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第33話
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「・・・わかった」
槍女もそれが最善だと判断したようだ。
すんなりと返事をし、なんとか動ける者と協力して動けない者から順にあたしがあけた穴に入っていく。
よし、これでこの人たちはなんとか平気でしょう。
岩人形たちは視界に入る人しか攻撃しないみたいだし。
未だ何故か動かなくなっている岩人形たちを眺めて、そんなことを考える。
さて、中に入ろうかな。
あたしはバリアみたいなものがあるとされる位置から三歩分下がり、刀を抜く。刀を振りかぶり、再び呼吸を整える。
『下手をしたら死ぬ』
その思いが、知らず知らずの内に汗を出させる。
制御しろ、他のことは考えるな力を抜け。
あたしはそう自分に言い聞かせる。
「たぁっ」
渾身の力を込めて振り下ろした!ビリビリと手に激しい振動が感じられる。
くっ、なんて強固なのかしら。刀が振り切れない。
「はああああああっ」
声と共に体中の力を絞り出す。
バチバチバチ!
刀が少しずつ動き、周りに放電が起こる。
体が焦げる匂いがする。
ズンッ!
斬れたぁ。
「ふう。なんとかなったわ」
早く進まなきゃ。
体が少し重かったがバリアを越えて中に入る。
バチィ!
入ったとたんそんな音が聞こえた。
咄嗟に振り返る。
何ともないが・・・まさか・・・あたしはそのことに思いつき、手近にあった石をバリアのあた場所に放ってみる。
バチバチバチィィィン!
・・・何でやな予想ばかり当たるのかしら・・・。
呆然と見やると足元に炭化した石がぷすぷすと悲鳴を上げていた・・・
「あー、何でこんなに長いのよっ!」
あたしは今大会場の中を走りながら愚痴をこぼしていた。
ちなみに刀はいつでも抜けるように左手で鞘ごと持っている。
空間でも歪めているのか、走っても走っても中央にあるリングに辿り着くことができないでいる。
道は間違ってないはずだから、このまま行けば絶対に着くはずなのよね。
うーし、こうなったら全速力で走りぬいてやろう。
きっと、それですべてはうまく行くはずだ。
あたしはだんだんとスピードを上げていく。
ここがあたしの全力だっ!と思ったとき、何の前置きもなく、広い場所に出てきていた・・・。
「へっ・・・何で?」
当然とも言えるあたしの疑問。
答えなど期待してはいなかったが。
「それは君が全力で走ったからだよ」
男とも女とも言える中性的な声が答えた。
あたしははっとして目の前にいる人物に気がついた。
場所は以前世界大会に参加するための講習中に見せてもらったリングだった。
大きなリングを段々と高くなっている観客席が見下ろしている。
あたしの他には誰もいないようだ。
「全力で走ったからって?」
答えてくれる保障はなかったが、一応尋ねる。
目の前に立っている者は・・・性別はわからないが、男なら美男子、女なら美人だろう、整った顔立ちをしている・・・肩をすくめる動作をし
「そうだな、まだ制限時間まで余裕があるから、簡潔に答えてあげよう。私は『審査するもの』として君たち人間を試したってことだ」
「・・・」
あたしはこいつの言ったことをきいて言葉がでなかった。
試したですって、一体何様のつもりよ!・・・でも、そう考えると合点が行くわ。
岩人形のときもバリアのときもあたしたちの何かを試していたのだ。
「じゃあ何故試したりするの?」
まだ時間があるみたいだから疑問をぶつける。
「それが私の使命だからだ」
淡々とした口調、まるで何度も同じことを言ってきたように。
槍女もそれが最善だと判断したようだ。
すんなりと返事をし、なんとか動ける者と協力して動けない者から順にあたしがあけた穴に入っていく。
よし、これでこの人たちはなんとか平気でしょう。
岩人形たちは視界に入る人しか攻撃しないみたいだし。
未だ何故か動かなくなっている岩人形たちを眺めて、そんなことを考える。
さて、中に入ろうかな。
あたしはバリアみたいなものがあるとされる位置から三歩分下がり、刀を抜く。刀を振りかぶり、再び呼吸を整える。
『下手をしたら死ぬ』
その思いが、知らず知らずの内に汗を出させる。
制御しろ、他のことは考えるな力を抜け。
あたしはそう自分に言い聞かせる。
「たぁっ」
渾身の力を込めて振り下ろした!ビリビリと手に激しい振動が感じられる。
くっ、なんて強固なのかしら。刀が振り切れない。
「はああああああっ」
声と共に体中の力を絞り出す。
バチバチバチ!
刀が少しずつ動き、周りに放電が起こる。
体が焦げる匂いがする。
ズンッ!
斬れたぁ。
「ふう。なんとかなったわ」
早く進まなきゃ。
体が少し重かったがバリアを越えて中に入る。
バチィ!
入ったとたんそんな音が聞こえた。
咄嗟に振り返る。
何ともないが・・・まさか・・・あたしはそのことに思いつき、手近にあった石をバリアのあた場所に放ってみる。
バチバチバチィィィン!
・・・何でやな予想ばかり当たるのかしら・・・。
呆然と見やると足元に炭化した石がぷすぷすと悲鳴を上げていた・・・
「あー、何でこんなに長いのよっ!」
あたしは今大会場の中を走りながら愚痴をこぼしていた。
ちなみに刀はいつでも抜けるように左手で鞘ごと持っている。
空間でも歪めているのか、走っても走っても中央にあるリングに辿り着くことができないでいる。
道は間違ってないはずだから、このまま行けば絶対に着くはずなのよね。
うーし、こうなったら全速力で走りぬいてやろう。
きっと、それですべてはうまく行くはずだ。
あたしはだんだんとスピードを上げていく。
ここがあたしの全力だっ!と思ったとき、何の前置きもなく、広い場所に出てきていた・・・。
「へっ・・・何で?」
当然とも言えるあたしの疑問。
答えなど期待してはいなかったが。
「それは君が全力で走ったからだよ」
男とも女とも言える中性的な声が答えた。
あたしははっとして目の前にいる人物に気がついた。
場所は以前世界大会に参加するための講習中に見せてもらったリングだった。
大きなリングを段々と高くなっている観客席が見下ろしている。
あたしの他には誰もいないようだ。
「全力で走ったからって?」
答えてくれる保障はなかったが、一応尋ねる。
目の前に立っている者は・・・性別はわからないが、男なら美男子、女なら美人だろう、整った顔立ちをしている・・・肩をすくめる動作をし
「そうだな、まだ制限時間まで余裕があるから、簡潔に答えてあげよう。私は『審査するもの』として君たち人間を試したってことだ」
「・・・」
あたしはこいつの言ったことをきいて言葉がでなかった。
試したですって、一体何様のつもりよ!・・・でも、そう考えると合点が行くわ。
岩人形のときもバリアのときもあたしたちの何かを試していたのだ。
「じゃあ何故試したりするの?」
まだ時間があるみたいだから疑問をぶつける。
「それが私の使命だからだ」
淡々とした口調、まるで何度も同じことを言ってきたように。
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