他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第146話

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バスター家の応接室に通された私《わたくし》は執事の方から頂いたお茶を飲みながら待機する。

これから不治の病を治すことに挑戦するということでいつになく緊張しております。

このような緊張感はいつ以来でしょうか。

そうですわ。聖女と呼ばれることになったあの日以来です。

私《わたくし》は気を紛らわせるように昔のことを思い出し始めました。

聖女・・・私《わたくし》がそう呼ばれることになったのは今から3年前程のことでした。

小さな頃から魔力量が多いのは知っておりましたが、ある時急に聖女の証である紋様が体に浮き上がったのです。

当時、ただの村人であった私《わたくし》は突然胸に現れた紋様が何なのか分かりませんでしたが特段体に異常があるわけでも無かったため気にしないで過ごしておりました。

ですが、紋様が現れてから数日経過した頃、王都から見るからに身分の高そうな方々がいらっしゃったのです。

自分には関係ないだろうと思い、他の村の人達と同じように頭を下げていたら高位の方々が私《わたくし》の方にやってこられ全員が頭を下げたのです。

「聖女様。お迎えに上がりました」

その時の私《わたくし》は緊張し過ぎで何を言ったのか覚えておりませんが礼儀も分からなかった頃ですので失礼な態度をしてしまったに違いありません。

あの時は本当に驚き、未だ嘗てないくらい緊張しました。

それからはとんとん拍子で私《わたくし》の【聖女】人生が始まりました。

礼儀作法を学び、癒しの魔法を学び、傷ついた人を治す。

そうしてあっという間に3年が過ぎ、ちょうど昨日でした。バスター家の御当主夫妻がいらっしゃったのは。

【聖女】はこの国では貴族に相当するとのことで私《わたくし》の立場としては3大貴族と同等というあり得ない地位におります。

そのため、貴族間の社交パーティにも何度か出席しなくてはならず、その時にバスター家の方々をお見かけしたことも御座いました。

そんなバスター家の方々が昨日、私《わたくし》の職場である教会にいらっしゃり、

「【聖女】様!お願いです。娘を娘を治療してください!!」

貴族としてはあり得ないくらい深く頭を下げ、懇願するようにお願いしていらっしゃいました。

驚きながらも事情をお聞きすると、バスター家の長女であるユーマリア様という方が不治の病である【魔力過大病】にかかってしまい一度でいいから会って欲しいとのことでした。

何でも私《わたくし》が聖女になる前の聖女の方にも一度診て頂いたところ治療の効果が無かったとのことでしたが、いよいよ危篤ということで藁をもすがる思いで私《わたくし》のところまでいらっしゃったということでした。

ここからバスター家のある場所までの距離はそこまで離れていないとは言え、基本的に聖女である私《わたくし》が訪問して治療ということは行いません。

しかも、今回は治る見込みの無いと言われている方のための訪問です。

冷静に考えると断るべきだとは思いましたが、御二人の必死の懇願を見て、私《わたくし》はついて行くことに決めました。

私《わたくし》自身は自覚が余りありませんが歴代最高峰の聖女と呼ばれております。もしかしたら何とかなるかもしれないという思いもありました。
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