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第31話
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「爆発でもしたみたいだね」
驚き気味にレベンが言う。
「まさか、岩人形を攻撃しているんじゃあ」
「・・・それはかなりやばいね・・・どうしようか?」
「・・・誰かが止めに行くしかないでしょうね」
岩人形が人を基盤に作られている確証はない。
だがそれを確認している暇はないだろう。
早く『審査するもの』を止めないと、この世がなくなってしまう・・・そんなことは絶対にさせない!他でもないあたしが何とかしなければ!使命感の強いあたしはそう考えていた。
「僕がいってくるからマーヘンは大会場に向かってよ」
「えっ?」
レベンがあたしの考えを読んだかのように言ってきた。
「誰だか分からないけど見過ごせないからね」
「いいの?本当に」
レベンもあたしみたいに使命感があるだろう。
そうでなければ、岩人形への攻撃をやめたりしないで片っ端から倒していけばいいのだから。
それはわかっていた。わかっていたのだが、
「わかったわ。あなたに任せて、あたしは会場に向かう」
口からでたのはそんな言葉だった。あたしはなんて自分勝手なのかしら・・・最低ね。
「頼むよ、もし時間があったら僕も駆け付ける」
「じゃあ、あたしは行くわ。またね」
あたしはレベンに一瞥をくれるとすぐに屋根づたいに走っていった。
「たぶんあそこにいるのはあいつだ・・・決着はつけないとね」
かすかに・・・レベンの言葉が聞こえたような気がした・・・
「これはまた・・・どうすればいいのかしら」
思わずあたしがつぶやいたのは、大会場に一番近くの家の屋根であった。
ここから目的地には約300メートル程はある。しかし問題は待ち受けている岩人形の数であった。
「数百体はいるわね・・・」
それこそ人一人入れないくらい岩人形たちが密集しているのだ。
「あれ?あっちから声がする・・・」
あたしが会場を挟んで反対側の異変に気付いたのはどうやって中に入るかを考えていたときであった。
このままここにつっ立っていても始まらないし、行ってみよう。
「どおりゃ」
「ていっ」
「たあ」
「とう」
「やあ」
「せいっ」
などなどの掛け声が様子見に行ったあたしを出迎えた。
男女数十名が岩人形たちと戦いを繰り広げているのだ。
まずいわね、とにかく岩人形たちへの攻撃をやめさせなくちゃ。
「みんな!やめて!そいつらはこの国の人たちなのかもしれないのよ!」
「多少の犠牲は仕方ないわ」
自分の身長程の槍を操っている女性があたしの呼び掛けに答えた。
「早いとこ、やつを倒さなければもっと大勢の人たちが犠牲になってしまうのよ」
「そんなのってないわ!」
思わずあたしは叫んでいた。
驚き気味にレベンが言う。
「まさか、岩人形を攻撃しているんじゃあ」
「・・・それはかなりやばいね・・・どうしようか?」
「・・・誰かが止めに行くしかないでしょうね」
岩人形が人を基盤に作られている確証はない。
だがそれを確認している暇はないだろう。
早く『審査するもの』を止めないと、この世がなくなってしまう・・・そんなことは絶対にさせない!他でもないあたしが何とかしなければ!使命感の強いあたしはそう考えていた。
「僕がいってくるからマーヘンは大会場に向かってよ」
「えっ?」
レベンがあたしの考えを読んだかのように言ってきた。
「誰だか分からないけど見過ごせないからね」
「いいの?本当に」
レベンもあたしみたいに使命感があるだろう。
そうでなければ、岩人形への攻撃をやめたりしないで片っ端から倒していけばいいのだから。
それはわかっていた。わかっていたのだが、
「わかったわ。あなたに任せて、あたしは会場に向かう」
口からでたのはそんな言葉だった。あたしはなんて自分勝手なのかしら・・・最低ね。
「頼むよ、もし時間があったら僕も駆け付ける」
「じゃあ、あたしは行くわ。またね」
あたしはレベンに一瞥をくれるとすぐに屋根づたいに走っていった。
「たぶんあそこにいるのはあいつだ・・・決着はつけないとね」
かすかに・・・レベンの言葉が聞こえたような気がした・・・
「これはまた・・・どうすればいいのかしら」
思わずあたしがつぶやいたのは、大会場に一番近くの家の屋根であった。
ここから目的地には約300メートル程はある。しかし問題は待ち受けている岩人形の数であった。
「数百体はいるわね・・・」
それこそ人一人入れないくらい岩人形たちが密集しているのだ。
「あれ?あっちから声がする・・・」
あたしが会場を挟んで反対側の異変に気付いたのはどうやって中に入るかを考えていたときであった。
このままここにつっ立っていても始まらないし、行ってみよう。
「どおりゃ」
「ていっ」
「たあ」
「とう」
「やあ」
「せいっ」
などなどの掛け声が様子見に行ったあたしを出迎えた。
男女数十名が岩人形たちと戦いを繰り広げているのだ。
まずいわね、とにかく岩人形たちへの攻撃をやめさせなくちゃ。
「みんな!やめて!そいつらはこの国の人たちなのかもしれないのよ!」
「多少の犠牲は仕方ないわ」
自分の身長程の槍を操っている女性があたしの呼び掛けに答えた。
「早いとこ、やつを倒さなければもっと大勢の人たちが犠牲になってしまうのよ」
「そんなのってないわ!」
思わずあたしは叫んでいた。
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