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第32話
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「非情になれないならそこで黙ってみていな」
槍で岩人形たちの攻撃をいなしながら、いってきた。
どうしよう・・・あいつらを傷つけずにやり過ごす手はないかしら。
何体もいる岩人形たちとそいつらと戦っている人たちを傍観しながら思考をめぐらす。戦況は膠着状態だった。
大会に選ばれた人たちでだけあってすさまじい戦闘能力を持っており、岩人形たちの数もハンパではないために両者共に致命傷はおっていない。
しかし、それも時間の問題だった。
あれ?もしかしておしてる?少しずつではあるが彼女らが岩人形たちを退かせていく。
だんだんと大会場の入り口へと近づいているのだ。
妙ね。
あたしは彼女らが優勢になったにもかかわらず、先程の戦闘と内容がかわってないことに訝しさを覚えた。
まるで誘っているような・・・やな予感がするわ。
「よし入り口に着いたぞ!」
「早くあけろ!こいつらをいなすのもきついんだ」
「わかってるよ、今あけ・・・ギャアアアア」
予感が的中してしまった。
入り口を開こうとした男がバリアのようなものに触れて黒焦げになったのだ。
あわてて駆け寄る仲間ち・・・最悪だわ・・・。
ますますいやな予感が高まっていく。
「だめぇぇぇ」
同時だった。
あたしが叫ぶのと駆け寄った仲間たちが黒焦げになったのは。
・・・ブチン。その光景を見て、あたしの中の何かが切れる音がした。
スタッ。
何も考えず、あたしは地面に着地していた。
すかさず近くの岩人形があたしを攻撃してくる。
「!」
岩人形にはわからなかっただろう、自分が何をされたのか。
何体もかかってきたが、そのことごとくを倒していく・・・というか、傷つけずに転ばせていく。
なんだろう、すべての音が消えたみたい。
何も聞こえないわ。
でも、体に力がみなぎってくる。
多方面から攻撃をしてくる岩人形たちの動きが手に取るようにわかる。
あとすこし、なんとか生きていて。
あたしは黒焦げになりながらもなんとか生きていることを願った。
あたしが彼女等のもとに辿り着いたとき、まわりにいた岩人形たちの動きが停止した。
「みんな大丈夫?」
あたしはそのことを気にもとめないで声をかける。
いつのまにか音が戻っていたみたいで自分の声が聞こえた。
「うう・・・」
「ぐぅ」
「な・・・なんとか・・・」
「・・・」
所々から弱々しく返事が聞こえた。
よかった。
なんとか大丈夫みたいね。
でもこのまま放っておくと手遅れになるわ。
「わっ・・・私たちのことはいいから・・・あなただけでも中に・・・入りな・・・さい」
声のしたほうをみると先程槍女が身を起こしていた。
「だけどあなたその傷じゃ・・・」
「だまりなさい!あなたが行かなければみんな死ぬのよ。あたしたちなんて気にするな!」
どこにそんな気力が残っていたのか、あたしの言葉を途中でさえぎり、槍女が目を血走らせてあたしを叱咤する。
そんなこと言われても・・・できるわけない。
「もしあなたが行かないのなら自ら命を断つわ。足手纏いになんかなりたくないからね」
この人本気だ。本気で死ぬ気だ・・・たく・・・仕方ないわね。
「ちょっと何すんのよ」
槍女の声を無視してあたしは自分の愛刀を抜き、呼吸を整える。
「はっ」
掛け声と共に刀を振り下ろした。
ドン!
大量の土煙を生じさせ、はれたあとには巨大な穴ができた。
「よしっ、まあこんなもんでしょ」
刀を鞘に納め、槍女に向かって
「あんたたちこの中で隠れていなさい。それがやならあんたたちを担いで手当てのできるところまで行くわよ」
槍で岩人形たちの攻撃をいなしながら、いってきた。
どうしよう・・・あいつらを傷つけずにやり過ごす手はないかしら。
何体もいる岩人形たちとそいつらと戦っている人たちを傍観しながら思考をめぐらす。戦況は膠着状態だった。
大会に選ばれた人たちでだけあってすさまじい戦闘能力を持っており、岩人形たちの数もハンパではないために両者共に致命傷はおっていない。
しかし、それも時間の問題だった。
あれ?もしかしておしてる?少しずつではあるが彼女らが岩人形たちを退かせていく。
だんだんと大会場の入り口へと近づいているのだ。
妙ね。
あたしは彼女らが優勢になったにもかかわらず、先程の戦闘と内容がかわってないことに訝しさを覚えた。
まるで誘っているような・・・やな予感がするわ。
「よし入り口に着いたぞ!」
「早くあけろ!こいつらをいなすのもきついんだ」
「わかってるよ、今あけ・・・ギャアアアア」
予感が的中してしまった。
入り口を開こうとした男がバリアのようなものに触れて黒焦げになったのだ。
あわてて駆け寄る仲間ち・・・最悪だわ・・・。
ますますいやな予感が高まっていく。
「だめぇぇぇ」
同時だった。
あたしが叫ぶのと駆け寄った仲間たちが黒焦げになったのは。
・・・ブチン。その光景を見て、あたしの中の何かが切れる音がした。
スタッ。
何も考えず、あたしは地面に着地していた。
すかさず近くの岩人形があたしを攻撃してくる。
「!」
岩人形にはわからなかっただろう、自分が何をされたのか。
何体もかかってきたが、そのことごとくを倒していく・・・というか、傷つけずに転ばせていく。
なんだろう、すべての音が消えたみたい。
何も聞こえないわ。
でも、体に力がみなぎってくる。
多方面から攻撃をしてくる岩人形たちの動きが手に取るようにわかる。
あとすこし、なんとか生きていて。
あたしは黒焦げになりながらもなんとか生きていることを願った。
あたしが彼女等のもとに辿り着いたとき、まわりにいた岩人形たちの動きが停止した。
「みんな大丈夫?」
あたしはそのことを気にもとめないで声をかける。
いつのまにか音が戻っていたみたいで自分の声が聞こえた。
「うう・・・」
「ぐぅ」
「な・・・なんとか・・・」
「・・・」
所々から弱々しく返事が聞こえた。
よかった。
なんとか大丈夫みたいね。
でもこのまま放っておくと手遅れになるわ。
「わっ・・・私たちのことはいいから・・・あなただけでも中に・・・入りな・・・さい」
声のしたほうをみると先程槍女が身を起こしていた。
「だけどあなたその傷じゃ・・・」
「だまりなさい!あなたが行かなければみんな死ぬのよ。あたしたちなんて気にするな!」
どこにそんな気力が残っていたのか、あたしの言葉を途中でさえぎり、槍女が目を血走らせてあたしを叱咤する。
そんなこと言われても・・・できるわけない。
「もしあなたが行かないのなら自ら命を断つわ。足手纏いになんかなりたくないからね」
この人本気だ。本気で死ぬ気だ・・・たく・・・仕方ないわね。
「ちょっと何すんのよ」
槍女の声を無視してあたしは自分の愛刀を抜き、呼吸を整える。
「はっ」
掛け声と共に刀を振り下ろした。
ドン!
大量の土煙を生じさせ、はれたあとには巨大な穴ができた。
「よしっ、まあこんなもんでしょ」
刀を鞘に納め、槍女に向かって
「あんたたちこの中で隠れていなさい。それがやならあんたたちを担いで手当てのできるところまで行くわよ」
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