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26.捜索
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木漏れ日の下で、白銀色の狼を従えゼルは眠っていた。
優しい風に、ゼルは微睡から目を覚ます。
だが、それは幸福とは遠い目覚めだった。
胸がチリチリと痛むような感覚。
行く先を失ったかのような不安。
安穏とした不確かな幸福が、揺らいだ?気がした。
まさか……。
リエルは無事に保護した。
昨晩は愛情をこめ、その腕に抱いた。
愛情を確かめ合った。
私に逆らうもののない城内で、私の思惑に反しあの子を傷つける事が出来るものなどいるはずがない。 それはゼルにとっての絶対的な事実。
そして再び、微睡に落ちてしまった。
ゼルは、2.3カ月かけて行う戦闘を10日で終わらせ城に戻り、独占欲のままにリエルを抱いた。 言いようのない幸福感に満たされていたことで、自らの消耗を理解できていなかった。
疲労の中で、ゼルが呼び出されたのには相応の理由がある。
神力の影響を強く受け、汚染された者は肉の器や精神を変質させてしまう。
大抵の者は、汚染によって魔物へと変化するのだが、稀にその心を人のまま保ち、姿も半獣程度に保つものが存在するのだ。 とはいえ獣の姿に心が付いていくかと言えば別である。 自分の姿に折り合いがつけられず正気を保てず、再び変化を始め魔物となる者が大半だ。
神力による汚染や、半獣オチ、魔物オチは、オルグレンでは特別なことではなく、遥か昔から繰り返されていた事。
幾度かの暴走と安定を繰り返す事で、異形の姿に心が慣れ、人と獣の精神に折り合いをつける者も存在するため、3度までは殺さず制圧し様子を見る事が決められている。
特別ではない何時もの仕事だった。
特別ではない日常だった。
違うのは、リエルの存在だけ。
不安に身が投じられたような感じがしたが、ゼルにとってその不安の中こそが居場所であったために、異変を異変として認識することができず、部屋に戻りリエルがいないことに気づいた時すら、陛下の元にいるか、アニーが連れだしているだろうと安易に考えてしまっていた。
だからこそ、リエルの姿がなくても、白銀色の狼、ゼルの第一使徒とされるアヒドに言われるままに会議へと参加したのだ。
「陛下、よろしいでしょうか?」
国王陛下の執務室に向かって掛けられるゼルの声。 他に人のいない執務室で陛下は頓狂な顔で扉を眺めていた。 ワンテンポ間を置き、何とも言いようのない微妙な声で返事をすることとなる。
「何かあったのか?」
その言葉に扉が開かれ、ゼルの側にいるのがリエルではなく、ゼルの側近とも呼べる狼顔の女性であることに気づけば眉根をよせた。
「汚染者の報告をお持ちしました」
「働きものだな」
陛下の声は、嫌味80%、呆れ20%。 ゼルは流石にムッとしてみせるが反論はしなかった。
「俺はしばらく休んでいいといったんだが、ソレはお前の身体を案じてではなく、リエルをこの国に馴染ませるためめだったのだが?」
「リエルは昨晩の疲れで眠っております」
「それは報告を受けたが、何故、側にいてやらない。 味方の無いこの国でアレはまだ一人の時間を恐れていると言うのに……そばを離れるならせめて、その前に報告にこい、俺が預かってやる」
そう陛下に言われれば、かすかな嫉妬がゼルの胸をよぎった。
「言われずとも、側におりますよ。 私は義務ではなく、彼女の側に居たいのですから」
「別に俺も義務とは言ってないが?」
陛下がニヤリと笑い、続けた。
「アレは、庇護欲を誘う……その割にイジメたくなる。 可愛い娘だ」
イラっとしたゼルの影響を受け空気が揺らぐ。 側にいる白銀色の狼女はヒヤリと汗をかいていたが、国王陛下は表情一つ変える事がない。 ソレが獣オチと国王陛下との力の差であるが、狼女はきっと分かっていないだろう。
ゼルは書類を国王陛下の机の上に置き、イラっとした口調のままで戸口へと向かい歩き出す。
「今日はこのまま休暇に入らせていただきます」
「まぁ、頑張れよ」
国王陛下はヘラヘラとカラカウように言いながら、手を振って見せた。
ゼルは、王城内を歩きまわり、目につく人間全てにリエルとアニーの居場所を聞いて回った。 アニーの方は、ゼルに合わせて休日を取り、病の父の見舞いに里帰りをしていると耳にしてゼルは焦る。
「では、リエルを気にかけているものはいなかったと言うことですか?!」
ゼルは自らを省みず責めるような言葉を、アニー直属であることを示す模様を仮面に描いたメイドに向けた。
「お邪魔をしてはならないからと、お呼びがかかるまで部屋の外に控えているようにと指示があったので、戸口に控えさせて頂いておりました」
言われれば、確かに部屋を出入りしていた際にメイドが側にいた。
「ゼル様がお部屋を出られた後に、隠し通路を通じ各ポイントからリエル様の護衛と観察を行っておりますが、リエル様に発見されたことで、現在は距離を置いて通路の出入り口を警備するのみとなっております」
アニーの部下がリエルを確認したのは、
10時過ぎ、リエルが徘徊し始め隠れ護衛が発見され、一時撤退。
11時前後、果物と軽食、果汁をもって、医師を伴い、部屋へと来訪。 眠っていたため、検温、心拍測定、神力測定のみを行い撤退。
「午後からは、リエルの状況を確認していなかったのですか!」
何処かキツイ口調で言えば、メイドは
「申し訳ございません」
淡々とした口調で頭を下げた。 仮面をかぶっているせいもあるが、それは妙に機械的に見えて、ゼルを苛立たせた。
「リエルは、部屋にいないんですよ!」
「出入口、隠し通路を通過されたという報告がないため、隠し通路内の捜索にただちにかかります。 ゼル様は各機関の上層部に発見次第報告をするように指示をお出しください。 それと……」
アニーの代理として国王陛下付きのメイドを仕切っている彼女は、ゼルの側で無言のまま控えている白銀色の狼女へと顔を向けた。
「ふんっ」
狼女が視線を背ければ、メイド達は軽く頭を下げて背を向け、その場を去って行く。
「アヒド、リエルの匂いを追うことはできないのですか?」
メイドの視線の意味を理解し、ゼルは懇願するかのようにたずねる。
「無理です。 主の匂いが濃すぎて、只人の匂いが感知できません」
流石に傷ついた。 もしかして臭くてもう一緒に寝るのは嫌だ等と思われたのか? 等と言う想像までしてしまい落ち込んでしまう。
「あぁ、落ち込まないでください。 主の匂いは、その、とても素敵な匂いです。 例え訓練後の汗まみれのときだって、うっとりとする匂いを醸し出しておられます」
「……とりあえず、部屋にいって試してください」
狼女の賛美は無視され、2人はゼルの寝室へと向かった。 昨夜の行為の残り香が蔓延して狼女は気分が悪いと思った。
「どうしてもだめですか?」
「分かりました……追ってみます」
狼女は、白銀の獣の姿を取り、部屋中をうろうろと巡り匂いを嗅ぐ。
「部屋のアチコチから、それらしい匂いがして逃亡経路らしきものは分かりませんね」
ゼルが、ぴくっと逃亡経路と言う言葉に反応した。
「アヒドは、彼女が逃げたと考えているのですか?」
「それは……、私の想像の限りは、人間1人をこの部屋から誰にも気づかれることなく連れ出すのは難しいですから」
「だが、リエルは特別運動神経が発達している訳でもなければ、魔法の類も一切使えないんですよ。 1人で逃げる等と言うのは、不可能だと思いませんか?」
「隠し通路を通れば不可能ではありませんよね?」
白銀狼が言えば、ノックをし返事を待たずに入ってきたメイドが告げる。
「リエル様は隠し通路に隠れていることもなければ、出入口を使用した形跡もありませんでした。 お部屋の方を調べさせていただきます」
そう言ってメイドは部屋のアチコチを探った。
「無くなっているのは、寝間着用に準備された薄手のシャツとズボンのみ。 逃げたと考えるには無計画すぎます。 金目のものも持ち出した様子はありません」
ゼルは考え込んだ。
「陛下に報告してきます」
そして、国王陛下の執務室。
ゼルは、リエルが消えた事。 調査をしたが、痕跡を残さず消えている事を告げた。 だが、国王陛下は顔をあげることもなく仕事を続け、ゼルが話をしているに関わらず、宰相に指示をだしていた。 いらだつゼルの横では白銀色の狼が寄り添い、なだめるようにゼルの足に長く美しい尾を摺り寄せていた。
「へぇ……、そうなんだ」
陛下は、どこまでも興味なさそうな音で応じる。
「兄さん!!」
珍しい呼びかけに、国王陛下はヤレヤレと視線を上げた。
「だから、大切にしろと言っただろう。 オマエは昔からそうだ。 何かを与えても興味がないとばかりに直ぐになくしてくる」
「ソレとコレは違うでしょう!! 私は、あの子を愛しています!!」
「なら、なおさら悪いだろう。 愛していると言っても、こうやって亡くしてしまうんだ」
「陛下、僭越ながら申し上げさせていただきますが」
「許可しない。 獣ごときがなぜ俺に意見する?」
言われて、白銀狼は歯をぎりぎりと噛みしめた。
「10日間時間をやろう。 それで、探し出せないようなら諦めるんだ」
国王陛下は冷ややかに告げて、俺は忙しいんだとゼル達を部屋から追い出した。
気に入らない……。
白銀色の狼は、怒りで毛を逆立てていた。
神の寵児である主に対するあの態度許されるべきものじゃない。
だが……今回は許してさしあげましょう。
10日、主の捜索を邪魔すればいいのだから。
白銀色の狼の口元は楽し気に、だが歪に笑っていた。
優しい風に、ゼルは微睡から目を覚ます。
だが、それは幸福とは遠い目覚めだった。
胸がチリチリと痛むような感覚。
行く先を失ったかのような不安。
安穏とした不確かな幸福が、揺らいだ?気がした。
まさか……。
リエルは無事に保護した。
昨晩は愛情をこめ、その腕に抱いた。
愛情を確かめ合った。
私に逆らうもののない城内で、私の思惑に反しあの子を傷つける事が出来るものなどいるはずがない。 それはゼルにとっての絶対的な事実。
そして再び、微睡に落ちてしまった。
ゼルは、2.3カ月かけて行う戦闘を10日で終わらせ城に戻り、独占欲のままにリエルを抱いた。 言いようのない幸福感に満たされていたことで、自らの消耗を理解できていなかった。
疲労の中で、ゼルが呼び出されたのには相応の理由がある。
神力の影響を強く受け、汚染された者は肉の器や精神を変質させてしまう。
大抵の者は、汚染によって魔物へと変化するのだが、稀にその心を人のまま保ち、姿も半獣程度に保つものが存在するのだ。 とはいえ獣の姿に心が付いていくかと言えば別である。 自分の姿に折り合いがつけられず正気を保てず、再び変化を始め魔物となる者が大半だ。
神力による汚染や、半獣オチ、魔物オチは、オルグレンでは特別なことではなく、遥か昔から繰り返されていた事。
幾度かの暴走と安定を繰り返す事で、異形の姿に心が慣れ、人と獣の精神に折り合いをつける者も存在するため、3度までは殺さず制圧し様子を見る事が決められている。
特別ではない何時もの仕事だった。
特別ではない日常だった。
違うのは、リエルの存在だけ。
不安に身が投じられたような感じがしたが、ゼルにとってその不安の中こそが居場所であったために、異変を異変として認識することができず、部屋に戻りリエルがいないことに気づいた時すら、陛下の元にいるか、アニーが連れだしているだろうと安易に考えてしまっていた。
だからこそ、リエルの姿がなくても、白銀色の狼、ゼルの第一使徒とされるアヒドに言われるままに会議へと参加したのだ。
「陛下、よろしいでしょうか?」
国王陛下の執務室に向かって掛けられるゼルの声。 他に人のいない執務室で陛下は頓狂な顔で扉を眺めていた。 ワンテンポ間を置き、何とも言いようのない微妙な声で返事をすることとなる。
「何かあったのか?」
その言葉に扉が開かれ、ゼルの側にいるのがリエルではなく、ゼルの側近とも呼べる狼顔の女性であることに気づけば眉根をよせた。
「汚染者の報告をお持ちしました」
「働きものだな」
陛下の声は、嫌味80%、呆れ20%。 ゼルは流石にムッとしてみせるが反論はしなかった。
「俺はしばらく休んでいいといったんだが、ソレはお前の身体を案じてではなく、リエルをこの国に馴染ませるためめだったのだが?」
「リエルは昨晩の疲れで眠っております」
「それは報告を受けたが、何故、側にいてやらない。 味方の無いこの国でアレはまだ一人の時間を恐れていると言うのに……そばを離れるならせめて、その前に報告にこい、俺が預かってやる」
そう陛下に言われれば、かすかな嫉妬がゼルの胸をよぎった。
「言われずとも、側におりますよ。 私は義務ではなく、彼女の側に居たいのですから」
「別に俺も義務とは言ってないが?」
陛下がニヤリと笑い、続けた。
「アレは、庇護欲を誘う……その割にイジメたくなる。 可愛い娘だ」
イラっとしたゼルの影響を受け空気が揺らぐ。 側にいる白銀色の狼女はヒヤリと汗をかいていたが、国王陛下は表情一つ変える事がない。 ソレが獣オチと国王陛下との力の差であるが、狼女はきっと分かっていないだろう。
ゼルは書類を国王陛下の机の上に置き、イラっとした口調のままで戸口へと向かい歩き出す。
「今日はこのまま休暇に入らせていただきます」
「まぁ、頑張れよ」
国王陛下はヘラヘラとカラカウように言いながら、手を振って見せた。
ゼルは、王城内を歩きまわり、目につく人間全てにリエルとアニーの居場所を聞いて回った。 アニーの方は、ゼルに合わせて休日を取り、病の父の見舞いに里帰りをしていると耳にしてゼルは焦る。
「では、リエルを気にかけているものはいなかったと言うことですか?!」
ゼルは自らを省みず責めるような言葉を、アニー直属であることを示す模様を仮面に描いたメイドに向けた。
「お邪魔をしてはならないからと、お呼びがかかるまで部屋の外に控えているようにと指示があったので、戸口に控えさせて頂いておりました」
言われれば、確かに部屋を出入りしていた際にメイドが側にいた。
「ゼル様がお部屋を出られた後に、隠し通路を通じ各ポイントからリエル様の護衛と観察を行っておりますが、リエル様に発見されたことで、現在は距離を置いて通路の出入り口を警備するのみとなっております」
アニーの部下がリエルを確認したのは、
10時過ぎ、リエルが徘徊し始め隠れ護衛が発見され、一時撤退。
11時前後、果物と軽食、果汁をもって、医師を伴い、部屋へと来訪。 眠っていたため、検温、心拍測定、神力測定のみを行い撤退。
「午後からは、リエルの状況を確認していなかったのですか!」
何処かキツイ口調で言えば、メイドは
「申し訳ございません」
淡々とした口調で頭を下げた。 仮面をかぶっているせいもあるが、それは妙に機械的に見えて、ゼルを苛立たせた。
「リエルは、部屋にいないんですよ!」
「出入口、隠し通路を通過されたという報告がないため、隠し通路内の捜索にただちにかかります。 ゼル様は各機関の上層部に発見次第報告をするように指示をお出しください。 それと……」
アニーの代理として国王陛下付きのメイドを仕切っている彼女は、ゼルの側で無言のまま控えている白銀色の狼女へと顔を向けた。
「ふんっ」
狼女が視線を背ければ、メイド達は軽く頭を下げて背を向け、その場を去って行く。
「アヒド、リエルの匂いを追うことはできないのですか?」
メイドの視線の意味を理解し、ゼルは懇願するかのようにたずねる。
「無理です。 主の匂いが濃すぎて、只人の匂いが感知できません」
流石に傷ついた。 もしかして臭くてもう一緒に寝るのは嫌だ等と思われたのか? 等と言う想像までしてしまい落ち込んでしまう。
「あぁ、落ち込まないでください。 主の匂いは、その、とても素敵な匂いです。 例え訓練後の汗まみれのときだって、うっとりとする匂いを醸し出しておられます」
「……とりあえず、部屋にいって試してください」
狼女の賛美は無視され、2人はゼルの寝室へと向かった。 昨夜の行為の残り香が蔓延して狼女は気分が悪いと思った。
「どうしてもだめですか?」
「分かりました……追ってみます」
狼女は、白銀の獣の姿を取り、部屋中をうろうろと巡り匂いを嗅ぐ。
「部屋のアチコチから、それらしい匂いがして逃亡経路らしきものは分かりませんね」
ゼルが、ぴくっと逃亡経路と言う言葉に反応した。
「アヒドは、彼女が逃げたと考えているのですか?」
「それは……、私の想像の限りは、人間1人をこの部屋から誰にも気づかれることなく連れ出すのは難しいですから」
「だが、リエルは特別運動神経が発達している訳でもなければ、魔法の類も一切使えないんですよ。 1人で逃げる等と言うのは、不可能だと思いませんか?」
「隠し通路を通れば不可能ではありませんよね?」
白銀狼が言えば、ノックをし返事を待たずに入ってきたメイドが告げる。
「リエル様は隠し通路に隠れていることもなければ、出入口を使用した形跡もありませんでした。 お部屋の方を調べさせていただきます」
そう言ってメイドは部屋のアチコチを探った。
「無くなっているのは、寝間着用に準備された薄手のシャツとズボンのみ。 逃げたと考えるには無計画すぎます。 金目のものも持ち出した様子はありません」
ゼルは考え込んだ。
「陛下に報告してきます」
そして、国王陛下の執務室。
ゼルは、リエルが消えた事。 調査をしたが、痕跡を残さず消えている事を告げた。 だが、国王陛下は顔をあげることもなく仕事を続け、ゼルが話をしているに関わらず、宰相に指示をだしていた。 いらだつゼルの横では白銀色の狼が寄り添い、なだめるようにゼルの足に長く美しい尾を摺り寄せていた。
「へぇ……、そうなんだ」
陛下は、どこまでも興味なさそうな音で応じる。
「兄さん!!」
珍しい呼びかけに、国王陛下はヤレヤレと視線を上げた。
「だから、大切にしろと言っただろう。 オマエは昔からそうだ。 何かを与えても興味がないとばかりに直ぐになくしてくる」
「ソレとコレは違うでしょう!! 私は、あの子を愛しています!!」
「なら、なおさら悪いだろう。 愛していると言っても、こうやって亡くしてしまうんだ」
「陛下、僭越ながら申し上げさせていただきますが」
「許可しない。 獣ごときがなぜ俺に意見する?」
言われて、白銀狼は歯をぎりぎりと噛みしめた。
「10日間時間をやろう。 それで、探し出せないようなら諦めるんだ」
国王陛下は冷ややかに告げて、俺は忙しいんだとゼル達を部屋から追い出した。
気に入らない……。
白銀色の狼は、怒りで毛を逆立てていた。
神の寵児である主に対するあの態度許されるべきものじゃない。
だが……今回は許してさしあげましょう。
10日、主の捜索を邪魔すればいいのだから。
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