178 / 488
第177話
しおりを挟む
「はい?」
グレイの言葉を聞いたアリシアは、氷の魔法を解除する。
ゴトッ
すると、2mくらいの物体が氷から解かれ、横に倒れる。
「・・・本当に『棺桶』ですわね」
アリシアはグレイの言葉を聞き間違えたかと思ったがそういう訳ではないことが分かり、呆然とする。
「・・・腕輪の力で収納していたこれを解き放ったのですわね。あれの力が印象的過ぎてすっかり忘れておりました」
アリシアは少し時間が経った後、腕輪の力について思い出す。
どうやら余りにも【エリクサー】の印象が強過ぎて腕輪本来の力をすっかりと忘れていたみたいだ。
「うん。そういう事。・・・だよね。こういう使い方をするのは久しぶりだし」
【エリクサー】の事を良く理解してからは【エリクサー】だよりの戦い方をしていたことをグレイ自ら認める。
「氷魔法に襲われた時に、咄嗟に思い出したんだよね」
グレイは左人差し指で頬を掻く。
「素晴らしい判断力ですわ。正直、あそこで私《わたくし》の勝ちが決まったと思いました」
アリシアは素直にグレイを褒める。
「ですが、これは【魔法武闘会】では使えませんわね・・・ルール上は問題無いでしょうが目立ってしまいますから・・・」
「うっ・・・そりゃそうか・・・」
グレイはアリシアの指摘にはっとする。
物体を生み出すような魔法が存在しない中、グレイがそれをしたら目立って仕方が無いだろう。
そうなると、誰かが腕輪にことに気が付いてしまうかもしれない。
そして、腕輪を奪おうとする輩達が溢れてくるに違いない。
グレイもアリシアもその結果は望んでいないため、いくら効果的な手段であろうと使う訳にはいかないだろう。
「次からはお気を付けくださいね」
「はい・・・」
アリシアの忠告に素直にグレイが返事をする。
「それにしても・・・その『棺桶』は一体どこから持って来られたのですか?」
アリシアは聞いて当然の疑問をグレイに投げかける。
「あっ・・・」
グレイはしまったと思った。
(アリシアに棺桶のことって話していたっけか・・・言い忘れていた気がする・・・ええぃ、素直に話そう)
グレイはそう覚悟すると、素直にアリシアに話始める。
「・・・この『棺桶』は俺が拉致された時に閉じ込められていた物だ。腕輪を手に入れた後、何かに使えると思って持って帰って来ていたんだ・・・」
グレイは簡単に説明した後、恐る恐るアリシアを見る。
アリシアは、グレイの言葉に一瞬驚いた後、神妙な顔をして、
「・・・そうですか」
と呟く。
(まさか、棺桶に入れられて拉致されていたなんて・・・)
アリシアは棺桶の話は初めて聞いたためショックを受けていた。
「ごめん。色々あり過ぎて言い忘れていた」
グレイは素直に謝る。
「いいえ。グレイは気にしなくていいですよ。私《わたくし》の所為で本当に申し訳ございませんでした」
アリシアはグレイが目覚めた時の状況を想像して謝る。
さぞや暗くて不安であったに違いない。
「気にしなくていいよ。アリシアが悪いわけじゃないんだからさ」
グレイはそう言ってアリシアに向かって笑い掛けたのであった。
グレイの言葉を聞いたアリシアは、氷の魔法を解除する。
ゴトッ
すると、2mくらいの物体が氷から解かれ、横に倒れる。
「・・・本当に『棺桶』ですわね」
アリシアはグレイの言葉を聞き間違えたかと思ったがそういう訳ではないことが分かり、呆然とする。
「・・・腕輪の力で収納していたこれを解き放ったのですわね。あれの力が印象的過ぎてすっかり忘れておりました」
アリシアは少し時間が経った後、腕輪の力について思い出す。
どうやら余りにも【エリクサー】の印象が強過ぎて腕輪本来の力をすっかりと忘れていたみたいだ。
「うん。そういう事。・・・だよね。こういう使い方をするのは久しぶりだし」
【エリクサー】の事を良く理解してからは【エリクサー】だよりの戦い方をしていたことをグレイ自ら認める。
「氷魔法に襲われた時に、咄嗟に思い出したんだよね」
グレイは左人差し指で頬を掻く。
「素晴らしい判断力ですわ。正直、あそこで私《わたくし》の勝ちが決まったと思いました」
アリシアは素直にグレイを褒める。
「ですが、これは【魔法武闘会】では使えませんわね・・・ルール上は問題無いでしょうが目立ってしまいますから・・・」
「うっ・・・そりゃそうか・・・」
グレイはアリシアの指摘にはっとする。
物体を生み出すような魔法が存在しない中、グレイがそれをしたら目立って仕方が無いだろう。
そうなると、誰かが腕輪にことに気が付いてしまうかもしれない。
そして、腕輪を奪おうとする輩達が溢れてくるに違いない。
グレイもアリシアもその結果は望んでいないため、いくら効果的な手段であろうと使う訳にはいかないだろう。
「次からはお気を付けくださいね」
「はい・・・」
アリシアの忠告に素直にグレイが返事をする。
「それにしても・・・その『棺桶』は一体どこから持って来られたのですか?」
アリシアは聞いて当然の疑問をグレイに投げかける。
「あっ・・・」
グレイはしまったと思った。
(アリシアに棺桶のことって話していたっけか・・・言い忘れていた気がする・・・ええぃ、素直に話そう)
グレイはそう覚悟すると、素直にアリシアに話始める。
「・・・この『棺桶』は俺が拉致された時に閉じ込められていた物だ。腕輪を手に入れた後、何かに使えると思って持って帰って来ていたんだ・・・」
グレイは簡単に説明した後、恐る恐るアリシアを見る。
アリシアは、グレイの言葉に一瞬驚いた後、神妙な顔をして、
「・・・そうですか」
と呟く。
(まさか、棺桶に入れられて拉致されていたなんて・・・)
アリシアは棺桶の話は初めて聞いたためショックを受けていた。
「ごめん。色々あり過ぎて言い忘れていた」
グレイは素直に謝る。
「いいえ。グレイは気にしなくていいですよ。私《わたくし》の所為で本当に申し訳ございませんでした」
アリシアはグレイが目覚めた時の状況を想像して謝る。
さぞや暗くて不安であったに違いない。
「気にしなくていいよ。アリシアが悪いわけじゃないんだからさ」
グレイはそう言ってアリシアに向かって笑い掛けたのであった。
163
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる