他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第464話

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「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

アリシアはペース配分など全く考えていないかのように全力で走る。

(速く・・・もっと速く・・・)

アリシアはただただ速く移動することだけを考え、ひたすらに走る。

当然ながら、魔力による身体強化もした状態でだ。

サリアと話していた時、アリシアは自分が知覚出来る最大距離の魔力反応を探っていた。

その範囲に、反応する魔力があったのだ。

(私《わたくし》が知覚した魔力・・・魔力量で言えばグレイの魔力量とは違いました)

アリシアの魔力感知は、人や魔物が持つ魔力の量を感知することしかできない。

(イズさんの話では熟達することで魔力の量だけでなく質も把握出来るようになり、個人を特定することも可能とのことでしたが私《わたくし》にはまだそこまでのことはできません・・・ですが、)

アリシアが知覚した魔力の量はグレイよりも大きな魔力量であった。

(この魔力はグレイに違いありませんわ)

だが、アリシアにはこの魔力の持ち主がグレイだと直感的に理解したのだ。

その確信があったため、アリシアは全力疾走を開始した。

全力疾走の理由の一つとしては、グレイと思われる人物がアリシアが知覚できる範囲に来た途端に移動を止めていたこともあったからだ。

(グレイ!)

もしかしたら、何かトラブルがあったのかも知れない。

(早く、行かなければ・・・)

冷静に考えればグレイが移動したということはあの『超魔狼』から倒したりなんなりしたということなのは分かろうものであった。

だが、グレイの身を心配し過ぎていたアリシアにとってはその辺りの考えがすっぽり抜け落ちていた。

ただただ一刻も早く駆けつける。

そのこと以外考えられなかったのだ。

全力疾走を続け、さらに進んだ時、アリシアはふと理解する。

(・・・そうですわ。もしかしたらグレイが私《わたくし》を助けに駆けつけて来てくださった時も同じ気持ちだったのかもしれませんわ)

初めて助けて貰った森の中。

そして、次に助けて貰った天幕の中。

さらに、つい先日の闘技場。

グレイは何度もアリシアを助けるために駆けつけてくれた。

アリシアは過去の出来事を振り返り、決心する。

(私《わたくし》もグレイを助けたい。・・・もう二度とグレイ一人に任せることはしたくないですわ)

それは悲しみからくるものかそれとも悔しさから来るものか。

アリシアは目に涙を溜めながらも全力疾走を続けたのであった。
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