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第228話
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「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
ユイ、アリシア、グレイ、ナイルの4人は沈黙したまま予選会場に向かって歩いて行く。
(・・・何だこの状況・・・緊張感が増すばかりなんだが・・・)
普通にクラスメイト全員がいる中で前に出て戦うよりも人知れず連れていかれた場所で戦うという状況は緊張感に拍車がかかるのをグレイは感じる。
恐らくユイの狙いもあるのだろう。
【魔法武闘会】に参加する時の緊張感を疑似的に体感させるために敢えてそのような雰囲気を作っている気がする。
ツン・・・ツン・・・
「?」
緊張感を抱えながら歩いているとグレイは左頬に何かが当たる感触を覚えた。
(あ・・・イズの事をすっかり忘れていた・・・)
他の人から認識されないようにしているイズがグレイに対してどう動くべきかを聞いているのだろう。
グレイはイズの事にも気づかなくなるくらいに緊張していることに愕然としながらも頭を切り替える。
今はユイ、ナイル、グレイ、そしてアリシアの順で一列になって歩いているので、後ろを振り返る。
「・・・?」
アリシアがグレイが振り返ったことを気づくと首を傾げる。
グレイは、無言のまま右手で自分の左肩を軽く二回叩き、アリシアに向けて手の平を向ける。
アリシアはグレイのその仕草で言いたいことを理解したのか自分の左肩を右手で触れ、頷く。
グレイはイズを右手に載せるとアリシアの方に向ける。
パササ
イズもグレイやアリシアの意図を察し、ものすごく音を押さえながらアリシアに向かって飛んで行った。
アリシアは自分の左肩にイズが着地したことを感触で確認し、グレイに向かって頷く。
(ほっ、良かった。アリシアが俺の後ろに居なかったらイズのことをどうにもできなかったぜ・・・)
グレイは安堵の息を吐きながらも反省する。
「グレイ・ズーよ。何をしている?」
「「っ!?」」
グレイが安心していると急にユイから話しかけられ、グレイだけでなくアリシアも声を出さずに驚く。
ドクドクドクドクドク
自然と心音が早くなるのを感じながらも前を見るとユイがグレイの方をナイル越しに向きながら後ろ向きに歩いていた。
目線が合わさるユイとグレイ。
「・・・」
喋ると失格になるので、無言のままグレイは首を振り、何もしていないことをアピールする。
「・・・まぁ、良い。何もするなよ」
ユイはグレイの様子から問題無いと判断すると、そう言った後前を向きなおしながら歩みを進める。
(・・・危ない危ない・・・流石にこの状況は想定できなかったとはいえ、早めにイズのことをアリシアにお願いしておけば良かったな・・・)
グレイはほっとしながら、反省する。
「・・・」
ユイとグレイの様子を黙ってみていたアリシアは、
(・・・流石に今のやりとりは驚きましたわ。ユイ先生は後ろにも目があるのでしょうか・・・何はともあれグレイが失格になるようなことが無くて良かったですわ。幸いにも私《わたくし》はグレイの試合が見られる立場になれましたので、表立っては無理ですが精一杯心の中で応援致しますわ!)
グレイの背中に向かって心からエールを送る。
「よし。到着したぞ」
ちょうどアリシアがグレイにエールを送ったタイミングで予選会場に到着することをユイが告げる。
(あれ?)
(あら?)
グレイとアリシアはその場所に見覚えがあった。
それもそのはず、ユイが案内した場所はアリシアとグレイがユイに紹介して貰って使わせてもらっていた訓練室だったのだ。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
ユイ、アリシア、グレイ、ナイルの4人は沈黙したまま予選会場に向かって歩いて行く。
(・・・何だこの状況・・・緊張感が増すばかりなんだが・・・)
普通にクラスメイト全員がいる中で前に出て戦うよりも人知れず連れていかれた場所で戦うという状況は緊張感に拍車がかかるのをグレイは感じる。
恐らくユイの狙いもあるのだろう。
【魔法武闘会】に参加する時の緊張感を疑似的に体感させるために敢えてそのような雰囲気を作っている気がする。
ツン・・・ツン・・・
「?」
緊張感を抱えながら歩いているとグレイは左頬に何かが当たる感触を覚えた。
(あ・・・イズの事をすっかり忘れていた・・・)
他の人から認識されないようにしているイズがグレイに対してどう動くべきかを聞いているのだろう。
グレイはイズの事にも気づかなくなるくらいに緊張していることに愕然としながらも頭を切り替える。
今はユイ、ナイル、グレイ、そしてアリシアの順で一列になって歩いているので、後ろを振り返る。
「・・・?」
アリシアがグレイが振り返ったことを気づくと首を傾げる。
グレイは、無言のまま右手で自分の左肩を軽く二回叩き、アリシアに向けて手の平を向ける。
アリシアはグレイのその仕草で言いたいことを理解したのか自分の左肩を右手で触れ、頷く。
グレイはイズを右手に載せるとアリシアの方に向ける。
パササ
イズもグレイやアリシアの意図を察し、ものすごく音を押さえながらアリシアに向かって飛んで行った。
アリシアは自分の左肩にイズが着地したことを感触で確認し、グレイに向かって頷く。
(ほっ、良かった。アリシアが俺の後ろに居なかったらイズのことをどうにもできなかったぜ・・・)
グレイは安堵の息を吐きながらも反省する。
「グレイ・ズーよ。何をしている?」
「「っ!?」」
グレイが安心していると急にユイから話しかけられ、グレイだけでなくアリシアも声を出さずに驚く。
ドクドクドクドクドク
自然と心音が早くなるのを感じながらも前を見るとユイがグレイの方をナイル越しに向きながら後ろ向きに歩いていた。
目線が合わさるユイとグレイ。
「・・・」
喋ると失格になるので、無言のままグレイは首を振り、何もしていないことをアピールする。
「・・・まぁ、良い。何もするなよ」
ユイはグレイの様子から問題無いと判断すると、そう言った後前を向きなおしながら歩みを進める。
(・・・危ない危ない・・・流石にこの状況は想定できなかったとはいえ、早めにイズのことをアリシアにお願いしておけば良かったな・・・)
グレイはほっとしながら、反省する。
「・・・」
ユイとグレイの様子を黙ってみていたアリシアは、
(・・・流石に今のやりとりは驚きましたわ。ユイ先生は後ろにも目があるのでしょうか・・・何はともあれグレイが失格になるようなことが無くて良かったですわ。幸いにも私《わたくし》はグレイの試合が見られる立場になれましたので、表立っては無理ですが精一杯心の中で応援致しますわ!)
グレイの背中に向かって心からエールを送る。
「よし。到着したぞ」
ちょうどアリシアがグレイにエールを送ったタイミングで予選会場に到着することをユイが告げる。
(あれ?)
(あら?)
グレイとアリシアはその場所に見覚えがあった。
それもそのはず、ユイが案内した場所はアリシアとグレイがユイに紹介して貰って使わせてもらっていた訓練室だったのだ。
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