他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第462話

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『ああ・・・』

グレイが離れたことで残念そうな顔をするレイ。

「ふぅ・・・」

グレイはレイの様子は見ないように息を深く吐く。

(あぶないあぶない。気をつけないな)

レイの事を使い魔だと一目で見て分かる者は皆無だろう。

明らかに髪の色も容姿も違うのだ。

うっかり今みたいなことをしていたら捕まるに違いない。

「イズのさっきの質問だが・・・アリシアに対して普通に説明すればいいんじゃないか?」

グレイがイズに向かってそう告げる。

『ゾルム殿やサリア殿もいるが問題無いか?』

「うっ・・・」

グレイが言葉を詰まらせ、改めて考える。

「・・・大丈夫だろう。当事者たちに今回の件を誤魔化す気にもなれないしな」

『分かった。グレイがそう判断したなら我からは何も言うまい』

イズもグレイに考えを強制したかったわけでは無いようだ。

予め、どう説明するかを確認しておきたかっただけなのだろう。

グレイはイズに礼を言うと、未だ呆けているレイに声を掛ける。

「レイ・・・また走るぞ」

『っ!?了解だ!』

グレイの言葉に現実に戻って来たレイが返事をしたのを聞き、グレイは再度走り始める。

(・・・まぁ、色々厄介なことになるかもしれないが、無事生き延びれてよかった。ひとまずはそれを喜ぼう)

グレイは無性にアリシアに会いたくなった。



時は少し遡る。

グレイに後を託し、進んだ馬車は狼たちの囲みを突破してから速度を上げて進んでいた。

「御父様。そろそろよろしいのではないでしょうか?」

アリシアがゾルムに向かって声を掛ける。

(もう既に充分な距離が確保出来ておりますわ。この辺りは見晴らしも良いですし、グレイを待つのに良い場所ですわ)

「・・・そうだな」

ゾルムはアリシアの言いたいことを瞬時に理解すると、御者のサリアに馬車を止めて貰う。

「アリシア。サリアに馬に乗って貰って応援を呼んで来てもらうが良いか?」

ゾルムはアリシアにそう尋ねる。

機動力を上げるために馬車を切り離し、馬だけで応援を呼ぶ。

それは正しい判断である。

通常であればゾルムがアリシアに相談する内容では無かっただろう。

それでも聞いているのは、ゾルム自身がグレイの強さを把握しきれていないと感じているからに他ならなかった。

「御父様。不要ですわ」

アリシアははっきりとそう答える。

「・・・そうか。なら、グレイ君の無事を祈ってここで待機しておこう」

ゾルムはアリシアの手がわずかに震えているのを見逃さなかった。

だが、その事には触れずにアリシアの意を汲む。

(もし、サリアだけ応援を呼びに行ったとしても既に間に合うまい。アリシアもその事を理解している。その上でグレイ君を信じることにすると思ったのだろうな)

アリシアは目線を馬車の窓に向け、後方をじっと見つめる。

(グレイ。今回も大丈夫ですわよね)

今までのことを思い出しながら、今回も無事に帰ってくるのだと心の底から願うのであった。
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