他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第307話 少し過去の迷宮脱出後の話⑨です

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『よし、その木の所を右だ』

「分かった!」

イズの指示により走っていたグレイは方向転換する。

時間にして数分だろうか、しばらく進むとイズが注意を促す。

『そろそろだ。・・・ここからは、気配を殺していけよ』

「了解」

グレイはイズの言葉に従い、速度を落とし慎重に進み始める。

微かだが、怒号と金属が打ち合う音が段々と聞こえてくる。

(・・・明らかに異常事態が起きているな)

それは、森から外れた開けた場所であった。

どうやら街道のようであるが、その中に十数人の人間が入り混じっていた。

「はっはっはっ!?いい加減観念しやがれ!!」

「そうだそうだ!抵抗を止めれば悪いようにはしねぇぞ」

「男はどうなるか分からねぇがな。少なくとも女は生かしておいてやるぞ」

「くそぉ!皆、もっと固まれ!!絶対にお嬢様は死守するんだ!!」

「はっ!」

「おおおおお!!」

グレイが見た光景は、十数人に数人が襲われている光景であった。

如何にもガラの悪い連中が馬車一台を取り囲むようにしており、馬車を守るようにしている数人が馬車を中心に小さな円を作りかろうじて対応している状況であった。

(参ったな・・・まさにピンチじゃないか・・・)

グレイはどうすべきかを本気で考え始めた。



『我があ奴らを守ろうか?』

グレイがどうするか悩んでいると、イズがグレイの左耳元で小声で呟く。

「!?できるのか?」

グレイも小声でイズに返すと、

『もちろんだ。我が使える少ない魔法の一つに【空間障壁】というものがある。それを行うことで周りの連中は手を出せなくなる。ただ、我が近くによる必要がある』

イズが簡単に説明する。

「わかった。イズはその【空間障壁】とやらを早速やってくれ。ちなみに効果はどの位持つ?」

『ふん。我を見くびるなよ。1日だって維持できるわ』

イズが自信満々に答える。

「頼もしいな。よろしくな。俺はその間に周りの連中を何とかする」

『ああ』

イズは自身の姿を消すと馬車の方に向かって飛んでいく。

(さて、あいつらをどう無効化するかな・・・)

接近戦であの数の連中に勝てるとも思えない。

となると、遠距離からの攻撃が有効だろう。

しかし、魔法も満足に使えないグレイではよくて一人倒すくらいだ。

そんな時、ふとグレイはある物と見つけた。

(あれは使えるな)

グレイはにやりと笑うとすぐさま、見つけた物に向かって走り出した。
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