他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第371話

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『そろそろ良いかグレイ?』

チョンチョンと軽くグレイの頭をつつきながらイズが声をかける。

「・・・ああ、もちろんだ」

アリシアの笑顔に見惚れていたグレイは我に返る。

「ふふふ、少ししか経っていないというのに久しぶりのやり取りに感じてしまいますわね」

グレイの様子に嬉しく思いながら、アリシアが笑みを深める。

「確かに久しぶりな感じがするね」

グレイは一度アリシアの意見に同意した後、

「それで、イズはどうしたんだ?」

声をかけてきたイズに尋ねる。

『今更な感じもするがグレイはあまり目立ちたくないのだろう?そろそろ土煙も完全に晴れる。色々と準備をした方が良いのではないか?』

イズは周囲の様子を見ながらグレイにそう進言をする。

「あっ、そうだな」

グレイも周りを見てからイズの言いたいことをすぐに悟るとまずは腕輪の力で出現させた岩を【格納】し始める。

「グレイ。これも不味いですわ」

「確かに・・・ありがとうアリシア」

岩を無くしひと息ついているとアリシアが地面を指差しながらグレイに話し掛ける。

それは、先程マドッグの治療の時に回収しきれなかった地面から生えた剣山であった。

グレイはアリシアの言葉を聞き、そこにしゃがみ込むと手を切らないように注意しながら一つずつ回収していく。

(・・・なるほど、マドッグのあの怪我があったと思われる状況はこれに刺し貫かれたのですわね)

現時点で整えるべき点が無いことを確認したアリシアはグレイが剣山を回収している状況を見て納得する。

足場のリングの消失、空中で受ける攻撃、落下地点には剣山。

更には追い討ちをかけるような圧倒的重量を持ったリングによる追撃。

グレイの持つ腕輪の能力・・・もはやグレイの能力と言っても良いだろう・・・を知らない相手であればあるほど混乱も深まり対処の仕様も無いに違いない。

(・・・しかも、無尽蔵とも言うべき【エリクサー】による超回復まであるのですから対戦相手からするとこれほどやりづらい相手もいないでしょうね。本当にグレイが味方で良かったですわ)

アリシアはグレイと出会えた幸運を別の点からも噛みしめていた。

(私《わたくし》としてはグレイという人物に出会えただけでも十二分に幸せですけどね)

とそこまで考えた時にハッとすると、顔を真っ赤にさせ首をブンブン振る。

(わ、私《わたくし》ったら気が緩み過ぎたみたいですわ・・・恐らく、これからも大変ですから気を引き締めませんと・・・)

(・・・あの娘は一人で何をしているのだ?)

イズはグレイの見えない位置で一人でコロコロと表情を変えているアリシアの様子を見て不思議そうに内心で呟いたのであった。
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