モフモフ叔父との田舎暮らしがカオスすぎる

迷い人

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19.パンダ叔父と迷子

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 その日、私とパンダは百貨店に来ていた。

 夏から秋へと季節が移り変わる頃、新しい服でも見ようということになったからだ。

 おぉぉ!! 田舎だけど、結構立派! 広い百貨店に大勢の人がいた。まるで、そこにしか人がいないかのように。何でも揃う百貨店は、まるで宇宙ステーションみたいに広大なフロアが広がる夢の国……と言うか、田舎なので行くところが他にあまりない。

「姪っ子ちゃん! 今日こそお前に似合うハートフルなワンピース見つけるぞ!」

 パンダがモフモフの腕を振り回し、なぜか背後にピンクのハートエフェクトがボワンボワン!(どこから湧いてくるんだ、このエフェクト!)いや、現実問題として、パンダセンスのハートフルなワンピースが怖い。

「オジサン、派手すぎるやつはNGだからね!」

 私はパンダの暴走を牽制しつつ、服売り場を物色する。だが、ふと気づくと……パンダの足元に、ちっちゃな影がピトッとくっついている!?

「うわっ、なに!?」

 見下ろすと、5歳くらいの女の子が、パンダのモフモフな足にしがみつき、毛並みに埋まっていた。ふわふわの髪に、キラキラした目でニコニコ顔だ。

「パンダさああん!」

「オ、オジサン! この子、誰!? オジサンの子?」

「知らねえから! 俺のハートフルオーラに吸い寄せられたんだろ!」

 パンダがドヤ顔で親指を立てるも、背後に「迷子警報」のサイレンが鳴り響く!(脳内BGMか!?)

「ねえ、キミ、名前は?」

 私はしゃがんで優しく聞くと、女の子がポテッとした声で答える。

「ミミだよ! 5歳! パンダさん、だぁいすき!」

 ミミちゃん、めっちゃ無邪気! でも、家や電話番号を聞いても、「うーんと、わかんなぁい!」と首を振る。そりゃ5歳だもん、当然か!

「親はどこ!?」

 パンダがミスト噴射機(またどこから!?)を構え、

「よし、ミミちゃん! 俺の純エキスミストで親をソッコー見つけるぜ!」

 相変わらず原理が謎なんだけど!

「待て待て! ミストはダメ! 百貨店が粘液まみれになる!」

 私が叫ぶと、ミミちゃんが「ねんえき、キラキラ~!」と拍手。いや、キラキラじゃねえよ!

 作戦タイム! パンダがハリセンを振り回し、

「サキちゃん、ミミちゃんを俺の背中に乗せろ! 百貨店全フロアをハートフル捜索だ!」

 言われるままにパンダの背中にミミちゃんをポイッと乗せると、ミミちゃんが叫んだ。

「パンダ号、発進!」

「オーッ!」

 ミミの言葉に応えるように、パンダは爆走突進! フロア中を駆け回る。

「ドドドド!」

 効果音が響き渡る。それを見た買い物客が、

「なんだあのモフモフ戦車!?」

 とスマホで撮影開始!

 1階:食品売り場

「親ならデパ地下の試食コーナーにいるだろ! 試食コーナーに突進だぁあああ!! 今日はコロッケが特売!! うちも買ってくか? 姪っ子ちゃん!」

 パンダが鼻をクンクンさせ、突撃していく。だがミミちゃんはコロッケを前に首を振り一蹴。

「ママ、これ嫌い!」
「じゃあ、粘液でママの好みをスキャンだ!」

 パンダの純エキスがドロドロ~ンと床に広がり、なぜかコロッケを包み込んで「解析:カレーパン好き」と表示!(なんの技術!?)

「カレーパン売り場へGO!」

 だが、そこにママはいない。ミミちゃん、しょんぼり。

 3階:キッズコーナー

「子供好きの親ならここだ!」

 パンダがキッズスペースの滑り台に突入し、ミミちゃんと一緒にシューッ! 他の子供たちが「パンダさああん!」と群がり、パンダがモフモフ遊園地状態に!

「オジサン、遊びじゃなくて捜索!」

 私が叫ぶも、パンダはドヤ顔。

「子供の笑顔は親を呼ぶ磁石だ!」

 だが、ママは現れず。ミミちゃんの目がウルウル…。

 5階:レストラン街

「腹が減って親を見失うパターンだ!」

 パンダがレストラン街を疾走、なぜかウェイターのトレーナーに変身!(着替え早すぎ!)

「ミミちゃん、ママの好きな食べ物は?」

「うーんと、ピザ!」

 パンダがピザ屋に突撃し、店員に「ミミママを知ってるか!?」と詰め寄るも、店員がビビりながらも教えてくれた。パンダ、肉食系だからなあ。

「知りません!」

 会話の向こうの店内奥、粘液が勝手にピザ生地をこね始め、店内がカオスに!(やめろ!)

 最終決戦:インフォメーションカウンター

「もう放送しかない!」

 私がミミちゃんを抱えてカウンターへ。パンダがマイクを奪い、

「オーイ! ミミちゃんのママ! 俺のハートフルパワーで今すぐ出てこい!」

 放送が百貨店中に響き、なぜかパンダの声にエコー&リバーブがかかる! 私も周囲も耳を塞いで立ち止まる。

「誰が音響いじったの!?」

 そんな中で走っていた女性が一人。

「ミミ!?」

「ママ!」

 ミミちゃんが飛びつき、感動の再会! ママが「ありがとう、モフモフさん!」とパンダに抱きつくも、

「いや、俺はサキちゃんの叔父だ。なれなれしくされても困る!」

 キリッと言うが、顔を見れば照れ隠しなのがわかった。

「サキちゃん、よくやった!」

 パンダが私の頭をモフモフと撫で、粘液がキラキラ花火を打ち上げる!(もう慣れた!)

「そうだね、ミミちゃんが無事にお母さんの元に戻れてよかった……」

 爆走パンダから落下せずに済んだものね。

 それでも私は、小さく芽生えた独占欲を追い払うようにパンダのモフモフに顔をうずめ、ちょっとドキドキする。叔父コンプレックスに前進!?

 ミミちゃんが「パンダさん、またね!」と手を振るのを見たパンダは、

「いつでもハートフルレスキューに来るぜ!」

 とサングラス(またどこから!)でキメポーズ!

 夕暮れの百貨店を後にしながら、私は思う。

「あいかわらず、カオスな日常だわ。でも、今日はいい日だったよね?」
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