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第2章 夢

冒険記録35. 次の場所へ

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 そうこう話しているうちに港に着いた。そこにいた者達は涙を流して歓喜していた。怪我はしているものの無事戻ってきた、と。指示していたヨシュアのお陰だと漁師たちは言っていたのを聞き、胴上げでもしそうな喜び方だったが、彼は全力で拒否していた。男に群がられるのは戦闘の時で充分だ、とこぼしている。
 その中からリーダー格がヨシュアに近づいてくる。その手にはジャラジャラとお金が擦れ合う音が聞こえる。

「言っていた金貨1枚と銀貨150枚だ」
「しかと受け取った」

 小袋の中身を確認し、アルヴァーノが背負っている鞄の中に入れた。

「最後言い忘れていたことあったな」
「まさか、プラスで……!」
「取らんよ。衝角の出来はどうだろかとな」

 舟を出す前に造船所で作れと言っていたものを確認するために、ヨシュアは造船所に向かう。そこでは今も船の製作と、衝角を作っている最中だった。ヨシュアを見つけた設計士が小走りで近づいてくる。まだ骨組みの段階だったが、これから木を張っていくところだという。

「なるべく空洞は作るなよ。だが、入れ過ぎても前かがみになって舟が沈む。加減は難しいだろうが、そこはお前さんたちに任せる」
「は、はい」

 設計士から歩きながら説明を受け、木の枠だけになっている衝角を見上げて触れていた。設計士にどんな木を使っているかとヨシュアは聞き、加工は簡単、でも強度はある木を使っているという。

「それなら問題はなさそうだな」

造船所から出たヨシュアは、アルヴァーノを撫で、その背に乗った。

「ではな。それの設計者はお前さんにしといてくれ。そういうので私は名を残したくないからな」
「えっ……」

 呆然とする設計士をその場に残し、ヨシュア達は港を離れていった。



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