らなければ!
だが、全てがそのような配慮をするわけではない。
「アレは? 何を抱きかかえている訳?」
「なんでしょうね?」
はははっはははとルーカスは空笑い、そしてガックリと頭を下げてボソボソと話しだす。
「うちの上司無駄に器用なんですよね。 一時貧乏を極めたせいでしょうか……自分でシヴィル人形なんか作りだしたんですよ」
既に呪いである。 シヴィルに対してではなく、人形を抱えて呆けている姿を見る部下に対しての。
「どうせ、縫うなら先生が戻ってきたときに着せるドレスでも縫えばいいのに、もし僕にそんな器用さがあったなら、妻にあんな服や、こんな服を着せる事ができるのに!! なんで、こんな才能の無駄遣いをする奴に、こんな才能まで神はあたえるんだ!!」
何故か怒りだすアイザックへ、視線が集まる。
アンナとかコンナとか、聞きたいような聞きたくないような。 いや聞いてないふりをするのが正解だろう。 屈強であるはずの騎士達が泣きたそうな顔でルーカスに救いを求めた。
耐えろ……
ルーカスは音を出さずに命じる。
パーシヴァルはユックリと、アイザックへと視線をうつした。 その瞳には光が戻っていた。
「詳しく聞こう……」
残念ながら、ヒュブリス騎士団内には……いや、この国には、パーシヴァルとアイザックを止めるものなどいない……。 せめてルーカスが、部下たちが出来るのは、(あらゆるものと)混ぜるな危険、いや、あらゆるものを混ぜ合わせてしまうミランダを、混ぜないようにすることが精一杯というところだろうか?
王宮では最近、他国からの賓客が続いる。
賓客の多くがパーシヴァルと、彼の率いるヒュブリス騎士団との面会を求めてきたが、分け隔てなく断られていた。 その理由を他国の者が知ることはない……。
今、彼等が住まう大陸内では、賢者が暗躍している。
魔力回路異常者の数はソレほど多いものではなかった。 だが、幼少期の脆弱さとは打って変わり、大人になってしまえば、只人よりも長命である。 ソレに加え人為的に魔力回路異常者を生み出す技術を手に入れたことから、ここ数十年、魔女に保護されない魔力回路異常者が増加していた。
賢者たちは勢力を増やすと同時に、ナイジェルのように王位に手の届く子供に対し、魔力回路異常を強制的に発生させ、手を差し伸べ、時間をかけて傀儡とする。
近隣国では、既に2国が落とされたと、亡命希望者である国政に関わっていた者達が状況を語った。
賢明な王を持ち、王子を持つものは幸いであったが、それでも魔力回路異常者……いわゆる超人を人為的に作り出すことが出来るというのは、大きな問題とされ比較的混乱の少ない、いや混乱を既に納めたルーベンス国に、助力を頼みにくる者達が増えていたのだ。
「陛下……」
機嫌の悪い国王陛下に、禿げあがりそうな思いと勢いで、賓客との面会を望む官僚達。
「周辺諸国で我が国をはめ込み、長く戦争へと追い詰めていた国が助力を求めるなど、不愉快だ!!」
言われる事は確かだが、本音は『私と王妃の時間をコレ以上奪うな』である事を官僚達は知っている。 そして、こうなった陛下は、何をもってしても動くことが無い。 ソレを知っているだけに、官僚達は渋い顔をした。
「そうおっしゃいますが、その近隣国が賢者たちに乗っ取られては、結局は我が国に攻め込まれるだけですぞ! 陛下!!」
「煩い!! 頼られるばかりで我が国になんの利益がある? 対応できるだけの人脈を備えてこなかった、その国の問題だろう!! 助けてくれ助けてくれというばかりでなく、こちらから手を差し伸べたくなる条件を提示しろと伝えておけ!!」
王妃第一に散々人材を消耗してきた陛下が言うな!! 官僚達はそう思った。 思ったからこそ口を噤んだ。
溜息交じりに補佐としてと言うべきか、職務放棄がはなはだしい国王の代わりに業務を行っていたライオネルが、顔を上げた。 決してミランダに執務室を奪われた訳ではない。
「父上、もはや只人だけで対処する段階は終えているのでは、ありませんか? 他国の要求には、我が国の将軍を、将軍が率いる騎士団を貸し出すようにと言うものもあり、直接将軍と交渉に当たろうと密使が送られていると言います」
「まさか……魔女と連絡を取らない事を根に持って……」
魔女は世界に干渉しない。
とはいえ、連絡方法がない訳ではなく、その唯一の連絡手段を持つのが国王であり、ライオネルは早い段階で魔女への連絡を取って欲しいと父王へと懇願した。 だが……魔女は、怖いから嫌いだという子供のような理由から拒否された。 そしてほとんどの国の国王が、彼と同じ反応を示していた。
そもそも、魔女組織は魔力回路異常者の救済として誕生したのだから、ソレを排除しようとした社会との関係性は決して良くはない。 国もまた膨大な力を持つ魔女達を危険として嫌悪している。 とはいえ……関係を完全に遮断してしまえば、疑心暗鬼を覚えるというもの。 だから国王と魔女との間にホットラインが引かれていたのだが……実際にソレを利用しようとする国王は居ないらしい……。
見えざる恐怖。 いや、見えていても恐怖か……と考えながら、ライオネルは渋い顔をする。
「まさか、本人がそれを知っていたなら。 ここはすでに廃墟と化しているか、父上は血に染まりながら魔女に連絡をとっていたことでしょうよ。 父上が母上のことになると容易に人の首を落とさせますが、アレは自力でソレをやってしまいますから」
ライオネルの言葉に国王はようやく気付いた。 いや、思い出した。 パーシヴァルは国王の国の飼い犬ではなく、魔女と同じ存在であると。
国王は、パーシヴァルと言う存在に心の底から恐怖を抱いた。
そもそも他国が脅威を感じ助力を求めている状況、いや既に国が乗っ取られている状況で、我が国が安泰なのはあの将軍のおかげであるが……言い換えれば、国を乗っ取る勢力以上に恐ろしい存在であると言えないだろうか?
「ぁあああ、あの者を……将軍のための特別な罪を作れ」
震えながら国王陛下は言う。
「はっ?」
聞き間違えかと、周囲が間抜けな声をあげる。
「将軍に罪を! そしてこの世から消し去れ!!」
国王陛下は王妃が関わると人の命を安易に奪い過ぎていた。 そうでない時、通常時であるなら国王は臣下を民を尊重していた。 という訳ではない。 興味がなかった。 ただ、それだけであり、国王陛下にとって王妃以外は、王妃との愛情を理解し尊いとする者以外の命は、等しくゴミ以下だった。
官僚達は、
あり得ない! と叫ぶ。
この国の英雄ですよ?! と問う。
無理だ!! 叫び訴える。
「私の言う事をきけぬのか!! 国の頂点である私の言うことをきけぬなら、それは謀叛だ、国に対する逆賊だぞ!! 兵よ、こやつらを捕えろ!!」
誰もが救いを求めた。
ライオネルに……。
「国王陛下がご乱心だ……、お休み頂くよう手配をするように」
「ななななななな、何を考えている!! 国を乗っ取るつもりか!!」
「乗っ取りなどする必要は、ありませんよ。 放っておけば何れ私のものになるのですから、もっと早くこうしておけばよかった。 父だ母だと、愚かなあなた方を放置してしまった。 それは私の罪と言えるでしょう。 これからはお二人仲良く別荘地で静かに余生を送りください」
「……」
元国王陛下は黙り込んだ。
息子の謀叛に対する怒りでではなく「それもいいんじゃね?」等と考えたからである。
そしてライオネルは長く父に仕えた侍従長に冷ややかに告げる。
「各国に会議への出席を求める書状を準備してください」
「はっ!!」
前国王陛下が急の病に倒れたため、王太子殿下ライオネルが国王の座についたことが告知され、ルーベンス国は静かに代替わりを終えることとなる。
賢者宅の押収品調査を終えた隊員たちは、調査報告書を手に扉の前でうろうろしていた。
「アナタ方は動物園の猿ですか」
一応、王都内にも小さいが動物園と言う子供を対象とした娯楽施設はある。 時折、ただ飯を食いに魔物が混ざっているため、魔物排除に出向くヒュブリス騎士団には比較的なじみのある場所であり、落ち着きの無い猿のようだと言われた隊員たちは、不機嫌になる程度には右往左往する猿の姿を見知っていた。
だが、振り返りアイザックの姿を確認すると同時に、苦情と反論を諦めた。
「調査報告書が出来たのですが……」
「中に入るのが怖いと?」
戦場で散々狂暴化状態のパーシヴァルを見てきたが、それはあくまで敵に向けられるものであり、今のパーシヴァルは感情の矛先を見失っている状態。 万が一機嫌を損ねればと考えると恐怖であった。
「仕方がないですねぇ~。 僕がつきあってあげますよ」
ソレはソレで後が恐ろしいと考えつつも、彼等はアイザックを頼るしかなかった。
ノックをすれば、ルーカスによる返事が返る。 最近は24時間体制でパーシヴァルの側についているルーカス。 慣れとはすごいものである。
いや、そもそもスルースキルが高いのか?!
自分よりも背が低く肩幅も狭いアイザックの後ろに隠れるようにする騎士達は、内心困惑していた。
「何をしているんですか? ボス?」
アイザックの視線の先には、お手製のシヴィルヌイグルミを抱きしめボンヤリしているパーシヴァルの姿があった。
「触れないでやってください」
ルーカスが遠くを眺めながら言う。
狂暴化状態のパーシヴァルを想像していた騎士達は戸惑っていた。 戦場ではパーシヴァルの後ろを必死についてきた者達だ。 ヌイグルミを抱きしめ溜息をつくパーシヴァルの姿に困惑しない訳がない。
見たくはなかった。
いや、見なかったことにしようと決意した。
団長の名誉は、俺達が守らなければ!
だが、全てがそのような配慮をするわけではない。
「アレは? 何を抱きかかえている訳?」
「なんでしょうね?」
はははっはははとルーカスは空笑い、そしてガックリと頭を下げてボソボソと話しだす。
「うちの上司無駄に器用なんですよね。 一時貧乏を極めたせいでしょうか……自分でシヴィル人形なんか作りだしたんですよ」
既に呪いである。 シヴィルに対してではなく、人形を抱えて呆けている姿を見る部下に対しての。
「どうせ、縫うなら先生が戻ってきたときに着せるドレスでも縫えばいいのに、もし僕にそんな器用さがあったなら、妻にあんな服や、こんな服を着せる事ができるのに!! なんで、こんな才能の無駄遣いをする奴に、こんな才能まで神はあたえるんだ!!」
何故か怒りだすアイザックへ、視線が集まる。
アンナとかコンナとか、聞きたいような聞きたくないような。 いや聞いてないふりをするのが正解だろう。 屈強であるはずの騎士達が泣きたそうな顔でルーカスに救いを求めた。
耐えろ……
ルーカスは音を出さずに命じる。
パーシヴァルはユックリと、アイザックへと視線をうつした。 その瞳には光が戻っていた。
「詳しく聞こう……」
残念ながら、ヒュブリス騎士団内には……いや、この国には、パーシヴァルとアイザックを止めるものなどいない……。 せめてルーカスが、部下たちが出来るのは、(あらゆるものと)混ぜるな危険、いや、あらゆるものを混ぜ合わせてしまうミランダを、混ぜないようにすることが精一杯というところだろうか?
王宮では最近、他国からの賓客が続いる。
賓客の多くがパーシヴァルと、彼の率いるヒュブリス騎士団との面会を求めてきたが、分け隔てなく断られていた。 その理由を他国の者が知ることはない……。
今、彼等が住まう大陸内では、賢者が暗躍している。
魔力回路異常者の数はソレほど多いものではなかった。 だが、幼少期の脆弱さとは打って変わり、大人になってしまえば、只人よりも長命である。 ソレに加え人為的に魔力回路異常者を生み出す技術を手に入れたことから、ここ数十年、魔女に保護されない魔力回路異常者が増加していた。
賢者たちは勢力を増やすと同時に、ナイジェルのように王位に手の届く子供に対し、魔力回路異常を強制的に発生させ、手を差し伸べ、時間をかけて傀儡とする。
近隣国では、既に2国が落とされたと、亡命希望者である国政に関わっていた者達が状況を語った。
賢明な王を持ち、王子を持つものは幸いであったが、それでも魔力回路異常者……いわゆる超人を人為的に作り出すことが出来るというのは、大きな問題とされ比較的混乱の少ない、いや混乱を既に納めたルーベンス国に、助力を頼みにくる者達が増えていたのだ。
「陛下……」
機嫌の悪い国王陛下に、禿げあがりそうな思いと勢いで、賓客との面会を望む官僚達。
「周辺諸国で我が国をはめ込み、長く戦争へと追い詰めていた国が助力を求めるなど、不愉快だ!!」
言われる事は確かだが、本音は『私と王妃の時間をコレ以上奪うな』である事を官僚達は知っている。 そして、こうなった陛下は、何をもってしても動くことが無い。 ソレを知っているだけに、官僚達は渋い顔をした。
「そうおっしゃいますが、その近隣国が賢者たちに乗っ取られては、結局は我が国に攻め込まれるだけですぞ! 陛下!!」
「煩い!! 頼られるばかりで我が国になんの利益がある? 対応できるだけの人脈を備えてこなかった、その国の問題だろう!! 助けてくれ助けてくれというばかりでなく、こちらから手を差し伸べたくなる条件を提示しろと伝えておけ!!」
王妃第一に散々人材を消耗してきた陛下が言うな!! 官僚達はそう思った。 思ったからこそ口を噤んだ。
溜息交じりに補佐としてと言うべきか、職務放棄がはなはだしい国王の代わりに業務を行っていたライオネルが、顔を上げた。 決してミランダに執務室を奪われた訳ではない。
「父上、もはや只人だけで対処する段階は終えているのでは、ありませんか? 他国の要求には、我が国の将軍を、将軍が率いる騎士団を貸し出すようにと言うものもあり、直接将軍と交渉に当たろうと密使が送られていると言います」
「まさか……魔女と連絡を取らない事を根に持って……」
魔女は世界に干渉しない。
とはいえ、連絡方法がない訳ではなく、その唯一の連絡手段を持つのが国王であり、ライオネルは早い段階で魔女への連絡を取って欲しいと父王へと懇願した。 だが……魔女は、怖いから嫌いだという子供のような理由から拒否された。 そしてほとんどの国の国王が、彼と同じ反応を示していた。
そもそも、魔女組織は魔力回路異常者の救済として誕生したのだから、ソレを排除しようとした社会との関係性は決して良くはない。 国もまた膨大な力を持つ魔女達を危険として嫌悪している。 とはいえ……関係を完全に遮断してしまえば、疑心暗鬼を覚えるというもの。 だから国王と魔女との間にホットラインが引かれていたのだが……実際にソレを利用しようとする国王は居ないらしい……。
見えざる恐怖。 いや、見えていても恐怖か……と考えながら、ライオネルは渋い顔をする。
「まさか、本人がそれを知っていたなら。 ここはすでに廃墟と化しているか、父上は血に染まりながら魔女に連絡をとっていたことでしょうよ。 父上が母上のことになると容易に人の首を落とさせますが、アレは自力でソレをやってしまいますから」
ライオネルの言葉に国王はようやく気付いた。 いや、思い出した。 パーシヴァルは国王の国の飼い犬ではなく、魔女と同じ存在であると。
国王は、パーシヴァルと言う存在に心の底から恐怖を抱いた。
そもそも他国が脅威を感じ助力を求めている状況、いや既に国が乗っ取られている状況で、我が国が安泰なのはあの将軍のおかげであるが……言い換えれば、国を乗っ取る勢力以上に恐ろしい存在であると言えないだろうか?
「ぁあああ、あの者を……将軍のための特別な罪を作れ」
震えながら国王陛下は言う。
「はっ?」
聞き間違えかと、周囲が間抜けな声をあげる。
「将軍に罪を! そしてこの世から消し去れ!!」
国王陛下は王妃が関わると人の命を安易に奪い過ぎていた。 そうでない時、通常時であるなら国王は臣下を民を尊重していた。 という訳ではない。 興味がなかった。 ただ、それだけであり、国王陛下にとって王妃以外は、王妃との愛情を理解し尊いとする者以外の命は、等しくゴミ以下だった。
官僚達は、
あり得ない! と叫ぶ。
この国の英雄ですよ?! と問う。
無理だ!! 叫び訴える。
「私の言う事をきけぬのか!! 国の頂点である私の言うことをきけぬなら、それは謀叛だ、国に対する逆賊だぞ!! 兵よ、こやつらを捕えろ!!」
誰もが救いを求めた。
ライオネルに……。
「国王陛下がご乱心だ……、お休み頂くよう手配をするように」
「ななななななな、何を考えている!! 国を乗っ取るつもりか!!」
「乗っ取りなどする必要は、ありませんよ。 放っておけば何れ私のものになるのですから、もっと早くこうしておけばよかった。 父だ母だと、愚かなあなた方を放置してしまった。 それは私の罪と言えるでしょう。 これからはお二人仲良く別荘地で静かに余生を送りください」
「……」
元国王陛下は黙り込んだ。
息子の謀叛に対する怒りでではなく「それもいいんじゃね?」等と考えたからである。
そしてライオネルは長く父に仕えた侍従長に冷ややかに告げる。
「各国に会議への出席を求める書状を準備してください」
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前国王陛下が急の病に倒れたため、王太子殿下ライオネルが国王の座についたことが告知され、ルーベンス国は静かに代替わりを終えることとなる。
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