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第10章・勇者の胎動
◆ 22・幸せの掴み方(前) ◆
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ライラからの繋ぎを待つばかりと思っていた私は、何故か朝一で父の部屋にいる。
眠い目をこすりながら、最低限の挨拶を済ませた。
「まずは第三王子との婚約締結ご苦労様。ご褒美をあげたい所だけど、それはいくつかの貸しで帳消しにしておこうか」
「はぁ……お願いします」
「さて、明日はキャメロン殿下が我が家に来るらしい。お前と約束があるとの事だ。しっかり手綱を握っておくれ」
膝枕か!!!!
「はぁ……、分かりました……」
「エイベルを付けるよ」
「エイベルを?」
「年も近いし話相手には打ってつけだろうからね」
お父様の事だから、何か他にもワケがありそうだけど……。
「エイベルを王子の前に出すには、まだ作法とかが……」
「あの王子はそんな事、些細だと思うよ」
父は一蹴して決定してしまう。言われればエイベルは素直に従うだろう。
「それと、……お前は考え違いをしているよ」
「は?」
「オズワルド・スライの祖母の話さ。お前はすでに関係を持っているのに、わざわざ確認を取る必要があったのかい?」
え……? 関係を?
「私が、スライ先輩のお婆様と会った事があるって、言ってるんですか?」
「そうだね」
「いや……私にその覚えはないです。……スライ先輩の家族は妹さんしか会った事ないし……」
「お前は会ってるよ」
父は涼しい顔で断定する。
「会ったろう? 占い師の老婆に……屋根裏部屋だよ」
瞬間、蘇る記憶。
反組織の指導者?!
「え、どういう……こと……?」
反組織の指導者の事業を潰そうとしてる反組織って事になるんだけど?!
「お前の混乱は分かるよ。どんな組織も一枚岩じゃないからねぇ、それに……潰したいのは事業だろう?」
「……どこまで、知ってるの……お父様?」
まさか指令内容まで把握されているなど考えもしなかった。
反組織に入った事、指令の手紙が来た事くらいは掴まれているだろうと予測はしていた。
「お前が思ってるよりは知ってるさ」
「じゃあ、教えてください。どうしてスライ商会を潰したいんですか? 反組織のボスの実家でしょう?」
答えてもらえるとは流石に思っていない。
「何の話だろう」
しらばっくれて……!
「むしろ父様にしてみれば、お前が何を考えて行動しているのか分からないけどねぇ」
「……私は、普通に、……人並みの生活をしたいだけです」
お父様は心底愉快そうに笑った。
「お前は、人並みには余る生活をしているだろうに! 本当に幸せの掴み方が下手なんだねぇ」
わざわざ言われなくても知ってるわ。
「せっかくお前には、良い駒を揃えてあげたのにね」
「それは……エイベルの事?」
「他にも色々だよ」
フローレンスやカエルの事も含めているのだと気づく。もしかしたらミランダも、かもしれない。
「スライ家の問題はいずれ明るみに出るさ。それよりもお前は悪役令嬢らしく魔王の活用法を考えるといいよ」
相変わらず底が見えない人だ。
眠い目をこすりながら、最低限の挨拶を済ませた。
「まずは第三王子との婚約締結ご苦労様。ご褒美をあげたい所だけど、それはいくつかの貸しで帳消しにしておこうか」
「はぁ……お願いします」
「さて、明日はキャメロン殿下が我が家に来るらしい。お前と約束があるとの事だ。しっかり手綱を握っておくれ」
膝枕か!!!!
「はぁ……、分かりました……」
「エイベルを付けるよ」
「エイベルを?」
「年も近いし話相手には打ってつけだろうからね」
お父様の事だから、何か他にもワケがありそうだけど……。
「エイベルを王子の前に出すには、まだ作法とかが……」
「あの王子はそんな事、些細だと思うよ」
父は一蹴して決定してしまう。言われればエイベルは素直に従うだろう。
「それと、……お前は考え違いをしているよ」
「は?」
「オズワルド・スライの祖母の話さ。お前はすでに関係を持っているのに、わざわざ確認を取る必要があったのかい?」
え……? 関係を?
「私が、スライ先輩のお婆様と会った事があるって、言ってるんですか?」
「そうだね」
「いや……私にその覚えはないです。……スライ先輩の家族は妹さんしか会った事ないし……」
「お前は会ってるよ」
父は涼しい顔で断定する。
「会ったろう? 占い師の老婆に……屋根裏部屋だよ」
瞬間、蘇る記憶。
反組織の指導者?!
「え、どういう……こと……?」
反組織の指導者の事業を潰そうとしてる反組織って事になるんだけど?!
「お前の混乱は分かるよ。どんな組織も一枚岩じゃないからねぇ、それに……潰したいのは事業だろう?」
「……どこまで、知ってるの……お父様?」
まさか指令内容まで把握されているなど考えもしなかった。
反組織に入った事、指令の手紙が来た事くらいは掴まれているだろうと予測はしていた。
「お前が思ってるよりは知ってるさ」
「じゃあ、教えてください。どうしてスライ商会を潰したいんですか? 反組織のボスの実家でしょう?」
答えてもらえるとは流石に思っていない。
「何の話だろう」
しらばっくれて……!
「むしろ父様にしてみれば、お前が何を考えて行動しているのか分からないけどねぇ」
「……私は、普通に、……人並みの生活をしたいだけです」
お父様は心底愉快そうに笑った。
「お前は、人並みには余る生活をしているだろうに! 本当に幸せの掴み方が下手なんだねぇ」
わざわざ言われなくても知ってるわ。
「せっかくお前には、良い駒を揃えてあげたのにね」
「それは……エイベルの事?」
「他にも色々だよ」
フローレンスやカエルの事も含めているのだと気づく。もしかしたらミランダも、かもしれない。
「スライ家の問題はいずれ明るみに出るさ。それよりもお前は悪役令嬢らしく魔王の活用法を考えるといいよ」
相変わらず底が見えない人だ。
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