他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第366話

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「ぐぅ!!」

(一体何だ?)

超集中とも呼べる中でマドッグは即座に自分の体に起きたことを確認する。

いや、確認してしまう。

そして、直ぐに理解する。

(これは、俺の短剣)

マドッグは着地した反動で露になった短剣を見て即座に以前グレイと戦った時に持ち帰られた自分の短剣であることに気が付く。

(そうか・・・剣が少ない場所に俺は誘われたのか)

ここに来てマドッグはようやくグレイが剣山にプラスして踏ん張りがきかないように砂も出現させていることに気が付く。

(砂に着地すれば中に隠していた短剣も露になるというおまけ付きかよ・・・更に俺の短剣ということは)

「ぐふぅ」

体感時間が遅くなったことにより、本来はすぐに効果が表れる毒が時間差でマドッグを襲い苦悶の声を上げる。

マドッグは猛毒に対しての耐性があるため死ぬことは無い。

だが、僅かの間体の動きを止めるのには充分であった。

「・・・くそ」

マドッグは自分に向かってくるグレイを見て吐き捨てるように呟く。

そして、ここに来てようやくグレイがマドッグに辿り着いた。

「これで終わりだぁぁぁぁ!!」

ドォン!

グレイが放った右拳がマドッグの顔面に炸裂する。

そして、間隔を置かずすぐにリングが地面に激突した。

ドゴォォォォォォォォン!!

尋常ではない振動と音、そしてあり得ない位の土煙が会場中に舞い上がった。



「グレイィィィィィッ!!!」

リングに押しつぶされたとしか思えないグレイに向かって思わずアリシアが周りにいる人を気にせずに心の底から叫ぶ。

『あぁぁぁぁぁぁっ!!』

余りの出来事に動揺したイズも姿を隠していることも忘れて叫ぶ。

貴賓席にいる他の人間は今目の前で起きた事が信じられず唖然とただただ土煙を見つめる。

ダッ

そんな中で誰よりも早く動いたのはアリシアであった。

「イズさん!!お願いしますっ!!」

全身を強化して疾風の如く移動しながらアリシアがイズにお願いをする。

『あぁっ!!』

アリシアの意図を理解したイズが結界を破壊する。

アリシアは貴賓席にいる人々への説明もしないまま、そこから飛び出しリングに向かって大きく跳躍した。

「グレイッ!グレイッ!!どこですか!!返事をして下さい!!!」

土煙が目に入ることを気にする余裕も無く、必死でグレイの姿を探すアリシア。

『どこだどこだどこだっ!!』

アリシアとは違い、グレイの魔力量は少ないためイズも探すには目視に頼るしかない。

イズもアリシア同様血眼になってグレイの姿を探し続けた。
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