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第10章・勇者の胎動
◆ 21・スライ商会を潰せ(後) ◆
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ミランダ……っ、ナイスよっ!!!!
救われた気分だ。
指令は『調べろ』ではなく『潰せ』なのだから、すでにネタは上がっている――私が知らないだけで。
「一両日中に調べます」
「早い、ですわね……」
ライラが驚きの声を上げるも、ミランダは「人外となりましたので」と素知らぬ顔で答える。
「ですが、一つお伺いしてもよろしいでしょうか? スライ様」
「何だ?」
「スライ商会は家族経営との事でしたが、お婆様がいらっしゃいましたよね? その方も関わっていらっしゃるんですか?」
先輩は奇妙な顔をする。
思いもよらない事を聞かれたとばかりに、一瞬呆然とし、聞き返す。
「祖母? 祖母なら俺が子供の頃に死んだって話だが……?」
「……確認された方がいいでしょう」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味です。……お嬢様の指令にはそのように書いておりましたので」
視線が私に集まる。
「え、ええ、そう、そうなのよっ! スライ家の、祖母も、しっかり……調べるようにって……」
「ですね。指令にある以上は、根拠があっての事でしょう」
ミランダが補足するも、先輩はショックを受けたように俯いている。
「……祖母が実は生きてるとでもいうのか?」
本当に知らないのだとしたらスライ先輩の親が隠していた事になる。息子としては思う所も大きいだろう。
ってか、何? スライ家のお家騒動? 一般家庭でもそういうのあるのね……コレは他人事ながら、ちょっと心配になるパターンよね……。
「親父たちが俺に隠した理由……? いや俺たちに……か」
「報告はライラ様伝いでお願い致します、誰の目があるか分かりませんので」
一人思索に耽る先輩に、ミランダが追い打ちをかけた。流石に止めようと思うも、一歩早く、先輩が頷く。
「……分かった」
うわぁ……ほんと、私が反応しづらい状況じゃないの……。
「え……っと、じゃ、ライラは先輩から詳細聞いたら、教えてくれる?」
「分かりましたわ。すぐにチャーリーに報告しますわ」
「よろしく……」
先輩の暴発時期はズレていても、大体はモンスター騒動後だった。
今回受けた指令は、ある意味でその真相に辿り着けるルートかもしれない。先輩が暴発した本当の意味やキッカケを知って、うまく処理してやり過ごせば――スライ先輩による私殺害ルートを潰せたも同然だ。
これはチャンス、なのかな?
一歩間違えば、先輩の暴発で私は死亡するルートでもある。
「先輩、お願いします。どんな些細な事でも良いので、確実に私に伝えてください、絶対にバカにしたり笑ったり、そんな小さな事で連絡してくるなーとか、絶対絶対絶対に! ……言いませんからっ」
祈るように告げれば、彼は微かに表情を緩めた。
「……ありがとう、……お前に気遣ってもらうとはな」
ごめん、気遣いじゃないんだわ!!
生存の為の布石なんだわ!!!!
私はソッと目を逸らした。
救われた気分だ。
指令は『調べろ』ではなく『潰せ』なのだから、すでにネタは上がっている――私が知らないだけで。
「一両日中に調べます」
「早い、ですわね……」
ライラが驚きの声を上げるも、ミランダは「人外となりましたので」と素知らぬ顔で答える。
「ですが、一つお伺いしてもよろしいでしょうか? スライ様」
「何だ?」
「スライ商会は家族経営との事でしたが、お婆様がいらっしゃいましたよね? その方も関わっていらっしゃるんですか?」
先輩は奇妙な顔をする。
思いもよらない事を聞かれたとばかりに、一瞬呆然とし、聞き返す。
「祖母? 祖母なら俺が子供の頃に死んだって話だが……?」
「……確認された方がいいでしょう」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味です。……お嬢様の指令にはそのように書いておりましたので」
視線が私に集まる。
「え、ええ、そう、そうなのよっ! スライ家の、祖母も、しっかり……調べるようにって……」
「ですね。指令にある以上は、根拠があっての事でしょう」
ミランダが補足するも、先輩はショックを受けたように俯いている。
「……祖母が実は生きてるとでもいうのか?」
本当に知らないのだとしたらスライ先輩の親が隠していた事になる。息子としては思う所も大きいだろう。
ってか、何? スライ家のお家騒動? 一般家庭でもそういうのあるのね……コレは他人事ながら、ちょっと心配になるパターンよね……。
「親父たちが俺に隠した理由……? いや俺たちに……か」
「報告はライラ様伝いでお願い致します、誰の目があるか分かりませんので」
一人思索に耽る先輩に、ミランダが追い打ちをかけた。流石に止めようと思うも、一歩早く、先輩が頷く。
「……分かった」
うわぁ……ほんと、私が反応しづらい状況じゃないの……。
「え……っと、じゃ、ライラは先輩から詳細聞いたら、教えてくれる?」
「分かりましたわ。すぐにチャーリーに報告しますわ」
「よろしく……」
先輩の暴発時期はズレていても、大体はモンスター騒動後だった。
今回受けた指令は、ある意味でその真相に辿り着けるルートかもしれない。先輩が暴発した本当の意味やキッカケを知って、うまく処理してやり過ごせば――スライ先輩による私殺害ルートを潰せたも同然だ。
これはチャンス、なのかな?
一歩間違えば、先輩の暴発で私は死亡するルートでもある。
「先輩、お願いします。どんな些細な事でも良いので、確実に私に伝えてください、絶対にバカにしたり笑ったり、そんな小さな事で連絡してくるなーとか、絶対絶対絶対に! ……言いませんからっ」
祈るように告げれば、彼は微かに表情を緩めた。
「……ありがとう、……お前に気遣ってもらうとはな」
ごめん、気遣いじゃないんだわ!!
生存の為の布石なんだわ!!!!
私はソッと目を逸らした。
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