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第10章・勇者の胎動
◆ 20・スライ商会を潰せ(中) ◆
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翌日、学園に着くと同時にスライ先輩とライラを拉致した――空き教室にだ。
ライラはともかくスライ先輩はそれなりに抵抗じみた事を口にしたが、妹の事だと言えば黙ってついて来た。
「まず進捗報告をするわ。私の方は、第一王子人間化任務を遂行したって認められて反組織に加入した。更に新たな任務も請け負ったわ」
「やりましたわね、チャーリー!」
ライラが微笑んで手を叩く。
側についているミランダにはあらかじめ、しゃべらないように口止めもしている。
「では次、あたしが報告しますわ。あたしの方も、すでに活動を始めていますの」
「え? そうなの?」
「ええ、指示役の繋ぎが来て、幾つか雑事を片付けました。本当に、組織に関係あるとも思えないような人探しや、荷物の受け取りで……不思議でしたわ」
それは不思議ね……?
「で? ウチの妹はどう関わるんだ?」
適当に言った事をしっかり覚えていたらしいスライ先輩。
「あー……うん、えーっと、言いにくいんだけど……」
「ドロシーに何が?!」
言い淀めば相手は焦ったように身を乗り出す。
「いや、えーっと……、その、スライ商会の実情を探らなきゃって感じでして? いわゆる……下手をしたら命に係わるというか、うん、そういうわけで……まず聞きたいのよ!」
「何をだ?」
「つまり……、資金面とかで? 啓教会に献金とか、いわゆる事業提携的な? そういう……繋がってたりしてない?」
「なんだ、そのザックリした質問は……」
呆れたように言う先輩だが、他に言いようもない。まさか『事業を潰させてください』なんて言えない。
「……俺なりに考えたんだが、前に言ってたろう? 俺の家族が死んだ事で俺は事件を起こす、と。総合して考えても、教団が作ったモンスターに殺されたなら、復讐相手は教団であって学園ではないはずだ」
「……それが?」
「学園に敵がいると思ったから襲撃したとしか思えない。俺の事業に関わる事を調べたいという奴こそ、俺を邪魔に思って何かを起こそうとしてるんじゃないか?」
成程……、逆から考えるわけね。
「つまりスライ先輩と敵対関係になるのは、教団じゃなくて……反組織の方って事?」
確かに、言われてみればその可能性はある。
今までも何かしらキッカケがズレていたり、時期がズレていたりする事はあった。先輩が暴発する日にも時間差があって可笑しな話じゃない。
「モンスター騒動にかこつけて家族を消され、それを知った俺は復讐に動く。それなら少しは納得がいく。さすがに無関係の人間まで巻き込んで……というのは我が事ながら不思議でならないが」
「うーーん、反組織の迷惑になりそうな事に関わってる可能性とか、教団側の利権とかに関わる何かと関係してるって事とか……何か、身に覚えありません?」
先輩は考え込み、ライラは首を傾げた。
「スライ家には関係していない可能性もありますわね? お仕事ですもの、色んな所と提携しているでしょうし、間接的なアプローチなのかもしれませんわ」
「それって、辿りにくい道よね……」
「そうでもありませんわ。スライ家に関わる『誰か』や『何か』が原因だからこそ、調べるように指令が下ったのでしょうから」
その時、ミランダが口を開いた。
「私が、調べます」
ライラはともかくスライ先輩はそれなりに抵抗じみた事を口にしたが、妹の事だと言えば黙ってついて来た。
「まず進捗報告をするわ。私の方は、第一王子人間化任務を遂行したって認められて反組織に加入した。更に新たな任務も請け負ったわ」
「やりましたわね、チャーリー!」
ライラが微笑んで手を叩く。
側についているミランダにはあらかじめ、しゃべらないように口止めもしている。
「では次、あたしが報告しますわ。あたしの方も、すでに活動を始めていますの」
「え? そうなの?」
「ええ、指示役の繋ぎが来て、幾つか雑事を片付けました。本当に、組織に関係あるとも思えないような人探しや、荷物の受け取りで……不思議でしたわ」
それは不思議ね……?
「で? ウチの妹はどう関わるんだ?」
適当に言った事をしっかり覚えていたらしいスライ先輩。
「あー……うん、えーっと、言いにくいんだけど……」
「ドロシーに何が?!」
言い淀めば相手は焦ったように身を乗り出す。
「いや、えーっと……、その、スライ商会の実情を探らなきゃって感じでして? いわゆる……下手をしたら命に係わるというか、うん、そういうわけで……まず聞きたいのよ!」
「何をだ?」
「つまり……、資金面とかで? 啓教会に献金とか、いわゆる事業提携的な? そういう……繋がってたりしてない?」
「なんだ、そのザックリした質問は……」
呆れたように言う先輩だが、他に言いようもない。まさか『事業を潰させてください』なんて言えない。
「……俺なりに考えたんだが、前に言ってたろう? 俺の家族が死んだ事で俺は事件を起こす、と。総合して考えても、教団が作ったモンスターに殺されたなら、復讐相手は教団であって学園ではないはずだ」
「……それが?」
「学園に敵がいると思ったから襲撃したとしか思えない。俺の事業に関わる事を調べたいという奴こそ、俺を邪魔に思って何かを起こそうとしてるんじゃないか?」
成程……、逆から考えるわけね。
「つまりスライ先輩と敵対関係になるのは、教団じゃなくて……反組織の方って事?」
確かに、言われてみればその可能性はある。
今までも何かしらキッカケがズレていたり、時期がズレていたりする事はあった。先輩が暴発する日にも時間差があって可笑しな話じゃない。
「モンスター騒動にかこつけて家族を消され、それを知った俺は復讐に動く。それなら少しは納得がいく。さすがに無関係の人間まで巻き込んで……というのは我が事ながら不思議でならないが」
「うーーん、反組織の迷惑になりそうな事に関わってる可能性とか、教団側の利権とかに関わる何かと関係してるって事とか……何か、身に覚えありません?」
先輩は考え込み、ライラは首を傾げた。
「スライ家には関係していない可能性もありますわね? お仕事ですもの、色んな所と提携しているでしょうし、間接的なアプローチなのかもしれませんわ」
「それって、辿りにくい道よね……」
「そうでもありませんわ。スライ家に関わる『誰か』や『何か』が原因だからこそ、調べるように指令が下ったのでしょうから」
その時、ミランダが口を開いた。
「私が、調べます」
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