他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第177話

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「はい?」

グレイの言葉を聞いたアリシアは、氷の魔法を解除する。

ゴトッ

すると、2mくらいの物体が氷から解かれ、横に倒れる。

「・・・本当に『棺桶』ですわね」

アリシアはグレイの言葉を聞き間違えたかと思ったがそういう訳ではないことが分かり、呆然とする。

「・・・腕輪の力で収納していたこれを解き放ったのですわね。あれの力が印象的過ぎてすっかり忘れておりました」

アリシアは少し時間が経った後、腕輪の力について思い出す。

どうやら余りにも【エリクサー】の印象が強過ぎて腕輪本来の力をすっかりと忘れていたみたいだ。

「うん。そういう事。・・・だよね。こういう使い方をするのは久しぶりだし」

【エリクサー】の事を良く理解してからは【エリクサー】だよりの戦い方をしていたことをグレイ自ら認める。

「氷魔法に襲われた時に、咄嗟に思い出したんだよね」

グレイは左人差し指で頬を掻く。

「素晴らしい判断力ですわ。正直、あそこで私《わたくし》の勝ちが決まったと思いました」

アリシアは素直にグレイを褒める。

「ですが、これは【魔法武闘会】では使えませんわね・・・ルール上は問題無いでしょうが目立ってしまいますから・・・」

「うっ・・・そりゃそうか・・・」

グレイはアリシアの指摘にはっとする。

物体を生み出すような魔法が存在しない中、グレイがそれをしたら目立って仕方が無いだろう。

そうなると、誰かが腕輪にことに気が付いてしまうかもしれない。

そして、腕輪を奪おうとする輩達が溢れてくるに違いない。

グレイもアリシアもその結果は望んでいないため、いくら効果的な手段であろうと使う訳にはいかないだろう。

「次からはお気を付けくださいね」

「はい・・・」

アリシアの忠告に素直にグレイが返事をする。

「それにしても・・・その『棺桶』は一体どこから持って来られたのですか?」

アリシアは聞いて当然の疑問をグレイに投げかける。

「あっ・・・」

グレイはしまったと思った。

(アリシアに棺桶のことって話していたっけか・・・言い忘れていた気がする・・・ええぃ、素直に話そう)

グレイはそう覚悟すると、素直にアリシアに話始める。

「・・・この『棺桶』は俺が拉致された時に閉じ込められていた物だ。腕輪を手に入れた後、何かに使えると思って持って帰って来ていたんだ・・・」

グレイは簡単に説明した後、恐る恐るアリシアを見る。

アリシアは、グレイの言葉に一瞬驚いた後、神妙な顔をして、

「・・・そうですか」

と呟く。

(まさか、棺桶に入れられて拉致されていたなんて・・・)

アリシアは棺桶の話は初めて聞いたためショックを受けていた。

「ごめん。色々あり過ぎて言い忘れていた」

グレイは素直に謝る。

「いいえ。グレイは気にしなくていいですよ。私《わたくし》の所為で本当に申し訳ございませんでした」

アリシアはグレイが目覚めた時の状況を想像して謝る。

さぞや暗くて不安であったに違いない。

「気にしなくていいよ。アリシアが悪いわけじゃないんだからさ」

グレイはそう言ってアリシアに向かって笑い掛けたのであった。
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