他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第442話

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アリシアは魔狼達の群れから遠ざかるのを馬車の窓から見ていた。

「グレイ・・・」

アリシアは心配そうにグレイの名を呼ぶ。

「・・・大丈夫だよ、アリシア。グレイ君を信じよう」

「御父様・・・」

アリシアは声を掛けてきたゾルムの方に目を向ける。

ゾルムは椅子に座り、祈るように手を組んでいた。

その様子は先ほどの言葉とは裏腹に心配で堪らないといった様子である。

「・・・そう、ですわね。グレイならきっと大丈夫ですわ」

アリシアはゾルムの言葉に同意するように返事をすると再度馬車の窓から後方に目を向ける。

既にアリシアの目にはグレイの姿は見えなくなっていた。

(グレイならきっと大丈夫。今までだって絶望的な状況でも乗り切ってきたのですから・・・)

アリシアもゾルムと同じように手を組むと、祈るように目を閉じた。



(・・・前回遭遇した時よりも段違いのプレッシャーだな)

グレイは背中に冷や汗が流れ続けているのを感じながらも動揺を悟られないように超魔狼に向かって軽く声を掛ける。

「よう。久しぶりだな」

グゥゥゥゥ

グレイの言葉に唸り声を上げる超魔狼。

「その目の復讐に来たんだろ?余程、俺の事を恨んでいたんだな。勝手な印象だが、お前は群れたりしないと思っていたぞ」

グレイは周りの特魔狼を見ながら呟く。

ザッ

グレイの言葉を聞いた超魔狼は一歩グレイに近づく。

(来るか?)

グレイは攻撃に備えて臨戦態勢に入る。

が、

ウゥゥゥ

超魔狼はすぐにグレイに対して襲い掛かることはなく、唸り声を上げる。

すると、周りにいた特魔狼達が一斉に森に向かって立ち去って行く。

「・・・そうか、俺が逃げないなら取り巻きは不要って訳か・・・」

グレイは超魔狼の意図を理解すると不敵に笑う。

それはほとんど虚勢であった。

(前回は俺をなめていたからこそ食らいつけたが今回はそうはいかないだろうな)

『グレイ・・・補助は必要か?』

グレイと超魔狼のやり取りをじっと見ていたイズが身構えているグレイに向かって声を掛ける。

「・・・いや、あいつは俺との1対1の戦いを望んでいるようだ。悪いが巻き添えを食らわないように離れていてくれ」

グレイはイズの言葉にそのように返す。

もし、大勢との戦闘になるならイズの力も借りる気であったが、向こうが1対1の戦いを望むなら話は別であった。

『・・・分かった。だが、いざとなったら割って入るからな』

「分かった」

イズはそう言うとグレイからそっと離れていった。
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