幻想冒険譚:科学世界の魔法使い

猫フクロウ

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最低世界の最強魔道士

魔法とは

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魔法には大きく分けて五つのタイプが存在する。

身体や物の強度、動きを強める効果をもつ“強化系”

遠距離まで魔力を体外に出す“放出系”

魔力の属性や形状を変える“変化系”

魔力を使い物体を操る“操作系”

魔力に一定の形を与える“具現化系”



魔道士は基本的にどのタイプでも扱える。

しかし得手不得手があり、大体は二つが上手く扱え、残りは低能力程度しか使えない。



例えば“強化系”が得意なら接近戦を得意とし、ただの拳が大きな破壊力を持つ。

しかし“強化系”が苦手ならただの拳にちょっと硬いものをつけた程度にしかならない。

またこの得意タイプの二種類を合わせて特別な能力にしている魔道士もいる。



そこに“変化系”で出てきた属性と呼ばれるものが加わる。

基本的には炎、水、雷、土、風の五つであるが、中には光、闇等の珍しい属性を持つ魔道士もいる。

この属性は“変化系”でなければ一種類しか扱えない。

そして相性があり、低級魔法でも相性が良ければ上級魔法に勝ることもある。



さらに魔道士の強さの目安として魔力をどれだけ溜められるかのランクで能力が決まる。



「私はSSダブルエスランクという十三あるランクの上から三番目のランクで、
“雷属性”の“変化・放出系”魔道士よ」

「よくわからねぇな」

「君を例にすると推定Sランク、上から四番目ね。そして“雷属性”の“放出・変化系”ってとこかしら?
もちろんランクなんて目安にしかならないから一概に優秀とは言えないけどね」

「へぇ」

やっぱりよくわからない。

「でも数日監視させてもらったけど不思議な能力があるみたいだからちゃんと確認しないとね。
“放出・変化系”が人を消したり、そうやって立派なものを作り出すことは出来ないはずなのよ」

ここ数日監視されてるような感じがしたのはこいつが原因のようだ。

しかも人を消してると言った。ということはつまり・・・

「俺が人を殺してることも知ってるな?」

「えぇ。でもそれは人助けのためでしょ?」

「それでも誘うのか?」

「えぇ。でも仲間になるなら簡単に殺すのは無しよ」

「あぁ」



あっさり人殺しは止めると言ったことに拍子抜けした。

「やっぱり良くないことだとわかっていたんだ」

「いや、ゴミは消しても問題ないのは変わらない」

「え?」

「仲間に迷惑がかかるならやろうとは思わないよ。それにゴミは消す以外にも使い道があるかもしれないし」

「いやいやいやいや、そうじゃないでしょ」

「考え方は人それぞれだし、合わないなら関わらないという選択肢もあるだろ?」

魔法世界でも地球人に関わるなと言う人がいるが、この子の考えはそれに近いのかもしれない。

簡単に人を殺すことはやめてもらえるかもしれないが、考え方まで変えるのは難しいのだろう。

「わかったわ。人助けもゴミ掃除も止めない。でも殺すのだけは躊躇ためらってね」

「あぁ。わかった」



初めてトウヤが笑った顔を見せた。

考え方は危険かもしれないけど、人を助けたいという優しい気持ちは本心なのね。






「チッ!」

映像を見ていて胸糞が悪くなったようだ。

「おいリーシャ」

「わかってるよ!」

「わかってねぇよ」

「お前もやめろって言うんだろ」

「何を?」

「地球人を頭ごなしに否定するなって言うんだろ?」

「わかってるならやめろよ」

「やめてるよ」

「やめてねぇよ」

遠くで話している二人の会話を聞くたびにどんどん機嫌が悪くなっているのがわかる。

本心を見せずに飄々ひょうひょうとした感じを見せる地球人に嫌悪感を強く感じているようだ。

隣でよくわかるように嫌がる姿を見て、逆に自分は冷静になれている気がする。



確か劣悪な環境で育ってるってあったな。ここ地球では孤児はかなり蔑む傾向がある。

魔法世界でも孤児はたくさんいるが、ここまで蔑むことはない。

むしろこの扱いは黒のやつらに向けられることが多い。

ここでまともな人間と言われるのは、両親の元で良い学校へ通い良い会社に勤めることらしい。



平和な世界の弊害か頭の中までお花畑でいっぱいなんだな。



ちゃんと環境、向き不向きを考え、それぞれに合った方法で育てれば立派になるんだがな。

それでも黒のやつらのように不穏因子がとりきれないあたりは人間のさがだろう。



「もしかしたら大丈夫かもしれないな」

思わず頭を過ったこと口にしてしまう。

「あぁ?お前もか?」

聞き逃せばいいものをしっかりと聞いてしまったようだ。

「初めにポーラを殺そうとしたあたりはリーシャの言うとおりだと思ったが、
話を聞いてると考え方に問題があるだけで根っこの部分は思いやりがあるように思える。
それにポーラの人を見極める目は信頼できる」

「そうやって騙すのがあいつらの手口だろ!」

「ならお前の意見を納得できるように言ってみろ」

感情的になりやすいリーシャには論理的に説明することは難しかった。

「ま、折り合いや考え方のすり合わせは後でもできる。
後は出した条件、殺さないように勝利する方法を見せるだけだろうな」



敵だから、犯罪者だから、相手をあっさり殺してお終い。

そんなのは賞金首だけで、今回は魔道士同士の力比べだ。

(ちゃんと殺さないで実力を示してくれよ)

今度は口に出さないように思った。

せっかくポーラがいいやつと思って欲しがったんだから、期待を裏切らないでくれよ。
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