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2話 異世界へ
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「俺としたことが……まさか引きずり込まれるとはな」
そうつぶやいた悪霊は今、とてつもない速度で地に向かって落ちていた。地から空へ一瞬で飛ばされたことで悪霊の宿主、桃は気絶している。何度か声をかけたが意識は戻らず、仕方なく体を使っていた。
「あれは神もどきだったか」
桃が引きずり込まれた時、影に触れられ、かすかにしびれを感じた悪霊が腕をさすっている。
もどきとはいえ、神の端くれと悪霊の相性は最悪だった。
「とりあえず、状況確認だな」
少女の頭が下を向いていたのを思い出し、空中で体勢を変え、地面に向かう宿主の身を空気に任せながら落下していく。その勢いは着地した時に轟音をたて、地面をえぐるほどの威力だった。
「森か。それに、ここはあの場所とは何かが違う。ここも地球なのか?」
悪霊の目の前で舞う砂埃を、煙たそうに手で払いながら穴から出ると、足元に広がる苔や土の感触を確かめるように足を左右に動かし、空気を吸っている。
「空気はこちらの方が美味いな」
そよ風が宿主の髪を揺らしている。その風に乗って獣の匂いが空気中に漂い、彼の鼻孔をくすぐった。
土を踏む音が後ろから聞こえ、振り返るとフェンリルと呼ばれる巨大な狼が佇んでいる。
「確か、オーディンを丸呑みしたフェンリルだったか? グレイプニルとやらはつけてないんだな」
「Quis es」
「何言ってんだ?」
少し小ばかにしながら目の前の狼に話しかけたが、聞いたことのない言語で返され、悪霊の眉間に皺が寄る。
悪霊は分からなくて当然だった。フェンリルが口にした言葉は、今や話している国は少ないラテン語なのだから。
「そもそも何故いるんだ。ここは北欧なのか?」
日本で起きた神隠しで、まさか北ヨーロッパに飛ばされたなんてにわかには信じられなかった。
長く生きたしょうでさえ、そんな長距離の神隠しなど聞いたことは無かったからだ。
「っていうか、フェンリルが居る時点で、現代かどうかも怪しいもんだな」
しょうはめんどくさそうに溜め息を吐く。ここが異世界だと理解して居るようだった。
「Audio quis tu es」
「そう吠えんじゃねぇよ。鼓膜が破れんだろうが」
フェンリルが怒気を含んだ声を少し出しただけで風が舞う。間近で聞いた悪霊は耳を塞ぎ、忌々しそうにフェンリルを睨んだ。
「ったく。ここがどこかも分かってねぇのに、神話の狼が目の前にいるとかどんな世界だ。そもそもこいつが野放しにされているって事は、オーディンが殺される前か?」
苛立ちを目の前の狼に向けず、自分を落ち着かせようと地面を蹴っていた。何度も同じ土を蹴り、その場所は足先と同じような形に抉れている。
「逃げ切ることも不可能か」
「あ、あの……」
「ようやく目覚めたか」
内側から聞こえる宿主の声に反応し、戻ろうとしたが出来なかった。
なんでも大きな狼が目の前にいて怖いとのことだった。
「Qui locuti sunt ad te」
「だから分かんねぇっての。つか、俺に任せるんじゃねぇよ、桃」
「だ、だって怖いんだもん」
少女の声からして相当震えているのが分かるほどだった。目の前の狼の言葉は分からず、宿主は悪霊任せ。
そろそろ我慢の限界に近くなった時、急にフェンリルが踵を返して去っていく。
「あ?」
「か、帰った?」
悪霊が怪訝な顔をしながら去っていく方向を見ていると、草むらの先から人の声が聞こえてくる。
その言語も日本語ではなかった。
「wo re yu?」
「……俺はパス。つか、疲れたから代わりに話せ」
深呼吸をして目を瞑ると、自分の意識を宿主の内側に持っていき、交代すると寝始めた。
「わ、私、話せないよ……!」
「知らん。どうにかしろ。俺は寝る」
慌てる少女を心配そうに見つめる防具を着た男。慌てふためく少女に何か言っていたが、理解など出来るはずもない。その状況に更に混乱していると、草むらから女性の声が聞こえてくる。その人物は女性でありながら男のように袴を着て帯刀していた。
「服装は知らないものだけど、日の本の子かな?」
「は、はい! そうです!」
知っている言葉で話しかけられ、少女は安堵し、強張っていた体から緊張が少しだけ取れた。元気な声を聞いた女性は防具を着た男性と話している。その言葉は、先程男が声をかけてきた言語と一緒だった。
「ここで何しているのかな?」
「えっと……」
何かを話し、納得したのか甲冑の男は去っていく。それを見送った後振り返り、女性は桃に問いかけた。
どう説明したらいいか困っているのは、少女自身が今どういう状況かわかっていないからだ。
まわりを見ても見覚えのない場所。知らない言語。いろんなことが一気に起き、脳が処理できなくなったのか気絶した。
「はぁ……。結局俺が説明しないといけないのか」
後ろにゆっくりと倒れていく桃の腰に女性が手をまわして支え、心配そうにおでこに手を当てている。
入れ替わるように少女の中で眠っていた悪霊が強制的に表に出された。その気配を感じた女性が、刀に手を添えている。
「そう警戒すんな。俺らがどういうやつか知りたいんだろ?」
「そうだね。場合によっては尋問しなくてはならないけども」
支えてくれていた腕から離れるように立ち上がり、面倒な顔をしながら悪霊は首を鳴らす。
「その恰好からして女武者といったところか。すべて理解しろとは言わん。俺が今知っている情報をこれからすべて話す。それから判断しろ」
「分かった」
頷いたのを確認したのち、先程までの状況を話した。悪霊と少女が神隠しにあったことや、気づいたら知らない土地にいたこと。フェンリルがいたことなど。時折気になったことがあったのか、女性は質問を投げかけながら真剣に聞いていた。
「にわかには信じられないね」
「半分は理解出来てんだろ? さっきまで頷いたり反応してんだ」
「そうだね。そのもう半分は疑っている」
「それでいい。今はな」
眠っているところを無理矢理起こされた影響か、悪霊は時折眠そうに欠伸をしていた。
その姿を見て数秒考えこみ、住む場所を貸せるよと提案してくる。
「もちろん監視を兼ねてだけど」
「それでかまわねぇ。俺は平気だが、こいつには休む場所が必要なんでね」
悪霊は少女の中で休んでいれば英気を養えるが、少女は違う。しっかりとした寝床がなければ疲れてしまう。
「ああ、そうだ。名前聞いてなかったね。私の名は環。君は?」
「この体の奴の名は桃。俺はしょうだ」
「これからよろしくね」
そうつぶやいた悪霊は今、とてつもない速度で地に向かって落ちていた。地から空へ一瞬で飛ばされたことで悪霊の宿主、桃は気絶している。何度か声をかけたが意識は戻らず、仕方なく体を使っていた。
「あれは神もどきだったか」
桃が引きずり込まれた時、影に触れられ、かすかにしびれを感じた悪霊が腕をさすっている。
もどきとはいえ、神の端くれと悪霊の相性は最悪だった。
「とりあえず、状況確認だな」
少女の頭が下を向いていたのを思い出し、空中で体勢を変え、地面に向かう宿主の身を空気に任せながら落下していく。その勢いは着地した時に轟音をたて、地面をえぐるほどの威力だった。
「森か。それに、ここはあの場所とは何かが違う。ここも地球なのか?」
悪霊の目の前で舞う砂埃を、煙たそうに手で払いながら穴から出ると、足元に広がる苔や土の感触を確かめるように足を左右に動かし、空気を吸っている。
「空気はこちらの方が美味いな」
そよ風が宿主の髪を揺らしている。その風に乗って獣の匂いが空気中に漂い、彼の鼻孔をくすぐった。
土を踏む音が後ろから聞こえ、振り返るとフェンリルと呼ばれる巨大な狼が佇んでいる。
「確か、オーディンを丸呑みしたフェンリルだったか? グレイプニルとやらはつけてないんだな」
「Quis es」
「何言ってんだ?」
少し小ばかにしながら目の前の狼に話しかけたが、聞いたことのない言語で返され、悪霊の眉間に皺が寄る。
悪霊は分からなくて当然だった。フェンリルが口にした言葉は、今や話している国は少ないラテン語なのだから。
「そもそも何故いるんだ。ここは北欧なのか?」
日本で起きた神隠しで、まさか北ヨーロッパに飛ばされたなんてにわかには信じられなかった。
長く生きたしょうでさえ、そんな長距離の神隠しなど聞いたことは無かったからだ。
「っていうか、フェンリルが居る時点で、現代かどうかも怪しいもんだな」
しょうはめんどくさそうに溜め息を吐く。ここが異世界だと理解して居るようだった。
「Audio quis tu es」
「そう吠えんじゃねぇよ。鼓膜が破れんだろうが」
フェンリルが怒気を含んだ声を少し出しただけで風が舞う。間近で聞いた悪霊は耳を塞ぎ、忌々しそうにフェンリルを睨んだ。
「ったく。ここがどこかも分かってねぇのに、神話の狼が目の前にいるとかどんな世界だ。そもそもこいつが野放しにされているって事は、オーディンが殺される前か?」
苛立ちを目の前の狼に向けず、自分を落ち着かせようと地面を蹴っていた。何度も同じ土を蹴り、その場所は足先と同じような形に抉れている。
「逃げ切ることも不可能か」
「あ、あの……」
「ようやく目覚めたか」
内側から聞こえる宿主の声に反応し、戻ろうとしたが出来なかった。
なんでも大きな狼が目の前にいて怖いとのことだった。
「Qui locuti sunt ad te」
「だから分かんねぇっての。つか、俺に任せるんじゃねぇよ、桃」
「だ、だって怖いんだもん」
少女の声からして相当震えているのが分かるほどだった。目の前の狼の言葉は分からず、宿主は悪霊任せ。
そろそろ我慢の限界に近くなった時、急にフェンリルが踵を返して去っていく。
「あ?」
「か、帰った?」
悪霊が怪訝な顔をしながら去っていく方向を見ていると、草むらの先から人の声が聞こえてくる。
その言語も日本語ではなかった。
「wo re yu?」
「……俺はパス。つか、疲れたから代わりに話せ」
深呼吸をして目を瞑ると、自分の意識を宿主の内側に持っていき、交代すると寝始めた。
「わ、私、話せないよ……!」
「知らん。どうにかしろ。俺は寝る」
慌てる少女を心配そうに見つめる防具を着た男。慌てふためく少女に何か言っていたが、理解など出来るはずもない。その状況に更に混乱していると、草むらから女性の声が聞こえてくる。その人物は女性でありながら男のように袴を着て帯刀していた。
「服装は知らないものだけど、日の本の子かな?」
「は、はい! そうです!」
知っている言葉で話しかけられ、少女は安堵し、強張っていた体から緊張が少しだけ取れた。元気な声を聞いた女性は防具を着た男性と話している。その言葉は、先程男が声をかけてきた言語と一緒だった。
「ここで何しているのかな?」
「えっと……」
何かを話し、納得したのか甲冑の男は去っていく。それを見送った後振り返り、女性は桃に問いかけた。
どう説明したらいいか困っているのは、少女自身が今どういう状況かわかっていないからだ。
まわりを見ても見覚えのない場所。知らない言語。いろんなことが一気に起き、脳が処理できなくなったのか気絶した。
「はぁ……。結局俺が説明しないといけないのか」
後ろにゆっくりと倒れていく桃の腰に女性が手をまわして支え、心配そうにおでこに手を当てている。
入れ替わるように少女の中で眠っていた悪霊が強制的に表に出された。その気配を感じた女性が、刀に手を添えている。
「そう警戒すんな。俺らがどういうやつか知りたいんだろ?」
「そうだね。場合によっては尋問しなくてはならないけども」
支えてくれていた腕から離れるように立ち上がり、面倒な顔をしながら悪霊は首を鳴らす。
「その恰好からして女武者といったところか。すべて理解しろとは言わん。俺が今知っている情報をこれからすべて話す。それから判断しろ」
「分かった」
頷いたのを確認したのち、先程までの状況を話した。悪霊と少女が神隠しにあったことや、気づいたら知らない土地にいたこと。フェンリルがいたことなど。時折気になったことがあったのか、女性は質問を投げかけながら真剣に聞いていた。
「にわかには信じられないね」
「半分は理解出来てんだろ? さっきまで頷いたり反応してんだ」
「そうだね。そのもう半分は疑っている」
「それでいい。今はな」
眠っているところを無理矢理起こされた影響か、悪霊は時折眠そうに欠伸をしていた。
その姿を見て数秒考えこみ、住む場所を貸せるよと提案してくる。
「もちろん監視を兼ねてだけど」
「それでかまわねぇ。俺は平気だが、こいつには休む場所が必要なんでね」
悪霊は少女の中で休んでいれば英気を養えるが、少女は違う。しっかりとした寝床がなければ疲れてしまう。
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