モフモフ叔父との田舎暮らしがカオスすぎる

迷い人

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20.パンダ叔父と動物園

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 鏡の前で、私は髪を整えながら鏡越しに背後を盗み見る。

 そこには、でっかいモフモフの塊…パンダ。いや、叔父さんらしいけどさ。

「姪っ子ちゃん、朝ごはんのホットケーキ、3段重ねでいいか?」

 キッチンからパンダがフライパンをくるくる回しながら叫ぶ。背後で謎のピンクハートエフェクトがキラキラ!(また出た! どこから!?)

「うん、いいよ…ってか、オジサンのそのモフモフ、チャックないの?」

 私は半信半疑で聞く。だって、こんな家事ハイスペックなパンダが叔父だなんて、脳みそがバグるよ! 絶対チャックがあって、中からイケメン叔父が出てくる展開でしょ!?

「チャック!? ハハハ! 姪っ子ちゃん、俺のキューティクルは100%ナチュラルだぜ!」

 パンダがモフモフを自慢げに撫でつけ、なぜかポージング! 背後に「キラーン!」って効果音が響く。

「じゃあ、背中見せてよ。マッサージしてあげるから!」

 私はニヤリと策略。チャック確認作戦、発動!

「ほほう、姪っ子ちゃんのマッサージ! これは期待!」

 パンダがゴロンと寝転がり、巨大な背中をドーンと披露。モフモフすぎて毛皮の海! チャックなんて見つからない!
「うーん…じゃ、軟体生物、あとはよろしく!」

 私はサッと手を引くと、床からドロドロ~ンと現れた緑の軟体生物が「OK!」とハート型でウインク! 軟体生物がパンダの背中にヌルヌルマッサージ開始! パンダは悶絶し始める。

「うおお、ピュアエキス最高!」

 私は軟体生物避けてパンダのお尻にドカッと座り、スマホをポチポチ。

「ねぇ、オジサン。明日、動物園行かない?」

 私はスマホから目を上げ、思いつきで提案。だって、動物園ならパンダの本性(喋ったり家事したりは今は考えない)がバレるかも!

「おお! 姪っ子ちゃんからのお誘い!? ハートフル大爆発だぜ! 弁当は特製ハートフルサンドでキメるぞ!」

 パンダが拳を握り、背後に花火がドッカーン!(もう慣れた!)



 動物園当日

 カオス&ハートフルアドベンチャー!動物園はキリンやゾウがウロウロ、子供たちが「わあ!」と騒ぐ楽園! パンダはサングラスをかけて、なぜか観光客に「写真撮らせてください!」と大人気。本物とは思われてはいないらしく時折堂々とチャックを探す人がいた。

 私のモフモフ。

「オジサン、目立ってるよ…場所を変えよう」

 独占したいけど注目されるのは恥ずかしい。顔を覆いながら指先を掴む。 パンダはドヤ顔で私の気持ちには気づかない。

「ハハハ! 俺のモフモフは国宝級だからな!」

 ゾウの前でパンダが
「俺の方が鼻長いぜ!」
 鼻をピーン!
「いや、短いから!」
「俺の方がでかいぜ」
 胸を張る。
「態度が?」
「愛情がさ」
「はいはい」

 ライオンの前では
「俺の咆哮のがイケてる!ガオー!」
 どうだ?と目線がチラチラとコッチ見た瞬間、本物の叫びにパンダの毛並みがぶるぶるふるえ、私は笑う。



 広場でお弁当タイム。

 パンダの特製ハートフルサンドは、ハムとチーズがハート型にカットされてて、めっちゃ美味い!
 私は箸を咥え(行儀悪い!)、考え込む。 オジサンの正体…ほんとにパンダ? でも、こんな弁当作れるパンダ、いる!? そう思いながらモフモフを眺める。

 パンダがニヤリと笑う。

「どうした、姪っ子ちゃん? 俺のイケパンダぶりに火傷したか?」

「ふぅ…弁当、美味しいよ、オジサン。」

 パンダの黒い目じりがニコッと下がる。

「そりゃ、姪っ子ちゃんが手伝ってくれたからな!」
 いつも下がってるじゃん、その目じり!と心でツッコミつつ、ちょっと罪悪感。だって、めっちゃ嬉しそうな顔…! ってところで何やら緊急事態! 

 遠くから「ギャーッ!」って悲鳴! 動物園が一気にパニックモード!

「なんだ!?」

 パンダがサングラスを外し、耳をピクピク。背後に戦隊モノのBGMが流れ始める!(誰だ、音響!)

「あれは…最近ニュースの野生のクマ!」

 木陰で、でっかいグマが観光客を追いかけてる! 逃げる人影、絶叫する群衆!
「姪っ子ちゃん、弁当持ってろ! 近づくんじゃないぞ!! ピュア、姪っ子ちゃんを守れ!! 俺のハートフルパワーの出番だ!」

 命令受けて、ぴきゃぁああと鳴いた粘液体が叫ぶ(?)

 パンダがダッシュ! モフモフが風を切って「シュバババ!」って効果音!(物理法則無視!)

『パンダ、クマと観光客の間に割って入ったぁあ!!』

 誰かが実況しているようだ。

「お前、俺の姪っ子ちゃんの楽しい動物園を邪魔する気か!?」

 パンダが仁王立ち、背後に「ハートフル結社」の幻影がドーン!(なんの組織!?)
 クマが「グオオ!」と咆哮するも、パンダは負けない!

「くらえ、純エキスミスト!」

 パンダのポケットから軟体生物がドロドロ噴射!

『パンダ怪しい液体を放出!! ミストとなりクマをつつみこんだぁあああ!!』

「ムフッ」

『リラックス!くまぁああああ!!』

 何処かのカワイイ商品が脳裏をよぎった。

「今だ、軟体生物! ハートフルレスキュー!」

 軟体生物がヌルヌル~ンとクマを包み、まるでヨガマットみたいにクルクル巻き! クマ、動けず「ウウ…」と大人しくなる。

 観光客が「パンダさああん!」と拍手喝采!

 解説がダウンを数えだし、私は現地に向かって歩き出す。

 私は弁当抱えてポカン。

「オジサン…めっちゃカッコいいじゃん…」

 クマに片足乗せて勝利のポーズ。 背後に扇子が広がった。

 あっぱれ!!

「いや、気のせい??」

 ハートフルな締めクマは動物園スタッフに引き渡され、観光客は無事。パンダがサキの元に戻り、モフモフな手で頭を撫でながら食事再開だとばかりに公園に歩き戻る。

「姪っ子ちゃん、怖かったろ? でも、俺がいるから大丈夫だ!」

 優しいイケボと微笑みに見える不思議。

「うん…オジサン、ありがと。やっぱ、ちょっとカッコいいかも。」

 私は照れ隠しでサンドをかじる。軟体生物が「美味い?」とハート型で浮かぶ。(もう慣れた!)

 パンダが
「次は水族館行くか?」

 とニヤリ。
「え、こんどはオジサン何と戦うの?」

 とツッコミ笑い。



 夕陽に照らされた動物園を後に、私は思う。

「オジサンがパンダでも、叔父でも…」

 まぁいいかと思えるほど、私の心はまだ広くはないらしい。
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